北森鴻のレビュー一覧

  • 闇色のソプラノ

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    大学生・桂城真夜子は卒論のテーマに夭折した童謡詩人・樹来たか子を選んだ。
    男友達のアパートで見つけた同人誌に掲載されていた詩に衝撃をうけたためだ。
    しかし西條八十の再来とまで言われたたか子についての資料は驚くほど少ない。
    たか子が若くして死んだせいなのか。その死は自殺なのか、他殺なのか。
    その細い糸をたどるうち、真夜子のまわりにはたか子によって結ばれた縁が絡みつき始め、やがて新たな殺人が起こる・・・。

    これまで北森作品をまとめて読んできましたが、こういうじっくりとひとつの事件について書かれた作品って珍しいかも。
    短編集や連作短編のような長編が多かった気がします。

    今回、真夜子が調査する過程

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    2010年10月15日
  • 親不孝通りディテクティブ

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    福岡・長浜を舞台にした
    腐れ縁コンビのプチ・ハードボイルド。
    硬派な「テッキ」と軟派な「キュータ」。
    項ごとに2人の主観が入れ替わっていくので
    考えてることの違いがわかって面白い。

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    2010年09月07日
  • メビウス・レター

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    作家・阿坂龍一郎の元に手紙が届く。
    「今はもうどこにもいないキミへ」と宛てられた
    その内容は葬り去ったはずの過去からの手紙だった。

    時間軸や人物にいろいろ仕掛けがあって
    後半に向かうにつれ、緊張感は増していく。

    やがて、手紙が核心に迫るとともに、
    過去の清算をする時が刻一刻と近づいていく。

    読み手としていろいろ騙されて面白いんですが
    あまりにも登場人物の裏表がありすぎるのが…。
    しかもほとんどの主要キャラに。

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    2010年09月07日
  • 屋上物語

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    舞台はデパートの屋上のみ(最終章以外)。
    語り手は屋上にある稲荷の狐だったり、ベンチだったり、
    観覧車だったり、ピンボールゲームだったり、屋上自体だったり。
    (最近、モノ主観の小説ばっかり読んでる気がするな…)

    うどん屋の名物店員「さくら婆ァ」が
    屋上で起こる様々な事件に触れる連作短編ミステリー。

    やくざの杜田をうどん1杯で使いっ走りに使う
    「さくら婆ァ」の豪快さがもの凄い。

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    2010年09月07日
  • 闇色のソプラノ

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    ネタバレ

    夭折した童謡詩人のなぞ中心に、民俗学、都市伝説等等盛りだくさんの内容。


    ラストで、群盲象をなでる的に彼方此方に視点が切り替わって二転三転するあたりは、おもしろくて、一気に読めます。

    よく読むと、ややすっきりしないところも残るけど、最後はよくまとめたなという感じ。

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    2014年06月22日
  • メビウス・レター

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    7年前の事件に関する手紙、手紙の中の「ボク」など沢山のトリックがあって面白い。
    最後に阿坂や阿坂の秘書・烏森、「ボク」の正体が明らかになるが
    明らかになるまでは今は誰が語っているのかが読んでて分かりにくかったり、最初の事件の動機など物足りないと感じる場面も多かった。

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    2010年09月09日
  • メビウス・レター

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    どんでん返しものらしいけど、なんか納得いかない。
    そこまでするかって感じで、動機の割に、隠蔽とかに労力かかりすぎてて、説得力に欠けると思う。トリッキーというよりは力ずく。
    でも、「はじめて手紙を書くよ、今はもうどこにもいないキミに。」で始まる一連のお手紙が、一途でかわいらしくて好き。

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    2010年05月23日
  • メビウス・レター

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    謎の焼身自殺を遂げた男子高校生、その事件を掘り下げる友人の手紙、それを受け取るとある作家。
    捩じれに捩じれるメビウスの輪は、誰の首を絞めようとしてるのか?

    小説ならではのトリックが活かされている。
    或る意味反則とも言えなくもないこのトリック自体は、あんまり好きじゃないです。
    小説自体は面白いんですけどね。
    短編の方が好きかもなぁ…。

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    2010年05月07日
  • メビウス・レター

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    個人的には他のシリーズの方が好きかなぁ。どこかで読んだことがある感じのトリックというかなんというか。

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    2010年03月22日
  • 深淵のガランス

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     作者の作品としては、標準レベルか。 しかし、よく勉強して作品を書く作家であったなぁ、と思う。 必ずしもファンというわけではなく、また熱心な読者でもなかったが、結構好きで作品を手に取っていた作家だけに、物故したのは何とも残念。 しかし、一度読んだことがある作品かどうか、書店に行ってもにわかに判断がつかないのは、ちと難儀。

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    2011年08月19日
  • メビウス・レター

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    いかん・・・と思いつつも1日で読んでしまった小説。


    書店での評に

    「全てがドンデン返るこの結末をあなたは予想できるか!」

    みたいな事が書かれていた。

    確かに、面白いくらい色々なことがひっくり返り、結末を迎える。
    だが、ドンデン返しが多いのと、面白いのは同意味ではないのです。
    途中までは、ドキドキしながら読むのですが、後半戦にイマイチ緊迫感がない。

    そう言えば、以前読んだ"メデューサなんとか"(タイトル忘れました・・・)というホラーもの小説と展開が似ていたなあ。


    KEY WORD>>メビウスレター(著:北森鴻)
    男子高校生が謎の焼身自殺を遂げた。

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    2010年02月11日
  • 共犯マジック

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    「フューチュン・ブック」という不幸な運命しか占わない本を所有しってしまった人々と、昭和の事件/事故をからめて、展開する話。実際の事件とフィクションが上手くリンクしてるけど...。登場人物のほとんどが不幸になるのが、ちょっと...。

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    2010年02月11日
  • 狐罠

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    旗師・冬狐堂シリーズ。

    面白かったけど、情報量がてんこ盛りで・・・
    ストーリーの流れに乗るところまで行けなかったかも。

    でも陶子のキャラクターは好き。
    かっこいい。

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    2010年01月15日
  • 屋上物語

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    良くも悪くも、あまりにも、北森作品らしい。 つまり、キャラの魅力はふんだんにあるが、謎解きに関しては、推理というには根拠が弱く、推測の域を出ない印象しか持てないということ。
    などと、手厳しいことを言いつつ、実は私は北森氏の大ファンなんですが。 だって、ミステリと言えども『小説』ですもの、こんなに人物が描ける作家を、嫌いなワケないじゃないですか(笑)
    胸が痛くなるようなストーリーが多かったけれど、痛快さを感じさせる3人のキャラ設定で、救われましたから。

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    2011年02月22日
  • 狐罠

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    美術…というより骨董の世界どっぷり。
    謎を追うというよりその世界に浸れるかどうかで
    好き好きが分かれそう。
    陶子さんはこれからも苦労しそうなので、頑張って。。。

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    2010年01月11日
  • 深淵のガランス

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    北森氏得意の職人シリーズの新版。相変わらずのオタクな知識の展開で読者をグイグイ引き寄せる筆力はさすが。ただ、題にもなっているガランスの意味が理解できなかった自分が悲しい。ピーコの解説がよかった。途中で、おっ~冬狐堂が出てくるかな…と期待したが、残念。

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    2009年11月07日
  • ぶぶ漬け伝説の謎~裏(マイナー)京都ミステリー~

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    もう少し本格推理物も書く著者が、比較的軽いタッチで描く京都なミステリー
    内容が軽いのですが、京都の描写はそれなりに良くて通勤に読む程度にはピタリ
    反面読んだ記憶がすぐになくなりそうな…
    あと料理描写が美味そうなのが個人的には+要素

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    2009年10月22日
  • 深淵のガランス

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    久しぶりの北森作品。
    相変わらず、かっこよくって面白かった。
    新しいキャラ佐月恭壱が登場する。
    佐月恭壱とは、絵画修復師を営む天才。
    北森作品は、こういうかっこいいヒーローがどんどん登場してぐいぐい魅せつけるわりに、
    結構マニアックな話に持っていくところがなんともファンにはたまらない。
    骨董品、考古学、歴史学につぎ、今度は、絵画。
    ヒーローたちは、味付けであり、実のところ本当の素材は、人間の作り出した尊敬すべき叡知であると思う。
    朱大人父娘や前畑といったこれまた興味深いキャラに、
    絶対に陶子だと思われる謎の女。
    長々と北森作品を読んできてよかったと思わせてくれる。

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    2009年11月09日
  • 瑠璃の契り 旗師・冬狐堂

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    問題なく…
    なんか読むときに焦ってたかも。さらっと読みすぎた気がする。
    呪いの人形は、まぁよかった。

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    2009年10月04日
  • 狐闇

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    冬狐堂シリーズ。
    別シリーズの蓮丈那智も出てきたりする盛りだくさんな話。
    もともと骨董業界を舞台にしたシリーズだが・・
    狐闇は随分広大なスケールの話になっています・・・

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    2012年04月23日