北森鴻のレビュー一覧

  • なぜ絵版師に頼まなかったのか
    北森鴻の作品は読みやすい物が多いが、これはどうも読みにくい。
    時代背景や笑いと緊張がちぐはぐに感じた。
  • 顔のない男
    他人とすり替わっていることは理解できたが、最後に出てくる結論と様々なエピソードが必ずしも強く結び付き、しかもその結果の説明がやや甘い。特に老女の自殺の件がどうもすっきりしない。不要な話ではないか。ちょっと凝り過ぎ。
  • なぜ絵版師に頼まなかったのか
    各章のタイトルは著名ミステリのもじりということだったので、ちょっと調べてみました。

    1.『なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか? 』 アガサ・クリスティ
    2.『九マイルは遠すぎる』 ハリイ・ケメルマン
    3.『人形はなぜ殺される』 高木彬光
    4.『白昼夢』 江戸川乱歩
    5.『羊たちの沈黙』 トマス ハ...続きを読む
  • 闇色のソプラノ
    大学生・桂城真夜子は卒論のテーマに夭折した童謡詩人・樹来たか子を選んだ。
    男友達のアパートで見つけた同人誌に掲載されていた詩に衝撃をうけたためだ。
    しかし西條八十の再来とまで言われたたか子についての資料は驚くほど少ない。
    たか子が若くして死んだせいなのか。その死は自殺なのか、他殺なのか。
    その細い糸...続きを読む
  • メビウス・レター
    作家・阿坂龍一郎の元に手紙が届く。
    「今はもうどこにもいないキミへ」と宛てられた
    その内容は葬り去ったはずの過去からの手紙だった。

    時間軸や人物にいろいろ仕掛けがあって
    後半に向かうにつれ、緊張感は増していく。

    やがて、手紙が核心に迫るとともに、
    過去の清算をする時が刻一刻と近づいて...続きを読む
  • 屋上物語
    舞台はデパートの屋上のみ(最終章以外)。
    語り手は屋上にある稲荷の狐だったり、ベンチだったり、
    観覧車だったり、ピンボールゲームだったり、屋上自体だったり。
    (最近、モノ主観の小説ばっかり読んでる気がするな…)

    うどん屋の名物店員「さくら婆ァ」が
    屋上で起こる様々な事件に触れる連作短編ミ...続きを読む
  • 親不孝通りディテクティブ
    福岡・長浜を舞台にした
    腐れ縁コンビのプチ・ハードボイルド。
    硬派な「テッキ」と軟派な「キュータ」。
    項ごとに2人の主観が入れ替わっていくので
    考えてることの違いがわかって面白い。
  • 闇色のソプラノ
    夭折した童謡詩人のなぞ中心に、民俗学、都市伝説等等盛りだくさんの内容。


    ラストで、群盲象をなでる的に彼方此方に視点が切り替わって二転三転するあたりは、おもしろくて、一気に読めます。

    よく読むと、ややすっきりしないところも残るけど、最後はよくまとめたなという感じ。
  • メビウス・レター
    7年前の事件に関する手紙、手紙の中の「ボク」など沢山のトリックがあって面白い。
    最後に阿坂や阿坂の秘書・烏森、「ボク」の正体が明らかになるが
    明らかになるまでは今は誰が語っているのかが読んでて分かりにくかったり、最初の事件の動機など物足りないと感じる場面も多かった。
  • メビウス・レター
    どんでん返しものらしいけど、なんか納得いかない。
    そこまでするかって感じで、動機の割に、隠蔽とかに労力かかりすぎてて、説得力に欠けると思う。トリッキーというよりは力ずく。
    でも、「はじめて手紙を書くよ、今はもうどこにもいないキミに。」で始まる一連のお手紙が、一途でかわいらしくて好き。
  • メビウス・レター
    謎の焼身自殺を遂げた男子高校生、その事件を掘り下げる友人の手紙、それを受け取るとある作家。
    捩じれに捩じれるメビウスの輪は、誰の首を絞めようとしてるのか?

    小説ならではのトリックが活かされている。
    或る意味反則とも言えなくもないこのトリック自体は、あんまり好きじゃないです。
    小説自体は面白いんです...続きを読む
  • メビウス・レター
    個人的には他のシリーズの方が好きかなぁ。どこかで読んだことがある感じのトリックというかなんというか。
  • 深淵のガランス
     作者の作品としては、標準レベルか。 しかし、よく勉強して作品を書く作家であったなぁ、と思う。 必ずしもファンというわけではなく、また熱心な読者でもなかったが、結構好きで作品を手に取っていた作家だけに、物故したのは何とも残念。 しかし、一度読んだことがある作品かどうか、書店に行ってもにわかに判断がつ...続きを読む
  • 共犯マジック
    ★あらすじ★人の不幸のみを予言し、恐るべき的中率を持つ予言書「フォーチュン・ブック」。この本を手にした者の自殺が相次いだため、全国の書店は販売を自粛していたが、この問題の本が松本市の書店に並んだ。六冊の在庫を手にした者達はその後、それぞれの不幸に巻き込まれていく。昭和という時代の共犯者となったことに...続きを読む
  • メビウス・レター
    いかん・・・と思いつつも1日で読んでしまった小説。


    書店での評に

    「全てがドンデン返るこの結末をあなたは予想できるか!」

    みたいな事が書かれていた。

    確かに、面白いくらい色々なことがひっくり返り、結末を迎える。
    だが、ドンデン返しが多いのと、面白いのは同意味ではないのです。
    途中までは、ド...続きを読む
  • 共犯マジック
    「フューチュン・ブック」という不幸な運命しか占わない本を所有しってしまった人々と、昭和の事件/事故をからめて、展開する話。実際の事件とフィクションが上手くリンクしてるけど...。登場人物のほとんどが不幸になるのが、ちょっと...。
  • 狐罠
    旗師・冬狐堂シリーズ。

    面白かったけど、情報量がてんこ盛りで・・・
    ストーリーの流れに乗るところまで行けなかったかも。

    でも陶子のキャラクターは好き。
    かっこいい。
  • 屋上物語
    良くも悪くも、あまりにも、北森作品らしい。 つまり、キャラの魅力はふんだんにあるが、謎解きに関しては、推理というには根拠が弱く、推測の域を出ない印象しか持てないということ。
    などと、手厳しいことを言いつつ、実は私は北森氏の大ファンなんですが。 だって、ミステリと言えども『小説』ですもの、こんなに人...続きを読む
  • 狐罠
    美術…というより骨董の世界どっぷり。
    謎を追うというよりその世界に浸れるかどうかで
    好き好きが分かれそう。
    陶子さんはこれからも苦労しそうなので、頑張って。。。
  • 深淵のガランス
    北森氏得意の職人シリーズの新版。相変わらずのオタクな知識の展開で読者をグイグイ引き寄せる筆力はさすが。ただ、題にもなっているガランスの意味が理解できなかった自分が悲しい。ピーコの解説がよかった。途中で、おっ~冬狐堂が出てくるかな…と期待したが、残念。