村山早紀のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ子ども向けの本をどう書くべきか、というのはなかなか難しい。
村山早紀さんによる児童書を書くための指南書。ノウハウより心構えに重きが置かれた本。現在の児童書の傾向や、村山さんが子どもの頃に読んでいた本、使っている道具、スケジュール、参考文献、新人賞について、などなど。
でもこの本の一番良いところは「書きたい」と思っている大人そして子どもへのメッセージもあるところでしょうか。そういう本はなかなかなさそうです。
書き方のくだりでは、プルーストも今で言う付箋で加筆していたことや、「耳をすませば」の雫ちゃんも思い出したりしました。なんにせよ作品を書くというのは大変そうです。
ご自身の短編作品を用いて、個々の文章にその文章を書いた意図などのメモを付け加えたものが掲載されていて、これは「書きたい人」にはとても参考になると思います。
本の感想からは外れますが、2022年、精神的に疲弊する世界の出来事が多いですが、世界の子どもたちと共に良書がありますように。
#100年後も読み継がれる児童文学の書き方 #NetGalleyJP -
Posted by ブクログ
風早の町に引っ越してきた、小学生のはるひは、公園で不思議な少女に出会う。他の人には見えない、そのアカネヒメは、風早の地で五百年を見守る神様。まだ幼いため憑代の桜の木から一人では離れられないが、はるひと一緒に行動することはできる。人々が互いに争う時代や戦時中のことを、ただ見守ることしかできなかったアカネヒメ。まだ小さな力を使って、風早の人の幸せを守ろうとするが....
各章のタイトルは、オルゴールの秘密、夢みる木馬、たそがれの約束、人魚姫の夏、春色のミュージカル、永遠の子守歌。
2000年代に児童書として刊行された5編の作品に書き下ろしを1編加えて改訂したもの。連作短編の形だけど、一つの物語としての流れもある。村山早紀作品は読めばふわりと暖かい気持ちになるので、心が疲れているときに読みたくなる。小学生の時に読みたかったなあ。その頃に気に入ったかどうかはわからないけど。 -
Posted by ブクログ
病院で眠り続ける友、沙綾のために、物語を朗読する南波。
朗読される本は、子供のころ、二人のお気に入りだった『風の丘のルルー』。
人間に嫌われる魔女として生まれたルルーの冒険と遍歴の物語だ。
魔女で、少女と聞くと、ほうきに乗って、配達するのか? いや、それは魔女の宅急便だろう、と自分の貧困なイメージが嫌になる。
ルルーが巡る町の描写は美しく、ホルトさん一家や、医者志望のカーリンなど、個性豊かな人物もたくさん登場する。
何より、移動の幅が大きい。
時空名で移動してしまうのだから。
この想像力に、感心してしまう。
村山さんの作品だから、きっとハッピーエンドなのだろう。
そうでなくても、どこかに救いがあるのでは?
そんな期待はある。
でも、人間が好きな魔女の子ルルーが、人間との関係を求めながらも傷つき、悲しむ場面が何度も続く。
下巻を手に入れられるまで、しばらく空きそう。
ここでやめてしまうと、やるせない気分で終わってしまう。
早く読みたい。