北森鴻のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
2009年2月18日購入
かなり5に近いが最近5が多いので自粛。
とはいえかなり面白かった。
狂乱廿四孝に比べると
ずいぶん文章が読みやすい。
きっとこの人は短編が上手なのだと思う。
カナリヤシリーズもそうだし。
短編でないと登場人物が収拾がつかなくなるのだろう。
この本の最後の話はことに面白かった。
こってりである。
伏線もきちんと張ってあって
ラストまで納得の展開。
その他の話がどうも将棋の投了のところで終って
素人にはほんとに詰んでいるのかよく分からない感じが残っただけに
これが最後でよかったと思える。
うんちくもたいへん面白い。
古美術はほんとうにそれらしく思えるから
小説家にはうってつけの素材なのかなと思う。
-
Posted by ブクログ
初期の頃の北森鴻の短編と人気作家になるまでのエッセイが収録されてる作品です。と、言う事で短編だけちょっと書きますね
「仮面の遺書」
1990年クリスマス・イブの夜に河原で燃えた男がいた。三年たった今ビルには彼の遺作の作品が正確に複写されていた。ある日そのビルの前で眺め続ける全身青の服装の男がいた。そのビルの前で働く依子は、その男に気付き声をかけた・・。
「踊る警官」
大阪府警本部長宛に一通の手紙が届いた。そこには、数年前に行方不明の女子高生をY塚山御陵に埋めたと告白した事が書かれていた。大阪府警は、捜査に乗り出すが・・・。
「無残絵の男」
大政奉還が終わり江戸が東京に地名を変えた頃。木版を彫る職人の仕事場で絵草子屋の職人が密室状態で死んでいた。元御家人の水無瀬源三郎は、街の臨時の見回り役をしていた。「嬉しいと泣き顔になり、腹が立つと笑いが堪えきれなくなる・・」ちょっといかれた米次郎から、この事件に関わるものを拾ったと言われて・・・。
「ちあき電脳探てい社」
夏休みを前にしたある日。学校の裏にあるあかずの倉庫で、幽霊が現れるという話が起こった。目撃者は、二人。この話を聞きカオルは、「小椋カオル美少女探てい社にお任せを・・」と調べ始める。そしてぼくとちあきも調べ始めた。ちあきの部屋で、パソコンを自由自在に操るちあきは、事件の真相に迫る・・・
「鬼子母神の選択」
京都にある大悲閣千光寺は、由緒正しき貧乏寺だった。普段人があまり訪れないこの寺。しかし、今年の冬は、人がたびたび訪れて来る。晩秋の頃に新聞の記事の美談の中に松茸が取れたと載っていたのだ。そして寺の近くの山の中で一人の男の死体が発見された・・・。
「ランチタイムの悪魔」
ランチタイムが過ぎて午後になった。職場の同僚の女性が早退したいと上司に言った後その場で倒れた。救急車を呼んで一命を取りとめたのだが・・。やがて、主人公の女性の変な噂が・・・。
「幇間二人羽織」
江戸時代。同じ人物が、同じ時に別々場所にいたと言う。日本橋の岩倉町と吉原の遊廓街だ。この難問を老中が北町奉行所と南町奉行所に伝え御前吟味をするという。果たして事件の真相は?そして・・・。
ま〜こんな感じの短編があります。エッセイは、「作者口上」「短編デビューまで」「長編デビュー前後」「トリック嫌い」「錬金術師1996」「『狐罠』の頃」「作家というお仕事」「作家交友録」が短編の前後に入っています。ま〜ま〜面白かったですそうそう、この作品ついこの間先に読んだ人が居たな・・・どうだったのでしょう -
Posted by ブクログ
市で競り落とした二つの青銅鏡。冬孤堂の旗師・宇佐見陶子は、その青銅鏡を手に入れてから、予期せぬ出来事が・・・。
競り落とした青銅鏡の一つがすり変えられてた。そのすり変わった青銅鏡は、陶子を魅了したのだが、後日その物を引き取りに来た。事情をしり返したのだが・・・。
市に参加して競り合った男の死。青銅鏡を市に出した骨董業者は、行方知れずに・・。その業者は、帰って来て陶子に絵画を売ったのだが、その絵画を元に陶子は、罠にはまる。陶子は、贋作作りの汚名を着せられ骨董業者の鑑札を剥奪されてしまう。売りつけた業者も死んでしまう。罠を仕掛けたのは誰か?満身創痍の陶子は、仲間の力を得て捜査をする。この真相は、どこにあるのか?女旗師のたどり着いた真相は?
てな感じで進む骨董世界のミステリーです。読まれた人は、多いのでしょうか?ま〜ぼちぼち面白い作品です。個人的に物語に入りきれなかったからでしょうか? -
Posted by ブクログ
ネタバレデパートの屋上が舞台のミステリ連作短篇集。
この屋上でいくつかの不可解な事件が起こる。
屋上には、このデパート地階にある讃岐うどん専門店が出すアンテナ・ショップがある。良心的な200円台という安さで、正真正銘の手打ちうどんを提供する。だから、昼休みになると、近所のサラリーマンやOLでごった返す。
そんな人気うどんスタンドをひとりで切り盛りするおばちゃんが、この物語の名探偵役。通称「さくら婆ァ」。男前な女傑。屋上を仕切っている。
北森作品は読み始めて間もないが、読後感がやさしく、温かい。犯罪が描かれているにもかかわらず、だ。どうしてだろう、と考えてみた。
著者・北森鴻さんは、しばしば料理の達人を登場させる。<ビア・バー香菜里屋・シリーズ>のマスター・工藤も、『メイン・ディッシュ』のミケさんもそうだった。そして、このうどん屋の「さくら婆ァ」もそうだ。多くの客を唸らせている。彼らの作る料理の美味しそうなことといったら、食べてみなければ、いや読んでみなければわからない。
このスペシャルな料理に、まずはやられる。おいしい料理に心和まない人はいないだろう。
腹は鳴くが……もうひとつ、北森作品に共通しているのは、いずれの料理人たちの心にもとげが刺さっているところだ。どこか翳がある。彼らは人に言えない悲しみを秘めているのだ。事件にかかわる人々の悲しみを、彼らも実感として知っている。そんな悲しみを抱えているからこそ、彼らは人に対してやさしくできるのだと思う。思いやりあふれる彼らの言動は、事件当事者たちの凝り固まった心を解きほぐす。名探偵とは、事件の謎を解くだけの存在ではない。被害者の心情をも理解する。ときには加害者にも。そんな彼らが悲しみや苦しみから立ち上がろうとする凛とした姿は、読み手の心に清々しさをもたらしてくれるのではないだろうか。凛とした姿と書いたが、実際の探偵役たちは、場末の小さなバーのマスターであり、女に拾われた居候のフリーターであり、デパート屋上のうどんスタンドのおばちゃんなのである。彼らの外貌と、明晰な頭脳やさりげないやさしさとのギャップが、これまた微笑ましく、やはり読み手の心をつかむ要因になっているのだろう。
また、わかったような感想。不細工。かっこ悪い。反省。べるさん、ご紹介ありがとうございました。 -
Posted by ブクログ
博多の長浜で、おでんとラーメン、そしてカクテルを出す屋台を営む
テッキこと鴨志田鉄樹。 テッキとは腐れ縁な同級生、
華岡結婚相談所の調査員、キュータこと根岸球太。
高校時代は「鴨ネギコンビ」と呼ばれた、どちらも29歳。
という二人が主人公だ。
どう云う訳か…二人の下へ日常的に調査依頼が舞い込んでくる。
その結果、様々な事件に巻き込まれることに。
そして、それぞれのやり方で解決していく。
センチメンタル&ハードボイルドなミステリィ連作短編集。全6編。
手法がまた、面白い。
テッキとキュータが、それぞれの一人称で交互に語っていくのだ。
短編の作中でいきなり語り手が代わるのって、掛け合い的で、
なかなか面白い経験だった。
北森作品とは、『花の下に春死なむ』で出会い、本書はまだ二作目。
今回も、『花の下・・・』程ではないが、調理師免許を持つ北森氏らしく、
おでんとカクテルがいくつか登場する。 アルコール片手が必須の作品だww
萌えポイントだったのがww テッキの許に難題が持ち込まれる前触れ・・・
≪いやな予感がした。こうした夜に限って、疫病神はこの店に降臨する。≫
そして、キュータが現れる。そう、疫病神とはもう一人の主人公のキュータ。
この二人、お互いを理解しているからだろうが、ホントにいいコンビなのだ。
行動力と話術に長けたキュータと、頭脳と冷静さで事の真相を見極めるテッキ。
お互い話し合って調査に当たるわけではないのに、自然と分担されているのが
心地イイ。 相手を理解する心意気も実に、頼もしい。
またサブキャラも個性的!凄いのばかりが登場する。
一押しは、何といっても “歌姫” だ。
ライブハウス<ヘブン>の経営者&シンガーなのだ。
彼女の物語だけで、一冊書けそうなインパクトなんだもの。
あっ!ハードボイルドに欠かせない悪徳警官も、もちろん登場しますよ(笑)。
キュータの博多弁に、ついつい笑ってしまったが、
「〜ったい」 「〜やろうもん」 「〜じゃと」 という聞きなれない言葉の数々に
なんかこう、温かみがあってテンポがあっていい感じ。(*^^)v
博多には、全く馴染みはないが、読後は近くに感じたもんなぁ。
「セブンス・ヘヴン」 登場人物紹介編といった感じ。
キュータが勤める結婚相談所で出会い、結婚したカップルが心中した。
発見者は、キュータ。でもって容疑者。
「地下街のロビンソン」 サブキャラ「歌姫」登場。
歌姫から人探しを依頼されるが、複雑な人間関係から事件が入り組み…
結末は、重くて辛い。
「夏のおでかけ」 テッキの謎に迫るサスペンス劇、かな?
テッキは毎年、夏の間の二週間だけ店(屋台)を閉める。
その理由が明かされ、さらには別な事件へと発展。
軟派なキュータに、イラッとしたww
「ハードラック・ナイト」 二人の本名とコンビ名が判明!
過去も明らかになる重要な作品。テッキの元カノ小坂奈津美が登場。
女子校生の暴行屍体を軸に事件の真相解明は楽しめる。が、
女子高生の考えていることには、納得できない。
「親不孝通りディテクティブ」 テッキの店では、カクテル「雪国」は永久欠番。
その理由となった、ホームレスのヒデさんが巻き込まれた、二年前の事件を語る。
事件の裏には、ヒデさんの人柄が、人間味が溢れていた。情感たっぷりな表題作。
「センチメンタル・ドライバー」 二人の高校生活の一部が明らかに。過去の因縁物語。
性根の腐りきった悪党には、どう対処したらイイのだろうか。
本書はこれで完結なんだと、締め括られた作品。
結末には、いろいろと考えさせられた。
しかし、北森氏って、すごい多作な方なんですね。
「蓮丈那智シリーズ」や「冬狐堂シリーズ」というのもあるらしい。
これからも地道に追い続けたいと、思う。
先ずは、「香菜里屋シリーズ」二作目からだけどね。
既に刊行されている 『親不孝通りラプソディー』 は、
本書の「ハードラック・ナイト」にちょこっと出てきた・・・
二人の高校時代のエピソードが描かれているみたいですね。
文庫落ちしたら、そちらも読んでみようっと。 ワクワク
北森氏、ついて行きまぁ〜す。
-
Posted by ブクログ
ナツイチに選ばれていたので読んでる人が増えてるみたいです。
個人的には冬狐堂シリーズ、香菜里屋シリーズ、民俗学シリーズに続いて、シリーズ化して欲しいですね。
ある意味、3シリーズのちょうど中間地点に位置するんじゃないかと思います。他の3シリーズは扱うものがマニアックなので。
この作者の作品を読んだことがない人はこの作品から入ると入りやすいかな。この作品で興味を持った人は違うシリーズも読んでみてもいいかもしれないです。
主人公の越名集治と女子高生長坂安積の掛け合いも絶妙です。
女子高生という設定ではなくてもいいかもしれないですけど。
アンティークのベトナムジッポーやらアンディ・ウォーホルのオリジナルなどもあれば、焼き物や絵画なども取り上げられています。
ただ、他のシリーズに比べて読後感はかなりあっさりとしています。そこが魅力なのかもしれませんが。少し物足りないと思う人もいるかもしれないですね。次回作に期待します。