感情タグBEST3
Posted by ブクログ 2019年02月24日
フランスのフォンテーヌブローに移住した著者が各章日々の生活から、フランスの社会、政治、歴史にまで掘り下げるのは読みやすく、「プロの外国滞在記」で面白い。
特に最終章のイラクで拘束されたジャーナリストの帰還で、同様の事件の日本の対応は興味深かった。
フランスの魅力はグローバルとローカル、古いものと新...続きを読むしいものが両立しているところにあるんだろうな、と思った。
2019.2.23
Posted by ブクログ 2012年03月02日
池澤さんのことばを借りると、「カジュアルなファシズム」。今の日本の国民の思想や思考のあり方を形容するのに、これほど的確な表現は無いだろう。
2000年代に起きた様々な国際問題を、近代以降の歴史の延長に見ると同時に、この時期自身が移住したフランス、フォンテーヌブローを中心としたフランスの現代社会事情...続きを読むと日本のそれとを対比させる。こうした比較を踏まえた上で、私たちの身の回りに立ち返ると、この国を今なお蝕んでいる、抗いがたい負のエネルギーの本質が見えてくる。
Posted by ブクログ 2010年01月20日
池澤夏樹のエッセイはスラスラ読めてしまう。でも、ところどころ引っ掛かる言葉や人名、場所があって、その都度メモしたりgoogleで調べたりすることになる。読書という個人的な体験に、自分なりの意味を与えるとしたら、それは間違いなくそんな「引っ掛かり」に出会うことだと考えている。その点、池澤夏樹のエッセイ...続きを読むは自分にとって「いい」本だ。
近年、彼の関心は9.11以降の情勢に向けられています。そのため、この本は著者が沖縄からフランスに移住してから1年程の間の出来事を綴ったエッセーなのですが、そこでの生活に垣間見える出来事や国民性などの向こうに、9.11以降の世界について書かれた文章が多く含まれており、彼の国と我が国の国民性の違い等々、考えさせられます。
もちろんそれ以外の多くの部分では、パリ郊外フォンテーヌブローでの暮らしや出来事が、ある種の落ち着きをもって描かれていて(浮かれた感じがしないという意味で)、落ち着いて読めました。良質なエッセイ。
Posted by ブクログ 2009年10月17日
池澤さんがフランスへの移住で感じたことを知りたくて。
あらゆる国が地続きの大陸に住むということが
どのようなことなのか。考えてあれこれ心動きました。
ヨーロッパの古い町並みで、駐車事情はどうなっているのか
前々から疑問でしたが、まさかそんなに苦労が多いとは。
アスパラガスを食べてみたくなりました。
Posted by ブクログ 2011年11月06日
著者である池上夏樹氏がフランスでの生活を綴ったエッセイ。
食事や教育・・・駐車事情まで、実際に現地ですごし体験した著者だからこそ感じる日本との文化的差異が読者にも理解でき勉強になる。
しかし、池上氏のルポはどうも説明口調な部分が多く、ハワイイ紀行でもそうだったが、もう少し現地の風というか雰囲気を...続きを読む感じさせてくれたらなと個人的に思う。
知識としてはおもしろいんだろうけど、ルポルタージュの醍醐味である追体験が感じられないのが残念だ。
Posted by ブクログ 2011年06月19日
著者がフランスに移住した時のエッセイ。
フランスに住んで見ると、日々の生活が新鮮な感じで日本文化との違いや比較も可能になるらしい。断片的なエッセイを繋がりのある3つのテーマでまとめてあり、著者の薀蓄が面白い。
高校生が大学入学資格試験バカロレアの変更に反対デモを起こす風景は、日本では有り得ない光景に...続きを読む見えたようである。
著者が綴る街の風景、フランスの隣人達のものの考え方を読むと、フランスは哲学の国としてのプライドが感じられる。