池澤夏樹のレビュー一覧

  • 終わりと始まり

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    実は、池澤夏樹さんの小説を読んだことがない。
    ただ、朝日新聞に掲載される著者のエッセイは、いつも楽しみにしている。
    タイトルの『終わりと始まり』はポーランドの詩人による詩作『終わりと始まり』に由来する。

    戦争が終わるたびに
    誰かが後片付けをしなければならない
    物事がひとりでに
    片づいてくれるわけではないのだから

    この詩の、『戦争』をいろいろな言葉に置き換えてみると、いろいろなことが見えてくるし、感じられる。共感し、反発し、もう一度考えてみる。

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    2016年02月14日
  • 詩のなぐさめ

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    両親がマチネ・ポエティックの詩人(福永武彦と原條あき子)であり、自身詩人でもある小説家が、岩波文庫の中に収められた詩を材にとって、気ままに想像の翼を広げ、そこから思いつく異なる時代、異郷の詩人の詩との思いがけない出会いを綴ったもの。詩の鑑賞の手引きであり、批評であり、詩にまつわるエッセイでもある。こういう本は、小説なんぞとはちがって、読み終わった、などといいたくない。手元に置き、折にふれて読みかえすことこそふさわしい。

    そういえば、福永武彦には『芸術の慰め』という、西欧の絵画、画家について論じた一書がある。その巻頭で福永は、「題名は如何にも物々しくて、ボエティウスの『哲学の慰め』とかジョルジ

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    2015年12月23日
  • 古事記

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    ネタバレ

    池澤夏樹氏の「古事記」です。
    本当は積読リストに、人気作家三浦しをんさんのお父様である国文学者の三浦佑之氏の「口語訳古事記」が先にあったのですが、パラパラめくったら躊躇してしまい、池澤版を先に読んでしまいました・・・(本書の解題を書いていてびっくり)

    これまでも何冊か超訳的なものや紀記合わせた解説本を読んできたこともあり、意外とすんなり世界に入ることは出来ました。
    とはいえ、きっちり最初から最後まで古事記だけを訳されたものを読むのは初めてだったので、新たな発見があり楽しめました!

    まず、もともと古事記は帝紀としての役割があり、多くの氏族の祖先としてたくさんの神を設定し、天皇を中心とする権力

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    2015年08月05日
  • 夏の朝の成層圏

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    ここではないどこかへたどり着いた彼。
    つむぐ物語は無人島でなんとか生をつなごうとするところから、いずれ戻らなければならないところへたどりつくまでの休暇。

    あとがきの池澤夏樹は「境界を描く作家」というのが心に残りました。

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    2015年11月12日
  • 古事記

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    脚注に時折池澤氏のつっこみが入るのが楽しい。
    読みやすくはあったけど、じっくり読み通すのはなかなか骨が折れる。もう一度じっくり読んでみたい。

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    2015年05月15日
  • 古事記

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    上巻の国生みから中巻の途中まではとてもスペクタクルで楽しかった。歴代天皇の話になってからは苦痛だった。しかし、今までなんとなくしか知らなかった話をなぞることが出来て有意義だった。

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    2015年02月22日
  • 静かな大地

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    宗形三郎=原條新次郎のモデル
    宗形志郎=原條迀のモデル
    フィクションだが、なるべく史実に基づいて書かれたお話し
    原條迀は作者(池澤夏樹)の曽祖父(母の母の父)

    北海道開拓の苦渋
    アイヌの悲哀
    和人の葛藤と裏切り
    ※『北の零年』の稲田家だ!

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    2014年12月25日
  • 文明の渚

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    テクノファシズムは破壊や格差の助長を許す。
    テクノポピュリズムでは問題は解決できない。
    社会がマイノリティのもではないことに加え、
    マジョリティそのものでも正義とはならない。
    われわれが立つ、この瀬戸際で問われるもの。
    それは未来への過去と現在を集約できるもの。
    つまり「明白」なビジョンではないだろうか。
    理屈や理論が先にあっても原発は片付かない。
    パラダイムの転換とともに文明の紡ぎ直しへ。
    過去の被爆と3.11との関連性と歴史の解釈を、
    いまこそこの渚で、われわれ自身で行うこと。
    それがマニフェスト(明白)に、未来になる。

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    2014年12月16日
  • 氷山の南

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    海洋冒険小説!主人公はプロジェクトの目撃者となり世界各国のそして各学問のスペシャリストと交流をはかる。解説にもあるように、日本人作家が日本語で書いてる小説にもかかわらず、海外小説の翻訳のような、日本語を喋ってるように思えない独特のリズムが面白い。自分はどこへ向かうべきか、決めるのは自分だけれど、きっかけはどこに転がっているかわからない。冒険、も自分次第。そんな冒険小説。たくさん散りばめられたエピソードが秀逸。

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    2014年12月09日
  • 氷山の南

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    解説にもあったけれど、多国籍な人たちが一つの船で協力したり、主人公と関わったりするのがとても清々しい冒険小説だった。

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    2014年10月04日
  • 文明の渚

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    311以前から、池澤夏樹の原発に対するスタンスは一貫している。
    文化人としてはっきり脱原発を表明していることに意義があるだろう。
    エコエコロハスな議論にならない脱原発論の多い中一読に値する。

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    2014年05月22日
  • 南の島のティオ

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    児童書のようで、ファンタジーのような感じ。
    南の島の話だから、そう感じるのかな。
    不思議なお話でした。

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    2014年05月31日
  • 南の島のティオ

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    各話一つだけ不思議なことを入れておく。
    藤子F不二雄の言うところの「少し不思議(SF)」の南の島ファンタジー版でしょうか。
    不思議がギリギリのところで生き延びている世界。池澤さんが挟んでくる不思議要素や島の伝統は非合理的だが、きっと昔の日本にもあった類のこと。文化人類学にも非常に精通してるようです。
    南の島を日本人が書けるのか?と思いますが、深い洞察とリアリティ。日本人が何故書けるのか。たまに他の国の世界を我がものとして見ることのできる人間がいますが、池澤夏樹さんはポリネシアのこの島にどこか繋がれるものがあるんでしょう。南の島だけでなく世界中の多くの場所に繋がっているのかもしれません。
    世界樹

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    2014年01月12日
  • カイマナヒラの家

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    Hawaiiもサーフィンも未体験で、羨ましい限り。
    海は好きだから今すぐにでもサーフィンしたくなります。
    でも私が池澤夏樹さんの本に求めているものと、少し違うかな。うまくは言えないけれど。
    それでも、こういう本もあっていいのかと思う。
    最後の締めの部分だけが私的にはいらなかった。蛇足な感じ。そこまでの文章で充分に伝わるので。

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    2013年09月05日
  • セーヌの川辺

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    執筆された時期が第一次阿部内閣の頃から始まる。相変わらずこの国は右へ、グローバリズムへとハンドルを切りたがる状態だけど、後輪はたぶん脱輪するじゃないか。溝にはまる程度で済めばよいけど勢い余って転覆もありえるな。。

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    2013年07月19日
  • セーヌの川辺

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    外国に住んでいる人が日本を語るのを読む。不思議な感じ。住んでいる私は日本について語る言葉を持っていない。折々に感じたことはすぐに流れて行ってしまって私の中に留まらない。フランスに住んでフランスを語れるのは凄い。作家なら普通なのかな?

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    2013年07月14日
  • 南の島のティオ

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    再読。
    現代文明から離れた南の島の出来事を綴ったエピソード連作。文明とは何か、自然の魅力とは何かなど、しみじみと胸に沁みてくる。便利であるということは、何かをなくすことであるかもしれない。

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    2013年06月10日
  • 憲法なんて知らないよ

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    憲法は国の暴走から私たちを守ってくれる大切な理念です。
    米国から押し付けられたものだから改正すべし、と声高に言う人々もいるけれど、この世界的にも先進的な憲法の案は、当時の日本人に喝采をもって支持され、合法的な手続きを経て旧「大日本帝国憲法」から現憲法に切り替えられたのでした。つまり、案を提示したのはGHQでしたが、これを選んで施行したのは日本人です。

    国の権力から私たちを守るという立憲主義を180度引っくり返して、国民の権利よりも国の都合を優先させるような改憲案を自民党が提示し、参院選の争点にするなどといっている現在、現憲法を読み直して、その素晴らしさを再確認し、自民改憲案がどれほど危険なも

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    2013年05月19日
  • すばらしい新世界

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    作者の言いたいことを物語の主人公を通して言っているだけと感じなくもないが、物語としてもおもしろい。
    ネパールの自然の描写や、魅力的な登場人物、とくに頭の良い主人公には好感がもてる。
    エネルギーの問題や宗教に作家ならではのアプローチで触れており、読み手側にも何かを考えさせられる。
    旅行の時に読むのがおすすめかも。

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    2013年01月27日
  • すばらしい新世界

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    私たちは日本に生まれ育った。ただ他国に憧れ、そのまま真似をしてもうまくはいかないだろう。私たちは、私たちなりに、変わる必要がある。

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    2013年01月21日