村山早紀のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
桜風堂を訪れ、入院中の店主に代わって店を任されることになった月原一整。
一整の生い立ちや、桜風堂の店主の人生に切なくなったが、温かい町の人たちに支えられ一整自身、自分の居場所を見つけられたことに胸が熱くなった。
作家さんと編集者が二人三脚で渾身の思いを連ねた言葉が、装画、装丁を経て出版社へ継がれ、書店へ。
その思いは書店員さんたちの思いと重なり、読者へと運ばれる。
本屋巡りが一層楽しみになる作品だった。
またこの続編や星野百貨店を題材とした作品も出ているようなので探しに行きたい。
村山早紀さんが影響を受けた伊達雅彦さんの「傷だらけの店長」も読んでみよう。
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Posted by ブクログ
百貨店にテナントとして入っている書店、銀河堂で書店員として働く月原一整。
人付き合いは苦手なものの、上司や同僚、取引き先の出版社の担当者からは「宝探しの月原」と一目置かれるほどの有能な店員。
そんな中で起きた万引き事件が原因となり、自ら書店を去ることに。
ブログで知り合った桜野町の桜風堂書店を訪れるところで上巻終了。
大型書店ですら閉店に追い込まれている現代において、個人書店の存続はとても厳しい。
本を愛し、言葉を愛する店員さん同士のやりとりがとても温かくて、私も仲間に入りたいほどだった。
時々登場する猫がなんとも切なくて愛しかった。
下巻が楽しみ。
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Posted by ブクログ
ネタバレ父・姉の交通事故死を契機に心を閉ざした青年書店員と彼が務めた老舗銀河堂書店の人々の活躍と、老舗書店をやむなく退職した後に田舎の個人書店桜風堂の店長としての物語。
この本を読み始めてまず気になったのが、題名である「桜風堂」がなかなか出てこないこと。半分以上読んでやっと出てきたって感じ。題名はこの本の内容にふさわしくないんじゃないかな? だからといってどういう題名にすべきか私に案は無いけれど。。。
最初にこの本に対して批判めいたことを書いてしまったけれど、この本の内容は素晴らしかったです!
書店の棚に並んだ本を今まではただ何となく見ていたけれど、書店の店員さんって自分が担当する棚、平台に対し -
Posted by ブクログ
雨の日に路地で倒れていた黒猫を助けた律子に、ある奇跡が起こります。
絵を描くこと、空想することが大好きな律子の前に魔神が現れ、人としての寿命は終わるけれど、律子は魔法使いとして誰かの幸せを祈り守りながら生きていける力を与えられます。
黒猫メロディーとともに空飛ぶ車に乗って旅をはじめた律子は旅先で小さなカフェを開き、そこで出会った人たちの大切な想いをひとつづつすくい上げていきます。
律子のこれまでのつつましい暮らしや人となりがとても丁寧に描かれていて、目に見えないものがいかに尊くて大切なことかということに改めて気づかされました。
誰かを幸せにしたいという純粋な想いが魔法を作り出し、優しさが奇 -
購入済み
単行本で読みましたが、書籍を置くスペースを減らすべくまた文庫で買い直し再読。読むのに夏の暑さや日々の忙しさに読了にほぼ2ヵ月掛かってしまいました。