北森鴻のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
大学生・桂城真夜子は卒論のテーマに夭折した童謡詩人・樹来たか子を選んだ。
男友達のアパートで見つけた同人誌に掲載されていた詩に衝撃をうけたためだ。
しかし西條八十の再来とまで言われたたか子についての資料は驚くほど少ない。
たか子が若くして死んだせいなのか。その死は自殺なのか、他殺なのか。
その細い糸をたどるうち、真夜子のまわりにはたか子によって結ばれた縁が絡みつき始め、やがて新たな殺人が起こる・・・。
これまで北森作品をまとめて読んできましたが、こういうじっくりとひとつの事件について書かれた作品って珍しいかも。
短編集や連作短編のような長編が多かった気がします。
今回、真夜子が調査する過程 -
Posted by ブクログ
いかん・・・と思いつつも1日で読んでしまった小説。
書店での評に
「全てがドンデン返るこの結末をあなたは予想できるか!」
みたいな事が書かれていた。
確かに、面白いくらい色々なことがひっくり返り、結末を迎える。
だが、ドンデン返しが多いのと、面白いのは同意味ではないのです。
途中までは、ドキドキしながら読むのですが、後半戦にイマイチ緊迫感がない。
そう言えば、以前読んだ"メデューサなんとか"(タイトル忘れました・・・)というホラーもの小説と展開が似ていたなあ。
KEY WORD>>メビウスレター(著:北森鴻)
男子高校生が謎の焼身自殺を遂げた。
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Posted by ブクログ
久しぶりの北森作品。
相変わらず、かっこよくって面白かった。
新しいキャラ佐月恭壱が登場する。
佐月恭壱とは、絵画修復師を営む天才。
北森作品は、こういうかっこいいヒーローがどんどん登場してぐいぐい魅せつけるわりに、
結構マニアックな話に持っていくところがなんともファンにはたまらない。
骨董品、考古学、歴史学につぎ、今度は、絵画。
ヒーローたちは、味付けであり、実のところ本当の素材は、人間の作り出した尊敬すべき叡知であると思う。
朱大人父娘や前畑といったこれまた興味深いキャラに、
絶対に陶子だと思われる謎の女。
長々と北森作品を読んできてよかったと思わせてくれる。