池澤夏樹のレビュー一覧

  • ぜんぶ本の話

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    池澤春菜さんのお名前は「本の雑誌」でお見掛けしていたけど、似た名前の方だなと長いこと思っていた。池上冬樹さんという書評の方もいらしたから、池のつく姓と春夏秋冬の名は語呂が良いんだなぐらいに思っていた。

    父君の夏樹氏の書評は昔、良く読んだ。お嬢さんもかなりの読書家らしいので、小川洋子さん・平松洋子さんの「洋子さんの本棚」に似た感じかなと思って読む。

    「岩波ようねんぶんこ」、知らなかった。「ムギと王さま」の挿絵が冒頭にある。積み上げた本の前で、本にのめり込んでる女の娘が春菜さんそのままだったんだろうな。冒険モノが多いのと、ナンセンスものが好きだったという。羨ましい。僕ももっとそういう読書したか

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    2021年02月09日
  • ぜんぶ本の話

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    本の話というタイトルが微妙.ミステリー,SF,児童文学とジャンルが絞られその中で本についてさらっと述べられているがその本を読んでいる人にとっては面白いのかもしれないが,未読の場合はよくわからずしかもこういう場合読みたくなってメモを取ったりすることも多いのだけど,そんな気も起こらなかった.(私こんなに読んでるのよ!という自慢だらけのようだった)親子の対談というのはよくないのかなぁ.本当は☆2だけど,福永武彦のファンなので,池澤夏樹さんが父親の思い出に触れているところが良かったので☆3.

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    2020年09月12日
  • 近現代詩歌

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    日本の現代詩のだいたいのところを読んでみようと思って、これが手っ取り早いかなと思って読んでみた。
    明治から平成までの詩を池澤夏樹、短歌を穂村弘、俳句を小澤實という人たちがそれぞれ選んでいる。
    短歌と俳句は関心がないのでナナメ読み。

    詩は島崎藤村から入沢康夫まで41人。
    一人につき1つか2の詩。

    金子光晴と中野重治しか印象に残らなかった。

    現代詩は、田村隆一、谷川雁、大岡信、荒川洋治、谷川俊太郎 とか、名前を聞いたことがある人たちの詩をたぶんはじめて読んだけれども、よくわからなかった。

    といってあわてる必要もない。
    そのうちわかるようになるかも。

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    2020年07月12日
  • ぜんぶ本の話

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    『フィクションを書くには、心理的にある一線を飛び越えなきゃいけないんだ。世の中には「嘘をついてはいけない」という倫理があるけど、フィクションってそもそも嘘だからね。(中略)言ってみれば万引きと同じ……というと語弊があるけど(笑)。最初は勇気が要る。でも、だんだん上手になるにつれて、大きなものが盗めるようになる。その一線は越えなきゃいけない。中途半端に事実に近いところだけ書いていても、結局半端なものにしかならない。』

    これは小説を書こうか悩んでいるという春菜にした夏樹のアドバイス。だから、僕は池澤夏樹の本が好きなんだと思う。
    じめじめとして、他人と自分に、つまり、人間に興味津々な日本の作風から

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    2020年07月11日
  • カイマナヒラの家

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    これまでにも南の島での暮らしをテーマにした小説を執筆してきた池澤夏樹と、海の写真を多く撮影してきた芝田満之の作品です。

    「カイマナヒラ」とは、ハワイのダイヤモンド・ヘッドのことで、そのふもとにある一軒の巨大な家の管理をしているロビンやジェニーといった人びとと、一人の日本人の交流をえがいた連作短編となっています。

    ゆっくりと流れる時間と、人びととの心温まる交流といった南の島での暮らしに癒しを感じることのできる作品です。もちろん、こうした幻想をいだいてしまうことに対する自省的なまなざしをもつ読者もいるでしょうが、そうした自家中毒的な内省のループに陥るのではなく、物語のもつ力に自分自身をゆだねて

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    2020年05月11日
  • すばらしい新世界

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    風力発電の開発に従事している天野林太郎が、小型の風力発電装置を開発し途上国で売り込むために、ネパールのナムリンという村を訪れます。彼は、現地で献身的に支援をおこなってきた工藤隆や、チベットの行く末を案じるブチュンといった人びとに出会い、さらに彼の帰りを待つ妻のアユミと小学生の息子の森介、会社の上司であり林太郎をサポートしてくれる浜崎課長らに支えられながら、文明と環境、あるいは宗教と国家などの問題について考えさせられることになります。

    著者自身の思想的な関心が前面に押し出されており、物語そのもののおもしろさにどっぷり身を浸すといったたのしみかたのできる作品とは、すこしちがった印象です。魅力的な

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    2020年05月11日
  • 科学する心

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    文学的な趣のある科学エッセイ集。
    研究者としての昭和天皇について、進化と絶滅、原子力、パタゴニア紀行など、テーマは雑多と言っていいほど多岐にわたる。
    何というか、科学的な心をもって世の中を見渡すと、いろいろと見通しがよくなるということが分かる感じ。自分も割と普段から意識している。
    面白いのだが、あまり深堀りはしていない。その分、ものすごく気軽に読めるところはいいと思う。

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    2020年04月14日
  • 南の島のティオ

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    池澤さんの文章は、伸びやかであたたかくてほっとする。
    島でホテルを営む父の手伝いをして日々を暮らしているティオ。
    ティオの視点で描かれる短編集。

    全編とも読みやすく後味が良いストーリーばかりが集められています。
    ハワイや沖縄やバリなど、島で信じられている神様の存在をティオの体験を通して描かれていて面白い。

    島の人々、島へ訪れた人々、様々な人々との交流の中で暮らしているティオ。人々との人間的な交流がとても好感が持てた。
    ホテルを経営しているティオのお父さんの人物像が素敵!

    1話目のハガキカメラマンのお話が良いなぁ。

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    2020年03月13日
  • 近現代作家集 II

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    戦中戦後当たりの大御所たちの短編集
    里見淳
    安岡章太郎
    坂口安吾
    太宰治
    井上ひさし
    井伏鱒二
    吉行淳之介
    小林秀雄
    安部公房
    川端康成
    三島由紀夫

    井上ひさしの「父と暮らせば」三島由紀夫の「孔雀」
    が気に入ったかと

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    2019年08月02日
  • 近現代作家集 I

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    このシリーズの本も、この近現代作家集の3巻と
    源氏物語3巻のみ。
    近現代作家ということで、読みやすく読めました。
    文書や文字がてんこ盛りの文体でも、さらっと
    読めていくのは、名作であるのだろうと思いました。

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    2019年06月21日
  • 真昼のプリニウス

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    生きる、という感覚と他者
    生の実感を持てないものは
    持つものに憧れる
    それを愛だ恋だと錯覚する

    物語ることへの疑問
    消費社会への根本的な嫌悪感と
    人間の生のように熱い火山たち
    そして恋人
    欠けていたピースが徐々に揃う

    結末は書いてないけれど。

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    2019年04月21日
  • すばらしい新世界

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    環境問題、宗教など結構重い問いを主人公の林太郎とその家族がチベット文化のある小国に風車を立てに行くことで、進めていくのだけど…全体的に言うこと分かる、反対ではない、でもなぜかその家族のキャラクターに最後まで親近感湧かず残念な気持ち。

    2019.3.24

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    2019年03月24日
  • 古事記

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    池澤夏樹による古事記の現代訳。これでもかなり読みやすくなっているのだろう。
    神々の時代の上巻、初代神武天皇からヤマトタケルの冒険を記した中巻、仁徳天皇から推古天皇までの下巻。古事記に通じるのが、敗者への共感というのはなるほどと思った。しっかし名前長いね、日本の神様。ひたすら神名人名リストが続くし。

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    2019年02月07日
  • 堀田善衞を読む 世界を知り抜くための羅針盤

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     堀田善衛という人は「インドで考えたこと」ぐらいしか知らなかった。「広場の孤独」「方丈記私記」「ゴヤ」「定家明月記私抄」「めぐりあいし人びと」など、脱走米兵を匿うベ平連の活動、南京虐殺事件への関心、ゴヤへの関心も反戦から…。ゴヤが描いた死が迫っていることへの恐怖に怯える眼をした犬の絵に関する解説は驚き。堀田がゴヤに惹き込まれていった原因はそこにあるという。「何万人ではない、一人ひとりが死んだのだ。この二つの数え方のあいだには、戦争と平和ほどの差がある。」との南京事件を取り上げた「時間」の文章も凄い!宮崎駿が映画にしたかった作品!堀田氏のキリスト教嫌いが想像できる一方で、「伝道者の書」の引用がた

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    2018年11月17日
  • すばらしい新世界

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    ネタバレ

    きれいなお話

    物質文明よりも精神的な豊かさへの憧れ、でもそれは物質的に豊かな生活をしているからこそ思えること? 本当にそれを捨てられるのか? 林太郎はそれはできないだろうと考えた。

    大きな風車ではなく小さな風車 シンクグローバル、アクトローカル
    援助することの本当の意味、本当の役割

    林太郎とアユミの幸せで信頼のあるラブラブ関係(笑)。


    ネパールか、一度行ってみたい

    森介の冒険はまあいいとして、そのあとの埋蔵経を運ぶ旅はちょっと蛇足? それほどのエピソードもなく、ダライ・ラマに会ったことでなにかが起きたわけでもなく。

    プロジェクトは順調にスタートを切り、帰国した父子を待ち構えたアユ

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    2018年12月03日
  • 南の島のティオ

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    太陽、海、伝説、魔法、ホテル、島の暮らし、子供たち、大人たち、笑顔。童話チックなファンタジー。でも本当の意味での子供向けというよりはやっぱり大人向けの作品だと思う。南の島の生活が楽しそう。まさにスローライフでちょっと憧れる。一番最初の、受け取った人が必ず行ってみたくなる絵ハガキのストーリーが一番よかった。

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    2018年10月15日
  • 近現代詩歌

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    近現代の詩・短歌・俳句の選集
    詩は、何編か気になって心に残るものがありました。
    短歌と俳句は難しくて、読み飛ばしてしまいました。
    短歌・俳句はどうも合わない気がします。

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    2018年09月23日
  • 詩のなぐさめ

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    池澤夏樹さんということで読んでみたが、
    今の僕には手に負えない世界があった、
    というのが素直な感想。

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    2018年06月09日
  • 知の仕事術(インターナショナル新書)

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    ノウハウ本としては見習おうと思ったところはないのだけど、仕事に関するエッセイと考えれば、読み物としては面白い。

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    2018年03月31日
  • 近現代作家集 II

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    ネタバレ

    井上ひさし「父と暮らせば」に心惹かれました。太宰と三島はやはり肌に合いません。吉行淳之介「鳥獣虫魚」はまだまだ青臭さが感じられました。上野英信を初めて知りました。少し読んでみたいと想いました。

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    2017年09月16日