北森鴻のレビュー一覧

  • なぜ絵版師に頼まなかったのか

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    天涯孤独となった十三歳の少年・葛城冬馬。明治元年生まれ。
    東京大学医学部教授・ベルツ宅の給仕として働くことになった彼が
    奇怪な事件に遭遇・解決していく短編集。
    各話で少しずつ成長し、最終話では二十二歳の医学生になっている冬馬と、
    反対に少しずつ老いの兆しが見え始めるベルツ先生になんとも言えない
    寂寥感がふと…。

    もう一冊分くらい読んでみたかったなぁ。


    【収録内容】
     ・なぜ絵版師に頼まなかったのか
     ・九枚目は多すぎる
     ・人形はなぜ生かされる
     ・紅葉夢
     ・執事たちの沈黙
     <解説>千街晶之

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    2011年02月10日
  • 虚栄の肖像

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    後書きを読んでびっくりしました。北森さん、亡くなられていたんですね。ショックです。とても断念です。ご冥福をお祈りいたします。

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    2011年02月03日
  • ちあき電脳探偵社

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    ネタバレ

    没後1年の帯にしんみり。もうそんなになりますのね。
    小学館の小学三年生で連載されてたのだとか。
    なので内容はお子様向けです。
    生きていらっしゃったら、この登場人物で大人向けの話も読んでみたかったなぁ。
    お父さん達がその後どうなったのかーとか気になるっ。

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    2011年07月06日
  • 孔雀狂想曲

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    『メイン・ディッシュ』に引き続き北森鴻さんの作品。古道具屋を舞台にした推理もの。雅蘭堂の店主・越名集治とアルバイトの女子高生・長坂安積が骨董品やアンティークグッズが絡んだ事件の謎を解き明かしていく。やはりこの二人の掛け合いがいい!安積ちゃんのいまどきの女子高生っぽさ、でも純粋さも残っていてそれが解決の糸口になったりならなかったり。この作品も細かい描写が優れている。良く調べて書かれているなあと感じた。

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    2011年01月24日
  • パンドラ’S ボックス

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    北森鴻センセイのデビュー当初の短編作品と当時の暴露話エッセイを集めた作品。
    こうしてみると、改めて、センセイの作品の幅の広さに驚きます。これぞプロの作家という感じ。

    没後1年になりますが、なんか、またすぐにでも、次の作品が出てきそうな錯覚に陥り、寂しさが蘇ります。

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    2011年01月14日
  • 虚栄の肖像

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    花師&絵画修復師の佐月恭壱シリーズの短編集。今回は恭壱のかつての恋人が深く関わってくる。久しぶりに読んだ大人による大人のためのミステリーという感じ。登場人物たちそれぞれの思惑が絡み合い謎が深まっていく。冬狐堂がよりトラブルを大きくしていくところが好きです。北森作品はどのシリーズも大好きなので、もう読めないと思うと、本当に残念…。今までの作品を読み返します。

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    2010年10月14日
  • 虚栄の肖像

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    北森鴻が亡くなって、もう半年以上経つのですね。訃報を耳にしたときは本当にショックでした。大好きだった「香菜里屋シリーズ」ももう読めない。そしてこの「佐月恭壱シリーズ」は「旗師・冬狐堂シリーズ」と同じ世界で展開される(ということは「民俗学者・蓮丈那智シリーズ」とも同じということ)、花師と絵画修復師の物語で、これも続きが気になるところなのにもう読めないのですね。
    修復師の物語というと、藤田宜永の『壁画修復師』や、篠田節子の『贋作師』、細野不二彦の漫画『ギャラリーフェイク』などを思い出しますが、職業そのものが不思議な雰囲気をまとっていて心引かれる感じがします。まして、この本は主人公は花師(花屋や華道

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    2010年10月10日
  • 虚栄の肖像

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     花師で絵画修復師の佐月の物語。
     *虚栄の肖像
     *葡萄と乳房
     *秘画師異聞

     かつての恋人の出現で、佐月の過去が垣間見えるのだが、それは、彼と彼の父親との確執の物語を示していて…でも、それが語られることはもうない。
     
     北森氏の急逝を悼むばかりだ。

     花も、絵も儚い。
     佐月は、それらにかりそめの命を与えている。かりそめしか、与えられない。
     だから、恋人は彼にあのような形でしか思いを届けられなかったのかもしれない。
     
     それは大人ゆえの選択だったのだろう。

     大人であることが、切ない物語だった。

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    2010年09月27日
  • 虚栄の肖像

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    冬狐堂シリーズと同じように絵画の世界の裏表を興味深く読ませてくれる。
    キャラの世界が出てきてこれから面白くなりそうなのに・・・
    著者の急逝が悔やまれる。

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    2010年09月27日
  • 蜻蛉始末

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    藤田伝三郎のことは全然知らなかったけど、小説として面白かった。
    愚直で一途だった宇三郎が何故?って冒頭に示される結末に向かう、傍から見ると狂気、本人の中では正当な論理に従う心の動きに引き込まれる。
    それが実は影だけではなく光も…。価値観を他者に求める人は怖い。

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    2010年08月09日
  • 孔雀狂想曲

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    骨董をテーマにした連作ミステリー短編集です。
    冬狐堂シリーズ同様、取引に纏わる裏世界と
    人の欲の深さと、同業者との騙し合いなどがあり
    殺人事件が起こったりもする。

    主人公は下北沢で開店休業状態の雅蘭堂店主の越名集治。
    決してイケメンではないのに、温かい。
    作品や人に対する接し方が紳士なのですよ。
    常に正面を向いて、真っ直ぐなんですよ。
    この人好きです!
    他のキャラもよく描かれていて、時にワクワク、
    時にハラハラしながら楽しく読めました。

    北森作品を読むなら、ここから入った方がいいかも・・・
    解説が北森作品が好きだぁ~と言ってるような内容で
    北森作品のシリーズやキャラについての説明が
    わかり

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    2010年06月22日
  • メビウス・レター

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    捨てたはずの過去から届く手紙が主人公をじわじわ追い詰める。
    それに加え編集者が殺され、人妻のストーカーが周辺を徘徊し・・・
    やっぱりこの方の書く物語は面白いです。
    つくづく惜しい人を亡くしました。。。

    本作の文体を模写をして、読後感想。
    ねぇ、キミ、どうしてそんなに足早に居なくなってしまったんだい?
    こんなにもすばらしく悲しい物語を紡ぎだして読者を魅了しておいてサ。
    阿坂が酒に溺れる姿がどうしてもキミに重なってしまって切なかったよ。
    飲まずにはいられないくらい何に追い詰められていたんだい?
    そこまで追い詰めてしまったのが僕らなのだとしたら、僕たちは罪びとだ。
    ごめんよ、キ

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    2010年06月12日
  • 狐罠

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    面白かった。最近、美術界の裏を扱ったミステリーを読むことが多かったのだが、骨董業界も負けず劣らず、人間の思惑が複雑に絡み合った胡散臭さ満点の世界。その世界を存分に味わえる。キャラも良い。主人公の陶子はもちろん、周りの人間も魅力的。ミステリーとしてもどんでん返しの連続で十分楽しめるし、とても読み応えのある一冊だった。

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    2012年01月18日
  • 支那そば館の謎~裏(マイナー)京都ミステリー~

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    アルマジロこと有馬次郎は嵐山の奥にあるお寺の寺男。
    それ以前は悪事に身を染めていた人物。そんなアルマジロが
    京の街でおこる殺人事件を解決してく。

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    2010年04月21日
  • 緋友禅 旗師・冬狐堂

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    シリーズ第3弾(前2作は講談社から出されてます)
    本作の主人公は旗師(店舗を持たない美術商)
    冬狐堂という屋号を持つ宇佐美陶子(うさみとうこ)。

    知らない世界を覗き見てるみたいで始終ワクワクしました。
    そして登場する作品達のなんと魅惑的な事。
    それに反して取引に纏わる裏の世界のなんと恐ろしい事。
    人間の欲の深さと執念は、まさに魑魅魍魎。
    作品の作り手の思いもまた時に純粋で時に悪意に満ちている。

    しかしジっと動かずに獲物を狙う冬の狐のごとく
    ずるく、賢く立ち回り、陶子がその思いを拾い上げる。
    古美術に対する陶子のブレナイ姿勢がなんとも凛々しい。

    「緋友禅」が一番興奮したかもしれない。
    相手

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    2010年06月22日
  • 瑠璃の契り 旗師・冬狐堂

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    冬狐堂 シリーズです。
    表題作の「瑠璃の契り」ほか3編の短編が紹介されています。
    どれもミステリというよりもヒューマンドラマといった感じで少し切ない感じがあります。
    読んだ後に少し心に残るものがあると思います。

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    2010年02月28日
  • 緋友禅 旗師・冬狐堂

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    北森 鴻 は、いいですね。

    旗師の宇佐見陶子が、様々な問題に巻きこまれ(というより、自分で招いているような気がしますが)ながら、謎を解き明かしていく物語です。

    ミステリに分類されるものかもしれませんが、ヒューマンドラマのといったほうがよいかもという気がします。

    漫画で言うと、人間交差点のような・・・

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    2010年02月25日
  • メイン・ディッシュ

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    私もミケさんみたいな同居人が欲しい!
    ミステリーの部分よりも料理に心奪われた!
    食べてみたい料理がいっぱい!!!

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    2013年05月09日
  • メイン・ディッシュ

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    ネタバレ

    久々に「え、え?えぇ~っ?」な展開でおもしろかった本。
    こちらも美味しそうな料理が出てきます。
    ブランデーで漬けた梅酒がいいなぁ。
    読後感も良。

    やっぱり短編や連作ミステリに強い作家さんだなぁという印象。
    しかも小ネタの抽斗が豊富だから、毎回ちゃんと楽しませてくれます。

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    2025年05月28日
  • ぶぶ漬け伝説の謎~裏(マイナー)京都ミステリー~

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    支那そば館の謎の続編です。
    前回の登場人物の有馬、折原に続き推理作家のムンちゃんが加わってドタバタ推理になっています(笑)
    小学校高学年位から読めそうな本です

    登場する大悲閣は実在するんだそうです。

    最後の登場する白味噌、うーーん?食べた事が無いかも??
    食事をするシーンが毎回に近く出てくるのですが、想像するだけでも美味しそう。

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    2010年01月16日