あらすじ
風早の街の駅前商店街のはずれ、古い路地の鳥居が並んでいるあたりに、「たそがれ堂」という不思議なコンビニがあるという。神様が街の人たちの暮らしを見守るために、こっそり開いている店だというのだが、ならば教えて欲しい。どうすればこの街を守れるのか。風早神社の娘、沙也加は願わずにいられなかった。この街にふたたび賑やかな灯がともり、穏やかな暮らしが戻りますように――。温かな癒しを贈る人気シリーズ、特別編。
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Posted by ブクログ
コンビニたそがれ堂をゆっくり順番に読んでいるところなのだが、この異聞に現在の世界が書かれていると友人に聞いて先に読んでみることにした。今はコロナ禍。小説に取り入れると作家さんの特徴が顕著にでる。風早三郎神社の巫女見習い高校生の沙也加は、弟想いの優しいお姉さんで、弟の透矢は前世でなし得なかったことをコンビニたそがれ堂に見つけた。村山早紀さんの温かいお話が心に沁みた。玉手箱のお薬は希望だろうか?静かに世界中の人々に降り注ぎますように。
Posted by ブクログ
タイトルに「異聞」とつく通り、いつものコンビニたそがれ堂シリーズとは、ほんの少し違い、今作では、3話とも、風早三郎を祀る神社の娘さんが語り手です。
一番心に残ったのは、冬のエピソードです。
主人公の沙也加は、病弱だった母を早くに亡くしたり、年の離れた幼い弟の面倒を見たりで、年齢よりも大人っぽく思えるけれど、でも、本当は、まだまだ成長中の高校生で。
彼女が、幼いときに欲しいと言えなかったクリスマスプレゼントをやっと望んで手に入れられたのが、本当に少し大人に近づいた時なのかもしれないです。
2020年、コロナ禍のもとでの春・夏・冬の出来事なので、読んでいて、去年の不安感や閉塞感を思い出しました。
こんなご時世なので、尚更、人を思うやさしい気持ちを忘れたくないですよねぇ。