綾崎隼のレビュー一覧
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何かを代償にタイムリープを繰り返し、最後に残るものは『希望』なのだろうか。
綾崎隼さんの『君と時計と嘘の塔 第一幕』は、高畑京一郎さんの『タイムリープ』や筒井康隆さんの『時をかける少女』に似た面白さを感じますね。続きが気になります。
概要(ではなく、脳内妄想)です。
「小学生のとき、俺はクラスメイトに注目されるアイツが嫌で、ちょっとしたイタズラを考えた。
でも、それが一生の後悔になるなんて、全然分からなかったんだ。
許してもらえなくていいから、せめて一生をかけて守らせてほしい。お願いだ、この手をつかんでくれ、芹愛(せりあ)。」
感想です。
綾崎隼さんは、恋愛要素や若者たちの暗い部 -
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今をときめく作家による、15ページずつの短編集。斜線堂有紀の作品で本文最後に「仕掛けが分かった?」と聞かれ、うむむわからん、一番気になりました。わかったことといえば前半の世界狭いうちは使う文字に制限かけてあること、だから、「私」はなくて、「I」。「難しいかもよ」じゃなくて、「むずいかもだよ」。彼の名前は「 」。これは10文字、または空白入れて9文字なのかなぁとかなり考えたけど、思いつかなかった。「しゅうとう」「ねんどう」「ごとう」「うとう」/「しゅうじ」「しゅうと」「しゅんご」「しゅうご」とか?でも適当な名前じゃ意味はないしなぁ…。
されど世界の終わり 三秋 -
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「盤上に君はもういない」を書いた著者の将棋小説。
上記の作品の登場人物の名前もチラホラと。
本編に大きく関わることはないので、今作から読んでも全然OKです。ただ、前作を読んでいると、ニヤリとできるかも。
今作は将棋+ミステリー。
人間の能力を決めるのは血筋なのか、環境なのか。それを確かめるべくやることは、ほぼ同時に生まれた将棋に関わる新生児を…
将棋の棋士になるための奨励会や、その後のタイトル戦の過酷さ。
そして、新生児が入れ替わったのではないかというミステリー、さらには家族愛の物語。
タイトルにある嘘とは何か、それが分かった時にはなるほどと思うとともに愛を感じる。
自分では将棋を -
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『愛のために生きた棋士』の物語。
きょうだいの愛、男女の愛、師弟愛、ライバルとの愛、そして親子の愛。
愛は絆とも置き換えられるかな。
とくにライバルは。
女性棋士のライバル物語はどう進むのかなと思ったら、それ以上に壮大な愛の物語だった。
ある女性棋士が表舞台から消えていた謎。そこに潜んでいた物語には感動させられました。
まさか、そんな事だったとは。
幕間の章で何となく想像させられるが、さらにそこから深い物語が。
将棋への愛とともに、人と人の間の愛情をここまで強く読ませてくれるのは素晴らしい。
星5をつけたいところですが、どうも将棋ソフトを盤上に描く棋士のドラマよりも評価している感 -
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何だこれは……完全に予想外。
将棋小説なんだけど、ミステリー?家族物語?友情物語?いったいどう表現すればいいんだろう。
夢中で一気読み!綾崎さん、三作目ですっかりファンになってしまいました。
棋士、女流棋士らが生きる世界を描き、将棋の世界にどっぷり浸れる作品。
さまざまな登場人物の苦悩する心情が丁寧に描かれていて、生々しく苦しい。
そのなかでキラリと光る出会いやわき上がる感情にグッときた。
一方で、読みながら“疑念”が頭からずっと離れない。
果たして赤ん坊取り違えの真相は──。
勝負の世界や人が人に惹かれる気持ちなど、胸がギュッとなることも多く、緊迫感もあり、貪るように読みました。
とても -
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ネタバレ将棋がテーマのアンソロジー。
お気に入りは青山さん「授かり物」
有名な棋士と、同じ年で同じ誕生日の息子を持つ松原芳枝。シングルマザーとして息子を育てていたが、20歳になった歳に漫画家のアシスタントになると言い出し…
ひょんなことから出会った将棋を指す老人と出会い、将棋の奥深さにハマっていく芳枝。これまでの人生と将棋を掛けた描写にじんわりきました。
綾崎さんの「女の戰い」
あくまで棋士を目指す朱莉。女流棋士とは違い狭き門で、保険で東大へ入学できるのも凄いです。
ライバルだけど、友達以上恋人未満な関係の京介が心地よく、認めてくれる人がいるだけで強くなれる関係がまた更に朱莉を上へ連れてって -
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『テーマ小説の旨味が凝縮された至極の一冊』
将棋にまつわる8話のアンソロジー。総じて良かった。特に将棋の細かいルールがわからなくとも読めるのが良い。全体的に夢を諦めない姿勢と将来の不安に対する心の葛藤を描いた作品が多く、勝負師たちの手に汗握る緊迫感が伝わってくる。奨励会の描写は「ヒカルの碁」を思い出した。
●授かり物 青山美智子
親子の優しい物語、ブラマンが出てくるのは青山ファンに嬉しい
●マルチンゲールの罠 葉真中顕
賭け将棋師の物語、真剣勝負に手に汗握る
●誰も読めない 白井智之
本格ミステリー、アリバイ崩しのトリックと将棋の先読みを掛けた白井先生らしい作品
●なれなかった人 橋