最初に読んだ時はよくわからなかったが、再読してみてそのよさがわかった。
昭和史に刻まれた迷宮入り事件の数々が『フォーチュンブック』という謎の書物によって絡み合う展開は、都合のいいように映るので、事件の真相を知りたいと言う方には向かないが、これとこれが繋がっているのか、とページを後戻りしながら読んでいると、パズルを組み合わせているような快感に浸れ、最後にはすべてがバチッと嵌まる。とても味のある本だというのが後からわかった。
でも登場する事件のことを知らない人が読んでも面白くないと思うので、ある程度の予備知識は必要。