池澤夏樹のレビュー一覧
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ネタバレ父と娘の本に関する対談。
羨ましい。
私も、読んだ本について思う存分語り、読んでない本について存分に語られているつもりで、つまり第3の話者のつもりで読みました。
もう本を読みながら心の中で語る、語る。
だって児童文学、少年文学、SF、ミステリ、好きなジャンルの本ばかりなんですもの。
比較的少年文学は読んでいないけれど。
私はイギリスの文化(小説、音楽、映画)が好きなのですが、児童文学というのは圧倒的にイギリスが多いのだそうです。
なるほど、子どもの頃イギリスの児童文学を読みふけった結果、すり込まれたんやな。
物心ついた時から周りには本が当たり前にある環境で育った娘は、留学していた時、段 -
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こういう誰かにとってのなつかしい一冊や大切な本について書かれたものが好きなので、とても楽しく読めた。
有名な一冊もあれば初めて知る本もあったけれど、本の紹介とともに語られる選者である作家の方々の思いを読んでいるうちに、一緒に記憶を辿っているような感覚になり、胸の奥がすーんとするような気持ちになった。
特別な本との出会いというのは、一回読んだだけで心を鷲掴みにされる場合もあれば、気がつけばいつの間にか心の奥にあったと後から気付く場合など様々だと思う。だけどそれは出会おうと思って出会えるものではなくて、いつどんな本が自分にとっての特別な一冊になるかわからないところが、素敵だなと思った。
それ -
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読書案内の本。
毎日新聞に連載された書評欄より。新刊書の書評じゃなく、選者の思い出の一冊を紹介している。まず読みやすい。上質な紙。藍色だけ使った文字と挿絵。字体も、誰もが手に取れる読みやすさ。センスがいいが、何よりも。池澤夏樹さんの序文からして、上手い。この方は当代一流の読み巧者のお一人だけれど、この読書案内の面白さは、そこで決まらない。
選ばれている本は硬軟取り混ぜいろいろ。とにかくまあ読んでみる。という、その行動だけを促す。そういう読書に向いている。というのも、序文で、『一度読んだ本が、今なら面白く読めるよ、と戻ってくる事がある』旨を書かれているのだけど、こういうことって本当にあるから -
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池澤夏樹『終わりと始まり 2.0』朝日文庫。
朝日新聞連載コラムの書籍化第2弾。
国際感覚にも優れる池澤夏樹の眼力は日本という国の脆さや本質を見事に表現し、その主張は清々しいまでにぶれることが無い。極めて冷静な文章からは池澤夏樹の怒りと憂いが読み取れる。
福島第一原発事故の後始末、嘘と誤魔化しを続ける東電、大嘘で固められた東京オリンピック招致、格差を拡大させ続ける歪んだ日本経済、日本を戦争可能な国家に変貌させようとする政治家、世界各地の紛争や社会問題、沖縄の基地問題などなど読み応えのあるコラムが並ぶ。
本作にも書かれているが、地震や津波は再び日本を襲うだろう。地震や津波ではなく、北朝鮮 -
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池澤夏樹さん、春菜さんの、本が大好きな親子だから実現した濃厚な対談です。対話形式だから読みやすい。
読書を趣味にしたいけど、どうせなら良いものを手に取りたいという方にオススメ。決して本を読む事は偉いとか、沢山読んだ奴が勝ち、なんて事はなく、出てきた本の中から自分の心にささったものを手に取ってみる。合わないと思ったら本を閉じてOK。そんな、ゆるーい感じで未知の本とのマッチングをしてくれる本です。
お二人とも知識量が半端なく、賢い方同士の会話って、聞いていて興味深いし、得られるものが多々ありました。
また、自分の好きな本が取り上げられていると嬉しいですね。 -
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いやいや、恥ずかしながら読んだことがなかった。日本文学科出身であるにもかかわらず…アメリカ人の友人がマンガで読んでいると聞き、こりゃあ日本人としては読まねばと思ったわけで。
こんなに神がわんさか出てきて、奇想天外、おかしな話のオンパレードだとは知らなかった。因幡の白兎がここにおさめられている話だってことも知らなかった。淡路島が一番最初に作られたとされる島だってことも。
三浦佑之さんという方の「解題」より。
戦前の一時期、古事記は、国民一丸の戦争協力体制を組みあげるために利用された。それが、戦後の古事記嫌いや神話嫌いを作ってしまい、学校教育の現場からすべての神話が排除される原因にもなった。近代 -
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池澤夏樹3作目。
火山という自然現象を軸に、過去と未来を行き来し、科学の力とそれを超える超自然現象と交感し、物語と神話について考察しながら作品が進んでいく。
どうしたらここまで人間総体を遠くから眺めるような視点を持つことができるに至ったのか分からないのだけれど、本当にすごい作家だなと思った。
科学的な素養を持ちながら超自然的(精霊とか)な視点を取り入れて、鳥瞰図的な世界を描写する能力。そして、それでいて、あくまでストーリードリブンであり続ける。そしてなによりも説教臭くない。ジブリがそれに近いものがあると思うのだけれど、ジブリって高度な技術とストーリーテリングは上手いけれど、いつも説教を聞かされ -
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お父様が最高の本読み仲間であるという池澤春菜さん。
羨ましいです。
私の父も本が大変好きでしたが、もうこの世にいないので、話ができません。(50代で早逝しました)
私事で恐縮ですが、高校のときビクトル・ユゴーの『レ・ミゼラブル』をどちらが早く全巻読めるか、競争したことを思い出しました。父は完読したけれど、私は遂に完読できずじまいでした。
そして、皆さんご存知かと思いますが、春奈さんのおじい様は福永武彦さんです。
でも、春奈さんは、読むこと、書くことは血でなくて、環境だとおっしゃっています。
私は目下、SFが読んでみたいけど、何を読んだらわからないジャンルなので、春奈さんの「SFはパパの書庫が -
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最近は池澤夏樹にハマっている。なんとなく、彼の清潔で頭の良さそうな感じの物語世界が今の気分にぴったりな感じ。文明社会に組み込まれつつも少しだけ距離を取り、人間以外の世界の仕組み(動植物や星空や宇宙など)と対比させる感じが、巣篭もり生活の良き伴走者になってくれる感じがする。
本作は、文学版「あつ森」みたいな感じで、ちょっとした気の緩みから孤島に流れ着いた新聞記者が、島の生活に順応していくという物語。遠い南の島の孤独な生活がとても心地よい感じがする。
読後感は、ゴツゴツとした感触で、まさしく、処女作といった感じの小説だった。これから文章で身を立てていくという意気込みみたいなのがとくに後半部から