村山早紀のレビュー一覧

  • ルリユール

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    本の修復や造本をする職人ルリユール。
    瑠璃は魔法のような技術を持つルリユールのクラウディアと出会う。
    本を愛する人たちの不思議な物語。本にまつわる思い出や思い入れを包み込むように、本に新たな命を宿す。
    本は単なる記録媒体ではないんだなとしみじみ思う。

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    2021年10月07日
  • アカネヒメ物語

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    まだ幼い神様と少女の数年間の交流を描いたお話。少し不思議系のSF作品といえるかもしれません。うまく言えませんが、神様のキャラクタの具合がちょうどいい感じ。尊大に過ぎず、我儘に過ぎず、人におもねるわけでもない。ちょうどいいバランスを保ってる。生きる時間の異なる神と人の交流なので、一抹のさみしさが作品全体を貫いているのもいい。

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    2021年09月29日
  • 桜風堂ものがたり(下)(PHP文芸文庫)

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    書店をめぐる人々の暖かい繋がりを描く作品。後半では前半の過程をふまえ積極的に動き出す人々の様子が描かれる。

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    2021年09月20日
  • 桜風堂ものがたり(上)(PHP文芸文庫)

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    バスと電車で読んだ。世界の優しさと風景の美しさにぐっと引き込まれる。後編もバスや電車などの移動の際に読もうと温めておいているが、残念なことに機会が無く1年以上過ぎた今も読めていない。

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    2021年09月09日
  • その本の物語 上

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    病院で眠り続ける友、沙綾のために、物語を朗読する南波。
    朗読される本は、子供のころ、二人のお気に入りだった『風の丘のルルー』。
    人間に嫌われる魔女として生まれたルルーの冒険と遍歴の物語だ。

    魔女で、少女と聞くと、ほうきに乗って、配達するのか? いや、それは魔女の宅急便だろう、と自分の貧困なイメージが嫌になる。
    ルルーが巡る町の描写は美しく、ホルトさん一家や、医者志望のカーリンなど、個性豊かな人物もたくさん登場する。
    何より、移動の幅が大きい。
    時空名で移動してしまうのだから。
    この想像力に、感心してしまう。

    村山さんの作品だから、きっとハッピーエンドなのだろう。
    そうでなくても、どこかに救

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    2021年08月29日
  • コンビニたそがれ堂 空の童話

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    ネタバレ

    コンビニたそがれ堂第四弾。「追いつけない」は兄を慕う弟の気持ちが奇跡を起こした。短い話だったが一番よかった。「おやゆび姫」はおやゆび姫がうちにいてドールハウスの品物を使ってもらえるこんな夢みたいなことがあればいいなとほっこりした。「空の童話」は閉店することになった町の本屋さんの店員と常連の客との間で奇想天外な話が盛り込まれていて結局続けることになった話。現実離れしすぎていたが、言葉の端々にはっとさせられた。「神はそのひとが乗り越えられる試練しか与えない」「ほんとうに大切な願い事は言葉にしなければいけない」

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    2021年07月23日
  • コンビニたそがれ堂異聞 千夜一夜

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    シリーズ読破できていないけれど、この作品はむしろ今読んだほうがいいと伺って読みました。
    作品の根底には、はっきりと明記はされてはいないけれど、今の世の中と同じように、流行病が広がっていて、辛さや気持ちが塞ぎ込んでしまうのが、手にとるようにわかる。
    物語の中でも、流行病は終息せずに終わる(だと思う)。

    けれど、コンビニ堂や風早神社の存在や主人公の風早神社の娘である沙也加ちゃんの頑張りや人柄が読んでいて、疲れた心をじんわりと解きほぐしてくれるようでした。

    異聞とあるように、番外編のような存在だけど、むしろこのシリーズの基盤となる物語のような気がした。

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    2021年07月20日
  • コンビニたそがれ堂異聞 千夜一夜

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    タイトルに「異聞」とある通り、今作はコンビニたそがれ堂の店主である風早三郎神社の娘・沙也加の目線から描かれる三作からなる。
    表紙をめくると、扉にアマビエのしおり。
    「切り取って、しおりとしてお使い下さい」とあるが、もちろん本好きな人間にそんなことは出来ない。
    この原稿を書いていたのが、ちょうど去年の春先だそうで、未知のウイルスに何も出来ないことをもどかしく思う気持ちが、作品の端々に感じられる。
    いつもならば、たそがれ堂に行けば、心から欲しいと願うものは手に入るはずなのに、今回の未知の病気に対する薬は手に入らず…
    それから1年。
    今もまだ日本国民はコロナ禍に苦しめられている。
    なのに、世界中から

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    2021年07月08日
  • 桜風堂ものがたり(下)(PHP文芸文庫)

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    上下巻通じて
    優しい優しい本

    ほとんど本はネットで買ってしまっていたけれど、
    本屋さんを覗きに行きたくなった

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    2021年07月02日
  • コンビニたそがれ堂異聞 千夜一夜

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    このご時世になってから、風早の街に行ってはデトックスしている回数が増えた。如何ともし難い状況下の中で感じる閉塞感や、やるせ無さ、虚無感とか言われるものの中で過ごしていると自分のなかの優しさとかあたたかい感情が少なくなってしまう。忘れたくない感情や想いを風早の街に行けば思い出せるし、思いだすことをよかったね、と認めてくれるような気持ちになるからだ。もちろんミステリやホラー小説も読んでいるし、面白いと思うが、純粋に楽しむためにも自分を忘れないようにしたい。そのためのデトックスとも言える。また遊びに行きたい。

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    2021年06月23日
  • 約束の猫

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    子供にも読める、大人向けのファンタジー絵本/童話。
    絵も含めて「サッと読める優しい話」を読みたい時にはオススメ出来ます。佳作。
    こういう物語を素直に受け止められる大人でいたいものです。

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    2021年06月20日
  • 竜宮ホテル 魔法の夜

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    『きっと人間たちは…魔法なんてない、全部科学で説明できることだって思ってる』

    科学技術が進んだ現代社会。『人間の世界には魔法はないんだよ』と言い切れるくらいに、この世のことは次々と科学の力で説明されるようになってきました。もしタイムマシンがあって、例えば江戸時代の人が現代社会に現れたとしたら、鉄の塊が空を飛ぶのを見上げ、天守よりも高く聳え立つビル群を目にし、そして江戸の屋敷にいる人が京の都にいる人と画面を通じて気軽に会話できる、そんな光景を目にしたとしたら、それは妖術の為せる技だと思うかもしれません。もちろん、現代社会にだって解明されていない事ごとは沢山存在します。しかし、それは単に私たちが

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    2021年06月16日
  • コンビニたそがれ堂異聞 千夜一夜

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    ネタバレ

    タイトルに「異聞」とつく通り、いつものコンビニたそがれ堂シリーズとは、ほんの少し違い、今作では、3話とも、風早三郎を祀る神社の娘さんが語り手です。

    一番心に残ったのは、冬のエピソードです。
    主人公の沙也加は、病弱だった母を早くに亡くしたり、年の離れた幼い弟の面倒を見たりで、年齢よりも大人っぽく思えるけれど、でも、本当は、まだまだ成長中の高校生で。
    彼女が、幼いときに欲しいと言えなかったクリスマスプレゼントをやっと望んで手に入れられたのが、本当に少し大人に近づいた時なのかもしれないです。

    2020年、コロナ禍のもとでの春・夏・冬の出来事なので、読んでいて、去年の不安感や閉塞感を思い出しました

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    2021年06月15日
  • コンビニたそがれ堂 星に願いを

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    あなたは、夜空の星に何か”願い事”をしたことがあるでしょうか?

    “流れ星に願い事をすると願いが叶う”、そんな言い伝えをよく聞きます。しかし見つけようとして見つけられるものでもない、偶然目にする流れ星に”願い事”をするということ自体、なかなかに高度な行為だとも言えます。そもそも流れ星を見つけた時点で即座に願う何かしらの”願い事”をその人が常に持っている必要もあります。あなたは、常日頃からそんな強い想いのこもった”願い事”を持っているでしょうか?確かに漠然と”○○したい”、”○○になりたい”、そういった思いというものは誰にでもあるように思います。しかし、そんな想いを流れ星が流れ切るまでに反射的に

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    2021年06月14日
  • コンビニたそがれ堂異聞 千夜一夜

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    ずびずびに泣きながら読んだ。
    この本を、
    未知のウィルスを、2020年を、
    笑って振り返るときがきますように。

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    2021年06月12日
  • ルリユール

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    学生時代に何度となく読み返してボロボロになった本を独学で修復していた頃を思い出しながら...。
    様々なテーマが詰め込まれていますが、「黄昏のアルバム」が一番刺さりました。猫に弱いんですね...。どのような形でもいいから看取った愛猫に再会したいと感涙。
    ぜひ続編を読みたいファンタジー作品でした!

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    2021年06月09日
  • コンビニたそがれ堂異聞 千夜一夜

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    海の記憶/星へ飛ぶ翼/猫たちは光を灯す

    おや?「たそがれ堂」にたどり着くのは一回限りかと思っていたのに気が付いた。
    それとも、さやちゃんの心とたそがれ堂が引き合ったのだろうか。猫にあるまじき名だと思った2匹の住まいがわかってあらピッタリと納得した。
    見たことや感じたことの無いものに想いを寄せることができる美しい時間でした。

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    2021年06月08日
  • 花咲家の人々

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    花咲家の人々が植物と会話できるという特殊な能力で事件を解決、といった短編仕立ての物語。これも、マジックリアリズムなのかな。

    植物だけでなく、本、絵、ラジオなどのアイテムは個人的に親近感が湧く布陣。

    どの話も死生観や成長がテーマとなっており、実は重いテーマだったりするが、
    「ですます調」の文体も手伝って、童話のような優しい雰囲気の中で読みすすめることができる。

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    2021年06月07日
  • コンビニたそがれ堂 神無月のころ

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    先日読んだ第一巻に続けて読んだのが本作。
    シリーズとしては第五作目のようだ。

    今回はあの店長は登場せず、ねここという化け猫店番を務める。
    そして、収められたどの物語も、亡くなった人を巡る物語となっていたのが印象的だった。
    それから、「夏の終わりの幽霊屋敷」以降の三作は、いずれも主人公となる人が書物に関わる仕事をしているところも面白い。

    年を取っていくと、自分の中にたまっていく過去と話すようになるのか。
    読んでいて、なんだかそんな予感がしてくる。
    たくさんの楽しい思い出を持っておかなくちゃ。

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    2021年05月04日
  • 桜風堂ものがたり(上)(PHP文芸文庫)

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    星野百貨店の銀河堂書店!
    本屋さんに行って、本の棚の間にいるときって、
    ドキドキして、涙が出そうになる。
    そうか、わたしも宝探しをしてたのか。
    下巻、楽しみ。

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    2021年05月02日