あらすじ
世界の創成と、神々の誕生から国の形ができるまでを描いた最初の日本文学、古事記。神話、歌謡と系譜からなるこの作品を、斬新な訳と画期的な註釈で読ませる工夫をし、大好評の池澤古事記、ついに文庫化。
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Posted by ブクログ
池澤夏樹の真骨頂
『ハワイイ紀行』でも膨大な註釈におめにかかったが、かういふやり方は池澤の十八番で、真骨頂である。
大江健三郎も一気読みして認めた翻訳で、それは『池澤夏樹、文学全集を編む』に対談として載ってゐる。
しかしまあ、父親・小説家の福永武彦とそろって古事記を訳すことになるとは、誰が予想したらうか。
古事記について一言いへば、あくまで素人目には上巻が面白い。「因幡の白兎」もイザナギイザナミも、ヤマタノオロチもすべて上巻である。
中巻以降は天皇の系譜の羅列とでもいふべきものになり、とんと馴染みがうすい。
古事記には、論理的なところと文学的なところと、適当なところがあって、その雑駁したかんじが古代だなあと詠嘆する。
Posted by ブクログ
太安万侶にリスペクトして訳された池澤夏樹さんの『古事記』はとても禁欲的な文章なのではないかと思います。ということは、原典にたいへん忠実だということになります。2014年に「日本文学全集」の一冊として出されたものの文庫化で、そこにも「解題」を書かせてもらったのですが、今回、まったく別の内容で「解題」を書き下ろしました。
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登場する神の名、人の名が320名。
戸籍簿のようなところは読み飛ばし、エピソードのある部分は読んで。古事記って、こんな本なんだな〜と。読書というより、『古事記』を初体験させてもらった感じです。
神話、天皇の系譜のお話も、嫉妬がすごい。美女をめぐり、野心のために、争ってあっさり殺害する。あわわ…。
神様だからといって、聖人君子ばかりじゃないらしいです。『古事記』のなかに時々、心の美しい人が登場するとホッとしました。笑
Posted by ブクログ
断片、断片は、知っているが、まともに向き合って読んだことが無かったので、この機会に読んで見ました。
思っていた以上に、 誰が誰の子かを書いた部分が多かった。しかし、その歴史が、大和政権の他国征服の歴史なのだと理解でき、興味深かった。
Posted by ブクログ
翻訳が親しみやすく、古事記へのハードルを下げてくれた。注釈があることで、複雑な情報を処理しやすくしてくれている配慮を存分に感じた。しかし次から次へと神が生まれる。八百万とはよく言ったもので、1ページで10柱ほど生まれる。