村山早紀のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ひたすら優しさを摂取させてくれる感じ。 思いきりファンタジーに展開していくので気持ちよく非現実感に浸れて奇跡を浴びられる。 全話に猫が出てきて嬉しかったけど編集さんの要望だったとは! ありがとうございますと思った。 個人的になんだか気になったのはイヤミス作家がほっこりファンタジーを書くことになる話かな。 本当は幸せになりたいのにという言葉が胸を打った。
このタイミングで過去の大戦に触れた本作を手にしたのもなんだか巡り合わせかなぁと思った。
猫や犬が供出させられた過去、二度と繰り返されないようにと祈らずにいられない。
今どき供出はないにしても戦火の中逃げ惑っているのは人だけではないはずだと現状 -
Posted by ブクログ
『桜風堂ものがたり』が面白かったので
『桜風堂ものがたり』の執筆のきっかけとなった本書の4作目『空の童話』が気になり、どうせ読むなら最初から読んでみようと思いました。
本書の元本は児童書で文庫版に伴い
大人用に加筆修正を行ったものです。
なのでサクサクと読みすすめられた。
舞台は『桜風堂ものがたり』にも出てきた
風早の街。
風早の街や登場人物は村山早紀さんの他の作品にも出てくるようなので読む楽しみのひとつです。
本書は慌ただしい日常のなかで忘れていたり、気付かなかったりした感謝の気持ちと、どんな人でも物でも誰かの支えになっていたり、支えてくれているということを気付かせてくれるあたたかくて優 -
Posted by ブクログ
先日読んだ『風の港』の続編。
前作は春の空港の、1日を描いた作品だったけど、
今作は四季折々の空港が舞台。
今作は「再会」がテーマなので、5つの物語それぞれ
過去の出来事を回想し、思わぬ人との再会を果たす。
前作よりファンタジー要素があり、
ちょっと、不思議な世界に入り込んだよう。
どのお話も温かく包みこんでくれるような優しいお話だった。
特に印象に残ったのは
母と娘の生き方を対比した『雪うさぎの夜』
海外をさすらう娘と
山間の町で穏やかに暮らし続けた母。
どちらも人生も間違っていなくて、
それぞれに人生の旅があり、空がある。
最期に自分が、この旅が幸せだったと思える終わりを迎えられたらき