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レヴィンソン&リンク劇場
『刑事コロンボ』『ジェシカおばさんの事件簿』等の推理ドラマで世界を魅了した名コンビが、ミステリー黄金時代に発表した短編小説の数々! 郵便配達人が知った大事件の秘密を描くデビュー作「口笛吹いて働こう」を筆頭に、コロンボの原型となった殺人劇「愛しの死体」など、田舎町からショウビズ界まで、さまざまな舞台で展開される、多彩な犯罪物語や怪談といった、謎と興趣に富んだバラエティあふれる作品を収録。 ※本電子版は、著者との契約により、「幽霊の物語」の1作品が収録されておりません。ご了承ください。 -
シティ5からの脱出
全宇宙は収縮の一途をたどっていた。なかを漂うドーム都市“シティ5”もまた、直径数キロの宇宙に閉じこめられたまま、終焉を迎えるかに見えた。反体制派が核子ロケットを奪い宇宙に飛び立つが、上院が虚無の彼方に見たものとは?――奔放なアイデアで描く表題作ほか、異星人が国王として君臨するイギリスの物語「王様の家来がみんな寄っても」、チェスの騎士が物語るあまりにも異質な宇宙の姿……「宇宙の探求」など、ワイドスクリーン・バロックの鬼才として著名な作者が、奔流のようなアイデアと、めくるめく華麗なイメージで読者を魅了する九篇を収録した傑作短篇集! -
猫のゆりかご
わたしの名はジョーナ。いまプエルト・リコ沖のサン・ロレンゾ島にいる。“パパ”モンザーノの専制政治に支配されるこの島で、『世界が終末をむかえた日』の著者となるべきわたしは、禁断のボコノン教徒となったのだ。 “目がまわる、目がまわる”世の中は複雑すぎる。愛するサン・ロレンゾ一の美女モナが、世界中のありとあらゆる水を氷に変えてしまう〈アイス・ナイン〉が、柔和な黒人教祖ボコノンが、カリプソを口ずさむわたしのまわりをめぐりはじめる――独自のシニカルなユーモアにみちた文章で定評のある著者が、奇妙な登場人物たちを操り、不思議な世界の終末を描いた長篇。 -
スプーク・カントリー
1990年代にカルト的な人気を博したロック・バンド<カーヒュー>のヴォーカルだったホリス・ヘンリーは、バンドの解散後、フリーのジャーナリストになっていた。 そんなホリスに、広告業界の大物ヒュベアトス・ビゲンドが創刊する新雑誌<ノードン>に取材記事を書いてほしいという依頼がきた。それは、仮想現実用の特殊バイザーをつけると、現実の光景に重ねあわせるように別の光景が見られる一種の臨場感アートの取材だった。 <ヴァイパー・ルーム>の前に倒れているリバー・フェニックス、ヘルムート・ニュートンに捧げるヴァーチャル・モニュメント……。このアートの制作に協力している天才ハッカー、ボビー・チョンボーに紹介されたときから、ホリスは謎の事件へと引きこまれていく。 ニューヨークに住む中国系キューバ移民のチトーは、かつて諜報活動にかかわっていた老人に、ワシントン広場で定期的にiPodを渡していた。やがて、チトーは老人から、思いがけない仕事を頼まれ、怪しい男たちに追いかけられるはめに陥る。 薬物中毒のミルグリムは、政府の捜査官らしき男ブラウンに拘束され、ロシア語やヴォラピュク語の翻訳をしていた。そのブラウンは、アメリカ国内で活動中の組織犯罪集団の監視をしているというのだが……。 取材するホリス、逃走するチトー、囚われの身のミルグリム──三人それぞれが未知なる力に導かれ、その果てに見たものとは? ※本書は早川書房『スプーク・カントリー』初刷(2008年12月発行)を底本とした電子書籍版です。底本に収録されていたカバーデータは収録されておりません。 -
パターン・レコグニション
ケイスは新製品の売れ行きを直感的に判断できる「クールハンター」。ファッション業界を中心とした企業から相談を受け、そのジャッジにより生計をたてている。 彼女の興味の中心は<フッテージ>。<フッテージ>はネット上にランダムに流されている断片的な映像で、ストーリーもないが、抜群の完成度を誇る。 クライアントからロンドンでの仕事を得たケイスは友人のフラットに居をかまえる。最終的なタスクは<フッテージ>の正体を探ること。広告界の新しい分野を切り開きたいというのが目的だ。 半強制的に探索に協力することになったケイスは、タキという日本人が<フッテージ>の正体の一部を解読したという情報を仕入れ、日本へと旅立った…… ※本書は角川書店『パターン・レコグニション』初刷(2004年5月発行)を底本とした電子書籍版です。底本に収録されていたカバーデータ、解説は収録されておりません。 -
読者に憐れみを
『スローターハウス5』『タイタンの妖女』などで知られる戦後アメリカを代表する作家、カート・ヴォネガットの「書くこと」と「人生について」 辛辣で、機知に富み、心優しきニヒリスト、ヒューマニストで、教師としては熱血漢、「書くことは魂を育むこと」を生涯の信条としたヴォネガットの教えを、彼自身の言葉と小説の引用、そして周囲の人々の談話からまとめた、「ヴォネガット流・創作指南+回顧録的文章読本」が生誕100年を記念し、待望の邦訳! 「本書の各所に引用されるヴォネガットの助言を読むうちに、自分にも小説が書けるという気持ちになってくる。それはとても苦しいものであることをヴォネガットが強調してもだ。何度も書き直し、声に出して読み、読者の負担を最低限にするべきことを繰り返し言う。でもしかし、その人にしか語りえないことというものがあるのだ。」 ――円城塔(作家) 本書では、彼の教え子であったマッコーネルによるヴォネガット自身の言葉と実際の作品の引用から、作家としての苦闘や、戦争体験や母親の死など、彼の人生に生涯つきまとった「影」、戦後の時代精神を体現するベストセラー作家となった成功の秘訣のほか、「つねに学び、つねに教えていた」という教師としての素顔が丁寧に分析され、余すところなく説明される。 さらに、文章や物語を書く際に必要な原動力、才能、想像力の飛躍、勤勉さ、反省、ブラックジョークについて、生計を立てること、心身のケア、はたまたコミュニティの重要さにいたるまで、さまざまな角度からユーモアを交えながら真摯に語られる。加えて、物語はどこから生まれるのか、冒頭部の書き方、プロット、登場人物の書き方、耳で聞く文章と目で見る文章の違い、見直しと校閲などのコツとテクニックについても惜しげもなく披露される。その驚くほど実践的なアドバイスは、作家志望者のみならず、文章を書く時に悩んだことのある人、何かの課題と格闘して自分は無能だと感じているすべての人の心に突き刺さるだろう。ヴォネガットの手稿や実際の原稿、メモ書きや、出版社からの手紙なども多数収録した、ヴォネガットファン必見の一冊となっている。 ちょっと風変わりで、だけど読むと書き続ける勇気が湧いてくる、カート・ヴォネガットの教えを一冊にまとめた、創作指南+回顧録の決定版。