池澤夏樹のレビュー一覧
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新聞記者のヤスシ・キムラは、遠洋マグロ漁についてのレポート企画の準備をしているとき、誤って船から落ちてしまい、無人島に流れ着きます。彼は、自分が漂着した島を「アサ島」と名づけ、ヤシの実やバナナを食料に現代のロビンソン・クルーソーのような生活を送ります。しかし、周辺の島の探索をはじめた彼は、「ユウ島」と名づけた島に一件の家が建てられているのを発見します。そして、その家にアメリカ人の映画俳優であるマイロン・キューナードがやってきて、二人は出会うことになります。
彼は、文明社会へつながる導線を保ったままで島の暮らしをたのしむマイロンに、ときおり説明のできない反発をおぼえます。マイロンは、そんな彼の -
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ネタバレ
第二章 堀田善衛が旅したアジア 吉岡忍
p52
これはもう本当に堀田さんの『橋上幻像』の世界です。次々に国家から逃れて、どこに自分の居場所があるんだと探しているうちに、通過してきた言葉どれも自分のものではなくなっている。
第五章 堀田作品は世界を知り抜くための羅針盤 宮崎駿
p152
ですから僕が漫画を書いたり、何かを書く時にも、これはどういった意味を持っているのか、自分はどこまで見渡してこれを書いているのか、自分がどんなに善良にこれをやりたいと思ってやったことでも、その裏側にどういう意味があるのか、それが自分がどうしてやりたくなったのか、何によって自分は突き動かされているのか、突き動 -
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佐々井と僕
バイト先で出会った佐々井という男。
世の中をどこか達観したような不思議な空気をまとった佐々井と僕の3ヶ月。
実体を伴わないような佐々井の存在感に不思議な魅力が宿っている。登場人物はほぼ二人だけだが、ほどよい距離感の二人の会話と、洗練された文体が心地よい。
短いので一日でさらっと読める。 -
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ネタバレ
人々が、自分に充分な知識がないことを自覚しないままに判断を下す。そして意見を表明する。そのことについてはよく知らないから、という留保がない。
はじめに より
キュウリに似たものを買ってサラダにしようと思ったら食べられない。友だちに聞いて火を通すのだと知った。それがズッキーニとの出会いだった。ギリシャ語では「コロキザキア」といい、アラビア語では「クーサ」と呼ぶ。
11 語学学習法 より
マクルーハンが「メディアはメッセージである」と言ったときに人々が気にしていたのは「テレビが出てきて映画はなくなるんじゃないか」ということでした。さらに前の時代で言えば、トーキーが盛んになったことで弁 -
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児童書、少年小説、SF、ミステリー、そして「作家の父を持つこと」について、父娘が初めて語らった対談集。
春菜さんが学校の図書室の本を読みきって「転校したい」と言った伝説を持つのも頷けるほど、二人の児童書知識がものすごい。私は岩波ようねんぶんこ及び岩波少年文庫とは縁遠く、挙げられている本のなかで読んだことがあるのはダールくらいだった。幼い頃から日本の作品より海外のものが好きだったというところは共感。子どもの本に詳しく、けれど読書傾向に口出ししない両親がいるのは羨ましい。
二人が今の職業に行き着くまでを語った最後の章も興味深かった。福永武彦と原條あき子のあいだに生まれ、女であるがゆえにキャリア -
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日本文学全集の「古事記」の全訳が、池澤夏樹の日本古代史正篇としたら、これは日本古代史列伝だろう。小説とは違う、というものを池澤夏樹は目指した。自らが稗田阿礼の如き語部となし、現代の考古学的成果を少しだけ取り入れながら、綿々と「伝えられてきた」神話を語って見せた。だから近代小説の持つドラマトゥルギーや研究書の持つ歴史的な正確さは無視する。
何故ワカタケル(雄略)だったのか。おそらく、古事記の中でも比較的研究が進んでいて、現代の著者の中に豊かにイメージが湧いたのだろう。ホントは最も語りたかったのはヤマトタケルなのに違いないが、それは本書の中で「既に神話となった物語」として生き生きと語られる。
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豊かな自然と精霊の息づく島の、
透明な、絵はがきみたいな短編集。
見たことがないはずの美しい景色が鮮明に、
なぜか懐かしく思い浮かぶような、
原風景のような作品でした。
それにしても、精霊とか南の島とか、
そんなに馴染みやすい舞台設定ではないはずなのに
なんでこんなにすっとはいってきて、
心地よく馴染むのか。
子供を読者として想定している池澤さんの作品、
すごい好きだ。
風景描写もさることながら、
登場人物のおおらかさ、あっけらかんとした感じも
さっぱりと心地よい。
“たぶん勇気というのは男らしさや元気や
無謀な冒険心とはまるで違うもので、
ひょっとしたら愛と関係があるのかもしれない