池澤夏樹のレビュー一覧
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ネタバレ日本国憲法の草案は、アメリカの平均40歳にならない
人たちでつくられました。(22-27歳の若者もいた)
若い方が理想主義に近いから。
なので、草案はずいぶん理想主義的になったのです。
もう戦争に行かなくていい
人を殺さなくていい
爆弾はふってこない、、、
日本人はこの新しい憲法を歓迎したのです。。
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日本国憲法が、
・英語原文
・日本語
・池澤さん訳 で書かれています。
教科書で見た日本国憲法は難しすぎて
理解しようとも思わなかったけれど
児童書も手がける池澤さんの訳した
文章、とくに前書き、第九条には泣けます。
この日本国憲法は、わかりやすく
とても奥が深いものでした。
大人にこそ、読んでほしい一冊。 -
Posted by ブクログ
二十年前に書かれたもの!! しっかりと現在にも言えることばかり。
世界で起こっていること日本で起こっていること、すべてのことが終末へと向かっているのだろうか。人の手と足と頭を使って出来ることを機械にさせるようになって久しい。そこまでさせると人は頭を使わなくなり、手足は無用のものになるような気がしてしょうがない。遺伝子を変えること、人工の生物を作り出すこと、そこまでしたいのかと恐ろしさも感じる。人の知識への欲求は凄まじい。「なんだろう?なぜだろう?こうしたらどうなるの?」を突き詰めていった結果が今の人間社会、いや まだ突き詰まってはいないんだろうな。まだまだ人の知らないことはあってまだまだ進んで行くのだろう…どこへ?どこまで?それは幸せ?
自分が持っていた不安感が文字の形をとって表れたような気がした。
パンドラの箱の片隅に残っていた希望を大事にしたい。たとえ幻でも -
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長い手紙。長いだけで直接的なメッセージがない、そんな手紙が読まれるシーンはなんだか村上春樹の「ねじまき鳥」が思い出されました。(いきなり関係ない作者出してすみません)
この作品では前述した手紙をはじめ江戸時代の女性の物語や「シェヘラザード」用のエピソードなど物語の中で物語が突然、そして何度も語られます。なんだこれ、ごっちゃごちゃの短編集みたいだな、と思いながら読んでいたのですが、主人公が意識を変化させていく中でそれらの物語の効果が理解できて、わぁすごいと感動しました。
なるほど池澤さんのテーマは一貫していたんですね。言葉からなる物語や神話からでしか物事を見ようとしないことへの反発とその「言葉」を超えた先にある物事の本質の追求。これです。それがわかったらすべてが納得でした。
作品の構成の意図もわかったし、テーマは意義深いものだし、自分の考え方と近いものを綺麗な文章で表現してくれたし、読中も読後もずっとすっきりしっぱなしの作品でした。
そして題名。真昼のプリニウス。この作品にこれ以上の相応しい名前はないですね。 -
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世界を理解するためにはどのような態度をとるべきかのヒントになる。自らに都合のよい部分を切り取ってつくりあげた物語や神話に(宗教もそうかも)、居心地の良さを求めるか、あるは己の好奇心を原動力とする自然科学的探究の行動を実践するのか。後者を選ぶときにはプリニウスや野ウサギの運命のような過酷さを受け入れる覚悟が必要だということ。その覚悟をきめ、行動することを選ぶ火山地質研究者・頼子の逞しさ。
頼子の意識が、ハツの手記、壮伍の手紙、戸井田教授、神崎、門田との交流を通して研ぎ澄まされていくのが、この小説の醍醐味だろう。浅間山が舞台となる印象的な終幕。読後の余韻が深い。 -
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初版は1990年、著者の小説デビュー作。
内容の概要を書いてもいいのだけれど、それを書いてしまうとこれから読む人たちのあの最初の印象を奪ってしまうことになるので、伏せておいた方がいい気がする。
そうなるとここに書くことは、一体どういうものがいいのだろう。わたしの、漠然とした、自分にしかわからないイメージや浮かんだ言葉の列挙か、もしくはどこかの引用か?
とにかく、淡々とした描写の中に、具体的なものと漠然としたものが混在し、主人公の思考も、その思考の移り変わりも、かなり鮮明になって頭の中に浮かび上がる。
小説としてもすごくおもしろかったけれど、お金以外で量る幸福度を考えるのにもいい本じゃないかと思った。
一番好きな設定は、主人公の元々の職業が地方の記者だったってこと。 -
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今、地球が抱えているさまざまな問題をいろいろな角度から天野家の物語に盛り込んであり、とても読み応えがあった。集中ではなく、分散。大規模ではなく、小規模。視点を変えて考えてみると、今とは違う道が見えてくる。こんな時だからこそ、読んで考えてみるといいのだと思う。それから、「現場の知」ということと、アユミさんがしきりに言っていたナショナリズムとの距離の置き方。もう少し、自分でもよく考えてみようと思う。それと、森介の新しい学校の担任の先生が言った「変わったところのある、おもしろいお子さんですね」というひとことが印象に残る。そんな感覚を私も忘れずにいたいと思う。
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Posted by ブクログ
政治も宗教も哲学も科学も、極めてフラットな視点で語られる。
ちょっと変わった、でも絵に描いたような仲良し家族。
一枚板ではないNGO。
利益を追求する企業の論理/ステレオタイプな会社員。
魅力的なナムリンの人々。
世界そのものを変えるのではなく、「自分」と「世界」の関係性を変えること。
個人の視座次第で、ガラリと世界は表情を変える。
新しい世界とは、そういうこと。
常識とは、極めて狭い世界での通奏低音なんだと気付かされる。
本当は世界はとてもシンプルで、複雑にしているのは自分や社会の固定観念なのかもしれない。
(ルールを作ったのは人間だ)
良い風が吹いたら、流れに乗ればよいのだ。 -
Posted by ブクログ
池澤夏樹のエッセイはスラスラ読めてしまう。でも、ところどころ引っ掛かる言葉や人名、場所があって、その都度メモしたりgoogleで調べたりすることになる。読書という個人的な体験に、自分なりの意味を与えるとしたら、それは間違いなくそんな「引っ掛かり」に出会うことだと考えている。その点、池澤夏樹のエッセイは自分にとって「いい」本だ。
近年、彼の関心は9.11以降の情勢に向けられています。そのため、この本は著者が沖縄からフランスに移住してから1年程の間の出来事を綴ったエッセーなのですが、そこでの生活に垣間見える出来事や国民性などの向こうに、9.11以降の世界について書かれた文章が多く含まれており、彼の国と我が国の国民性の違い等々、考えさせられます。
もちろんそれ以外の多くの部分では、パリ郊外フォンテーヌブローでの暮らしや出来事が、ある種の落ち着きをもって描かれていて(浮かれた感じがしないという意味で)、落ち着いて読めました。良質なエッセイ。