国内ミステリー - KADOKAWA - 角川文庫作品一覧

  • 流星の降る町
    3.0
    日本最大の暴力団が、企てた町の制圧作戦。前代未聞の陰謀に、元軍人や元泥棒など、第一線を退いた七人の市民が立ち上がる。逃げ続けていたそれぞれの人生の復活を賭けた闘いに、勝ち目はあるのか――。
  • 龍探 特命探偵事務所ドラゴン・リサーチ
    4.0
    元敏腕刑事の遊佐龍太が営む探偵事務所「ドラゴン・リサーチ」。そこは、遊佐の腕を頼って警察の手に余るような厄介な依頼が持ち込まれる、特殊な探偵事務所だった。ヤクザからの美女AV監督の護衛、かつての極左過激派の”女神”を狙うストーカーの正体の調査……奇妙な依頼の背後に見え隠れする事件の影を追って、今日も遊佐は、依頼者兼相棒の少女たちや3人の元妻らと奔走する!
  • リラ荘殺人事件
    3.7
    リラ荘を七人の芸大生が訪れた翌日から、殺人鬼の活動は始まった。老人が殺され、死体の横には学生のコートと、スペードのAが。それを機に別荘で次々と起こる殺人、凶悪無残な殺人鬼の正体とは?
  • 臨床真理
    3.7
    臨床心理士・佐久間美帆が担当した青年・藤木司は、人の感情が色でわかる「共感覚」を持っていた……。美帆は友人の警察官と共に、少女の死の真相に迫る! 著者のすべてが詰まった鮮烈なデビュー作!
  • 血の翳り
    4.0
    二年前、寒風吹きすさぶ冬の日、当時、警視庁捜査一課、霜月の妻と子が殺された。妻は凌辱を受け死体は凍りついていた。霜月は職を辞し、犯人を追跡したが、いまだ手がかりはつかめなかった。が、そのころから霜月の一族の子どもたちが何人も、不可解な死を遂げていた。何者かが霜月の一族を抹殺しようとする気配が感じられた。彼は自らの〈血〉の謎を明らかにするために、ルーツを遡りはじめる。が、浮かんできたのは呪われた〈血〉の恐るべき真実……。凄絶な暴力と性――時代を超えて展開する、バイオレンス・アクション!
  • ルパン三世 The Novel 謎の宝石と伝説の王国
    4.5
    ニューヨークの有名博物館からルパンが盗んだ宝石。それは「世界を変える」宝石だった。謎の美少女に史上最悪の傭兵集団、そして不二子の暗躍……。世紀の争奪戦にルパン一味は参戦する!!オリジナル小説。
  • 瑠璃の雫
    3.7
    母と弟の3人で暮らす小学6年生の杉原美緒。母はアルコールに依存し、親類に引き取られた美緒は心を閉ざしていく。そんな折、元検事の永瀬丈太郎という初老の男と出会う。美緒は永瀬の人柄に心を開いていくが、彼はひとり娘を誘拐されており、大きな心の傷を抱えていた。数年後、美緒は事件を調べ始め、余りにも哀しい真実を知る――。家族とは何か。赦しとは何か。今最も注目を受ける気鋭が贈る、感涙のミステリ巨編!
  • ルート246 華麗なる詐欺師・倉田梨り子1 憂さ晴らし、承ります!
    4.0
    「真の詐欺師とは、その才能を人の幸せにのみ使うものだ」。伝説の天才詐欺師であり失踪中の父・寛治の“腕前”を継いで、仕返し代行ビジネスを始めた梨り子。情の深さと正義感ゆえ、ときに依頼人に騙されてしまう。だが、父親の知り合いと称する謎のおばちゃまや研介に助けられ、次第に成長していく。華麗な詐欺のセンスとテクニックを駆使して、梨り子が弱者の“憂さ”を晴らしていく、痛快ミステリー連作集、第1巻。
  • レオナルドのユダ
    3.6
    神に選ばれし万能の天才――画家にして彫刻家、科学者、医師、音楽家でもあったレオナルド・ダ・ヴィンチ。気高く優雅な魅力を放つ彼の周りには、様々な人々が集っていた。貴族の跡取り息子でありながら、レオナルドに魅せられて画房の弟子となったフランチェスコ。絶世の美青年だが、傍若無人なふるまいで周囲を混乱させるサライ。そして、レオナルドの才能を決して認めようとしない毒舌の人文学者パーオロ。天才レオナルドの魅力を真摯に描き、彼が残した『モナ・リザ』の謎に迫る、著者渾身の歴史ミステリー。
  • レッドライト
    3.0
    自分をゴミのように切り捨てた上司を撲殺した桑崎。逃走中、玉突き事故に遭遇しつつも帰宅した翌日、ニュースでは上司が殺害現場近くの路上で「轢き逃げされた」と、あり得ない報道が……。長編ミステリ!
  • 恋愛届を忘れずに
    4.0
    憧れの課長から昼食に誘われ、「我が社のために重要書類を届けてくれ」と指示された新米女子社員の恭子。ところが細心の注意を払ったはずなのに、その書類を届ける途中で、盗まれてしまったのだから大変だ。偶然知りあった、おかしなアベックと3人でシロウト探偵になって、事件の調査に乗り出すのだが、いきなり死体に出くわして、てんてこ舞い! 若さと大人の陰謀が対決する表題作〈恋愛届けを忘れずに〉など4編を収録。元気いっぱい、大事件続発の青春ミステリー。
  • 凶笑面 蓮丈那智フィールドファイルI
    続巻入荷
    4.0
    1~3巻968~990円 (税込)
    「異端の民俗学者」と呼ばれる蓮丈那智の研究室 には数々の依頼が舞い込む。助手の内藤三國と共に那智が赴くと、なぜか調査は事件へと変貌する。激しく踊る祭祀の鬼。凶々しい笑みの面の由来。丘に建つ旧家の離屋に秘められた因果。三國が遭遇した死亡事故の顛末。才能と美貌を兼ね備た那智の推理は深淵に潜む真実を炙り出す。過去と現代を結ぶ殺人事件に民俗学的考察が冴え渡る5篇。北森鴻の代表シリーズ、待望の再始動。
  • 老警
    3.5
    A県の小学校で起きた前代未聞の無差別大量殺人。犯行後、犯人の男は居合わせた警官から奪った拳銃で自殺する。現役警官である男の父もまた、直後に自死。県警本部は混乱の坩堝【るつぼ】と化した。謎多きこの事件の解明に乗り出したキャリア女警の由香里は、捜査の末、驚きの真実を見つける。ベテラン警察官達の矜持と保身、組織の理不尽と世間の無情、引きこもりとその家族の実情――数々の問題提起を孕んだ社会派警察ミステリー。
  • 六人の嘘つきな大学生
    4.6
    << 2022年本屋大賞ノミネート & ブランチBOOK大賞2021受賞 >> ■■各種ミステリランキングで話題沸騰中■■ 『このミステリーがすごい! 2022年版』(宝島社)国内編8位 週刊文春ミステリーベスト10(週刊文春2021年12月9日号)国内部門6位 「ミステリが読みたい! 2022年版」(ハヤカワミステリマガジン2022年1月号)国内篇8位 『2022本格ミステリ・ベスト10』(原書房)国内ランキング4位 成長著しいIT企業「スピラリンクス」が初めて行う新卒採用。最終選考に残った六人の就活生に与えられた課題は、一カ月後までにチームを作り上げ、ディスカッションをするというものだった。全員で内定を得るため、波多野祥吾は五人の学生と交流を深めていくが、本番直前に課題の変更が通達される。それは、「六人の中から一人の内定者を決める」こと。仲間だったはずの六人は、ひとつの席を奪い合うライバルになった。内定を賭けた議論が進む中、六通の封筒が発見される。個人名が書かれた封筒を空けると「●●は人殺し」だという告発文が入っていた。彼ら六人の嘘と罪とは。そして「犯人」の目的とは――。 怒濤の伏線回収に驚嘆の声続出! 青春ミステリの傑作が、ついに文庫化!
  • ロスト・チャイルド
    3.6
    東京都監察医務院が突然、武装グループに襲撃された。人質となった女性助教授・神ヒカルは、遺伝子医療を巡る謀略戦に巻き込まれていく……生命の根源を描いたエンタメ大作、ここに誕生!!
  • 六法推理
    3.7
    その悩み、一人で抱え込まずお気軽に無法律へ。 学園祭で賑わう霞山大学の片隅。法学部四年・古城行成が運営する「無料法律相談所」(通称「無法律」)に、経済学部三年の戸賀夏倫が訪れる。彼女が住むアパートでは、過去に女子大生が妊娠中に自殺。最近は、深夜に赤ん坊の泣き声が聞こえ、真っ赤な手形が窓につくなど、奇妙な現象が起きているという。戸賀は「悪意の正体」を探ってほしいと古城に依頼するが……。リベンジポルノ、放火事件、毒親問題、カンニング騒動など、法曹一家に育った「法律マシーン」古城と、「自称助手」戸賀の凸凹コンビが5つの難事件に挑む!
  • 六本木聖者伝説〈魔都委員会編〉
    4.0
    1~2巻748~858円 (税込)
    六本木の老舗中国料理店「佳花飯店」が爆破され、同店の社長・宋海礼と和菓子屋「はしもと」の三代目・橋詰成人らが会食中に爆死した。「佳花飯店」内部にいた人間は、従業員、客を問わず、生存者はひとりもいなかった――。 死亡・行方不明八十七名、負傷者十七名を出した大惨事。それは世界規模の犯罪組織「魔都委員会」が六本木侵攻の第一歩として起こしたものだった。魔都委員会の目的、それは世界中の大都市を自分たちの支配下におくことだった。大都市の歓楽街を手中に収めることで、巨額の収益を吸いあげているのだ。 各々の父を失った宋麗豊と橋詰海人の二人は、父親たちが、同委員会の侵略を阻むために世界に散っている対抗組織〈守る側〉のメンバーだと知る。父の遺志を継いだ麗豊と海人は、世界規模の闘いに身を投じるが――。
  • ロマンティック
    4.5
    女は傷ついているんだから。ずっと、奥の、目に見えないところが……。そんなの男の人にはわからないんだ。志村奈美。17歳。――お嬢様学校として知られている私立女学院高三年生。親友の爽子と彼女のかつての恋人史雄のよりを戻させようと、男三人、女三人で湖のほとりの避暑地へと出かけるが……。17歳の少女の夏の一週間の休暇。退屈と、混乱と、恥ずかしさと、感激と……。そして大人へ。人気最高潮の赤川次郎が放つ、オリジナル青春ラブ・サスペンス。
  • 輪舞─恋と死のゲーム
    4.5
    高校三年の冬。喧嘩ばかりの両親を思い、暗い気持ちで雨にうたれていた久美子。だが、彼女の〈孤独〉はその日が最後になった。見知らぬ男性が、優しく暖かく傘をさしかけてくれたのだ。彼への憧れと淡い恋心を支えに生きる久美子が、ある日、彼の家で見てしまったものは……! 様々な喜びと哀しみを秘めた人間たちの、出逢いやすれ違いから生まれる愛と恋の輪舞〈ロンド〉。オムニバス・ラヴ・ミステリー。
  • ローウェル骨董店の事件簿
    3.9
    1~3巻572~660円 (税込)
    第一次大戦直後のロンドン。左目に傷を持つ検死官デリックと骨董店店主デューイは、大戦でできた心の距離を埋められずにいる兄弟。幼なじみの刑事エミールが持ち込んだ殺人事件の捜査で久々に再会するが…。
  • ワイドビュー南紀殺人事件
    4.0
    十津川警部の部下・三田村警部は、恋人の久美との結婚に踏み切れずにいた。久美の父親が殺人事件で服役中だからだ。複雑な思いを抱いて、彼女の故郷南紀へと旅する二人だが、偶然殺人事件に遭遇。駅の待合室で男が刺殺されたのだ。協力を要請された十津川らは、久美の観察と記憶を手がかりに、被害者の仲間とおぼしき二人を割り出す。だが、久美が謎の失踪を遂げてしまった。事件と彼女の間にどんな関係があるのか。広域殺人の壁に挑む十津川警部の苦悩と決断。
  • 葡萄街道の殺人
    -
    ひそやかなノックの音がする。深夜、シーズンオフのライン川ぞいのホテルの部屋。綾有里子は不安に襲われた。この不安が、これから先に起きる恐ろしいでき事の予兆であるとは……。麻布のレストラン『つぐみ亭』の女主人有里子は、毎年ワインロードを旅してワインを買いつける。今年は弟夫婦と店の常連の早川教授がひきいるツアーといっしょであった。心にそれぞれの炎を秘めて人々は葡萄街道を下る。爆発のときが刻々と近づく……。
  • わが郷愁のマリアンヌ(上)
    3.0
    1~2巻704~748円 (税込)
    ロンドンに赴任した貿易会社常務・倉内優二は、取引きを始めた陶磁器メーカーの女性オーナー社長マリアンヌと運命的な出会いをした。優二は、青年時代から憧れていた『嵐が丘』のヒロイン、キャサリンを彼女に投影し、会う度ごとに思いを募らせていった。その頃、彼女の会社のマネージャーの死体が立木に囲まれた静かなホテルで発見された……。北イングランドの荒野に展開する華麗な愛のミステリー。
  • わくらば日記
    3.7
    姉さまが亡くなって、もう30年以上が過ぎました。お転婆な子供だった私は、お化け煙突の見える下町で、母さま、姉さまと3人でつましく暮らしていました。姉さまは病弱でしたが、本当に美しい人でした。そして、不思議な能力をもっていました。人や物がもつ「記憶」を読み取ることができたのです。その力は、難しい事件を解決したこともありましたが……。今は遠い昭和30年代を舞台に、人の優しさが胸を打つシリーズ第1作。
  • わくらば追慕抄
    3.7
    人や物の「記憶」を読み取れる不思議な力をもった姉・鈴音と、お転婆で姉想いの妹・ワッコ。固い絆で結ばれた2人の前に現れた謎の女は、鈴音と同じ力を悪用して他人の過去を暴き立てていた。女の名は御堂吹雪──その冷たい怒りと憎しみに満ちたまなざしが鈴音に向けられるとき、何かが起こる……。昭和30年代を舞台に、人の優しさと生きる哀しみをノスタルジックに描く“昭和事件簿”「わくらば」シリーズ第2弾!
  • 忘れたとは言わせない
    -
    14歳で凶悪事件を自白し保護施設で育ったウーロフ。23年後に釈放され帰郷した時、再び事件は起きた。ウーロフの父が死体で発見されたのだ。犯人と疑われ、世間の誹りを受けるウーロフ。捜査に当たる、ウーロフと同郷の警察官補エイラ。彼女の前に、次第に過去に起きた別の事件が浮かび上がってくる――。スウェーデン推理小説アカデミー最優秀ミステリ賞、スカンジナヴィア推理作家協会「ガラスの鍵」賞W受賞作。
  • 忘れられた花嫁
    4.0
    永戸明子。21歳。この物語の主人公である。現代っ子らしく、スマートで、足もスラリと長い。名前のとおり、とにかく明るい子だ。結婚式場につとめている。その結婚式場で事件は起こった。花嫁が式の直前に消えてしまったのだ。その上、ウエディング・ドレスの中には見知らぬ死体が……。持ち前の好奇心を発揮して、事件を追及する明子のまわりで次々と謎の事件が……。青春ユーモア・ミステリー。
  • 私の頭が正常であったなら
    4.1
    最近部屋で、おかしなものを見るようになった夫婦。妻は彼らの視界に入り込むそれを「幽霊ではないか」と考え、考察し始める。なぜ自分たちなのか、幽霊はどこにとりついているのか、理系の妻とともに謎を追い始めた主人公は、思わぬ真相に辿りつく。その真相は、おそろしく哀しい反面、子どもを失って日が浅い彼らにとって救いをもたらすものだった――「世界で一番、みじかい小説」。その他、表題作の「私の頭が正常であったなら」や、「トランシーバー」「首なし鶏、夜をゆく」「酩酊SF」など全8篇。それぞれ何かを失った主人公たちが、この世ならざるものとの出会いや交流を通じて、日常から少しずつずれていく……。そのままこちらに帰ってこられなくなる者や、新たな日常に幸せを感じる者、哀しみを受け止め乗り越えていく者など、彼らの視点を通じて様々な悲哀が描かれる、おそろしくも美しい”喪失”の物語。【解説:宮部みゆき】
  • 私のハートに、あなたのメスを
    -
    うぬぼれ屋の東西大学の東学長は、婦女暴行常習犯ではないのだが、男好きのする女子大生の久米志摩子が自分に惚れていると錯覚し、絞め殺してしまった。さあ、大変! 日本医者会の会長選挙を来月にひかえ、5人のおべんちゃら学長派の教授たちは志摩子の死体隠しに余念がない。ところが、デキの悪い学生、岩手軍太にだけは艶っぽい幽霊になった志摩子の姿が見える。幽霊に一目惚れした軍太たちの志摩子救出と復讐の奇妙な騒動が始まった。
  • 私を殺しに来た男
    2.8
    十津川警部は帰宅途中の電車で若い女性から「お願いがある」と声をかけられた。不眠不休の捜査で疲れきっていた十津川は、明日にでも警視庁に電話をしてくれと言い、その場を去ってしまう。そして翌朝、駆けつけた殺人現場で見た死体は、声をかけてきたその女性だった……。十津川警部の苦悩を描く「事件の裏で」をはじめ、プロ野球の世界を舞台にしたスポーツ推理小説「サヨナラ死球」など、本格推理から異色作品まで、単行本未収録の短編を10作収録した文庫オリジナル短編集!
  • 罠【電子特典付き】
    4.0
    「便利屋と呼んでください」その男の特徴はとくには…ない。ロボットのような得体のしれない新キャラクター・便利屋。まるで死神のようであり、悪役なのか助っ人なのか得体が知れない。 議員の息子が誘拐され、身代金要求が犯人から来た。金を工面しようと事務所の金庫へ向かった秘書が暴漢に襲われ、現金を奪われる。ところが、その金はなんと、偽札だったと警察に知らされる。八方ふさがりになり、便利屋に依頼をする……。一方、捜査一課の刑事の巨漢の男・都築は、街に発生する事件を追ううちに、一人の人間に行きつく――便利屋だ。背徳の街・槻津市では、今日も政治家や葬儀屋、学校、旅行会社と次々と悪事を働いている。暴力で相手を屈服させるのではなく、悪事を捻り出す知力(悪知恵)で騙し合っている。 『極上の罠をあなたに』(単行本)に、書下ろし4編を加えた文庫版新装版では、都築は探偵事務所の所長に。ついに便利屋の正体が明かされる! 電子書籍特典として、本書の発売にあわせて書き下ろされた「インタールード 刑事の恋」を収録。
  • 笑う執行人 女検事・秋月さやか
    3.0
    六本木のクラブのVIPルームで撲殺された死体は、鋭利な刃物で鼻がすっぱりと削がれていた。殺されたのは、青年実業家の在日韓国人三世だった。異様な殺人は、連続殺人となった。その頃、東京地検特捜部に28歳の若さで配属された秋月さやかは、”無理筋”の仕事に戸惑っていた。大物代議士の不正献金事件の証拠がつかめず、立件が難しくなってきていたのだ。それにも拘わらず捜査を急ぐ特捜部。正義を掲げて秋月は孤立していく。いつしか結びつく二つの事件。その背景には日本社会の腐敗した組織構造があった。捜査一課のベテラン刑事・神代と、財務省出身の美男子弁護士・朝比奈と新米検事・秋月は事件の真相に迫るー。科警研所属の医師・白鳥奈津子も登場。著者渾身の社会派ミステリー。
  • 悪い夏
    3.9
    26歳の守は生活保護受給者のもとを回るケースワーカー。同僚が生活保護の打ち切りをチラつかせ、ケースの女性に肉体関係を迫っていると知った守は、真相を確かめようと女性の家を訪ねる。しかし、その出会いをきっかけに普通の世界から足を踏み外して――。生活保護を不正受給する小悪党、貧困にあえぐシングルマザー、東京進出を目論む地方ヤクザ。加速する負の連鎖が、守を凄絶な悲劇へ叩き堕とす! 第37回横溝ミステリ大賞優秀賞受賞作。
  • 悪いものが、来ませんように
    3.9
    自分の娘への強い愛情を抱える奈津子。助産院の事務をしながら、不妊と夫の浮気に悩む紗英。二人の異常な密着が恐ろしい事件を呼ぶ。「最後まで読んだら、絶対もう一度読み返したくなる」話題作、ついに文庫化!
  • ワンナイトミステリー 「巴里の恋人」殺人事件
    5.0
    地味な性格で友人もおらず、寂しいひとり暮らしのOL山添亜希子の留守番電話には、伝言が入っていた例しがない。メッセージ有りを示す赤いランプの点滅が見たくて、亜希子は自分の留守TELに自分で伝言を吹き込む、むなしい一人二役の行為を繰り返していた。ところがある日、亜希子をデートに誘う謎の男の声がテープに録音されていた。不安と期待で胸が高鳴る。が、甘い夜を夢みてホテルに向かった彼女を待ち受けていたのは上司の物言わぬ死体だった!
  • ワンナイトミステリー 「ナイルの甲虫」殺人事件
    -
    自主映画の大ヒットを夢見て、海外ロケに出発した5人の大学生。舞台に選んだのは古代エジプトのファラオたちが眠る「王家の谷」。その地で主役を演じる岡崎拓哉が、全身に包帯を巻かれた格好で謎の突然死を遂げる。3年後、撮影に加わっていた女子大生から事件の解明を乞われた推理作家の朝比奈耕作は、現地へ飛んだ。雄大なる古代遺跡の地で、彼が導いた結論は他殺。犯人を示す鍵はナイルの甲虫をかたどった「心臓スカラベ」の置物。だが死の瞬間を撮ったビデオに意外な真相が……!
  • ワンナイトミステリー 「香港の魔宮」殺人事件
    5.0
    日本の会社でOLをやっていては、女に未来はない。そう決断した沢村麻季は、人生の成功を賭けて香港へ旅立つ。だが、野心の陰で麻季は、友人のキャッシュカードを何度も盗んでは金を引き出すという犯罪に味をしめ、その罪を隠すため委託殺人まで犯していた。麻季の婚約者西条雄一は、その黒い行為に薄々気づくが、まったく任意に決めた暗証番号がなぜ解読できたのか、銀行員の彼にも推理ができない。そして解決は精神分析医・氷室想介の手に委ねられた!
  • ワンナイトミステリー 「北京の龍王」殺人事件
    3.0
    中国系日本人実業家の周龍平は、北京を観光中に天空からのメッセージを受ける。「龍王の雲を得たるがごとし」その啓示を「龍」をテーマにしたPCゲームによる世界制覇と解釈した周は、部下の九条に企画開発を命じた。そのころ将棋界のエース4人が参画した、新感覚の将棋ゲーム「Jチェス」が開発中とのニュースを得た九条は、アイデア盗用計画を立てる。そんな折り、ホテルの一室で周龍平が襲われた。意識不明の彼の両眼には龍王の駒が……。ワンナイト、今回の探偵役は氷室想介!
  • ワンナイトミステリー 「カリブの海賊」殺人事件
    3.0
    『カリブの海賊』と呼ばれ海外で大活躍中のボクサー・カルロス山東と創刊誌上で対談するため、カリブの島バハマへ飛んだ推理作家の朝比奈耕作。が、対談開始直前に相手が殺された! いつも右の目に髑髏マークの眼帯をして海賊ムードを演出していたボクサーが、なぜか反対側の左目に眼帯を掛け、しかも真正面から襲われ、何の抵抗もできずに金づちで撲殺されたのだ。あれは『コロンブスの卵』だったと朝比奈が志垣警部に語る意表のトリックとは何なのか?
  • ワンナイトミステリー 「倫敦の霧笛」殺人事件
    3.0
    巨額の遺産を継いだ岡島瑛子は、旅先のロンドンで、甲高い笛の音とともに悪夢を見る。首を切られた赤毛の女が、枕元で瑛子を見下ろしているのだ! 昔その部屋で猟奇殺人事件があった事実を告げられた瑛子は、徐々に心のバランスを失って、精神分析医・氷室想介の治療を受けるようになる。そんな彼女が、晩秋の軽井沢から氷室にSOS。先生、私は今夜呪い殺される! ロッジに到着した氷室は、狭い部屋の間取りから密室殺人計画を看破。だが、そのとき不気味な笛の音が響き渡った!
  • ワンナイトミステリー 「シアトルの魔神」殺人事件
    -
    化粧品会社に勤める永峯希美は、顧客向けに制作しているPR誌の小説を読んで驚いた。8年前にシアトルで体験した恋人との別れの場面が、セリフもそのままに描かれていた。作者は、ほかでもない過去の恋人。だから99%が事実。だが1%が違う。作中の希美は哀しい最期を遂げているのだ! 希美は別れた男の真意を探るためにシアトルへ。指定された再会場所へきた男は自らを「魔神」と呼ぶ変人に変貌をとげていた。そして最悪の事態が……。ワンナイト、今回の探偵役は烏丸ひろみ!
  • ヴァイス 麻布警察署刑事課潜入捜査
    4.4
    人気アイドルの覚醒剤所持に大物政治家の賄賂。麻布警察署のエース、仙石のミッションは依頼された全ての犯罪を秘密裏にもみ消すこと。手段は問われない。“悪で以って悪を制す”汚職警官の行く末とは!?
  • ヴィオロンのため息の 高原のDデイ
    5.0
    敗戦間近い軽井沢で、ソ連人スパイが殺害された。ノルマンディ上陸作戦の陰で世界史を決した殺人事件! 事件の鍵を握る2人の男女、ドイツ大使館付武官ハンスとのちの法相夫人・敦子は、50年後に再会の約束をして別れるのだが……。そして半世紀ぶりに軽井沢のホテルで、秘密を胸にひめた2人は再会。抱擁する2人だが、思いもかけない運命の裁きが迫ってくる。半世紀の悲恋を描いた横溝正史賞受賞の国際ミステリーロマン。

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