【感想】
自分の人生はこのままでよいのだろうか。特別な不満はないけれど、なんとなく今にマンネリを感じていて、将来に漠然とした不安を抱えている人に読んで欲しい本。
この本の売り文句の通り、人生における考え方を根本から変えてくれる本。
そもそも、なぜ老後の生活が困らないようにお金を貯めなければならない、という考えが誰かに教わったわけでもなくこびりついているのだろう?と思って少し調べてみると、近代の資本主義社会がその考えを正としているようだった。だから日本だけではなく、この本が世界で売れているのかと納得した。
「人生の最期に残るのはお金ではなく、思い出である。」
この言葉がとても突き刺さった。また実際に自分の親を見ていると時間はあるはずなのに何かをやろうとする気力と体力があまりないようにも思える様子を見ていてもこの本の通りなのだと思った。これが自然なことなのだろう。
動けなくなってもより充実した思い出をつくり振り返った時「楽しいことをたくさんしたなぁ」と振り返られる人生を送れるよう、「ゼロで死ぬ」ということを日々の生活で意識をしていきたい。
【学んだこと】
今しか出来ないことには全力でお金を使う。
老いてからでは出来ないことが多くある。若いうちに身体が動くからこそできることなどは惜しみなく時間とお金を使うこと。大切なのは何をすれば自分は幸せなのかを知り、その経験にお金を使うこと。
お金はライフエネルギーを消費して得ている。年収の違いは関係ない。「このシャツを買うのに2時間の労働をして得る価値があるのか?」ということを考える。仮に他人の方が年収が高くて時給換算にしたら違いが出たとしても、その収入を得るのに使っている通勤時間や、身なりを整えるための出費、生活費という見えにくい部分も考える事が重要。
人は物を買った瞬間の喜びはかなり高いが、それは次第に減っていく。だが、経験という価値は次第に高まっていき、幸福度も上がっていく。
思い出や経験は将来への自分の「配当」になる。
経験を重ねることで、今まで出来なかったこと、知らなかった事を理解でき、その知識を活かして次のステージに進めることができる。経験、記憶が続かないと人は一生同じことを繰り返すことになってしまう。
莫大な時間を費やしてお金を稼いでも、そのお金を使い切ることが出来なければ、費やした時間を無駄にしたのと等しい。経験は若いうちに買う。そして何にお金を使うべきかは常に頭を働かせるべき。
死ぬまでにお金を使い切ることを考えること。だがこのテーマで話すと、子供へ残す遺産などが頭の片隅にあり「ゼロで死ぬのが怖い。残すべきだ」と考えてしまう。そうではなく、誰かに金を与えるなら早い方がいい。死ぬまで待つ必要はない。そして、「ゼロで死ぬ」というのは自分のために使うお金の事を考えること。
統計でも歳をとる毎に支出が減っていく(医療費を含めても)という結果が出ている。将来の漠然とした不安からお金を貯めておく思考から離れないが、資産を使って経験を得ることをしていくべき。
もしどうしても将来への不安を取り除けないのなら保険に入ることをオススメする。
治療や入院が必要になる医療費はどうせ個人の収入では得られない額が必要となる。不安を解消するための保険はニーズがあるので存在している事が多い。何に不安を感じるのか、洗い出してみよう。
「早死リスク」と「長寿リスク」を考える必要がある。早死の方はイメージのしやすい通り残された家族がお金に困らないようにするためのリスクヘッジをとる。一番わかりやすいのは生命保険に入ること。逆に長寿リスクに対しては「長寿年金」を利用すること。これは早死にしてしまうと支払った掛け金が戻らなくなってしまうが、長生きすれば元本以上にもらえる年金。
ファイナルシャルプランナーに相談しよう。相談する相手は成果報酬の所ではなく、時間報酬の所と相談すること。
自分がいつまで生きるかを仮定して過ごすこと。人生では永遠ではない。終わりを意識することで自分の人生をより豊かにすることができる。
こどもとの時間
幼少期に十分な愛情を注がれた子供は大人になってからも精神疾患になりにくいという研究結果が出ている。だが、お金を稼ぐこと(時間を使う)と、子どもとの時間を過ごすことはトレードオフになる。どういうバランスでそれぞれに時間を使うべきか、時には数値化して考えることも大事。
自分が生きている間に子どもへどのような形で財産分与をするのか考える。26歳~35歳が適齢だと考えられる。早すぎてはお金の使い方を理解せず散財してしまう。遅すぎれば1番必要な時期を逃してしまう。
この本の書かれている事は、お金を使うように言っているが、「なんでも良いものや高級料理店に行ってお金を使え」と言っているわけではない。「今しか経験できないことにお金を使え」と言っている。お金を使うことでリターンを得られる事に使うべき。
身体は加齢とともに衰えていくもの。昔できたことが今は出来なくなるかもしれない。それは経験が出来なくなるということ。今出来ることを躊躇ってしまって、後に後悔しても取り返しがつかなくなるかもしれない。今出来ることは今行おう。金から価値を引き出す能力は加齢とともに低下していく。
20代は貯蓄の割合よりも支出に回し自身に投資をしていく。30代から徐々に収入が上がってくるのでそれをもとに貯蓄に回していく目安としては全収入の20%を貯蓄に回すこと(ただし状況や環境によって全然異なるのであくまでも参考程度として)
経験を最大限に楽しめる年齢は定年よりもずっと前であることを理解するべき。
今すぐにお金を経験に使うべきかどうかの判断は1年もしくは2年後にその経験を先送りした時に実行が可能なのか、先送りにしたことによる「金利」は見合うものなのかを考えて過ごすこと。20代ならば1年後に先送りしたって同じことができるかもしれない。だが、80歳だったら?もしかしたらガンを患ってるかもしれない。そうしたら1年後に先送りして同じことができるとは限らない。
「金」「健康」「時間」のバランスが人生を豊かにする最大の要因。
若い時は健康であるが、金と時間がない。
歳をとると金と時間はあるが、健康が乏しくなる。
これらのバランスが取れている30~60代が経験にお金を使う時期になる。
ただ実際はこの時期に子育ての時間に追われることが多い。もちろん子育てを通しての経験は多くのものを得られる。ただ何事にもバランスは必要。お金を使って時間を捻出することも考えるべきこと。
健康はどの年齢でも大事なこと。若い時から無理をすれば後々自分に返ってくる。30代以降も疎かにしていると本当はできた経験ができなくなる。健康こそ複利の影響が出る。日頃から健康に気を使うことで生涯にわたっての大きな財産となる。
中年期は時間を金で買うことを意識する。お金でものを充実させるより、時間効率を上げた方が幸福度が高いという研究結果が出ている。これは収入の大小には影響しないという。
人生には小さな死をたくさん迎える。永遠に同じことはできない。自分の人生のステージが変わることで、できることが変わってくる。もちろん、終えることで新たに迎える生もある。大事なのは必ず何事にも終わりがあること、そしてその終わりは唐突に訪れ、急に出来なくなるという事を知っていなければならない。
自分が死ぬまでに必要な支出を計算しよう。
死ぬまでに必要な生活費=1年間の生活費×生きる年数×0.7
本の中では1年間では1万2000ドル(現在のレートで換算すると約200万円)で算出している。月にすると月16万円必要な試算となる。
自分の年齢に置き換えると、仮に80歳まで生きたとして、生活費だけでも8000万円ほど必要となる。
資産のピークを決める時は「金額」ではなく、「時期」で決めること。金額で決めてしまうと人は次の目標を決めてしまう。必要な資産が貯まったあと、さらに貯めれば豊かな生活ができるのでは?と考えてしまう。さらに資産を増やすために時間と健康(年齢)を犠牲にすることになる。果たして次の目標を達成した時、その資産を十分に使える時間と健康はあるだろうか。
人生においてお金を増やすことを目的にしてはならない。お金の価値とは使うことで自分や家族、関わる周りの人たちを豊かにすることで見出すことができる。目的と手段を見誤ってはいけない。
退職や仕事の時間を減らすことになった時、自分の自由時間が増えたら何をしたいかを考えておこう。タイムバゲッドという考え方がある。それは5年、10年というスパンで人生でやりたいことをピックアップしておく。もちろん生きていくにあたってやりたいことは変わっていく。定期的に見直しておこう。
非対称リスク:発生するデメリットよりメリットの方が大きいこと。若い時はリカバリーが効く。失敗を経験にすることができる。歳を重ねてくると愚かな失敗にかわってしまうこともある。「失うものはない」と思えるような状況であれば行動してみるのも一つの手。歳を取ると失うものが増える。すでに得ているもの(家族や子供)にまで影響を与えてしまう。チャレンジは若いうちの方がしやすい。
大胆になるための3つのポイント
①リスクを取ることも大胆な行動を取ることも一般的には人生の早い方が良い。若い時の方が失敗のリスクが少なく、成功で得られるメリットが大きくなる。
②行動を取らないことへのリスクを過小評価するな
リスクを取らなかったことで安全な道に進めているかもしれないが、それによって本来得られるものだったチャンスは経験を逃している可能性も考慮しなければならない。
③リスクの大きさと不安は区別すべき
大胆な行動をとる時、人は最悪のシナリオを想定する。でもそこで終わるのでがなく、その最悪のシナリオを乗り越えるためにどんな対応ができるのか考えてみる。保険への加入や支援を得ることが解決できる道があるかもしれない。不安を細分することで意外とリスクが小さいことが分かるかもしれない。
一番恐れるべきことは年老いた時に潤沢な資産があるかどうかではない。人生と時間を無駄にしてしまうことである。