千早茜の作品一覧
「千早茜」の「男ともだち」「紙魚の手帖」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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Posted by ブクログ
ある意味、よくぞこんな形態の本を出したなと思う(笑)。作家としてある程度売れた今だからこそ出すことが出来たのかもしれない。趣味丸出し。餅とチョコレートへの愛が爆発。驚くほどの拘りと、深い知識。1編毎に1つの餅、チョコレートを紹介していくのだが、さすが、エピソードがしっかりと物語っぽくなっている。添えられたイラストも、また良い。度々、京都の話が出てくる。以前、20年間住んでいたらしい。「男ともだち」で、主人公が住んでいた京都が妙にリアルだったが、その理由が分かった気がした。腑に落ちた。著者の、餅とチョコレートへの絶大なる愛を記した作品だが、メーカーから定期的に商品を提供してもらっても良いぐらいの宣伝本でもある。餅、チョコを食べる・新たな美味しさに出会うことが趣味を超えた生き甲斐。性癖。執着、探究心、拘りが半端ではない。同時に、飲み物との組み合わせにも拘りがあり(著者はマリアージュと呼ぶ)、茶に関しても詳しい。ハーブティー、紅茶、中国茶。全て知り尽くしている。更に、白湯への拘りもあって、美味しい白湯を飲むために鉄瓶を求めて岩手まで足を運んだというのだから驚く。ちなみに、コーヒーと牛乳は苦手らしい。「チョコレートは飲み物でもある」。実際に、元々は飲み物から始まったらしい。チョコレートの起源など、歴史を辿るような記載もある。著者にとって「チョコレートは魂の食べ物」。チョコレートが無いと、心が死ぬとまで言い切っている。
Posted by ブクログ
植物の呼気。部屋で植物を育てているわけでもなく(虫が寄ってきそうで敬遠してしまう、、)今までの人生を振り返っても、特に植物に対する想い入れを持つことがなかった自分は、普段の生活の中で植物の呼気を感じることもなかった。作品の中で、生々しく息づく植物たち。色鮮やかで、芳しい香りを放ち、愛でられたいと願うその姿に、女性と通じるものを感じる。草食なのか考え方が現実的過ぎるのか冷静なのか、主人公の羽野は異性としての女性を必要としない。その代わりに、植物に対する愛情だけは異常。そんな、「自分の庭」に篭ったような生活を続けている時に、とある女性から本音を浴びせられ、自分だけの心の庭が乱れてしまう。花弁がボロボロと剥がれ落ちてしまう。何か大きな問題が発生する時には、突然起きるのではなくて予兆や原因が積み重なって結果に繋がる、、そこに気が付き難いことや(病気も一緒)、人との距離感や、結婚についても考えさせられる。そのどれもを植物の話と結び付けているのが千早先生のスゴいところ。この作品の登場人物も皆人間味に溢れていて親近感が湧いた。出会えてよかったと思えた。
Posted by ブクログ
古本屋で目が合い、なんとなく読み始めたら一気読みしてしまった一冊。
特別に大きな出来事が起こるわけではないが、登場人物たちが皆優しく、読んでいて温かい気持ちになれた。
作中には、聞いたことのない名前の植物や料理が数多く登場する。しかし、その鮮やかで丁寧な描写によって、まるでそこから漂う香りまでも感じ取れるようだった。
まさに「丁寧な暮らし」という言葉が、何度も頭をよぎった。
いつか植物を育て、それを使って料理をする。そんな朔さんの暮らしぶりに、憧れを抱いた。
この作品の最大の魅力は、登場人物一人ひとりの人柄が、丁寧に描かれているところだと思う。
きっと、過去に深い傷を負った人は、静かな香りを纏っているのだろう。そんな彼らが互いに支え合う姿に、胸が温かくなった。