ブックライブでは、JavaScriptがOFFになっているとご利用いただけない機能があります。JavaScriptを有効にしてご利用ください。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
来店pt
閲覧履歴
My本棚
カート
フォロー
クーポン
Myページ
3pt
水守響呼は、妖怪や幽霊の姿を見ることが出来る不思議な力の持主だ。 その日、住み慣れたアパートは崩壊して失い、「竜宮ホテル」へと移り住むこととなる。執筆一筋で人と関わる事もなく、その目に見える世界をも否定しながら生きてき た響呼であったが「竜宮ホテル」での生活で人やそうでない者たちと自然と触れ合い、少しずつ変わっていく。 書下し新作「旅の猫 風の翼」を収録。
アプリ試し読みはこちら
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
1~3件目 / 3件
※期間限定無料版、予約作品はカートに入りません
Posted by ブクログ
日常を忘れて不思議な世界に連れて行ってくれるとても素敵なお話でした。この作品に出会えてよかったです。
妖怪の娘を助けたら、竜宮ホテルで暮らすことになって。そこでの心暖まる日々の物語。読んだあとに、心がほっこり暖かい気持ちになれます
とても好み!! 妖怪とか優しいファンタジーが好きな私にはたまらなかった! 小学生の頃に本を読むたびに感じていたワクワク感を思い出させてくれる。この世界にずっと浸っていたい。登場人物みんな優しくてあったかい。
『足下にいた、年老いた犬の姿をした魂が、ふと、顔を上げた。その姿が、太陽の光の中で溶けていき、まだ若い犬の姿になった。そして、一声吠えると、空へ駆け上がっていった。犬の魂は、空の光に溶けて消えていく。わたしの左の目でも見えない、空の上にあるという、遠く遥かな世界に。もう、苦しいことも辛いこともない...続きを読むという場所に』 “昔むかし”から始まるおとぎ話、いつの時代からか伝わったそんな物語の数々を私たちは子どもの頃、繰り返し聞かされて育ちました。思えば奇想天外なその物語たち。動物たちが当たり前に会話し、お姫様が月へと帰り、竜宮城から帰ったら何年もの年月が経っていた、といった空想世界の出来事を子どもの頃のあなたはどこまで信じていたでしょうか?子どもは思った以上に大人です。そんな“昔むかし”から始まるおとぎ話が全くの空想世界のものだとわかった上で、そんな空想世界に一時の夢を見る、案外彼らはそんな風にその時間を楽しんでいるのかもしれません。それが”おとぎ話”の醍醐味。そんな楽しかった時代を後にして私たちは大人になりました。生きるということは本当に大変です。逃げてしまいたい、そのように感じることもあります。そんな大変な毎日を過ごす私たち。そんな大人たちに向けて村山さんはこう語ります。『この本を手にしたみなさんに、少しでも、笑っていただけたら、幸いです。ほんのわずかの間でも、疲れや辛いことを忘れ、このふわふわした、どこかとりとめのない、小さな奇跡と魔法の物語を楽しんでいただけたらと思います』。”おとぎ話”は子どもだけのものじゃない。大人が楽しむ”おとぎ話”があってもいい。そう、これはそんな大人のために村山さんが用意してくださった現代世界を舞台にしたファンタジーです。 『突然、部屋を出なくてはいけなくなった』と 『このあいだの大きな地震の後』に建物の劣化を大家から告げられたのは作家の水守響呼(みもりきょうこ)。『…さて、どうしようかなあ』と思うも『ノートパソコンだけあれば、どこに行っても仕事は続けられるだろう』と『気楽なひとり暮らし』を楽観視します。『四階建ての小さなビル』に今や住人は響呼ただ一人というその暮らし。『まあ、最近、本の売れ行きも良くて、お金には困ってないし、いい部屋に引っ越しするためのチャンス』と前向きに捉え『とりあえずいまは明日締めきりの原稿を』とパソコンに向かいます。『ローカル紙の夕刊のコラムだ』というその原稿。『エッセイは苦手だから、つい時間をとられてしまう』と苦戦する響呼。『今回はまたよりによって、お題が「家族」だし』、『わたしには難易度が高い』と感じます。『デビューした十代の頃から、きれいでかわいらしいメルヘンや癒し系のファンタジーを書いている作家』という響呼。『読んだひとがほっとするような、読後感のいい、ほのぼのとした、家族の話を書かないと』、『読者の期待を裏切ってはいけない』と取り組みますが『だめだ。何も浮かばない』と諦めて『よし外で一気に書くか。ついでに不動産屋さんをまわってこよう』と『黒い傘を差し、雨の下へと歩き』出します。そして『何気なく空を見上げ』た響呼は『母さんの入院している部屋の外にも、この雨は降っているんだろうな』とふと考えます。『何年も眠り続けているあのひとは、きっと今日も目を閉じたまま』という母親のことを思う響呼。そんな時『左の目に雨粒が落ち』、『思わずまばたきした』響呼は『空を泳ぐ、羽を持つ魚』を目にします。『長いひれと尾をなびかせた小さな魚』。『あわてて目を閉じて、ぎゅっとつむ』る響呼は『…いまのは錯覚だから。わたしは何も見なかった。空に魚なんているわけがない』と再び目を開けた空に何も見えないのを確認し安堵します。『普通のひとが見えないものは、わたしの目にも見えない』、だから『不思議なものは、世界には存在しない。妖精も幽霊も妖怪も』と思う響呼の前に今度は『二本足で歩く三毛猫が、路地の方に消えていくのが見えた』と再び展開する不思議な世界。『雨とあのあたりが薄暗いせいで見えた幻に違いない』と心落ち着かない響呼は、『片方の目で、わたしたちはこの世と違う世界の境目を見る。その力を、遠い昔の妖精のおじいさんはわたしたちに与えてくれた』という母親の話を思い出します。『その力は、ご先祖様が昔、妖精のおじいさんからもらった贈物なの』という力を受け継いだ響呼の日常は、まさかの出来事により、そんな力がもう『幻』ではない日常へと大きく変化していくことになります。 猫耳を持つ ひなぎくが扉から半分だけ姿を見せ、読者を見つめる表紙がとても印象的なこの作品。一方で成人男性の私がそれを手にしてレジに持って行くにはかなりの勇気が必要です。こういう時、ありがたさを感じるのが現代のインターネット社会。そんなこの作品はもう全編に渡ってファンタジーどっぷりな世界が展開します。本格的なファンタジー作品は読んだことのない私でしたが、あっという間にその世界の中に違和感なく引き込まれてしまったのには驚きました。恐らくその理由は現実と架空世界の境界線を感じさせない村山さんの表現によるものだと思います。例えば、外を見ると雨が降っていたとします。この同じ光景を『暗い空から、細い針金のような雨が、降っていた』と村山さんは表現します。さらにそんな『灰色の雲の下には、外国から来た客船が、まるで巨大な白鳥のような姿で、そびえるように停泊していた』というように現実に見える光景を極端な比喩を用いて描いていくことで、現実と架空世界の境界線がどんどん分からなくなっていきます。作品中にはありませんが、例えばこの文章の後、『やがて、その客船は大きく翼を広げ、灰色の雲の向こうへと羽ばたいていった』ともし続いていたとしても違和感がないようにさえ感じます。もちろん、私のこんな表現では違和感ありありで文才がなく申し訳ありませんが、言いたい主旨はそういうことです。いずれにしても、こういった表現の積み重ねが、いきなり猫耳のある ひなぎくが登場しようが、冒頭に引用した年老いた犬の魂が若い犬の姿に変わろうが、全く違和感なく受け止められる理由だと思いました。 そして、この作品の主人公・響呼は作家であり『きれいでかわいらしいメルヘンや癒し系のファンタジーを書いている作家』とまるで村山さんご自身を思わせるかのような設定です。また、作品の中で登場する出版社の編集者は響呼の作品を『優しくて柔らかい文章と、読み手に手をさしのべるような、ふんわりと語るメッセージと、あたたかな読後感』と語ります。”昔むかし”から始まるおとぎ話にも色々なお話がありますが、最後に語られるのは”めでたしめでたし”なものが多いと思います。現実世界から離れ、夢の世界に一時、心を飛翔させる時間。そんな時間に人はそこに癒しを求めるのではないでしょうか?『傷ついたものを癒し、悲しみに暮れるものを再び笑わせるための力と知恵を持つ』ことになると娘に語ったという妖精。『幸せは魔法で作り出すことはできない。できるのはただ、あるものを分け与える、それだけなのだから』という妖精の言葉。響呼の書いた小説を読んで『あたたかくて、きれいで優しい、幸せな言葉が、たくさん使ってあるお話』、『読んでいると夢を見ているような気持ちになる』という ひなぎくの感想は、そんな幸せを分け与える力のなせるわざなのかもしれません。そして、この本を読み終わって ひなぎくと全く同じ感想を抱いた現実世界に暮らす私。小説の中の世界だけではなく、感動は現実と架空世界の境界線を超えて読者の元へとやってくる、そんな風にも感じました。 『現実世界だけではなく、少しばかり不思議な世界にも接していて、ひとではない存在にも優しい』という『竜宮ホテル』を舞台にしたこの作品。そんな作品を読み終わって感じるのは『もし、わたしの生み出すもので、この世界の誰かが幸せになれるのなら、それは素敵なこと』という響呼の思いでした。また、それはこの作品を書かれた村山さんのお考えそのものなのだろうとも思います。 大人が楽しむ”おとぎ話”、村山さんが描くファンタジーの世界。今日この作品を読んだ私は、一時現実世界から抜け出し、幸せな夢を見せていただいたように感じました。美しい表現に酔い、優しい言葉に癒され、そして幸せな気持ちになれる読書。ああ、ファンタジーっていいなあ、そんな思いが自然と湧き上がってきた素晴らしい作品でした。
三笠書房のf-can文庫の竜宮ホテル・迷い猫と同内容+αです。表紙のひなぎくの着物の色が違うくらい。手直しされている分、すっきりまとまって一応主人公の響呼さんのキャラクターがクリアになっています。 αは、ひなぎく視点の独り語りです。
作家の響呼さんが、寅彦さんのおすすめで竜宮ホテルっていうホテルに住むことになって、猫の耳がついた女の子に出会って…とい話。響呼さん好きだなー(^^)ひなぎくちゃんもかわいい!自分の中では勝手に村山さん自身のイメージが響呼さんになっていたりする。村山さんの中の人たちはみんな優しくて、物語のほわほわした...続きを読む感じが好き。
可愛い可愛い本。 響呼さんはなんだかんだで素直な優しい人だし、何といってもひなぎくちゃんが!!! 優しい人がでてくる素敵な本。 安心して読める。 続きってないのかなぁ。
遠田さんの表紙に惹かれて手に取った小説でした。 ふんわりと優しい雰囲気が素敵で、少し切ない小説でした。 竜宮ホテルがとても素敵なホテルで、私も滞在したいです。 初めて読む作家さんだったんですが、暖かくて綺麗な文章を書かれる方だなあ、と思いました。他の著書も読んでみたいです。
響呼は幽霊や妖怪の姿を見ることが出来る不思議な力の持主。 ある日家を失った響呼は「竜宮ホテル」へと移り住むことに… 大好きな村山早紀先生の風早の街シリーズの一冊。 出会う人全てが優しくて温かい。その優しさに何故か胸がいっぱいになって涙が溢れそうになってしまった。 こんな素敵な風早の街に、竜宮ホテ...続きを読むルに住んでみたい。
表紙のイラストがいい。 終わり近くまで、まあ星3つくらいかと思ってたけれど。 サンタのくだりで4つに。ここ何度も読み返していいなあと思う。 せんたっきも良い。
レビューをもっと見る
新刊やセール情報をお知らせします。
竜宮ホテル
新刊情報をお知らせします。
村山早紀
フォロー機能について
「徳間文庫」の最新刊一覧へ
「SF・ファンタジー」無料一覧へ
「SF・ファンタジー」ランキングの一覧へ
桜風堂夢ものがたり
アカネヒメ物語
あなたのとなりにある不思議 ぞくぞく編
桜風堂ものがたり
試し読み
桜風堂ものがたり(上)(PHP文芸文庫)
魔女の友だちになりませんか?
風の丘のルルー(1)魔女の友だちになりませんか?
「村山早紀」のこれもおすすめ一覧へ
一覧 >>
▲竜宮ホテル ページトップヘ