村山早紀のレビュー一覧
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数ページ前を読んでいる時に「生きるってこういうことだな」と思っていたら、なるるの「わたしに命を生きることを教えてくださってありがとうございます。」という言葉がでてきて、これがこの作品のテーマなのではないかと思いました。
その後の怒涛の展開は感動で目に涙がにじむことも多く、病院の待合室で読んでいた時には、少し困りました。
本屋さんが好きで、学生時代からよく通っていた私としては、上下巻を通して、書店員さんの仕事内容や情熱を知ることができたのもよかったです。今後、本屋に行くときに、店舗ごとの本の展開やPOPなど、これまであまり気にかけていなかったことに注目してみるのも楽しそうだと思います。
また、長 -
Posted by ブクログ
序盤の出来事が衝撃的で、あまりにもひどいと思ったのですが、それでもめげない主人公がすごい。
この状況でよく絶望しないなと。
だからこそ、素敵な出会いが待っていたのかな。
タイトルにもある「かなりや荘」なんだか訳ありな人が多そうですが、みんな優しくあたたかい。
傷ついているからこそ人に優しくできるのかな。
こんな場所に私も住んでみたいと感じました。
そして天才漫画家の幽霊さん。
幽霊ってものを見たことがないけれど、こんな風に実在?して、話せるなら話してみたい。
憧れの漫画家さんに会えるなんて夢見たいですよね。
シリーズもののようなので、これから主人公が何を感じて何を作るのか、みんなの変化とか -
Posted by ブクログ
先の戦争によって一面焼け野が原になってしまった『風早の街』。そんな街の平和西商店街に戦後復興の象徴として建てられ、今年、創業五十年を迎えようとしている『星野百貨店』には、創業当時から語り継がれるこんな伝承があるのだそうです。
『本館の中心にある、吹き抜けの高い天井の…ステンドグラス…に描かれた金目銀目の白い子猫が、たまに天井から抜け出しては、店内をひとり歩くらしい。…白い子猫は店内で遊んでいるときに自分を見つけた者の願い事を叶えてくれる。…魔法の力で、奇跡を起こしてくれる』。
そんな不思議な伝承を聞いて、あなたはどう感じるでしょうか? 馬鹿馬鹿しい、くだらない、そして、僕そういうの興 -
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表紙にアマビエ様♪
栞は切るなんてできないのでそのまま大事にしておく。
コンビニたそがれ堂のある風早の町の神社。
そこの姉弟が今回の主役。
このシリーズで長編は珍しい。
そして、過去にたそがれ堂にたどりつけなかったりして魔法を信じなくなってしまった姉の沙也加。
自分は信じないのに、それを信じる幼い弟を思う気持ちが優しくて切なかった。
お姉ちゃんも、信じていられたらどんなによかっただろうか、と。
だから、姉弟がそこにたどりついて本当に嬉しかった。
弟透也の前世が「今」の世界を救いますように、、、
それにしても、たそがれ堂に何度も行けるなんて羨ましいぞ。 -
Posted by ブクログ
桜風堂書店のその後が気になって、すぐに続編を手に取りました。
日々増え続けているこれだけ沢山の本がありながら、これらの本がこの世から無くなるわけではないのに、書店だけが町から消えていくなんて、ほんとうに寂しいです。
丁寧な人物描写が素晴らしくて、この本にすっかりのめり込んでしまいました。
地方の小さな桜野町が、知らず知らずのうちに大きな舞台となって、気がついたらいつのまにか壮大な物語となっていました。
あとがきに加えて、文庫版のためのあとがきも寄せられていて、作者村山早紀さんの心優しい人柄が思い浮かびます。
それと同時に、物語に登場した人々のその後も知ることができ、大満足です。
こんなに心温ま