あらすじ
時代の波に抗しきれず、「閉店が近いのでは?」と噂が飛び交う星野百貨店。 エレベーターガール、新人コンシェルジュ、宝飾品売り場のフロアマネージャー、テナントのスタッフ、創業者の一族らが、それぞれの立場で街の人びとに愛されてきたデパートを守ろうと、今日も売り場に立ちつづける――。 百貨店で働く人たちと館内に住むと噂される「白い猫」が織りなす、魔法のような物語!
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Posted by ブクログ
桜風堂物語に出てくる星野百貨店のお話。
ちょっとレトロな雰囲気の百貨店はほんと素敵なんだろうな〜、と想像が膨らむ。
登場人物はほぼ全員いい人。
優しい人しかいない世界。
ほっこりしたい時にいい作品。
Posted by ブクログ
目次
・空を泳ぐ鯨
・シンデレラの階段
・夏の木馬
・精霊の鏡
・幕間
・百貨の魔法
以前に読んだ、この作者が書いた本屋を舞台にした作品の時も書きましたが、経営努力なしの経営再建の話は現実味が全くなくて白けてしまいます。
いやこれは子ども向けだから、とか、ファンタジーだから、というのは、なしです。
そういう言い訳を用意しているのなら、まったくの夢物語にシフトすればよい。
現実に軸足を置いているのなら、少なくとも現実的な問題には現実的な対応をして欲しい。
この百貨店に努めている人たちが、職場を、そしてお客様たちを大切に思っているのはわかる。
それはもう過剰にそう書いてあるから、子どもにだってわかる。
だけどそうなら、閉店しないですむためには何ができるのか、何をすればいいのか、そこを悩もうよ。
気持ちがあっても行動がない。
気持ちだけでは解決しないことぐらい、誰にだってわかるだろう。
店員の善意だけで経営再建できるなら、倒産する店なんてもっと少ないはず。
創業者が、魔法の猫が、なんとかしてくれるんじゃないかと思っているだけで、自分が職を失うかもしれないという切実感がないよね。
いや、そういうリアルを描きたいわけじゃないんだ、ということはわかる。
でもあまりにも登場人物が善意の人ばかりで、能天気で、読んでいて胸やけがする。
子ども向けだから、ポプラ社だから?
ポプラ社の『かがみの孤城』も『きみはいい子』も、痛みを抱えながら子供たちが現実に向かっていったよ。
そう、誰かが、まあ社長が、悪者になるのを覚悟で改革に汗を流すシーンがちょっとでもあったら、物語に厚みが出たのに。
本は分厚いけど、内容が薄いなと思ってしまいました。
この作者とは多分相性が悪いんだな。