すべての高評価レビュー
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Posted by ブクログ
この本を読んでふと嫉妬している自分がいることに気がついた。この本に、というか宮野氏に、だろうか。「魂を分け合った」なんていえる相手に出逢えること。こうして彼女の「生」と「死」が刻まれた書籍が出版されたこと。はたまた。
「死」という偶然性を孕んだ必然。「かもしれない」が個人の日々の在りようを一変させる、未来の可能性を封じてしまうこと。僕が「老後2000万円問題」に感じる違和感はこれだ。「安全な」未来に向けた「(己による)リスク管理」の重要性が騒がれるいまに、「今を生きること」を見直す時間。
この本を読んでいて、以前読んだ「選挙に行こう」 という文句の根本的な誤りについてをどうしてか思い出した -
Posted by ブクログ
本を買うってつくづく難しいと思った。
この本がハードカバーで出て、書店売上を総なめにしていた頃、プロローグを読んでてっきり不倫の話かと思い、近頃のそのブームに飽き飽きしていたため読まず嫌いしていた。
映画化が決まり、好きな芸能人が出演すると聞き読んでみた。そんな話じゃなかった。泥臭くて情けなくて希望がなくて、それでも地に足つけて必死に生きようとする人生の話だった。触りだけ読んでわかった気になった自分を恥じたし、本を選ぶってつくづく難しい。
人生って救われない報われないことの連続だ。思っていなかった方向に人生は進む。それを自分で選んでいく。選んだ結果だと信じて生きていく。それしか道はない。
何に -
Posted by ブクログ
すごく読みごたえのある作品でした。
どんどん話に引き込まれて途中でやめられないミステリー要素もあり、出自や自己について、過去について人を愛することについて、根本から深く深く考えさせられました。
悠人が真実と向き合い、立ち直る術を自分自身で見出していく兆し、その描き方に涙しました。
1冊の本を通じて、その人をより理解できるという感覚、私が積極的に本を読み始めたきっかけもそんな感じだったな…なんてふと思いました。
考えさせられるテーマも数多く散りばめられていました。在日韓国人や複雑な出自をもつ子供が成長していく中で、その性格を決めるものが環境か遺伝か…そういった排他的な二項対立論で物を考えるべ -
Posted by ブクログ
村上春樹さんの、小説は大昔に何度か読んだけど難解であまりよくわからない……すごくスルスル読めるし、印象に残るフレーズは今も覚えているので、すごい作家さんなんだなぁと思っていたし、威張ったところのない作品ばかりで親しみやすいけど「物語」としては、あまりよく理解できない、と思っていた。ごめんなさい。
ただ、なんとなく「いつかこの人の小説でないエッセイが読みたいな」と思っていた。理由ははっきりと言語化できなかったのだけど、この本を読んで、この本を私は読みたかったんだな〜とストンと胸に落ちた。
私自身、村上さんとは全然スケールが違うけど、趣味で小説を書いている。その中で、やはり自分が書きたい「物語」が -
Posted by ブクログ
短歌が重要なキーとなる中編がふたつ。
『彼の空のユンカース』
高校生の雅美は亡くなった曾祖母の鏡台に隠されていた自分宛ての手紙と、一冊の手書きの歌集をみつける。字は曾祖母のもの。しかも曾祖母は短歌結社に属していたらしい。しかし、歌集には消しゴムで消した跡のある聞いたことのないひとの名前が記されていた。この人は誰なの?そして曾祖母との関係は?
一冊の本から辿り、謎を解いてゆく。
曾祖母と「この人」の人生をひもとき、追体験をする。
NHKの『ファミリーヒストリー』のようなお話だった。
そこに思春期ならではの主人公の悩みも絡む。
上質なヤングアダルト小説のような小説。
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『ベッドひとつ -
Posted by ブクログ
ずっと前に表紙とタイトルに惹かれて買ったけど、途中で読むのをやめてしまっていたので再読。
映画より小説の方が好きだった。映画はイタリアの情景とティモシーシャラメがめちゃいいけど、映画と小説は別物って感じ。
小説の自分の気持ちを一から百まで教えてくれるエリオの感じの方が好き。ずっと色々考えてる感じが自分の思考の中みたいで好きだった。
比喩に富んだ文章の表現が美しくて大好き。
特に好きだったところ3つ。
「あの目を長く見つめていることはできないけれど、どうしてできないのかを知るには、それでも見つめつづけないといけない。」
「一緒にいないときは、他人といるときの彼が僕といるときと同じ人間でい -
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Posted by ブクログ
葬儀関係のプロ集団の中で、事件や事故によって損傷の激しい遺体を専門に扱う「二課」。
納棺師たちは亡くなった人々の生前の面影を復元するために全力を尽くす…。
これまで読んだ小説の中で、一番死を身近に感じました。
事故、自殺、無理心中…想像を絶する死因の数々は自分や大切な人も無関係ではない、確かな現実として心に突き刺さります。
本作は納棺師たち5人の、それぞれの働く理由や故人の思いを受け取る姿勢にスポットが当てられ、心の機微が繊細に描かれています。
日々答えのない施行と向き合い、遺族が最後に目にする姿を少しでも生前に近づけようとするプロ意識に、ただただ頭が下がりました。
主要人物はみんな空にま
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