北森鴻のレビュー一覧

  • 触身仏 蓮丈那智フィールドファイルII

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    ネタバレ

    蓮丈先生が骨折したり襲われたり容疑者扱いされたり、何なら三國くんも容疑者扱いされたり(でもご褒美チューはあった)と主役コンビがピンチに陥る話がそれなりにあってびっくりした2巻。
    1巻では今後サブキャラになるのかなと思っていたキャラから被害者となってさっさと退場していた印象だったが、2巻は新しく助手が増えたり(そして退場しない)狐目さんの出番も増えたりと、こちらの予想をいい意味で裏切ってきて面白かった。

    民俗学の話としても、即身仏と道祖神の話や敢えて風化するよう作られた五百羅漢の話など、印象的な話が多かった。
    ぞわっと怖さを覚えたのは、新興宗教の話。
    他の話に比べて身近に起きそうという怖さが。

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    2024年05月14日
  • 孔雀狂想曲

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    骨董屋雅蘭堂(がらんどう)に持ち込まれる謎や事件を、店主の越名集治が持ち前の鑑定眼と推理力で解決していきます。ちょっぴりハードボイルド感もある、骨董にまつわる謎解きミステリといったところでしょうか。
    越名は相当な目利きだけど、商売はそれほど上手くなくお店はいつも閑古鳥状態だったり、ひょんなことからバイトに雇う羽目になった相棒役の女子高生安積との掛け合いなど、ユーモア感もあります。

    短編八篇のタイトルとその話の種となる骨董品
    ・ベトナムジッポー・1967
    ・ジャンクカメラ・キッズ
    ・古九谷焼幻化
    ・孔雀狂想曲•••孔雀石が話の種です。
    ・キリコ・キリコ•••江戸切子。
    ・幻・風景•••小説家が

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    2024年05月02日
  • メイン・ディッシュ

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    短編が連なる形式のミステリー。
    2回、3回と読んでいけば、より理解が深まって面白くなりそうな感じでした。
    ネコさんが居候するってのは、リアリティがないかなぁ。。

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    2024年03月31日
  • メイン・ディッシュ

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    ネタバレ

    なんて飯テロ…美味しそうな料理のミステリにはハズレがない。面白かったです。
    特別料理の仕掛けも…!
    ミケさんのオリジナルの人がまさかの人物でびっくり。名前が合法的に全て違うとなると、知人が名乗っててもわからないな。お話を全て貫くミケさんの秘密はビターでした。
    紅神楽の面々も面白い人たち。ユリエさんと小杉師匠の夫婦漫才的なやり取りも面白いし、それをにこにこ見てるミケさんも容易に想像できて良いです。
    梅酒、ブランデーと蜂蜜で作るとどうなるんだろ。北森鴻レシピもどなたか。。。

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    2023年12月18日
  • 香菜里屋を知っていますか 香菜里屋シリーズ4〈新装版〉

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    北森鴻の連作ミステリ短篇集『香菜里屋を知っていますか 香菜里屋シリーズ4〈新装版〉』を読みました。
    『桜宵 香菜里屋シリーズ2』に続き、北森鴻の作品です。

    -----story-------------
    出会いはひととき、思い出は永遠。
    ビアバー《香菜里屋》からメニューが消えた訳とは。
    そして、ついに明かされるマスターの過去――。
    ミステリー史に輝く傑作、感動の完結!

    突如、ビアバー《香菜里屋》からメニューが消えた。
    マスター工藤と同じ店で修業したバーマンの香月は、
    友の変化を耳にし、かつて二人が経験した悲しい出来事を思い出す。
    工藤が待ち続けた人物が、ついに現れたのか――(「終幕の風景」

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    2023年11月02日
  • メイン・ディッシュ

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    北森鴻の連作ミステリ短篇集『メイン・ディッシュ』を読みました。
    北森鴻の作品は、昨年11月に読んだ『花の下にて春死なむ』以来ですね。

    -----story-------------
    女優・紅林ユリエが小杉隆一と作った劇団『紅神楽』は、推理劇を得意としている。
    座付き作者の小杉は大の推理マニアなのだ。
    ある雪の日に、ユリエは三津池修と名乗る男(通称ミケさん)と出会い、一緒に暮らし始めた。
    過去の経歴が全くわからないミケさんは、プロ顔負けの料理の腕を持っていた。
    ミケさんと小杉は、『紅神楽』が遭遇する事件で名?迷?推理を繰り広げるが、そんな折り、ユリエとミケさんの生活に大きな変化が訪れる―。

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    2023年02月03日
  • 支那そば館の謎~裏(マイナー)京都ミステリー~

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    現寺男である元泥棒の主人公が巻き込まれる事件を昔のスキルを使って解決しようとしてみたりする…読みやすくてサクサク読めてよかった。

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    2022年12月15日
  • 狐闇

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    骨董商を主人公の上質な2時間ミステリードラマを見ているような一冊。
    古代から明治維新、そして現代につながる歴史ミステリー。

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    2022年12月02日
  • 深淵のガランス

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    腕利きの職人である主人公の魅力と、絵画修復のディテール、あるいは夜の街の雰囲気で読ませる。主人公と仲間たちの関係性に魅せられる人は多そう。ただ、ミステリとしては出来がいいとは言いかねる。解決があいまいで、終わってもすっきりしない。そういう意味では短めの「凍月」がいちばんきれい。

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    2022年09月10日
  • 孔雀狂想曲

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    骨董品店の店主にしておくには惜しいほどの探偵っぷり。
    ここまで卓越した推理力は、骨董品店の店主には入らないような気がするが。

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    2022年09月11日
  • 花の下にて春死なむ 香菜里屋シリーズ1〈新装版〉

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    毎回、工藤が作る食べ物の描写が秀逸!
    すごい美味しそうに感じた。
    連作短編という作りになっており、その中でとりわけ好みの内容だったのは「終の棲み家」。そして全体的に馴染みのある場所やら駅名が出てくるので、読んでいて楽しかった。ミステリー小説だけれど切り口がよくあるミステリーと少し異なってる?ような気がしてなかなか面白いと思った。

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    2022年06月25日
  • 狐闇

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    ネタバレ

    前作に続いて贋作と騙し合い、複雑な歴史背景を上手く絡めてくる点も良。
    50前で亡くなっているのが残念だが、続編や周辺作も読んでみよう。

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    2022年05月11日
  • 香菜里屋を知っていますか 香菜里屋シリーズ4〈新装版〉

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    美味しい料理と謎解きで楽しませてくれた香菜里屋シリーズの最終巻。
    もう続きは読めないのだと思うと、寂しい気持ちになる。
    書かれるのは《香菜里屋》の店名の秘密、マスター工藤の過去、店に通う客たちの現在。
    多くの出会いと思い出が詰まったこの店をずっと覚えていたい。

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    2022年05月01日
  • 狐罠

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    ネタバレ

    古美術の贋作をテーマにしたミステリ。
    残念ながら著者は早逝しているよう。
    存外面白いので残念。他も美術や民俗学などあるようなので良んでみよう。

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    2022年04月30日
  • 花の下にて春死なむ 香菜里屋シリーズ1〈新装版〉

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    美味しい料理とビール、そして日常の謎。
    その謎を解き明かすのは「香菜里屋」のマスター・工藤。
    彼が語る真相には驚きと悲哀が満ちている。
    静かで美しい世界観が魅力の連作ミステリーは思いの外ほろ苦い。
    特に表題作の印象が強く、驚嘆と言い様のない寂しさを同時に味わえる。

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    2022年01月11日
  • メイン・ディッシュ

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    くるくると状況が変わって、情報も増えるのに、筋の通ったミステリ。著作を読むのは4冊目。すっかりファンになった。あと、これは自分のジンクス。出てくる料理が美味しそうな作品に駄作はない。

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    2022年01月03日
  • 支那そば館の謎~裏(マイナー)京都ミステリー~

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    ギャグ混じりの連作短編推理物。シリーズ第二作だが、筆者は亡くなったので、もう続編は無い。住職の正体が気になるが、もう想像するしかない。

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    2021年11月27日
  • ぶぶ漬け伝説の謎~裏(マイナー)京都ミステリー~

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    京都を舞台に元盗人が推理を繰り広げるギャグ混じりのミステリーもの。十兵衛の料理は美味しそうで良い。ストーリーとお笑い要素は今一つかな。

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    2021年11月09日
  • メイン・ディッシュ

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    ネタバレ

    ごめんなさい、どうもネコさんが苦手ですね。
    料理の描写も中途半端だったかな。
    まあ、ミケさんの設定上、余りプロ仕様にする訳にはいかなかったのかな。
    自分のなかでは、いろいろと惜しい作品ですね。

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    2021年09月14日
  • メビウス・レター

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    作家である主人公を追い詰める、「過去」からの手紙。登場人物が多くないことも読み手の想像や推理を掻き立てます。
    過去と現在が入り混じるまさに「メビウスの輪」のような複雑なストーリー。そして過去と現在が重なった先は驚きのラストでした。
    自分の頭の中で整理して道を切り拓きながら読み進めていくので、作者の作り出す世界に放り出されるような感覚になりました。
    主人公の目線で感情的に読んでも面白いし、作者の挑戦状を受けて論理的に読み進めるのも面白いと思います。

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    2021年08月12日