あらすじ
人類が地球を脱し数百年。月に住む編集者キャサリンは、“人類すべてへの贈り物となる本”を作ることに。最果ての星で“神様”が起こした奇跡を描く「守護天使」、少女が疎開先で異星人と出会う「星から来た魔女」など、宇宙に伝わるクリスマスの民話を集める
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Posted by ブクログ
最高に優しい、心が温まる、『愛に満ちた、人類すべての贈り物になるような本』であったと思います。
個人的には虹色の翼が1番好きなお話でした。この本を読んで自分が大好きな本を、自分が住んでるこの星を、自分の近くにいる大切な人を想う気持ちを考えさせられた気がします。舞台が地球じゃないことが新鮮で、きっとこれから夜空を見るたびに宇宙に思いを馳せてしまうだろうなーって思いました。
やっぱり村山早紀さんの書く文章はとっても好きです!あたたかくて、読んでてじーんとして涙が自然と溢れるようなそんな文だなって改めて好きだなと思いました。あとがきまで素敵!!!
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初めて読む作家の作品。2024年第45回日本SF大賞エントリーでは6票を得た。この得票数は全体の4位であり、これはとても人気のある作品である証拠でもある。残念ながら審査員による本選で最終候補作とはならなかったが、村山早紀はSF界に十分にインパクトを与えた作家となった。しかし、どうして急にSF界に現れたのか、新星いや超新星のごとく姿を現したのか。その辺について若干触れてみたい。
村山早紀は児童文学作家であるが、最近では読者の対象は児童から一般向けの作品へのシフトが進んでいる。また、これまでに様々な賞を受賞しており、最近では本屋大賞にもノミネートされ入賞している。そして作者とSFとの関係については不明だったが、今回、早川書房のインタビュー記事や本書のあとがきでSFとの関わり合いが明らかとなった。作者は少女時代に星新一、光瀬龍、眉村卓、筒井康隆に親しんでおり、SF関連の少女漫画やアニメにも触れていた。そして最近X(旧Twitter)で、昔の翻訳SFみたいな作品を書きたい旨を投稿したところ、それがSFマガジンの編集長に伝わり、SFマガジンへの連載と繋がった訳である。本作品はクリスマスがテーマであることから、連載をまとめた本書はタイミングよく一昨年の11月に出版された。この様にトントン拍子で話が進み、SF界への華やかなデビューとなった。
さて作品の内容について。全体的にはSFファンタジーのカテゴリーに入るものの、作品の背景には光瀬龍の宇宙年代記シリーズ、眉村卓の司政官シリーズが見え隠れする。とても懐かしい雰囲気に心温まる。小学生にも読み易い文体を取っており、登場人物が擬人化(ネコビト・イヌビト・トリビト)されているので人間的な嫌な面に向き合うこともなく、終始心乱されずに読み進めることができた。編纂した物語本体部分が特殊なフォントで書かれている。字体がやや横に伸びているので、縦書きでとても読み易いフォントである。多分有名なフォントであると思うが、どなたかフォント名を教えて欲しい。
さて次は何を読むか?SF小説は今回初めてなので、当然他の作品は一般書となる。噂によると、各作品には必ず猫が出てくるらしいので、その点は安心して読めるかもしれない。ちなみに、これまで出版された「街角ファンタジア」と「風の港 再会の空」は既に手元にあり、今後出版予定の「みまもりねこ」及び「桜風堂夢ものがたり (PHP文芸文庫)」は入手予定である。ああ、また注目作家が増えてしまった。どうしよう。
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現代が話の舞台ではなく遥か未来。地球自体は荒廃し人間は住めなくなり月へ(もしくは太陽系外へ)住みはじめて数世紀経った世界観。読んでいて思ったのはスターオーシャンが比較的近い世界観だった連合組織の銀河連邦があるし想像しやすかった。
ストーリーがクリスマスに纏わるおとぎ話を集めて一冊の本に仕上げる話でそのおとぎ話が短編集みたいにある感じです。個人的に2つ3つ目の話がすごく好みだった。
クリスマス=サンタの話にするのかと思いきやあまりそっち方向には行かないで年の瀬の切ない話を荒廃した世界観と合わせたりもしてくるので尚更胸にぐっとくる展開が多かった。
本を通して色々な人生や知識・生きた証を未来に残していくそれに力を尽くすそういった人達の活躍を見れたのは感慨深いものがあり読書好きで良かったと思えた作品でした。
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守護天使 ☆守護天使/虹色の翼 ☆魔法の船/
White Christmas ☆White Christmas/
星から来た魔女 ☆ある魔女の物語/
さやかに星はきらめき ☆幽霊船/あとがき
ずーっと先の時間にある世界。月に暮らすものたちのところにも 本 があって、編集者もいる。その世界と物語に惹かれて読む本は心を優しくしてくれる
あまり本格的なSF要素小説作品は読まないのだが、もしかしたら本当に身近に宇宙人のような存在がいてそっと見守ってくれている、そんな思いにさせてくれるような優しい物語の数々舞台設定が変わってもファンタジーの世界と著者さんらしさがよく出ていて良かったです。
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私の孤独に苛まれた心は、確かにこの作品に救われました。
遥か未来、人類が宇宙に生きるようになった時代。月面都市〈新東京〉に暮らす猫から進化した新人類ネコビトのキャサリンが様々な場所と時代のクリスマスのお話を集めて本を作るSFファンタジー。一人でも隣に本があれば孤独じゃない、暖かい気持ちになる本でした
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クリスマスの物語を集めた本を作ろうとする、今より遠い未来の月に住む、猫から進化した「ネコビト」が主人公のSF物語。
大筋の話の中に登場人物が語る話が短編集のような扱いになっていて、いろいろな話が楽しめておトク感がある。
SFなのに、どこかノスタルジックで、全体の雰囲気がとても優しい。中でも「星からきた魔女」はSFであり、ファンタジーであり、日本の歴史も垣間見えて余韻が続く。
本の装丁も可愛いし、クリスマスのプレゼントにもピッタリな一冊
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切なく、そして遠い未来の話なのに懐かしい気持ちを覚えるやさしい物語。
クリスマスにちなんだ話なので今の時期のちょうど良かった。
物語は主人公のストーリー→物語の順で展開される。
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今から遥か先のお話。
地球が住める環境じゃなくなって、月などに移住した時代。
ネコビト、イヌビトなど色んな種族がいてファンタジー要素があり面白かったです。
クリスマスにちなんだ昔のお話が収録されています。
どれも暖かく、ほんわかするお話でした。
特に魔法の船が好きです。
ただ、主人公の話とお話のバランスが個人的に良くなくて…どっちか重点的に置けば読みやすいのになと思いました。
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なんと暖かくて優しい物語だろう。
こちらの作者さんの本は別でも読んだことがあるのだけど、前読んだ本(数年前でタイトル失念)も優しくて素敵なお話だった。
今回は遠い未来の世界に住む人(人間だけではなくネコビト、イヌビトなど)のお話。主人公であるネコビトのキャサリンは編集者として働いている。仕事でクリスマスの素敵なお話をまとめた本を作ることになり、いろいろな話を集めていく。様々なお話があるけど、どれもクリスマスにぴったりでなんだか心が温かくなる。
個人的には、地球に残されたロボットと付喪神のお話が好きかな。
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クリスマスに手に取り、バタバタしているうちに今。でも流し読みではなく、ゆっくりしている時に読みたくて。
冒頭、設定を読み込むまでは、(え?イヌビト?ネコビト?もしかしてティーン向け??)と思いつつ、懐かしい気持ちで一杯に。
あとがきを読んで納得。
Posted by ブクログ
362ページ
1700円
9月20日〜9月26日
地球のはるか未来の話として描かれていたが、いつかこんな未来が本当に来るかもしれないと思った。話の中の本が、実際読んているこの本なのかと思うと感慨深かった。いろんな設定や説明が多すぎて、読むのが疲れてしまった。クリスマスの話はおもしろかった。
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壮大な物語。
けれど、絵本感覚で読めるストーリー。
クリスマスって夢と希望で満ち溢れててなんて素敵なんでしょう。
どこか寂しくも心暖まる一冊。
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地球の人類などが滅亡して、住めなくなった時代のことを表現している本。
生き物が居住できなくなった地球でも、離れた月や太陽系に住んでいる生き物に愛されているのが素敵だと感じた。
ネコビトやイヌビト、トリビトなどの生き物がどんな姿をしているか、実際にアニメで見てみたいと思った。
Posted by ブクログ
地球が住めなくなり、人々が月や太陽系その他の惑星に住むようになり、犬や猫も人のように進化し、イヌビト、ネコビトとなった未来で、本を作るため、太陽系に散らばる暖かなクリスマス話を集めていく。
一人の少女を守った異星人と、犬猫の話。
トランクに宿った劇作家の幽霊と、築き上げた劇場宇宙船の話。人類がいなくなった地球で、人々の帰還を待つ、カーネルサンダース人形とロボットの話。
戦争中の焼夷弾からこっそり街を守り、息絶えた異星人。
皆が極限の中で祈り、幸せになる、あたたかな話がたくさん。
心が暖かくなる。
Posted by ブクログ
SFっぽいファンタジー
地球が滅びた何年もあと、人と共に月に暮らすネコビトやイヌビト、トリビトたちが、長く読みつがれるクリスマスにちなんだ物語の本を編集していく。
いいお話だったけれど、いまいち物語の世界に入り込めなかったのが残念。
Posted by ブクログ
猫愛が満載だし、魔法も随所にちりばめられていて、村山さんらしさが溢れるSF小説だった。
太陽光採光システムから小説のヒントを得られるとは!普段素通りしてしまうようなことからも、物語を生み出す事が出来るなんて、やっぱり感性が違うんだなぁ。
姿形がなくなっても、魂はどこかで生き続けるのかなと思わせてくれる、温かな物語だった。
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あったかい優しいSFファンタジー。
猫が好きな方はぜひ読んでほしいなあ…キャサリンの可愛さ愛おしさに何だか涙が出てしまうところが何度かありました。読み終えたあと、心があったかい優しい気持ちになれるのがよかったです。
星を渡って、時を超えて、どうかこのすてきな本がこれから先ずっと誰かの手に渡りますように。
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【収録作品】
第一章 守護天使 ☆守護天使
第二章 虹色の翼 ☆魔法の船
第三章 White Christmas ☆White Christmas
第四章 星から来た魔女 ☆ある魔女の物語
最終章 さやかに星はきらめき ☆幽霊船
ディストピアの先のユートピアといった趣。
Posted by ブクログ
荒廃した地球に見切りをつけ、月へと移住した人類。そこでは猫から進化したネコビト、犬から進化したイヌビト、恐竜の末裔であるトリビトが、人類の仲間として共存している。
ネコビトの1人であるキャサリンは書籍の編集者で、新聞社の三百周年記念事業としてクリスマスにまつわる物語を集めた本を製作中だ。4章それぞれに、収録される作品が掲載されているのだが……。
んー、ほぼ同世代の村山さんが、「昔のSFみたいな作品を書きたい」と呟いたことから始まった本だそうだが、少々期待外れだった。設定こそSF的だが、中身はいつもと変わらないFT&人情噺だ。舞台が月面というだけで、人々の暮らしは現在と何ら変わらない。今でさえ出版危機が叫ばれているというのに、「四六判のハードカバー」だの「活字」だのが生き残れるのか? むしろその設定に違和感を覚えてしまった。
Posted by ブクログ
地球から月へ移住した者達がクリスマス民話を集め綴る物語。切なくも優しい物語に心を振るわされ、この本を私も誰かにプレゼントしたい、と思いながら読んでいた、途中までは。
突然、この本は私へのプレゼントではないか、と震えた。何って、長年風早の街に住みたい、村山先生の世界に入りたいと想い焦がれてた私が、この世界に居てる……!私の名前が綴られてるのを見てこの本が更に大切な本になった。サイン会に行って先生にお礼が言いたいくらい嬉しくて、思いがけないプレゼントを貰った。この感動をお裾分けしたいからブックサンタしよ。
にしても、出てくる人達みーーーーっんな大好き!読んでてホッとして心洗われる。魔法使いかと思われるお婆ちゃんが特に大好きすぎて。もう優しすぎて泣く好き。
作中で告げられる「いないと言い切るのは寂しい」っていうのすごく分かる。魔法、優しいお化け、付喪神、そして月で宇宙で生きる者達、いたら良いのにな、と願う気持ちを肯定されたようで嬉しかった。