池澤夏樹のレビュー一覧
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700Pに及ぶ長編小説というだけあって、本当に多くの事柄を含んだ小説。それでいて、読み辛いとかくどいとかいうことは一切ない。むしろ、1章1章に読ませる部分があって、うんうん唸ったり、クスリとほくそ笑んだり、グサっと心に刺さったりする。「やがてヒトに与えられた時は満ちて…」を読んだ時の衝撃も、それはそれで大きなものがあったのだが、この小説もまた違った意味で自分の中に大きく残る小説だった。
この小説は本当に色んなメッセージを含んでいて、「これはこういう小説だ」と一言で表せるようなものではない。むしろ表そうとすること自体がナンセンスであるほどだ。でも、これほどある意味で欲張りに、詰め込みに詰め -
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3代にわたり作家という家族のお話です。小説とかではなく、リアルにその設定なのです。ギネス記録?とかにもなりそうな気がします。
父親と娘の本にまつわるあれやこれやが語られています。とても楽しく拝見しました。巻末には、本書で語られた書籍がリストになっており、読書ガイドにもなっています。春菜さんの中学生時代の友達の家にいったら、同じ作家の本がたくさんあり、実はその子の父親が半村良さんだったという逸話には驚きました。
親子で本を話題に、途切れることなく話が続くのは、すごいなぁと思うわけです。
そんな境遇に生まれたこと、幸か不幸か、複雑な思いもあったようで、そんな話も伺えます。楽しいひと時を過ごすことが -
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取材のためマグロ漁船に乗り込んだ日本人の新聞記者が、事故で海に落ち、無人島へと漂着する。
自然の中で生活するうちに、文明や社会、人間そのものについて考え、島民としての自分と、かつて文化人として生きていた自分とのあいだを漂う物語。
最初こそ絶望していた主人公も、現代社会から切り離されることで、職業や国籍、他者からの評価といったことから解放されていき、これまでとは違う本来の自分に気づいていく過程には悲壮感がないため、いい意味でハラハラせずに読めた。
木に登って椰子の実を採り、海に潜って貝を獲り、かつて島に暮らしていた人々の住居に手を加えて生活する。
もし彼と同じ状況に置かれたとして、同じように -
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新潮社の純文学書き下ろし作品のシリーズが1960年代から出版され始めて、1968年の開高健の『輝ける闇』くらいから自分で本を買い始め、同じ年に福永武彦の『海市』があった。このシリーズに中村真一郎の作品も数作あり、マチネ・ポエティクも文学史的事実として言葉だけ知っていた。福永武彦が推理作家加田伶太郎であるのも知らなかったし、池澤夏樹が五木寛之よりも先にリーダーズダイジェストで「かもめのジョナサン」を訳しているのも知らなかった。怪獣映画「モスラ」の原作者が1919年生まれの福永武彦、堀田善衛、中村真一郎であったことは、あらためて思い出した。純文学に興味を持ちはじめた十代の頃に読み始めて、何も知らな
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タイトルがひとり歩きしちゃって読んでないけど知ってるムーミンみたいなイメージで、この度初めて読んだ。
末尾の池澤先生の「訳者として」を読んでほぼ同じ感覚だったので、あながち見当外れな読み方ではなかったかなと思うけど、読む人のタイミングや年齢で解釈も捉え方も違うので、人それぞれでいいと思う。
ただ、一読はしておいて確かによかったなと思う。身近な人が老衰とは言え生きる最後が近いなら、掻き消える最後を想像して、泣きながら卒倒したらどうしようと、その後、なにもできなくなったらどうしようと心配していたが、それはあんまり心配しなくていいのかもと自分なりに落としどころを見つけられた気がする。
心臓が止 -
Posted by ブクログ
とても読みやすく、内容的にも共感できる話が多くするっと入ってきた。
現代社会は自然と切り離されており、そこに歪みが生じたり違和感を感じる人はやはり一定数いるんだなと。資本主義の競争社会を走り続け、KPIがどうとか成長だ自己啓発だ、そんなことだけを真面目に取り組み続けるのはやっぱり違くて、自分の力だけではどうにもならない自然の中に身を置いて感性に従いたいなと思った。
まずは衣食住を見直す(自分が着たいもの、食べたいものを人任せにせず作ったり)ことは今すぐにでもできる。その上で、数日でもいいから自然に入ってみたい。
2026年最初の読書だったので、今年の目標にしてみようと思った。