北森鴻のレビュー一覧

  • うさぎ幻化行
    私たちが機器を通して目にするもの、また音として聞いているものの中には、本物というものは存在しないのだということが改めて思い知らされた感じだ。映像も音も、より感動的になるように、あるいは悪意的な作為を持って編集され私たちの中に入ってきているのだ。

    こんなところに目をつけた北森さんはすごいと思うけれど...続きを読む
  • なぜ絵版師に頼まなかったのか
    北森氏の作品の中では冬狐堂シリーズや、蓮杖那智シリーズが好きなので、本書のようにライトなユーモアミステリー系はあまり好みではなかったです。
    またこの時代の歴史に造詣がないため、史実との関係も楽しめませんでした。
    数少ない未読作品だったのに、少し残念です。
  • 親不孝通りラプソディー
    このシリーズは自分には合わなかったな、と感じてしまった。荒唐無稽でハチャメチャなストーリーそのものは悪くないと思うのだけれど、文体のハードボイルド調とミスマッチで面白さが伝わらなかった。敢えてミスマッチを狙うという手法もあると思うけれど、本作ではそれがうまくいっているとはかんじられなかった。
  • 共犯マジック
    大好きな北森鴻さんの作品だけど、これは怖かった。偶然のようでいて、実はフォーチュンブックが結びつけた縁。それも不幸へと向かって…
  • ちあき電脳探偵社
    すこし子供っぽい・・・
    けどUFO事件と幽霊の正体を暴くなどミステリーをたくさん解き明かしていくストーリーはとても面白かったです。
  • メイン・ディッシュ
    読です。 しかし、ミステリとしていろいろな仕掛けがあり面白かったし、料理の描写がなんとも言えない。 さす
  • ぶぶ漬け伝説の謎~裏(マイナー)京都ミステリー~
    読書録「ぶぶ漬け伝説の謎」3

    著者 北森鴻
    出版 光文社

    p133より引用
    “幽玄そのものといった光景なのだが、どうも
    焚き火の向こう側にいる獣が、よろしくない。
    おのが欲望に溺れ、いっときの侘び寂を楽し
    もうとすらしない、目つきがさらによろしく
    ない。ときおり唾を飲み込むごくりという物
    欲しげ...続きを読む
  • ぶぶ漬け伝説の謎~裏(マイナー)京都ミステリー~
    面白そうなタイトルに惹かれて購入。
    京都文化論的なものなのかと思ったら、コメディでした。
    冒頭の方はちょっと馴染めなかったので、読後にもう一度読んだら、すんなり乗れた。
    トリックがすとんと落ちない気がするけど、これはドタバタなノリで読む作品なんでしょうね。
    ご住職が好きです。
    京都、大悲閣、行きたく...続きを読む
  • ぶぶ漬け伝説の謎~裏(マイナー)京都ミステリー~
    京都に関するウンチクは受け売りっぽいありふれたものながら、全体に漂うゆるーい感じが軽く読むには適しています。
  • 狐罠
    20140831 全体の盛り上がりは良かったが最後のまとめ方がどうか。続編もあるので良かったのかもしれないがなんとなく逃げられたような気がする。
  • メイン・ディッシュ
    ねこ視点の話と滝沢編の話がどう交差するのかという仕掛けは面白かったけど、あまりミステリーとしての楽しさは感じなかった。
    キャラもミケさんは魅力的だけど、ヒロインのねこさんはサバサバを通り越して、ただ雑な女にしか見えなくてあまり魅力を感じない。
    個人的には香菜里屋シリーズの方が好きだな。
    ただ、料理の...続きを読む
  • なぜ絵版師に頼まなかったのか
    明治時代、東京大學医学部教授のベルツ宅で働く少年・葛城冬馬が、ベルツと共に事件の謎を解決していく。
    史実の人物や出来事が軽妙に織り込まれており、冬馬の成長と共に、急速に西洋の文明を取り入れていく時代の変化が描かれる。
    そして、その成長が大きな伏線ともなっている。

    個々の事件は、史実と絶妙に絡んでい...続きを読む
  • うさぎ幻化行
    20140726 読んでいるうちに何か引っかかりを感じてしまう。作者の世界に知らないうちに入ってしまっていたようだ。
  • 顔のない男
    お話は、殺された空木の目線、ベテラン刑事原口の目線、若手刑事又吉の目線など様々な人物の目線で進んでいきます。

    あの事件はこの事件と関係があり、またある事件はこう繋がり…。結末もさることながら、様々に張り巡らされた伏線の数々にただただ驚くばかりでした。
  • メイン・ディッシュ
    美味しそう…!グルテン抽出したことあるし、このフライはやってみたいな〜
    謎解き的にはもにゃっとするところもあったけど、最後のアナグラムは好きです。
  • なぜ絵版師に頼まなかったのか
    犯行動機が時代の転換機特有でおもしろかった。明治維新の波に乗れた人そうじゃなかった人、鬱屈があるんだなと。
  • ぶぶ漬け伝説の謎~裏(マイナー)京都ミステリー~
    前作に比べ、ミステリー色よりコメディ色が強くなった。登場人物の暴走も加速。作者は楽しんで書いたのでは?おそらく、これで終わりのつもりはなかっただろう。次作がないのは残念。
  • なぜ絵版師に頼まなかったのか
    明治初期の、お雇い外国人・ベルツを題材にした物語。
    連作短編ですが、狂言回しは一人の少年。

    その少年の13歳から23歳までの約10年を追いかけた、
    当時の世俗をネタにしたミステリーとなっています。

    さすがにベルツの性格などは後付けと思いますが、
    江戸から明治へと移りゆく様子が垣間見えるのも、面白...続きを読む
  • 親不孝通りディテクティブ
    屋台のおっちゃんテッタと結婚相談所の捜査員キュータ。
    親友同士が周囲で起こる事件に巻き込まれたり解決したりしていく話。

    テッタとキュータが交互に語り手になる構成は、正直読みにくかった…。
    あとどちらにどんな風に肩入れしていいか分からなかったのはキャラクタがしっかりかけていないからだと思う。
    ラスト...続きを読む
  • 共犯マジック
    フォーチュンブックという占い書にまつわる連作短編。
    だが、全部読んで初めて全ての全貌が明らかになるため、一つの長編と言っても良い作品。
    全ての話に少しずつ謎を残しながら、最後にその謎を解いていく展開は面白かった。
    しかし、最後に全ての答え合わせがなされるシーンがあまりにあっさりしていて、もう少し余韻...続きを読む