あらすじ
「誰かの大切な居場所は、守らなきゃいけないんだ」――入院中の店主から桜風堂書店の店長になってほしいと頼まれた月原一整は、迷いながらもそれを受け入れる。そして彼が見つけた「宝もの」のような一冊を巡り、彼の友人が、元同僚たちが、作家が、そして出版社営業が、一緒になって奮闘し、ある奇跡を巻き起こしていく。田舎町の書店で繰り広げられる、本を愛するすべての人に読んでほしい温かい物語。
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Posted by ブクログ
本好きの私にとって本屋さんが舞台になっている
所に興味を持ちました。
また〝百貨の魔法〟の姉妹作だったので、
繋がりの気づきもあり、嬉しさが込み上げました。
本書はほっこりと心温まるお話でありながも
心が締め付けられる切なくやるせない展開もありました。
自然と涙が滲み出ました。
同時に応援の気持ちもわき、いつの間にファンになっていました。
続編、
【星をつなぐ手】 桜風堂ものがたり
一整の任された書店の奇跡の物語。
こちらも読みたいと思います。
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インスタで紹介されていたので初めて読んでみた村山早紀さんの作品の下巻……田舎の小さな本屋と街場の老舗百貨店の本屋とそこで働く書店員さん達の小さな奇跡の物語!文章が優しくて温かくて凄く癒される1冊でした!本に携わる仕事がしたくなりました…(汗)
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一気に上下巻読みました。
月原一整のステージが変化したのが下巻。
上巻で「ムカー」とした分、下巻は穏やかな心で読めました。
そしてやはりこの本は本屋さんのシステムがこと細かく描かれています。
「あとがき」でも著者が書店員さんに取材されたことが書かれています。
「四月の魚」のように関わる書店員さんが全員
販促に熱を入れている作品の存在はきっとファンタジーだと思います。
でもその様子を思い描きながら読むのはすごく楽しい。
中の人たちが、思い悩みながらも生き生きしてる。
「あぁ、好きだなぁ」と思いながら読みました。
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最高!
人の優しさ、思いやりが重なって、奇跡に繋がっている心温まるお話でした。
書店員さん同士の繋がりで、1冊の本をみんなで売っていこうと帯やPOPを手作りしたり、シェアしたり、素晴らしい世界だなと思いました。
今までは「POPがついてる」くらいにしか思っていなかったけど、この本を読んで書店員さんの「この本を売りたい」という思いが詰まったものなのだと知り、今後は書店員さんたちの気持ちをもっと感じてこようと思いました。
この本に出会えて良かった。
Posted by ブクログ
上巻に続き、再読です
再読だから、わかっているのに同じところで泣きそうになる。
人はきっと、夢とか希望がないと前向きに生きていくことは難しいから。これは私の好きな本にもよく書いてあること。
売れる本って、書店員さんがこんなに力を尽くしてくれているものなのかと改めて思います。
今日もどこかで、沢山本が売れていればいいなと。
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数ページ前を読んでいる時に「生きるってこういうことだな」と思っていたら、なるるの「わたしに命を生きることを教えてくださってありがとうございます。」という言葉がでてきて、これがこの作品のテーマなのではないかと思いました。
その後の怒涛の展開は感動で目に涙がにじむことも多く、病院の待合室で読んでいた時には、少し困りました。
本屋さんが好きで、学生時代からよく通っていた私としては、上下巻を通して、書店員さんの仕事内容や情熱を知ることができたのもよかったです。今後、本屋に行くときに、店舗ごとの本の展開やPOPなど、これまであまり気にかけていなかったことに注目してみるのも楽しそうだと思います。
また、長崎で育った私には、あとがきに出てきたメトロ書店はなじみがあり、その書店のKさんもおそらく私の知り合いと交流のある人だと思うので、この著者とのゆるいつながりを感じます。
Posted by ブクログ
かがみの孤城に続く今年のヒット!(私の中で)
やはり長編は読み応えがあります
世界観に引き込まれ読み終わりたくないと思いながら読みました笑
私は『百貨の魔法』を先に読んだのですが、星野百貨店の話や、登場人物が顔を出したり、連作ならではのクスッとするところもありました
村山さんのあとがきも読みものみたいでした
Posted by ブクログ
埋もれていた名作を見つけ出し、光を当てる才能があると言われている一整には、どうしても売りたいと思っている本がありました。
この物語には、たった一つの過ちを一方的に責めるような悲しい人は、一人として出てきません。
一整を取り巻くすべての人たちが、奇跡の渦を巻き起こすように、どんどん前へと進んでいきます。
感謝と謝罪の応酬のように。
生きていれば誰でも、あの時ああすればよかった、こうすればよかったと後悔することばかりなのですが、「ありがとう」と「ごめんなさい」の気持ちがあれば、それが人と人とを優しさや思いやりで繋ぐ潤滑油のような役割を果たすのだと思いました。
私もこの本を読んで、生きる勇気をもらえたような気がします。
Posted by ブクログ
主人公だけではなく、登場する書店員みんなが心から本を愛している。
その姿がとてもあたたかくて微笑ましい。
こんな書店に行きたい。
こんな書店員さんたちと働いてみたい。
そう思わずにはいられない作品です。
本が好きな人にはもちろん、そうじゃなくても読んでほしい。
人に勧めたくなる。
優しくてあたたかな世界。
この世界に入れるものなら入りたい。
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上巻で語られた色々な悲しい出来事が、温かい仲間や繋がりのある人たちの絆で癒され、皆んなが幸せに向かって一歩前進したように感じられ、優しい気持ちで読み終わりました。続編も早く読んでみたいです。
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「この本を届けたい」
書店員の月原一整が抱いていた想いに周りが呼応し、一人から始まった小さなさざ波はやがて大きな波へ。
良い本を届けようとする書店員の熱意に心打たれる一冊。現実世界でも一冊の本から、こんなムーブメントが起こったら良いな。
やっぱり本屋さんは素敵な場所。
Posted by ブクログ
桜風堂の店主から店を頼まれた一整は、そこで居場所を見つける。そして、銀河堂書店に残った書店員たちや、さらには銀河堂書店が入っている百貨店までの広報部までが一整が世に出てほしいと望んでいた小説、"四月の魚"を売り出すため、それぞれに奔走する。
そして、多くの人の気持ちが通じたかのように、"四月の魚"は好調に売れ、著者自ら、一整にお礼を言うために桜風堂を訪れる。
あまりにうまく行きすぎながら、それぞれが痛みを伴う過去を持つ登場人物たちが、誰かのためを思い努力することで自分も相手も癒されていく、暖かいストーリー。
電車内で読んでいると、涙が溢れてきて困りました。
Posted by ブクログ
桜風堂を訪れ、入院中の店主に代わって店を任されることになった月原一整。
一整の生い立ちや、桜風堂の店主の人生に切なくなったが、温かい町の人たちに支えられ一整自身、自分の居場所を見つけられたことに胸が熱くなった。
作家さんと編集者が二人三脚で渾身の思いを連ねた言葉が、装画、装丁を経て出版社へ継がれ、書店へ。
その思いは書店員さんたちの思いと重なり、読者へと運ばれる。
本屋巡りが一層楽しみになる作品だった。
またこの続編や星野百貨店を題材とした作品も出ているようなので探しに行きたい。
村山早紀さんが影響を受けた伊達雅彦さんの「傷だらけの店長」も読んでみよう。
Posted by ブクログ
かなり好きでした!
銀河堂書店が出てくる「百貨の魔法」があまり刺さらなかったので、こちらもあまり期待せず読み始めたところ、良い意味で裏切られました。
桜風堂書店や桜野町の景色の描き方がとても美しくて、いつも柔らかい春の光に包まれているような情景が目に浮かぶようです。
出てくる人たちもみんな優しい。
書店員さんたちの本に対する愛情とか書店員同士または本に関わる人たちとの絆とか、ある意味このお話は美しすぎて現実離れしているのかもしれないけど、すごく良かったです。
あとがきにもあったけど、書かれていることにファンタジー要素はないけど、すごくファンタジックな印象の物語でした。
「四月の魚」読んでみたいし、柳田店長のクジラも見たいし、苑絵の絵も見たいなー。
ひとつ気になるのは、文庫表紙イラストの女の子は誰?ってこと。
上巻が一整なのは間違いないと思うけど。
いつか桜風堂にやってきた苑絵が一整と再会した設定のイラストなのかな?
Posted by ブクログ
今まで読んだ書店物の物語は
本に携わる事件や謎解き、書店でのドタバタ騒動が多かったけど、本書はひと味もふた味も違って面白い。
「宝もののような1冊の本」これだけでもファンタジーなのに、一人の書店員から徐々に大きな波になって奇跡が起こる。
奇跡を送り出す書店と書店員達の物語。
書店物が大好物な人には読まずにはいられない一冊!
登場人物も皆イキイキしているというか生きているという感じで、みんなあたたかい。
上巻で一整や苑絵、渚砂、柳田店長の各々のエピソードがあったから感情移入しやすかったのと自分の才能や立場を活かし精一杯頑張っている姿がキャラを際立たせている。
特に「四月の魚」のフェアで苑絵のプロ顔負けのポスターと帯、店長の渾身の一世一代のPOP
はワクワクさせられ是非一度見てみたいと思った。
本書の世界観も最高!
美しい町、桜野町と桜風堂書店。
満開の桜の木々、さえずる小鳥達の声、
あったかな春の風と花の名を冠した小さな町。
春の心地よいあたたかさと優しさに包まれた雰囲気が物語を覆っている。
その優しさにじーんときて涙をこらえながら読むのが大変だ。
書店のリアルな現状も描かれている。
町から書店がなくなる。寂しい現状。
本は時には癒してくれたり、進むべき道を教えてくれたり、楽しませてくれたりといつも寄り添ってくれている。
そんな本達の居場所を失くさないように自分の足で本屋に足を運びたい。
私は本を読むのも好きだけど本を選ぶのも好きです。ウキウキして楽しいですよね。
本屋の雰囲気を味わいながら表紙やPOPを見て一整や渚砂のような書店員のおもいを感じながら本を選ぶ楽しさを。
棚をさ迷っていると思わぬ本や作者との出会い、運命の1冊に出会えるかもと宝探しをするようなワクワクする場所へ。
なので皆さんもなるべくリアルの本屋へ足を運びませんか?町に本屋がなくならないように。
本屋は本を売ることに限らず商売を続けていくことが大変と解説でも書かれていた。
今後、一整がどのような本屋にして行くのか楽しみです。
また、苑絵や渚砂の恋の行方も気になるところ!シリーズ化されているのでまだまだ続きが読めるのが嬉しいです。
余談ですが最後のページのオウムの船長の言葉
「スベテヨハ コトハナシ」
イギリスの詩人ブラウニングの代表作の一節のようです。意味は猫のアリスが言った通り
「今日がいい日だといいな」日々平穏。
この言葉は赤毛のアンやエヴァンゲリオンでも引用されているようです。有名な詩の一節だったんですね。知らなかった!
Posted by ブクログ
1冊の本がどうやって書店員に見つけられ、売られていくのかがここまで丁寧に書いてあることはあまりないのではないかなと思った。一度は書店員を諦めようとした男性が、また小さな町の書店で新たな書店員人生を始めるのを応援したくなるし、本が人と人を繋ぐ力を持っていることを改めて実感できるきれいな物語だった。
本を愛する人達が起こした奇跡。
Posted by ブクログ
ちょっと哀しいけど、心温まる書店員さんを取り巻く物語。時代に伴う本屋さんの厳しい現実にも触れながら、優しく細かく感情の描写が綴られている。初めて読んだ作者なので、若い方を想像して調べてみたら、意外な人物像でさらに関心を持ちました。
Posted by ブクログ
本、書店と書店員に対しての作者からの愛が溢れるエールのような本。今は本当に書店に厳しい時代である書店を残そうと思ったらその書店経営側の人間だけでなく訪れる利用者も巻き込んで努力しないといけない時代、みんなで努力しても閉店しまう書店が後を経たない、そんな時代です。銀河堂、桜風堂書店がこれからどうなるのか、見守っていきたい。
Posted by ブクログ
上下巻の下巻。一気読み済。
重苦しかった上巻から、下巻では生き生きとした一整が見られるようになり、ホッとしつつ。
書店員の本にかける意気込み、愛情を感じ、本好きとしては胸が熱くなった。
いつも何気に平積みを見たり、本を手に取っているけれど、書店員さんたちはたくさん考え、愛情を持って並べてあるのだと理解した。
言葉にしなくても伝わる。
言葉にしなければ伝わらない。
誰もが恐れることなく、言葉を交わせるようになれば幸せなのにね。
優しくて静かな、本好きな方には心に灯が灯る、そんなストーリーでした。
Posted by ブクログ
読み終わって心が温かくなるような物語でした。
ひねくれた読み方をすると、「そんな偶然に偶然が重なることある?」と思うかもしれませんが笑
私は学生時代に本屋でアルバイトしていた経験があるのですが、知らないことがこの本には沢山書いてあって、可能ならまた本屋でアルバイトしてみたいなと思いました笑
一整自身の性格も勿論あるけれど、最初の万引きのくだり以外はほんとに一整はいい人達に恵まれたなぁと羨ましい限りです。
上下巻が読み終わった今、続編を読むのが楽しみです。書店員さん、本好きさんにおすすめしたい1冊。
Posted by ブクログ
月原一整
心優しい、銀河堂書店文庫担当。他者と関わることを避ける傾向にあるが隠れた名作を見出す才能がある。
卯佐美苑絵
銀河堂書店児童書担当。内気で夢見がちな美しい娘。絵を描くのが得意。画像に対して天才的な記憶力を持つ。
三神渚砂
銀河堂書店文芸担当。若きカリスマ書店員。人脈づくりがうまく、勝ち気で元気。いろんな意味で強靭な娘。苑絵とは幼馴染。
柳田六朗田
銀河堂書店店長。業界の風雲児と呼ばれた男。趣味の料理と酒関係の本の棚作り、壮大なディスプレイ作成に定評がある。人望がある良き店長だか、駄洒落と悪乗りが好き。
塚本保
銀河堂書店副店長。外国文学担当。知的な紳士。何かとクールでスタイリッシュな性格。店長とは学生時代からの長いつきあい。
桜風堂店主
明治時代から続く桜野町の書店「桜風堂」の今の代の店主。ネット関連の知識にも長け、「桜風堂ブログ」も人気。
透
桜風堂店主の孫。利発で優しい少年。本とおじいちゃんが大好き。料理と動物も好き。
蓬野純也
若手のベストセラー作家。テレビや雑誌にもよく登場する。柔和で人好きのする性格。かなりの美男子でお茶の間の人気者。
団重彦
テレビドラマの世界で、かつて活躍した著名な脚本家。数々のヒット作を持つが、いまは病気で一線を退いている。一整が見出した新刊、『四月の魚』の著者。
柏葉鳴海
本好きで知られる女優。十代の頃、歌手としてデビューして以来、スーパーアイドルとしてお茶の間の人気者に。通称「なるる」。苑絵の母とは昔からの友人。
大野悟
福和出版社営業担当。明るく素直でそつがない性格。空気とタイミングを読むのがうまい。さりげなく商売もうまいようだ。
福本薫
桜野町町長。若い日は出版業界の第一線で働いていたらしい。白髪の美女。
アリス
愛らしい賢い三毛の子猫。
船長
オウム。年齢不詳のキバタン。態度と声が大きい。
Posted by ブクログ
ありきたりな感想ですが、感動しました。
時代が進むに連れて廃れてしまう業界、業種は残念ながら現実であり、この先も良くいえば『新陳代謝』、悪く言えば『淘汰』されていく未来。
そんな中でも多くの人に知って欲しい。埋もれて欲しくない。忘れないでと訴えかけたい何かがあり、本作はとある『本』がその題材でした。
その『本』のために多くの人が自分たちに出来ることを諦めずにやり遂げ、永く愛される『本』へと育ててくれた。その想いに胸を打たれました。
書店と百貨店の人達の想いに、著者と女優の絆に、書店員の勇気に、何度かウルッとしました。
Posted by ブクログ
人は悲しい過去と決別し前に進めるようになるには本によって勇気づけられ本が味方になって歩いていけるのかもしれない。
何気に行っている本屋さんですが本をより知ってもらうためのpop作成などもう本屋さんのすごい努力や本を売りたい、世の中に出したいという愛情が詰まっていて、明日も本屋さんに行ってみようと思いました。
人の温かい気持ち、百貨の魔法を読んだ時も感じましたが、こちらの本でもその温かさに泣けました。
Posted by ブクログ
さて、下巻。
悩みながらも店主不在の桜風堂を引き受けることになった一整だが、理想の書店を自分の手で作り上げることに取りかかる。
再び万引きに遭遇したらとかあまり葛藤がなかったところは気になりつつも、店とお客様のために一整がとった書店員としての行動や知識を興味深く読む。
とんとんと運んでいく話は少し上手く行き過ぎで、人里離れた桜野町の佇まいのせいもあって、ちょっとしたユートピア小説の趣だが、登場人物それぞれの胸の内がしっかり書き込まれていることで、ただのファンタジーに終わらなかった。
一整、苑絵、渚砂はもとより、銀河堂の店長からパートに至る店員さん、桜風堂の店主とその孫の心の内の思いやそこから発露する行動は、短い描写でも具体的でその人となりを身近に感じさせる。
加えて、書店の周りで役どころを担っていた若手のベストセラー作家、かつての売れっ子脚本家、本好きの有名女優がぐっと物語に入ってきて、彼らの、かつての護るべきものを護れなかったりや伝えるべき言葉を口に出せなかったことに対する悔恨とそれを糧にした生き方や人への思いやりの気持ちが、書店の人たちの思いと重なり連なってとても佳い話になった。
Posted by ブクログ
一気読みだった。新しい桜風堂での生活、銀河堂の人々の想いや行動が春風の様にウキウキワクワクしてしまう。そんな話だった。この本に出逢えて良かった。読めて良かった。著者、書店員さん全ての人に感謝を。
またあとがきと解説がとても面白く
あとがきは「もうひとつの桜風堂ものがたり」か!ってくらい面白かった。あとがきは著者の他作品が読みたくなるくらい
新たなワクワクをくれました。
ありがとう。ありがとう。
Posted by ブクログ
読書好きな方には是非読んで欲しい。本ができてから読者に届くまで、書店の努力、たくさん景色が見えました。
他の作品も続けて読んでみようと思いました。
Posted by ブクログ
書店員さんの仕事、思い、他書店員との連携など、書店員さんの業務の裏側を見ることができたのがとてもよかった。最近はオンラインで本を買ってしまうことが多いけれど、書店に行くとたしかにいろいろな本に心惹かれるし、知らなかった作家の本との出会いもある、それは書店員さんのマジックにかかっていい出会いを生んでいるんだなぁ、とあらためて感じる。
また、作中に登場する「四月の魚」も読んでみたくなる。スピンオフとしてあるのかしら。幸せになれそうな物語を読んでみたい。
一方で、全体として言いたいことがてんこ盛りすぎて、ストーリーにひとつの流れが見出しづらく、さっきまでの話はどうなったの?と気が散ってしまう場面が多々。本筋に関係ないエピソード、というのは基本的には好きなのだけれど、このお話では幹から大きな枝に行って、もう一回引き返してまた別の大きな枝に行って・・・という行き来が、わたしにとっては読みづらさとなったような気がする。