北森鴻の連作ミステリ短篇集『メイン・ディッシュ』を読みました。
北森鴻の作品は、昨年11月に読んだ『花の下にて春死なむ』以来ですね。
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女優・紅林ユリエが小杉隆一と作った劇団『紅神楽』は、推理劇を得意としている。
座付き作者の小杉は大の推理マニアなのだ
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ある雪の日に、ユリエは三津池修と名乗る男(通称ミケさん)と出会い、一緒に暮らし始めた。
過去の経歴が全くわからないミケさんは、プロ顔負けの料理の腕を持っていた。
ミケさんと小杉は、『紅神楽』が遭遇する事件で名?迷?推理を繰り広げるが、そんな折り、ユリエとミケさんの生活に大きな変化が訪れる―。
謎解きの深い味わいが重奏する垂涎のエンタテインメント。
おいしくてせつない、シャープでトリッキーな連作ミステリー。
(解説・千街晶之)
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集英社の『小説すばる』の1996年(平成8年)6月号から1998年(平成10年)11月号に不定期掲載され、『アペリティフ(プロローグ)』と『メイン・ディッシュ(エピローグ)』を追加して1999年(平成11年)3月に書籍化、2002年(平成14年)3月の文庫化に際してさらに『特別料理』が追加された作品です。
■アペリティフ(プロローグ)
■ストレンジ テイスト
■アリバイ レシピ
■キッチン マジック
■バッド テイスト トレイン
■マイ オールド ビターズ
■バレンタイン チャーハン
■ボトル“ダミー”
■サプライジング エッグ
■メイン・ディッシュ(エピローグ)
■特別料理
■解説 千街晶之
小劇団「紅神楽」を主宰する女優・紅林ユリエの恋人で同居人の三津池修(ミケさん)は料理の達人にして名探偵… どんなに難しい事件でも、とびきりの料理を作りながら、見事に解決してくれる、、、
でも、そんなミケさん自身にも、誰にも明かせない秘密が…… ユーモラスで、ちょっとビターなミステリ連作集。
文庫化に際して、新たに特別短編を加筆… さらに美味しくなった、スペシャル・メニューを召し上がれ。
一つひとつのエピソードは、それほど魅力的に感じなかったのですが、それらが伏線となり、物語全体に関わる大きな謎解きができる… ミケさんは誰なのか? なぜこのタイミングでユリエの元を去ってしまったのか? という謎が解けていく瞬間が心地良い作品でしたね、、、
物語の中で、リアルな部分と創作部分(作中作の入れ子構造部分)が混在しており、どの部分が本当で、どの部分が妄想なのかが、ややわかり辛い印象でしたが… 読者をミスリードさせるための意図的な演出なんでしょうね、愉しめました。
各エピソードに登場する料理も美味しそう… グルメミステリでもありましたね。