北森鴻のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
久しぶりの北森作品。
相変わらず、かっこよくって面白かった。
新しいキャラ佐月恭壱が登場する。
佐月恭壱とは、絵画修復師を営む天才。
北森作品は、こういうかっこいいヒーローがどんどん登場してぐいぐい魅せつけるわりに、
結構マニアックな話に持っていくところがなんともファンにはたまらない。
骨董品、考古学、歴史学につぎ、今度は、絵画。
ヒーローたちは、味付けであり、実のところ本当の素材は、人間の作り出した尊敬すべき叡知であると思う。
朱大人父娘や前畑といったこれまた興味深いキャラに、
絶対に陶子だと思われる謎の女。
長々と北森作品を読んできてよかったと思わせてくれる。 -
Posted by ブクログ
出会ったときから気づいていたが,能海は肩から掛けた頭陀袋をひとときたりとも手放そうとはしない。船室から出るときはいうに及ばず,用便所で苦しんでいた最中にあってさえも,それを我が身から離すことはしなかった。はじめのうちこそ,よほど大切なものが入っているのだろう,ぐらいにしか思わなかったが,あまりの執着ぶりが揚用には奇異なものに思えてきた。むろん,旅とは危険との背中合わせである。盗人,追いはぎ,なにが襲いかかってくるかわからないのが旅であることを,揚用はよく知っている。それでなくとも旅人は,少なからぬ資金を所持している。金は絶対に肌身から離してはならないのが鉄則でもある。だが,能海の頭陀袋の中身