村山早紀のレビュー一覧
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ネタバレ絵を描くことが大好きな少女と、その周りの、とてもやさしい人たち(と、幽霊)の話。
主人公の茜音は、色々と、かなり不幸な筈なのだけれど、人との縁にとても恵まれているおかげで、何とか幸せに生きています。
でも、それは、何かの加護があるからという訳ではなく、茜音のやさしさと笑顔が引き寄せるご縁。
そして、幸と不幸があっても、幸の方をより強く感じられる、心の持ちようではないかと。
どれだけ幸せが寄ってきてくれても、それまでの不幸に縛られていたら、幸せがまた離れていってしまうような気がします。
そんな茜音が、ふとしたご縁で住む事になった「かなりや荘」は、大家のマダムを始め、何かしら心に傷を負った人た -
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ネタバレ安定のコンビニたそがれ堂シリーズ第8巻
▼収録作品
「しっぽの短い麦わら猫は その1」
「サンタクロースの昇天」
「勇者のメロディ」
「しっぽの短い麦わら猫は その2」
コンビニたそがれ堂に向かう千春ちゃんが健気すぎてもう。たそがれ堂を目指すくだりは1巻の「あんず」を思い出した。入って早々、「うわあ、ちっちゃい」と言ったねここにムッとする千春ちゃんがかわいい。化け猫になれる薬がほしい、と言う千春ちゃんに対するねここの答えに「どうしてなの?」とびっくりして泣いちゃう辺りは何度も読み返した。切なすぎて。ねここがもう手にすることができないものを、千春ちゃんは持ってる。ねここにはそれを千春ちゃんが -
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ネタバレ初めてここに感想を書くので、こんな感じでいいのか分かりませんが……。
かなり長々と書いてあります。
そして、ほとんどがネタバレです。
コンビニたそがれ堂シリーズは4年前くらいから読んでいて、猫たちの星座もとても楽しみにしていました。
……やはり、素敵なお話でした。
読めて良かったと、そう思いました。
「サンタクロースの昇天」
『サンタクロース活動』がとても楽しそうで、私もやってみたくなりました。そして、プレゼントを贈った相手の笑顔が見られたら、きっと幸せな気持ちになれるだろうな、とも思いました。
周太郎さんが魂の緒を引いて空を飛ぶところもとても気持ち良さそうで、読んでいて楽しくて。ある意味 -
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「花ゲリラの夜」「春の旅人」「ドロップドロップ」の3編
どの作品も春のあたたかさやふんわりした雰囲気の中に、春独特のひんやりした感じや脆さ、もの悲しさが含まれていた。
「花ゲリラの夜」と「春の旅人」は、人間関係や戦争も背景にあるけれど。そのことを除いても春独特の雰囲気に溢れているように思えた。
「ドロップドロップ」はかわいい感じ。
村山早紀さんのお話とげみさんのイラストがとても素敵でした。春夏秋冬で続編を出してもらえないかな?と思います。
げみさんのイラストも、いつも表紙カバーで見ているのとは、ひと味もふた味も違い、想像以上に素敵でした。 -
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ネタバレ花咲家シリーズ第三弾。
今回のテーマは「旅」
なるべく遠くへ行くのもいいし、近くでもいいけれど、旅の意義は、日常を離れることだろう。
花咲家は仲のいい家族だけれど、それだけに、それぞれがお互いのためを思い、与えられた自分の役割をきちんと果たそうと無意識に努めている部分もあるだろう。
旅に出て一人になることは、家族には打ち明けられない自分の本当の気持ちと向き合う機会かもしれない。
合わせて、他の旅人のさまざまな思いも知る。
第一話 浜辺にて
店の改修工事のため、思わぬ休日ができた木太郎は、遠い昔の新婚旅行先を訪ねて、亡き妻を偲ぶ。
年老いた人の若き日に向けられた優しいまなざしがいい。
第 -
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風早の街にある、和洋折衷でレトロな洋館。
カフェも併設された花屋の千草苑。
そこに住む、花咲家の人々の物語。
花咲家の人々は植物と交流できる不思議な能力を持つ。
シリーズ一作目なので、やさしい語り口とともに中にご案内される。
人々や植物に、「ようこそ」「ようこそ」と迎えられるようにして、おそるおそる覗くと…
黄昏時の光に満ちた、不思議で、喜びと、ちょっとした悲しみに満ちた幸せな世界だった。
失った人に対する思慕にあふれている。
いのちについて、みんなが考えている。
『黄昏時に花束を』
祖父・木太郎(もくたろう)さんの幼なじみで初恋の人が、疲れきって外国から帰ってきた。
長女の茉莉亜は、花屋