あらすじ
時代の波に抗しきれず、「閉店が近いのでは?」と噂が飛び交う星野百貨店。 エレベーターガール、新人コンシェルジュ、宝飾品売り場のフロアマネージャー、テナントのスタッフ、創業者の一族らが、それぞれの立場で街の人びとに愛されてきたデパートを守ろうと、今日も売り場に立ちつづける――。 百貨店で働く人たちと館内に住むと噂される「白い猫」が織りなす、魔法のような物語!
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
最初は思ったよりも分厚いし、文字もぎっしりでなかなか手強いかと思いましたが、読み進める内にどんどん引き込まれていきました。
しかも、全然知らずに読んでいたのですが終幕ではクリスマスのお話で偶然にも読み終わった今日はクリスマスイブ✨✨
本当に題名通り【百貨の魔法】かもです( *´艸)
とっても小さな奇跡や人の優しさが繋がっている素敵な百貨店のお話でした(*^^*)
Posted by ブクログ
登場人物はみんないい人ばかり。
でもそれが百貨店に逆風が吹き続ける今、百貨店ってこうだったと暖かい気持ちにさせてくれる。
そして願いを叶えてくれる猫ちゃん。
星野百貨店に行ってみたいな。
Posted by ブクログ
戦後の焼け野原に佇む商店街の孤児たちの夢がたくさん詰まった古めかしいけど気品のある百貨店。
現代では見なくなった屋上の遊園地など、なんだか懐かしい。
売り上げの落ちて後継者のいない星野百貨店は、果たしてどうなるのか。
そこで働く人たちの様々な思い、出来事、不思議な目をした白い猫など、とってもミステリアスでワクワク。
「桜風堂ものがたり」の書店が入っている百貨店。
Posted by ブクログ
この本を読んで、地元の百貨店に行ってみました。百貨店で素敵な物に出会えることが学べて、人生変わった一冊です。百貨店に不利な時代なのも事実ですが、それでも百貨店の魅力は廃れていない!と分かりました。
Posted by ブクログ
善意の塊のような人々のお話で、ファンタジーだな、実際はここまで良い人しかいない世界はないなー、と思いながらも、あまりの暖かさに涙が止まらず困った。危機を迎えた斜陽産業が立ち直るのはそれこそ奇跡みたいなもんだから、この百貨店の行く末が描かれてなくて良かった。八つ当たりだと分かってても、昔私の居場所だったテーマパークが潰れた時の事を思い出して、世の中こんな甘くない!と本を閉じてしまうことにならなくてほんとに良かった。
Posted by ブクログ
先の戦争によって一面焼け野が原になってしまった『風早の街』。そんな街の平和西商店街に戦後復興の象徴として建てられ、今年、創業五十年を迎えようとしている『星野百貨店』には、創業当時から語り継がれるこんな伝承があるのだそうです。
『本館の中心にある、吹き抜けの高い天井の…ステンドグラス…に描かれた金目銀目の白い子猫が、たまに天井から抜け出しては、店内をひとり歩くらしい。…白い子猫は店内で遊んでいるときに自分を見つけた者の願い事を叶えてくれる。…魔法の力で、奇跡を起こしてくれる』。
そんな不思議な伝承を聞いて、あなたはどう感じるでしょうか? 馬鹿馬鹿しい、くだらない、そして、僕そういうの興味ないです…。科学技術が発達し、かつて魔法だ、奇跡だと思われていた事ごとも、科学の力でなんでも説明できるようになった現代社会。そのような伝承を一笑に付される方も多いと思います。下手に信じると、詐欺に巻き込まれる、今はそのような時代でもあり、ますます、不思議や奇跡は私たちの身近なところから遠のいていく、そう思います。
しかし、伝承の一つひとつを丁寧に見ていくと、現代の科学技術をもってしても十分には説明ができない事象も存在します。未だ解き明かされていない不思議の存在。そのような現状を思う時『魔法を使う子猫がいるって、もしかしたらほんとうの話かも知れないじゃない?』という考え方もあながち間違っているとは言い切れないのではないでしょうか?『世界にたくさんある不思議な話や奇跡の中には、もしかしたらー「ほんとうの夢」も交じっているかも知れない』という考え方。『世界には魔法もちゃんと存在していて、たまには願い事が叶うこともあるかも知れない』という考え方があってもいいのではないでしょうか?
では、もし、『魔法の猫』に出会えるかもしれない百貨店へとあなたが足を運ぶことがあったなら、さて、あなたはその猫に何を願うのでしょうか?
2018年の本屋大賞にノミネートされたこの作品。村山早紀さんの作品と言えばすっかりお馴染みの『風早(かざはや)の街』にあり、創立50周年という記念の年を迎える星野百貨店を舞台に『魔法の猫』が奇跡を起こす物語が、五つの連作短編という構成の中で描かれていきます。そんな五つの短編はいずれも星野百貨店で働く人々に一人ずつ光を当てていきます。その中からまずは第一編の〈空を泳ぐ鯨〉の雰囲気を感じていただきましょう。
『戦後、慰霊のために植えられてきた』桜が咲き乱れる『三月終わりの、ある日のこと』、『その日も自らが乗る』手動式のエレベーターを操るのは主人公の松浦いさな。『三方がガラスとアクリルの板でできたシースルーエレベーター』からは『季節ごと、時間の経過につれて移り変わって行く』、『風早の街の景色』が一望できます。『レバーを操る合間に、窓の外を振りかえるたびに、空も街もなんて美しいのだろう』、『空を泳いでいるみたい』と思う いさな。そんな時、『雀の雛のように元気のいい男の子たち』が入ってきて『屋上をお願いします』と言いました。『承りました。屋上へ参ります』とレバーを操作する いさなは『見知った顔の子どもたちだ。目指すのは、書店やおもちゃ売り場のあるフロア、そして屋上だ』と思います。『本日も、当、星野百貨店にようこそいらっしゃいませ』と口上を述べようとした瞬間、ひとりの少年がこんな風に訊ねました。『この百貨店には、「魔法を使う猫」がいるって、ほんとうですか?』。それに対し『ええと、魔法を使う猫ちゃん、でございますか?』と戸惑う いさなは『冗談かしら』と思うも男の子の目は『冗談をいっている』ようには見えません。屋上に到着し『もういいです』と、駆けていった男の子。休憩時間になり社員食堂へと向かった いさなは『銀河堂書店の古株の学生アルバイト鵜野かおるに、インフォメーションのチーフ、美人で有名な宝田ゆかり』と相席します。早速、『魔法の猫』の話を持ち出した いさなに、二人は『目と目を合わせ、ああ、というようにそれぞれ笑い声を上げ』ます。『いさなちゃんは、この街で育った子じゃなかったものね。あのね、この百貨店には昔から、そういう猫がいるって噂があるのよ』、『有名な猫ですよね』と言う二人。『金目銀目の白い子猫が、気がつくと店内を歩いている…神出鬼没のその子猫を見つけて話を聞いてもらえれば、願い事をなんでもひとつ、きっと叶えてくれる』という話を聞いて、思わず『でも、百貨店の店内を猫が歩いてたらいけないんじゃないですか?』と空気を読めない発言をしてしまって後悔する いさな。そんな いさなに『小さなお客様に魔法の猫のことを訊かれたら、はい、そういう猫はたしかにおります、って答えてもいいんじゃないないかしら?』と言う ゆかりは『本館の正面玄関の吹き抜けの天井のステンドグラス ー 白い子猫がいるでしょう?その子猫がときどきそこから抜け出して百貨店の中を歩いているっていう言い伝えがあるのよ』と『魔法の猫』について真面目な顔で説明します。『もしかしたらほんとうの話かも知れないじゃない?…世界には魔法もちゃんと存在していて、たまには願い事が叶うこともあるかも知れない』と続けた後、『なあんてね』とさみしげに笑った ゆかり。そして、ひとりになった いさなは『願い事を叶える猫、か』と思いながら天井のステンドグラスの猫を見上げます。『もし、そんな猫がここにいるとしたら、自分はその猫に何を願うだろう』と思う いさな。そんな いさなが体験することになる『もしかして、あなた、魔法の猫なの?』…いう奇跡の物語が描かれていきます。
さて、あなたは、百貨店と聞いてどのようなイメージを思い浮かべるでしょうか?『わたしは昭和の三十八年の生まれです。ある意味、百貨店のいちばん華やかな時代が記憶にある世代かも知れません』と語る村山早紀さん。『日曜日には家族でそこにお買い物に行って、屋上の遊園地で遊び、レストランでお子様ランチを食べ、地下のお菓子売り場でキャンディを買ってもらって帰った、そんな子どものひとりでした』と続ける村山さんの記憶に刻まれた百貨店のイメージ。それは、恐らく村山さんと同年代の人たちにとっての共通のイメージなのではないでしょうか?私も小さい頃に両親に連れられて行った百貨店の光景、最上階にあるレストランの華やいだ雰囲気の中で食事をした記憶が残っています。しかし、時は流れ『絶対に揺らがない』と思われた往時の華やぎの象徴にも影が差す状況となっていることは皆さんご承知のことと思います。『国内の百貨店が斜陽の時代に入った』という現代にあって百貨店のイメージも変わりつつあるのだと思います。そのような変化はそこで働く人たちにとってはさらに身近な問題、深刻な問題だと言えます。『かつて、風早に星野百貨店ありと称えられ、地元の誇り、文化の守護者、とまでいわれたという百貨店は、静かに滅びつつある』、そんな気配を感じつつも『お客様のために、できることがあるとしたら』、『わたしにもできることがあるのなら』と、あくまで自らの仕事に誠実に向き合っていく従業員たちの姿は、凛とした、接客のプロらしさを強く感じさせるものでした。
全五幕から構成されたこの作品では、それぞれの幕で従業員たちの姿が丁寧に描かれていきます。それは、〈シンデレラの階段〉で『接客の基本は、相手を尊ぶことだ。自分を尊ぶように、他者を ー お客様を尊ぶ。品物を通して幸せであるように祈る。その思いが、床に膝をつき、靴を捧げ持つ姿勢になるのだ』という靴店の百田咲子。〈百貨の魔法〉で『正面玄関に立つようになってからは、あたかも門番のように、自分がこの店を守っているような、そんな神聖な気持ちになった』と高校卒業後からドアマンとして勤める西原保。そして、〈夏の木馬〉で『自分の手で、この人類の宝物のような品々を守りたいと思』い、『ひとつひとつの品々を、いちばん必要とし、大事にしてくれる誰かの手に渡すことができたら』と願い続け、時計と宝飾品のフロアで『「宝飾フロアの主」「執事のようだ」とたたえられる』佐藤健吾など、その仕事に向かう真摯な姿勢は文字の中から彼らの姿がリアル世界に浮かび上がってくるほどに存在感を感じます。しかしそんな彼らも星野百貨店の苦境は痛いほど耳にし、感じてもいます。『いつまで、星野百貨店は、各階のフロアを、いやこの美しい百貨店そのものを維持してゆけるのか?』と星野百貨店の行く末を案じる彼ら。物語は、この大切な場所、いつまでも輝き続けて欲しい、そんな場所に漂い始める黒い影を感じさせつつ、〈終幕〉へと歩みを進めていきます。
そんな星野百貨店には、ステンドグラスに『描かれた金目銀目の白い子猫が、たまに天井から抜け出しては、店内をひとり歩くらしい』という伝承がありました。『もし、この百貨店の中で、ステンドグラスを抜け出したその子猫にあうことができたなら、猫はひとつだけ、願い事を叶えてくれる』というその伝承。『神様の話やら妖怪の話やら、不思議な話が妙に多かったりする』という『風早の街』。そんな街の百貨店に『魔法の猫』の伝承があっても全く違和感はありません。それが村山さんが数々の傑作の中で作り上げられてきた『風早の街』の物語世界です。しかし、この作品で描かれる『魔法の猫』が巻き起こす『奇跡』の物語はいわゆる”魔法”というような描き方はされません。『直接的には、いなさが、そして何より結子が手を差しのべたからだ』というその先に描かれる『魔法が働いたからだ、と思うのも悪くない』といういわば感覚的なものとも言える描き方がなされる物語世界。それは、”箒に跨って魔女が空を飛んだり”、”かぼちゃが馬車になったり”する世界観とは全く異なるものです。この『魔法が働いたからだ、と思うのも悪くない』という偶然とも言える感覚の延長線上に描かれるのが村山さんの描くファンタジーの何よりもの魅力です。そして、この作品でそんな『魔法』を私たち読者に見せてくれたのは、上記した星野百貨店で働く人たちのお客様と真摯に向き合おうとする姿勢の先にあるものなのだと思いました。『このお客様のために、何かしてあげたい。このお客様に、喜んで欲しい』、『そう思ったときうまれるサービスは百パーセントを超えるレベルと熱量のものとなる』というその熱い想い。それを、『みんなを笑顔にできるひとになりたいの。サンタクロースのように笑顔を贈れるひとになりたいの。わたし、そんな魔法が使えるひとになれるかな?』と仕事に真摯に向き合っていく気持ちの先に続く熱い想い、それこそが『ささやかな奇跡と魔法の物語』を生み続ける星野百貨店が見せる魔法の、もしくは奇跡の真実の姿なのだと思いました。
『世界は無数の脇役で構成されていて、主役っていないと思うんです』とおっしゃる村山さん。そんな村山さんの綴る百貨店を舞台にしたこの作品では、『わたしたちは、幸せを売る、魔法使い』という従業員たちの熱い想いに支えられた百貨店の姿が描かれていました。将来への不安を抱える百貨店の未来に光明が差す結末含め、この作品に登場する人物は皆、善人ばかりです。この作品のレビューにその点を指摘され、現実離れしていると嘆かれる方もいらっしゃいます。もちろん、現実世界に目を向ければ、そこには善人ばかりではない、綺麗事の通用しない光景が広がっています。悲しいかな、それが現実世界です。しかし、これは小説世界です。悪人が必ず登場しなければならないというルールがない限り、そこに登場する人物が善人ばかりであろうと何の問題もないはずですし、小説を読んでまで、現実世界の延長のような嫌な気分に陥りたくはない、そんな風にも思います。『世の中には、不幸なことや悲しいことがあまりにも多すぎるので、物語の中だけでも、世界が平和で幸せになり、誰も泣かない時代が来ればいいなあ、と無意識のうちに願っている』という村山さんの描くファンタジーの世界。その作品世界の中でいっ時でも幸せを感じ、その素直な感情に涙する、そんな幸せな時間を過ごしたい、そんなひと時を求めて私は村山早紀さんが大切に紡がれる作品世界にこれからもずっとずっと手を伸ばし続けるのだろうなと思います。
村山さん、いつもながらに幸せなひと時を、幸せな感情を、そして、幸せな涙をありがとうございました!
Posted by ブクログ
風早の街に戦後の復興を願い仲間と建てた星野百貨店。
物語はそんな非日常的な百貨店が舞台だ。
そこには一つだけ願いを叶える魔法使いの子猫がいる。
皆が人生の帰路で願うこと、その願いの裏側にはどのようなストーリーがあるかを描いた作品だ。
温かい気持ちになった。
Posted by ブクログ
桜風堂物語に出てくる星野百貨店のお話。
ちょっとレトロな雰囲気の百貨店はほんと素敵なんだろうな〜、と想像が膨らむ。
登場人物はほぼ全員いい人。
優しい人しかいない世界。
ほっこりしたい時にいい作品。
Posted by ブクログ
温かい気持ちになれるとともに、百貨店に行きたくなりました。ただ買い物をする場所ではなく、そこには大切な物語がある。どのストーリーもとても面白かったです。
Posted by ブクログ
おとぎばなしみたいな綺麗なお話
この世界観に浸るだけで幸せな気持ちになれる
昭和から平成に思いを繋いだ百貨店っていう存在、令和のいまではなかなか感じることのできない、人の暖かさを感じることができる
Posted by ブクログ
目次
・空を泳ぐ鯨
・シンデレラの階段
・夏の木馬
・精霊の鏡
・幕間
・百貨の魔法
以前に読んだ、この作者が書いた本屋を舞台にした作品の時も書きましたが、経営努力なしの経営再建の話は現実味が全くなくて白けてしまいます。
いやこれは子ども向けだから、とか、ファンタジーだから、というのは、なしです。
そういう言い訳を用意しているのなら、まったくの夢物語にシフトすればよい。
現実に軸足を置いているのなら、少なくとも現実的な問題には現実的な対応をして欲しい。
この百貨店に努めている人たちが、職場を、そしてお客様たちを大切に思っているのはわかる。
それはもう過剰にそう書いてあるから、子どもにだってわかる。
だけどそうなら、閉店しないですむためには何ができるのか、何をすればいいのか、そこを悩もうよ。
気持ちがあっても行動がない。
気持ちだけでは解決しないことぐらい、誰にだってわかるだろう。
店員の善意だけで経営再建できるなら、倒産する店なんてもっと少ないはず。
創業者が、魔法の猫が、なんとかしてくれるんじゃないかと思っているだけで、自分が職を失うかもしれないという切実感がないよね。
いや、そういうリアルを描きたいわけじゃないんだ、ということはわかる。
でもあまりにも登場人物が善意の人ばかりで、能天気で、読んでいて胸やけがする。
子ども向けだから、ポプラ社だから?
ポプラ社の『かがみの孤城』も『きみはいい子』も、痛みを抱えながら子供たちが現実に向かっていったよ。
そう、誰かが、まあ社長が、悪者になるのを覚悟で改革に汗を流すシーンがちょっとでもあったら、物語に厚みが出たのに。
本は分厚いけど、内容が薄いなと思ってしまいました。
この作者とは多分相性が悪いんだな。
Posted by ブクログ
老舗百貨店で幻の魔法の白い子猫に会えたなら、お願い事を一つ叶えてもらえるローファンタジー連作短編集
創業50年、業界苦境のなかでも、創立から続くお客様をおもてなしする心を持って前向きに頑張る人々を描いた優しい作品です
…とても良いお話なのですが、後半お腹いっぱいになってしまいました
結局、経営は回復したんでしょうかね…
Posted by ブクログ
桜風堂ものがたりの姉妹本。
出会うと願いを叶えてくれるという白い猫が、ふと現れる。舞台は、百貨店。戦後の暗い世の中を変えようとして建てられた百貨店が、多くの人達に愛されている事が伝わってくる。
Posted by ブクログ
星野百貨店にある都市伝説"魔法の猫"に纏わる短編集。
短編はそれぞれ少しずつ重なり合い暖かい色になっている。
人の棘に触れ、癒されたい時におすめの本。
Posted by ブクログ
綺麗な、綺麗すぎるお話でした。
本当にこんな百貨店があったら素敵ですね!
第二幕「夏の木馬」が切なくて印象的でした。
屋上遊園地に置き去りにされた子のことを思うと胸が痛くなりました…
出てくる人達は皆前向きで、だからこそ巡り巡って良いことが起こる…
情けは人の為ならずってこういうことなんだなぁとしみじみ思いました。
Posted by ブクログ
この本を読んでいると、知らないうちに、白い猫が近くに来てくれます。
努力すれば出来る事は、お願いしてはいけない。どんなに努力しても、出来ない事を、お願いすること。納得です!
Posted by ブクログ
いつ閉店してもおかしく無い百貨店を取り巻く人々の百貨店を愛するお話。実際にはどう経営しようと年々厳しくなっている業界。それこそ魔法でもないと立て直しは大変。今どきネットで何でも買えちゃう、いかに足を運んでもらうかなんだろうけど、夢を与えていますじゃあ人は来ないよねー。外商などに力を入れてもねー
Posted by ブクログ
舞台が「閉店してしまうかもしれない百貨店」なので、寂しくて少し暗いストーリーです。
それが詩のような言葉で優しく綴られているので、切ない気持ちになりました。
そして、その切なさの中に、時々心温まる小さなエピソードが散りばめられていて、思わず涙ぐみそうになることもありました。
百貨店と、すべての登場人物の、「その後」の幸せを願います。
Posted by ブクログ
この作品を一言で表すと、百貨店の百貨店による百貨店のための百貨店応援小説です。私自身あまり百貨店に行ったことがないのですが、この作品を読んでぜひ行ってみたいと感じた。いろいろな部門の従業員さんたちの汗と涙に包まれた百貨店の素晴らしさぜひ感じてみてください。百貨店言い過ぎてごめんなさい
Posted by ブクログ
物語を描いてるときは、自分もその空間に降りたって、登場人物たちと同じ場所の空気を吸っているような、そんな日々を過ごすという作者。
一階正面玄関前の空間から、中央に吹き抜けのあるフロアの方を振り返ると、そこには天窓のスタンドグラスから降り注ぐ、宝石のような光の欠片。丸いガラス窓の中央には白い子猫。青いアサガオと月と星と太陽。
→目をつぶると想像できます。
「桜風堂ものがたり」にも登場する星野百貨店。
どんな内装で、どんな匂いがし、どんな音が聞こえているのか。そもそも、どういう歴史を持ち、その街のその場所に建っているのか。その空間にどんなひとたちの想いを抱いて、今日まで続いてきたのか。
p.322 まり子さんの言葉
「あなたには店を守るための大切な才能があるって。
だってね、たぶん、何かを守り育てるための、いちばん大切な才能は、そのものを好きだという純粋な思いだから。」
→今の自分に置かれている仕事場での立ち位置と重なり、まり子さんの言葉が深く心に刻み込まれた。
そのものを好きだという純粋な思い。