綾崎隼のレビュー一覧
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面白かった!
日本女子フィギュアスケート界に現れた2人の天才による、オリンピックへのたった1枚の切符をかけた美しき闘い。
実際のエピソードや人物をモデルに書かれたであろう部分が、妙なリアル感を産んでいて物語に没入してしまった。
面白いから集中してどんどん読みたいのに、時系列が行ったり来たりするせいで突っかかってしまうのがちょっと残念だった。
天才2人はどちらも性格に難ありで、最初は絶対好きになれそうもなかったのに、少しずつだけど人間性が成長していく姿を見ていくうちに好きになっていった。どっちかが負ける姿を見たくないほどに。
最終章の決着はどうなるのか、まるで本当に試合を見ているかのように心臓がドキドキして仕方がなかった。
私はフィギュアスケートファンなので、試合のシーンはエレメンツやそれに付随する描写が少しあるだけで、想像補完できるけど、フィギュアスケートに詳しくない人からしたら、試合シーンは少し物足りないのかも?
ただフィギュアスケートファンならとてもお勧めです!
私は競技としての技術点とフィギュアスケート独自の芸術面、双方のバランスが良い選手がどうしても好きなので、京本瑠璃のような選手がこれから現れればなと楽しみになった。
そして瑠璃の強さは私も見習わなければ……。
個人的に、女子フィギュア界のレジェンド瞳さんが、現役最後と決めたシーズンのフリープログラムに「ボレロ」を選んでいたところ、最高だった!
フィギュアスケートファンにとってはやっぱりボレロは特別だから。 -
購入済み
つまみぐいにアンソロ
母がフォローしている恩田陸を少し読んでみようと思ったのですがこういう方向性は求めてなかったなあ…という感じ。ファンタジーはちょっと。
しかし高田さんの作品だけかなり刺さったのでシリーズ読みたくなりました。こういうのと出会えるから良いのよね。 -
Posted by ブクログ
ミステリー要素を持ちなら繊細で感動的な物語でした。たいへん楽しく読みました。「若さ」をお持ちのみなさんにおすすめします。(生きていれば濃淡あれど若さありますから、みなさんですね)
物語を語ったり、書いたりすることと、物語を聞いたり、読んだりすることは、どれだけ離れたことなんだろうかと思いました。
小説家と読者だと、まったく別の種類の人間のように思ってしまいます。
でも、この本を読むと、そんなに離れていない、作家と読者は表裏一体、近しい存在なんのかなと感じられました。
この小説の主要テーマである「誹謗中傷」なんかはすっ飛ばし、わたしなりの理解は、以下のとおりです。
「遠いむかし、ある時ひとつの霊魂が、物語を語り・書く魂と、物語を聞き・読む魂に突然分裂してしまった。そこから長い年月を経て、この魂たちはようやくこの物語で再会をはたすことができた。」
みたいな感じでしょうか。どこにも書いてませんけど、とにかく魂なんです。(めんどくさがってるわけじゃないです)
この小説は、物語の書き手と読み手の霊魂の再会・再生の物語であるとともに、もうひとつ、若いひとたちの人生の再生物語でもありました。
それから、この小説はとっても演劇的だなとも思いました。登場人物たちのセリフや立ち振舞が、舞台をみるようでした。集合したはじめのほうは、リアリティー・ショーみたいだったし。(よい意味ですもちろん!)
「若い」心で、小説のなかの小説である『Swallowtail Waltz』を受け入れ、登場人物たちのあり様を受け入れ、魂と魂の再会を目撃していただきたいです。 -
Posted by ブクログ
“胡蝶の夢”という荘子の説話の挿入がある
夢の中の自分が現実か、現実の自分が夢なのか
もしかしたら 天才と称される人達はそんなふうにに生きているのかなと思った
圧倒的な絵の才能を持つ少女
彼女には 感情的で社会性が欠如している
綿密な技術で才能を表す少年
彼は 勤勉で品行方正
ふたりは同じアトリエで 同じ空間と時間を過ごしていく
ふたりを育てる事に 生きがいを感じる元画家の女性
巨大な才能を目の前にして苦悩する
それでも 好きな絵を描き続ける彼ら
彼女に小学生で出会った才能ある少年は、幼くして天才に寄り添う道を選んでいた
緻密な計画と生活で最初から彼女を導いていた
不幸な事故で利き腕を失った天才少女
最後まで支え続ける、嫉妬さえ感じる愛でした
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Posted by ブクログ
なんだか妙にリアルな素敵な小説でした
二か月後、新潟オリンピックが開催される全日本フィギュアスケート選手権大会
出場枠は2
一つは、女子フィギュアの牽引者三十歳を迎えているレジェンドが決定している
残る一枠をかけて、二人の天才少女が銀盤を跳ぶ
そして、この少女たちを支え彼女たちの人生まで抱えて一緒に銀盤を跳ぼうとする女性コーチ二人
二人×二組の女性たちの決戦
決戦の日をたどりながら、四人のそれまでの人生を読ませる
「蜜蜂と遠雷」の天才たちの話を思い出す
この二人の少女たちがなかなかの問題児
加えて彼女らに責任の無い家庭の問題も次々と起きる 波乱が続きすぎ
卓越したセンスと表現力を持つ完璧主義の少女と
圧倒的身体能力でジャンプの限界を超越する少女
それぞれのコーチは自分の舞姫を信じる
フィギュアスケートの採点方法やジャンプの種類の説明も読ませてくれる
あの採点を滑りながら換算しているのだから選手らはほんと頭の良さも必要なんです
欲を言えば、銀盤の二人の決戦のスケーティングをもう少し充実して読ませていただけたらと思いました♪
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Posted by ブクログ
ネタバレ「盤上〜」がめちゃくちゃ好みだったので、同じく綾崎さんの作品を。
電子書籍で細切れに読んでいたけど、続きが気になってしまう推進力のある文章は相変わらず。
色んな登場人物からの視点で話が進んでいく構成。
電子書籍だったため残ページ数を意識していなかったがゆえに、最後には遥都視点になるのかと思っていたのにあっさり終わってしまって、びっくり。
ラストのプレゼントの婚姻届はあまりにも唐突で驚いた。ハチクロエンドということ…?
遥都視点がないからこその奥行きなのかもしれない。
遥都が灯子に献身的だった理由が私には読み取れなかった。サブタイトルからして恋ではなかったとは分かるけど、灯子の才能に圧倒されて、灯子ごと守りたかったのかな?
灯子が絵に対して抱いていた気持ちが、遥都にとっての灯子だったのかなあ。
描かれている絵が浮かぶような描写だった。綾崎さんの文体好きだ… -
Posted by ブクログ
「裸の王様」「人魚姫」「赤い靴」「みにくいアヒルの子」「親指姫」…懐かしい童話と、その物語の登場人物達が出てくる。
【物語の中で不幸になった者だけ】
が、集まる世界。
彼らを幸せな結末へと導くのが、「物語管理官」の役目。
大変面白い設定と、本来の物語に主人公達が介入して結末を変えていく過程が、よく考えられていてとても面白い。「どうやって変えるのか」「どこで介入するのか」を読み手も考えながら読み進めてしまう。
…が、本来の物語の「主軸」は、そこではなく、もう一つの「軸」が用意されててあり、中盤からはそちらの謎を解いていく展開とかわっていく。
すっかりハマってしまい、Wikipediaやら他のサイトやらを検索しながら読んでしまった私は、作者の手の上で見事に転がされてしまった1人だろう。
ネタバレは控えておくので、ぜひ、読んでみてほしい。同時に、昔読んだ数々の童話たちを再び読んでみたい気持ちになるはずだ。 -
Posted by ブクログ
将棋に関する物語って、そう言われても面白そうには思わないという人が多数だと思います。
ちなみに私もその一人でした。
でも、読んでみればわかるのですが、この本はただ堅苦しい将棋の棋士の話ってわけではありません。
どちらかといえば、人情味溢れる感動どんでん返しというイメージだと考えてくれると、少しは解りやすくなると思います。
物語としては人との関係性が濃く描かれていて、でも専門分野も浅くなく深い。……それでいて、最後は清々しい気持ちで終わらせてくれる。
作者である綾崎さんはそんな作品をよく作ってくれる方なのですが、この本も傾向は変わらない気がします。将棋を中心に、色んな知識を深められる本です。
それでいて、後味も良いから素敵。
最近、人間らしくて暖かい話は読まないなっていう人に、特に、特に読んでみてほしい話だと思います!!