村山早紀のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
初めて読む作家の作品。2024年第45回日本SF大賞エントリーでは6票を得た。この得票数は全体の4位であり、これはとても人気のある作品である証拠でもある。残念ながら審査員による本選で最終候補作とはならなかったが、村山早紀はSF界に十分にインパクトを与えた作家となった。しかし、どうして急にSF界に現れたのか、新星いや超新星のごとく姿を現したのか。その辺について若干触れてみたい。
村山早紀は児童文学作家であるが、最近では読者の対象は児童から一般向けの作品へのシフトが進んでいる。また、これまでに様々な賞を受賞しており、最近では本屋大賞にもノミネートされ入賞している。そして作者とSFとの関係については不明だったが、今回、早川書房のインタビュー記事や本書のあとがきでSFとの関わり合いが明らかとなった。作者は少女時代に星新一、光瀬龍、眉村卓、筒井康隆に親しんでおり、SF関連の少女漫画やアニメにも触れていた。そして最近X(旧Twitter)で、昔の翻訳SFみたいな作品を書きたい旨を投稿したところ、それがSFマガジンの編集長に伝わり、SFマガジンへの連載と繋がった訳である。本作品はクリスマスがテーマであることから、連載をまとめた本書はタイミングよく一昨年の11月に出版された。この様にトントン拍子で話が進み、SF界への華やかなデビューとなった。
さて作品の内容について。全体的にはSFファンタジーのカテゴリーに入るものの、作品の背景には光瀬龍の宇宙年代記シリーズ、眉村卓の司政官シリーズが見え隠れする。とても懐かしい雰囲気に心温まる。小学生にも読み易い文体を取っており、登場人物が擬人化(ネコビト・イヌビト・トリビト)されているので人間的な嫌な面に向き合うこともなく、終始心乱されずに読み進めることができた。編纂した物語本体部分が特殊なフォントで書かれている。字体がやや横に伸びているので、縦書きでとても読み易いフォントである。多分有名なフォントであると思うが、どなたかフォント名を教えて欲しい。
さて次は何を読むか?SF小説は今回初めてなので、当然他の作品は一般書となる。噂によると、各作品には必ず猫が出てくるらしいので、その点は安心して読めるかもしれない。ちなみに、これまで出版された「街角ファンタジア」と「風の港 再会の空」は既に手元にあり、今後出版予定の「みまもりねこ」及び「桜風堂夢ものがたり (PHP文芸文庫)」は入手予定である。ああ、また注目作家が増えてしまった。どうしよう。 -
Posted by ブクログ
現代が話の舞台ではなく遥か未来。地球自体は荒廃し人間は住めなくなり月へ(もしくは太陽系外へ)住みはじめて数世紀経った世界観。読んでいて思ったのはスターオーシャンが比較的近い世界観だった連合組織の銀河連邦があるし想像しやすかった。
ストーリーがクリスマスに纏わるおとぎ話を集めて一冊の本に仕上げる話でそのおとぎ話が短編集みたいにある感じです。個人的に2つ3つ目の話がすごく好みだった。
クリスマス=サンタの話にするのかと思いきやあまりそっち方向には行かないで年の瀬の切ない話を荒廃した世界観と合わせたりもしてくるので尚更胸にぐっとくる展開が多かった。
本を通して色々な人生や知識・生きた証を未来に残していくそれに力を尽くすそういった人達の活躍を見れたのは感慨深いものがあり読書好きで良かったと思えた作品でした。 -
Posted by ブクログ
今回こそは泣かない、と思って読み始めるんだけど、やっぱり1話目から泣いてしまった。
風早の街の片隅に、どんな願い事も叶えてくれる、不思議なコンビニがある。
「コンビニたそがれ堂」シリーズ11作目。
家族想いのピアニスト、
いつも誰かの幸せを願っている女の子、
地球を愛してくれる宇宙人、
優しい少年サンタさんの話、計4話。
途中、コンビニたそがれ堂×SFだ!!と1人興奮してしまった。村山早紀さんにかかると、魔女も宇宙人も、優しくて切ない生き物になるんだな。一緒に地球と人間を見守ってくれてありがとう。
誰かに優しくしたい気分のときは、このシリーズの本をおすすめする。わたしの鉄板本。