池澤夏樹のレビュー一覧

  • 古事記

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    上巻の国生みから中巻の途中まではとてもスペクタクルで楽しかった。歴代天皇の話になってからは苦痛だった。しかし、今までなんとなくしか知らなかった話をなぞることが出来て有意義だった。

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    2015年02月22日
  • 静かな大地

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    宗形三郎=原條新次郎のモデル
    宗形志郎=原條迀のモデル
    フィクションだが、なるべく史実に基づいて書かれたお話し
    原條迀は作者(池澤夏樹)の曽祖父(母の母の父)

    北海道開拓の苦渋
    アイヌの悲哀
    和人の葛藤と裏切り
    ※『北の零年』の稲田家だ!

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    2014年12月25日
  • 文明の渚

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    テクノファシズムは破壊や格差の助長を許す。
    テクノポピュリズムでは問題は解決できない。
    社会がマイノリティのもではないことに加え、
    マジョリティそのものでも正義とはならない。
    われわれが立つ、この瀬戸際で問われるもの。
    それは未来への過去と現在を集約できるもの。
    つまり「明白」なビジョンではないだろうか。
    理屈や理論が先にあっても原発は片付かない。
    パラダイムの転換とともに文明の紡ぎ直しへ。
    過去の被爆と3.11との関連性と歴史の解釈を、
    いまこそこの渚で、われわれ自身で行うこと。
    それがマニフェスト(明白)に、未来になる。

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    2014年12月16日
  • 氷山の南

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    海洋冒険小説!主人公はプロジェクトの目撃者となり世界各国のそして各学問のスペシャリストと交流をはかる。解説にもあるように、日本人作家が日本語で書いてる小説にもかかわらず、海外小説の翻訳のような、日本語を喋ってるように思えない独特のリズムが面白い。自分はどこへ向かうべきか、決めるのは自分だけれど、きっかけはどこに転がっているかわからない。冒険、も自分次第。そんな冒険小説。たくさん散りばめられたエピソードが秀逸。

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    2014年12月09日
  • 氷山の南

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    解説にもあったけれど、多国籍な人たちが一つの船で協力したり、主人公と関わったりするのがとても清々しい冒険小説だった。

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    2014年10月04日
  • 文明の渚

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    311以前から、池澤夏樹の原発に対するスタンスは一貫している。
    文化人としてはっきり脱原発を表明していることに意義があるだろう。
    エコエコロハスな議論にならない脱原発論の多い中一読に値する。

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    2014年05月22日
  • 南の島のティオ

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    児童書のようで、ファンタジーのような感じ。
    南の島の話だから、そう感じるのかな。
    不思議なお話でした。

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    2014年05月31日
  • 南の島のティオ

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    各話一つだけ不思議なことを入れておく。
    藤子F不二雄の言うところの「少し不思議(SF)」の南の島ファンタジー版でしょうか。
    不思議がギリギリのところで生き延びている世界。池澤さんが挟んでくる不思議要素や島の伝統は非合理的だが、きっと昔の日本にもあった類のこと。文化人類学にも非常に精通してるようです。
    南の島を日本人が書けるのか?と思いますが、深い洞察とリアリティ。日本人が何故書けるのか。たまに他の国の世界を我がものとして見ることのできる人間がいますが、池澤夏樹さんはポリネシアのこの島にどこか繋がれるものがあるんでしょう。南の島だけでなく世界中の多くの場所に繋がっているのかもしれません。
    世界樹

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    2014年01月12日
  • カイマナヒラの家

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    Hawaiiもサーフィンも未体験で、羨ましい限り。
    海は好きだから今すぐにでもサーフィンしたくなります。
    でも私が池澤夏樹さんの本に求めているものと、少し違うかな。うまくは言えないけれど。
    それでも、こういう本もあっていいのかと思う。
    最後の締めの部分だけが私的にはいらなかった。蛇足な感じ。そこまでの文章で充分に伝わるので。

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    2013年09月05日
  • セーヌの川辺

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    執筆された時期が第一次阿部内閣の頃から始まる。相変わらずこの国は右へ、グローバリズムへとハンドルを切りたがる状態だけど、後輪はたぶん脱輪するじゃないか。溝にはまる程度で済めばよいけど勢い余って転覆もありえるな。。

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    2013年07月19日
  • セーヌの川辺

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    外国に住んでいる人が日本を語るのを読む。不思議な感じ。住んでいる私は日本について語る言葉を持っていない。折々に感じたことはすぐに流れて行ってしまって私の中に留まらない。フランスに住んでフランスを語れるのは凄い。作家なら普通なのかな?

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    2013年07月14日
  • 南の島のティオ

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    再読。
    現代文明から離れた南の島の出来事を綴ったエピソード連作。文明とは何か、自然の魅力とは何かなど、しみじみと胸に沁みてくる。便利であるということは、何かをなくすことであるかもしれない。

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    2013年06月10日
  • 憲法なんて知らないよ

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    憲法は国の暴走から私たちを守ってくれる大切な理念です。
    米国から押し付けられたものだから改正すべし、と声高に言う人々もいるけれど、この世界的にも先進的な憲法の案は、当時の日本人に喝采をもって支持され、合法的な手続きを経て旧「大日本帝国憲法」から現憲法に切り替えられたのでした。つまり、案を提示したのはGHQでしたが、これを選んで施行したのは日本人です。

    国の権力から私たちを守るという立憲主義を180度引っくり返して、国民の権利よりも国の都合を優先させるような改憲案を自民党が提示し、参院選の争点にするなどといっている現在、現憲法を読み直して、その素晴らしさを再確認し、自民改憲案がどれほど危険なも

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    2013年05月19日
  • すばらしい新世界

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    作者の言いたいことを物語の主人公を通して言っているだけと感じなくもないが、物語としてもおもしろい。
    ネパールの自然の描写や、魅力的な登場人物、とくに頭の良い主人公には好感がもてる。
    エネルギーの問題や宗教に作家ならではのアプローチで触れており、読み手側にも何かを考えさせられる。
    旅行の時に読むのがおすすめかも。

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    2013年01月27日
  • すばらしい新世界

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    私たちは日本に生まれ育った。ただ他国に憧れ、そのまま真似をしてもうまくはいかないだろう。私たちは、私たちなりに、変わる必要がある。

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    2013年01月21日
  • 叡智の断片

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    ネタバレ

    引用とは、自分の意見を飾るために“叡智の断片”を借りること。

    アメリカの作家 ラッセル・ラインズ
    『悪口を最も優雅に受け止めるには、無視すればいい。
    それができなければ凌駕する。 それが無理なら笑いとばす。
    もしも笑えないとなったら、その悪口は真実だと思った方がいい。』

    ユーモアとウイットさを、タイムリーに捻り出せる事が、
    本当の教養と叡智の力であり、それを感じさせる言葉が溢れている。

    悪口をユーモアで凌駕するボキャブラリーの数々。面白かった。

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    2012年12月05日
  • カイマナヒラの家

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    ハワイイの話。
    自由で開放的な感じが良い。
    ちょっと不思議なお話があっても、ああ、そんなこともあるんだろうな、
    と納得してしまう場所なんだね。

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    2012年10月27日
  • 夏の朝の成層圏

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    素晴らしい。哲学的であり、詩のようにも美しい小説。特にヤシが島で暮らし続けてマイロンと対話しながら深い自問自答を繰り返し、最後には「書く」ことに辿り着く過程は感銘を受けた。海外にいるときに読んだので色々と自らの体験に重ね合わせられることも多かった。

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    2012年09月25日
  • すばらしい新世界

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    分厚いけれど、清涼感いっぱいの本。国際協力関係の授業で使うといいかも、と思えるほどNGO、ODA関連のことが出てくる。ネパールへ行きたくなる本。

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    2012年09月06日
  • 真昼のプリニウス

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    火山学者である頼子は、広告の仕事をしている門田と出会い、彼にある嫌悪感を抱く。門田はあまりにも軽率に言葉を濫用している。彼の仕事は頼子に言わせれば「贋の物語、贋の神話を作って、それを新製品にもったいぶってくっつけること」であり、彼自信が言葉や妄想で真実や本当の気持ちを覆ってしまい、ずいぶんと不誠実な人間だと頼子には思えた。しかし、彼に対するこの嫌悪感はすぐに頼子自信に返ってくる。彼女もまた科学という権威ある神話の中で安穏と生活をしている。火山が噴火するメカニズムは解けても、真に迫りくる脅威としての火山は知らない。頼子もまた閉じられた神話の中で生きていたことに気づく。そして、世界の真実に迫るため

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    2012年08月26日