池澤夏樹のレビュー一覧
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最近山が楽しすぎるのとyamapに超お世話になってるのがあり春山さんはどんな考えを持った方なんだろうと気になっていた本です
あと世の中がもっと“生きやすく”なればいいなと思うことがあり、でも“生きやすい”ってなんだろう?とも思っていて、個人的にそれをテーマに読み進めました
生きやすくなるためにはこうするとよさそう
①自分もまた自然であり生き物であることを知る
自然経験を通じ、自分もまた自然であり生き物であるので、存在としてここにいていいこと、に気付く
②自分の命の尊さに気づく
山に行けば、転ばないように歩いたり、お腹が空いて何かを食べたいと思ったり、気付かないうちに生きることに集中して -
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ネタバレ星の王子さま
先日、箱根にある「星の王子さまミュージアム」に行ってきました。こじんまりとした中にもサン=テグジュペリの生涯が概観できるような工夫がされていて、正直あまり期待していなかったのですが、とても楽しかったです。象を飲み込んだウワバミの携帯ホルダーが気に入って買ってきてしまいました。
”ああ、池澤さんの新訳の星の王子さまが未読の山に積んであったな!”と思い出して、読んでみました。
有名な”ものは心で見る、肝心なことは目では見えない”というきつねの言葉。”飼い慣らす”ことによって生まれる大切な心と別れの悲しさ。星の王子さまには、こういった年をとらなければ実感できないいろいろな寓話が詰ま -
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朝日新聞連載小説をまとめたもの。作者の親、その叔父世代の話。海軍軍人で天文学者、そして敬虔なキリスト教徒であった秋吉利雄。日露戦争の後、さまざまな軍艦に乗り、順調に昇進。第二次大戦時は戦地には行かず、測量が仕事の水路部に所属する。戦前、ローソップ島での日食の観測にも出ている。キリスト教の信条と軍人の仕事とのはざまで悩み続ける。
昭和天皇に、水路部の仕事は平時こそ大切だと言われ、それが戦後、水路部の資料を燃やせという命令を受けた時にこれに抗う決意を後押ししているのが興味深い。平時に使える資料として占領軍にすべてを渡したのだ。
文学、地理、測量、非戦。スティルライフの頃からの作者の作品の来歴が浮 -
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池澤先生は、学者ではなく小説家。古事記の翻訳をしておられる。
古事記をそのまま読んでも、人名の羅列だったり、どこまでが神話でどこからが歴史なのかわからない。池澤先生によれば、古事記は文学的ではないという。個々のエピソードは面白いものもあるのに、ぶっつり切れていたりして構成がない。そこで、読みやすい形に翻訳したとおっしゃっている。
古事記の上巻は、主に天皇の系譜について書かれたが、まだ天皇たちは神であって、人ではない。
中巻、下巻になると、天皇が歴史に登場するようになるが、内容は民話的、物語的になっていく。日本書紀は官吏が黙読で読み、歴史を勉強するもの、中巻、下巻の古事記は誰か(この時代は庶民 -
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ネタバレクリスチャンで天文学者で、海軍少将だった秋吉利雄。池澤夏樹の父である福永武彦の伯父。軍人ではあるが、艦隊勤務ではなく、天測によって航路を知り航海暦を策定するのが主たる任務。タイトルはクリスチャンにはなじみのある聖歌の一節。聖公会は日本では少数派のクリスチャンの中でも、さらに少数派。七百ページを超える大部の小説で、クリスチャンのありようを語り尽くす作品は、日本文学の中でも稀有なこと。ミッションスクールの外国人宣教師が、戦時中の日本を語った文章はいくつも存在しているが、戦前、戦中、軍隊にあって、天文学者という合理を極め用とした人が、聖書で日常を語る人など、これまでなかった。この作品をキリスト教文学
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海軍軍人、天文学者、キリスト教徒でった筆者の大伯父(祖母の兄)の一生涯、戦争に翻弄されつつ信念を貫き通した人生を描く感動作。
全く前知識なく読み、実在の人物を描いた小説であったことを途中で知る。海軍兵学校では、ミッドウェーで空母飛龍艦長として戦死した加来止男と同期だった秋吉利雄。妻や子、当時の死亡率の高さには驚かされる。キリスト教徒として肉親の受け入れる、時に迷いつつも。
朝日新聞に連載されたという大作。Mという友人の語る戦局があまりにも後世からの視点になっているところが気にはなるものの(少年Hのように)、それを差し引いても感動する作品でした。 -
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発売と同時に買ったのに,ずっと積ん読。
まる2年以上も!
きのう、雨に降り込められ、何となく読み始めたら
止まらなくなった。
よくぞ、買っておいたものよ、でかした2年前の私!
当時は石牟礼道子を、ちょこちょこと読んでいたので買ったものの
池澤夏樹が、ちょっとなぁ、若い頃好きだっただけに、最近は・・・と
読むのをためらっている間に、まる2年!
けれど『また会う日まで』で池澤長編を読み、
池澤の本へのためらいが解けたところ
なのも良かったのか。
前置きが長くなってしまった。
本書で、わたしは、大きな間違いをしでかしていたことに気づく。
「苦界浄土」はルポルタージュだと思っていた。
あれは紛 -
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文系頭にやさしい科学エッセイ。
世界は乗法的、冪的。加法で済むのは局地的な問題だけ、というのは分かりやすい。大気は無限というかつての信仰。福島から大気中にあふれた放射性物質を例にとり、「希釈は消滅ではない」という説明が池澤夏樹らしい。
種は絶滅する。弱肉強食ではなく、適者生存。肉食獣は草食獣に生命を負っており、草食獣は植物に生命を負っている、というベクトルの向きもなるほど、だ。AIとロボットで人が単純労働から解放されても、余暇は平等には分配されない。失業者と過労者が増えるだけ。雇用する側にのみ恩恵をもたらす、というのは、農業と定住が結果的にヒトを忙しくしてしまったことと似ていないだろうか?
現