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Posted by ブクログ
雪深い山中のログハウスで愛する妻を野獣に食い殺された動物学者の城島。足首を噛み砕かれ、喉元を鋭い牙で刺され、腹を食い破られるという凄惨な現場写真をみて、その顎力の強さから大型犬の仕業ではないことを悟る。妻はオオカミに殺されたのか… しかしニホンオオカミははるか昔に絶滅しているはず。悲しみを胸の奥深くにしまい、城島は妻を殺した獣の正体を雪上に追う!
ニホンオオカミの詳しい生態と、農業や林業を生業としていた人間との共生関係、そして山を生活の場としていた漂泊民・サンカ。昭和の初期には失われてしまっていたそれらの古き山村の民俗文化を織り交ぜながらも、城島が一本気な行動で謎の獣を追い詰めて行く闘いの描写が非情に骨太で緊迫感があります。
次第に明らかになる獣の正体。その影に見え隠れする自然の摂理を無視した邪な人間の意思。冒険小説としても一級品ですが、ミステリーとしての展開もよく出来ていて一気に物語の世界へ引き込まれていきます。
「新田次郎文学賞」という冠に恥じない名作です。
Posted by ブクログ
幻のニホンオオカミに関する話かと思ったら、出だしはミステリ、中盤で凶獣の正体は明らかになるが、ここから一転、謎の山間漂泊民・山窩を巡る戦後史となる。信じ難いが、一応そういう説もある様だ。話としては面白い。最後に姿を見せる7匹の…。ところで狼と言えば、和歌山と奈良の県境沿いに、古より「谷幽かにして嶺遠し因りて無果という」と説かれた果無山脈が広がっている。山低くアルピニズムとは無縁の地であるが、その山懐は果てし無く深い。山の斜面をツチノコ転がり大蛇が道を塞ぐ、夜には狼の遠吠えが聞こえると言う。未知動物の聖域。
“ガオー”の次は“ウォー”! 2012年09月07日
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