あらすじ
風早の街の駅前商店街のはずれ、古い路地の鳥居が並んでいるあたりに、「たそがれ堂」という不思議なコンビニがあるという。神様が街の人たちの暮らしを見守るために、こっそり開いている店だというのだが、ならば教えて欲しい。どうすればこの街を守れるのか。風早神社の娘、沙也加は願わずにいられなかった。この街にふたたび賑やかな灯がともり、穏やかな暮らしが戻りますように――。温かな癒しを贈る人気シリーズ、特別編。
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Posted by ブクログ
表紙にアマビエ様♪
栞は切るなんてできないのでそのまま大事にしておく。
コンビニたそがれ堂のある風早の町の神社。
そこの姉弟が今回の主役。
このシリーズで長編は珍しい。
そして、過去にたそがれ堂にたどりつけなかったりして魔法を信じなくなってしまった姉の沙也加。
自分は信じないのに、それを信じる幼い弟を思う気持ちが優しくて切なかった。
お姉ちゃんも、信じていられたらどんなによかっただろうか、と。
だから、姉弟がそこにたどりついて本当に嬉しかった。
弟透也の前世が「今」の世界を救いますように、、、
それにしても、たそがれ堂に何度も行けるなんて羨ましいぞ。
Posted by ブクログ
コンビニたそがれ堂をゆっくり順番に読んでいるところなのだが、この異聞に現在の世界が書かれていると友人に聞いて先に読んでみることにした。今はコロナ禍。小説に取り入れると作家さんの特徴が顕著にでる。風早三郎神社の巫女見習い高校生の沙也加は、弟想いの優しいお姉さんで、弟の透矢は前世でなし得なかったことをコンビニたそがれ堂に見つけた。村山早紀さんの温かいお話が心に沁みた。玉手箱のお薬は希望だろうか?静かに世界中の人々に降り注ぎますように。
Posted by ブクログ
シリーズ読破できていないけれど、この作品はむしろ今読んだほうがいいと伺って読みました。
作品の根底には、はっきりと明記はされてはいないけれど、今の世の中と同じように、流行病が広がっていて、辛さや気持ちが塞ぎ込んでしまうのが、手にとるようにわかる。
物語の中でも、流行病は終息せずに終わる(だと思う)。
けれど、コンビニ堂や風早神社の存在や主人公の風早神社の娘である沙也加ちゃんの頑張りや人柄が読んでいて、疲れた心をじんわりと解きほぐしてくれるようでした。
異聞とあるように、番外編のような存在だけど、むしろこのシリーズの基盤となる物語のような気がした。
Posted by ブクログ
タイトルに「異聞」とある通り、今作はコンビニたそがれ堂の店主である風早三郎神社の娘・沙也加の目線から描かれる三作からなる。
表紙をめくると、扉にアマビエのしおり。
「切り取って、しおりとしてお使い下さい」とあるが、もちろん本好きな人間にそんなことは出来ない。
この原稿を書いていたのが、ちょうど去年の春先だそうで、未知のウイルスに何も出来ないことをもどかしく思う気持ちが、作品の端々に感じられる。
いつもならば、たそがれ堂に行けば、心から欲しいと願うものは手に入るはずなのに、今回の未知の病気に対する薬は手に入らず…
それから1年。
今もまだ日本国民はコロナ禍に苦しめられている。
なのに、世界中からオリンピックの為に人々がやってくる。
7月上旬、当たり前のように各地で豪雨災害が起こり、普通の生活が奪われる。
そんな中で、スポーツの祭典をする意味があるのだろうか?
風早三郎でさえお手上げで、最近はアマビエさえ聞かなくなった。不自由な生活を受け入れてしまっている自分たちがいる。でも、まだまだ苦しんでいる人たちがたくさんいる。
作者さんもあとがきで書いていたが、一個人で何か出来る訳ではない。苦しんでいる人の心に寄り添い、祈ることしか出来ない。
そんな人たちに、本当にコンビニたそがれ堂があればいいのに…
ライトなタッチで描かれているけど、心が痛く、涙が止まらない一冊。
Posted by ブクログ
このご時世になってから、風早の街に行ってはデトックスしている回数が増えた。如何ともし難い状況下の中で感じる閉塞感や、やるせ無さ、虚無感とか言われるものの中で過ごしていると自分のなかの優しさとかあたたかい感情が少なくなってしまう。忘れたくない感情や想いを風早の街に行けば思い出せるし、思いだすことをよかったね、と認めてくれるような気持ちになるからだ。もちろんミステリやホラー小説も読んでいるし、面白いと思うが、純粋に楽しむためにも自分を忘れないようにしたい。そのためのデトックスとも言える。また遊びに行きたい。
Posted by ブクログ
タイトルに「異聞」とつく通り、いつものコンビニたそがれ堂シリーズとは、ほんの少し違い、今作では、3話とも、風早三郎を祀る神社の娘さんが語り手です。
一番心に残ったのは、冬のエピソードです。
主人公の沙也加は、病弱だった母を早くに亡くしたり、年の離れた幼い弟の面倒を見たりで、年齢よりも大人っぽく思えるけれど、でも、本当は、まだまだ成長中の高校生で。
彼女が、幼いときに欲しいと言えなかったクリスマスプレゼントをやっと望んで手に入れられたのが、本当に少し大人に近づいた時なのかもしれないです。
2020年、コロナ禍のもとでの春・夏・冬の出来事なので、読んでいて、去年の不安感や閉塞感を思い出しました。
こんなご時世なので、尚更、人を思うやさしい気持ちを忘れたくないですよねぇ。
Posted by ブクログ
海の記憶/星へ飛ぶ翼/猫たちは光を灯す
おや?「たそがれ堂」にたどり着くのは一回限りかと思っていたのに気が付いた。
それとも、さやちゃんの心とたそがれ堂が引き合ったのだろうか。猫にあるまじき名だと思った2匹の住まいがわかってあらピッタリと納得した。
見たことや感じたことの無いものに想いを寄せることができる美しい時間でした。
Posted by ブクログ
シリーズ、特別編。
風早の街の 駅前商店街のはずれには、神様が経営する
不思議な魔法のコンビニがあるといいます。
けれど風早神社の巫女である沙也加は知っている。
世界には優しい神様や奇跡や魔法は存在しなくても、
魔物や呪いは存在すると・・・
「海の記憶」「星へ飛ぶ翼」「猫たちは光を灯す」
特別編は、風早神社の宮司家族と巫女の沙也加と
幼い弟と猫2匹の物語。
今回も癒しがたくさん詰まってました。
Posted by ブクログ
今回は「異聞」、番外編だったんだ。それでもコンビニたそがれ堂に行きつく人はいた。世相を反映した内容だった。いつものような短編集だけど、主人公は風早神社の娘。
透矢の前世はそういうことか。
かつて病気だった母を想ってたそがれ堂を探した。あと一歩のところでたどり着けなったけれど、沙也加は優しい子だということが分かった。