村山早紀のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
『桜風堂ものがたり』の続編。前作よりもストーリーが明るく、とんとん拍子に話が進んでゆく印象。非現実的ともいえるけれど、そこがこの作品の良さなのだと思う。
前作と比べて、様々な読み手の姿を描いているように感じた。本を愛する人たちに焦点を当てて、その一人ひとりの物語を紡いでできたような作品だった。
もちろん、作品の芯には書店の未来への憂いと、まだまだ戦えるのだという希望が詰まっている。本を売るために試行錯誤し、仕掛けていく書店があり、それに応える読者がいる。
ネットやデジタル化によって煽りを受けている書店や書物であるが、逆にネットの力をうまく利用して本を売るということもできるのだと思った。
こ -
Posted by ブクログ
ネタバレ目次
・空を泳ぐ鯨
・シンデレラの階段
・夏の木馬
・精霊の鏡
・幕間
・百貨の魔法
以前に読んだ、この作者が書いた本屋を舞台にした作品の時も書きましたが、経営努力なしの経営再建の話は現実味が全くなくて白けてしまいます。
いやこれは子ども向けだから、とか、ファンタジーだから、というのは、なしです。
そういう言い訳を用意しているのなら、まったくの夢物語にシフトすればよい。
現実に軸足を置いているのなら、少なくとも現実的な問題には現実的な対応をして欲しい。
この百貨店に努めている人たちが、職場を、そしてお客様たちを大切に思っているのはわかる。
それはもう過剰にそう書いてあるから、子どもにだっ -