北森鴻のレビュー一覧

  • 狐闇

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    『冬狐堂』シリーズ第2作。
    骨董商『冬狐堂』こと宇佐見陶子の日常の歯車は、骨董市で競り落とした一枚の青銅鏡によって狂い始める。競り落としたはずのものと違う、手元に届いた鏡。その魅力。市に参加していた男の突然の自殺。「あれは間違いです。返してください。」と接近してくる怪しげな男たち。そして、陶子は骨董業者の鑑札を剥奪される罠へと陥れられて、、、。誰が、何のために。五里霧中の調査行は、やがて日本の歴史を紐解く道行となっていく。

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    まず!この作品を読む前に、「凶笑面」を読むことをオススメします!
    北森鴻さん、はまりましたね〜d(>_< )。本当におもしろいです。
    古代からの天皇家の系譜だの、征韓論がどうの、と、あまりにも話しが壮大になりすぎて「おいおい、、、どう収束つけるんだよ、この話?(☆。☆)」と思っていたのですが、さすが落としどころはきちっとしていますね〜。ミステリーの筋としてはちょっと・・・という感じでしょうか。あと、前作の方が骨董業界の裏話的なところがおもしろかったかな。でも、主人公の「五里霧中」感はこの作品の方が良いですね。
    蓮杖那智シリーズは、キレ者の主人公の危なげなさを楽しめるのですが、こちらのシリーズは陶子と胃の痛みを共有できる雰囲気です。どうなるんだろう?どうなっているんだろう??とハラハラしながら読めました。そして、「あれ??なんか聞いたことのあるような・・・??」と思っていたら・・・きましたよ!蓮杖那智シリーズとの絡みが!!おぉ〜、そうくるのかぁ!!って感じでした。お馴染みの三軒茶屋の香菜里屋のマスターも、那智も勢ぞろい。同じ作家さんの作品を連続して読むことの醍醐味を十分に感じさせてくれる内容です!

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    2009年10月04日
  • 屋上物語

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    さくら婆ァに怒られながらうどんが食べたい。デパートの屋上で起きる様々な事件を静かに見つめるモノ達の視点、哀愁。

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    2009年10月04日
  • 写楽・考 蓮丈那智フィールドファイルIII

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    ネタバレ

    蓮丈那智と内藤三國のコンビによる民俗学ミステリーの第三作
    今作では、前作の終わりに登場した佐江由美子が新たなメンバーとして加わり、狐目の担当者の名前も明らかになるなど、新展開を見せた

    怪我や取り調べなど、これまで以上にメンバーに危険が迫る描写が多かったが、彼らのことだからどうにかなるだろう、という安心感をもちながら読むことができた
    蓮丈たちの過去を想起させる描写もあり、普段冷静な蓮丈や狐目の担当者の動揺が見えて新鮮だった

    「湖底祀」が好きでした
    最終話の一部の謎については、タイムリーな話題でもあったため少し察せてしまう部分はあったが、それでも楽しめた

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    2026年09月22日
  • 狐闇

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    同作家による短篇「双死神」を下敷きにしたであろう長篇です。冬狐堂シリーズで知られる主人公の旗師・宇佐美董子を中心に、他のシリーズでも登場する人物たち(その最たる例が蓮丈那智)も出揃っていることから、おいしい一冊に仕上がっています。

    それだけ揃えたキャストなので、語られる世界観も大きいです。税所コレクションともいわれる税所篤が収集した考古品を軸にして、ストーリーは進むにつれてミステリーの度合いを増していきます。助け合いもあれば裏切りもあり、読み応えは十分です。

    いわゆる本格ミステリーではありませんが、歴史や美術――そして特に日本史や古美術――に興味・関心がある場合は、引き込まれるように読めるのではないでしょうか。ちなみに私はその一人でした。

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    2026年09月20日
  • 触身仏 蓮丈那智フィールドファイルII

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    「異端の民俗学者」蓮丈那智と助手の内藤三國のコンビによる民俗学ミステリー短編集第二集

    前作を読んでからしばらく経ってるから空気感が前作と似ていたかは覚束無いけど、今作だけで判断するにしても読んでて違和感は覚えなかったし心地よかった

    好きだった作品は「死満瓊」と表題作の「触身仏」

    短編集ではありながらもオムニバス形式のような感じで、各篇で触れた要素が次篇に引き継がれていき、最後の「御蔭講」の要素は最初の「秘供養」に引き継がれて螺旋の様を呈している
    一応全篇を貫くテーマとして、吉事として語り継がれている事柄を凶事として読み取り、敗者として語られる事柄を勝者によるものとして捉え直す、というものが読み取れる
    こうしたどんでん返し的な要素は、民俗学ミステリーとしての質を高めて読書体験を唯一のものとしている要因だと感じた

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    2026年08月27日
  • メビウス・レター

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    ネタバレ

    手紙と主人公の性別誤認は早い段階で気付いたけど、その正体は完全に予想外だった。
    ただ真犯人の動機のところはちょっと納得いかないかなぁ。

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    2026年08月26日
  • メビウス・レター

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    隠し方がうまいよな、と思う(いや自分の読みが甘いってだけですかそうですか)。まぁでも、楽しめたらそれでOK。考察考察じゃ疲れちゃう。

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    2026年08月06日
  • 狐罠

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    手放すにあたり再読。全然内容を覚えてなかったので、新鮮に楽しく読めました。忘れっぽいのも悪くないすね。まりえさんという女性が男女問わず誰からも愛されるキャラとして説明があるのですが、同性からは嫌われるんじゃないかという図々しさで、ずっと引っかかってました。作者が男性だからなのかな。デジカメの説明が詳しく書いてあって、時の流れを感じました。

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    2026年07月20日
  • 凶笑面 蓮丈那智フィールドファイルI

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    再読。やはり北森鴻さんは面白い。
    シリーズ再読しようかな。
    さりげなく宇佐美さんとか、カナリヤが登場すると、そちらのシリーズも読みたくなる。

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    2026年07月07日
  • 狐闇

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    再読のはずなのだけど、全く記憶になく初めて読むかのように楽しめました。最後の種明かしが難しくてそれで覚えてなかったのか、魔鏡の魔法にかかったか。解説が野間美由紀さんなのも感慨深いです。お二人とも新作はもう読めないのは寂しいです。最後ガスパールがひどいことになってて、ちゃんと成猫になれたのかも気になります。

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    2026年06月15日
  • 花の下にて春死なむ 香菜里屋シリーズ1〈新装版〉

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    日常の謎は好きだが、このシリーズは知らなかった。安楽椅子探偵もの、その系譜にありながらも人生の中にあるほろ苦さや温かさが宿っている。
    短編集なのかと思いきや連作短編集の構成で、推理以外にも人間ドラマとしての面白さがあった。
    欲を言うとこれだけ面白いのだからもう少しパンチの効いた、心底驚く話があっても良かったのではないか。せいぜいジャブ程度の当たりしかないないので、驚きがそこまで大きくない。だからこその日常の謎なのかもしれないが。
    香菜里屋を舞台にした客たちのやりとりは楽しく、実際にこの店があれば行ってみたい。出てくる料理、その描写にも思わず腹が鳴る。

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    2026年04月21日
  • 触身仏 蓮丈那智フィールドファイルII

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    ネタバレ

    表題の触身仏より、御蔭講が面白かった。
    わらしべ長者を民俗学的な角度から見たら、途中で脱落していく人も描かれている、そのことがまず驚き。きっともっと掘り下げたら味噌とか刀鍛冶とかにも何かしら良い意味があるんだろうな。そして日本の昔話は基本は民俗学とつながっていることに改めて考えさせられることも多い。

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    2026年04月06日
  • メビウス・レター

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    面白かった!
    少し内容が浅い気もするけど1冊でこれだけを収めるならこのくらいかのかなとも納得
    数年後にまたもう一度読みたい

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    2026年03月31日
  • 屋上物語

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    とあるデパートの屋上。そこにある無機質なはずのものたちが、実は「見る」能力を持っていて…?
    あんな固定された舞台で、章ごとに語り手が変わる?と思ったら、デパートの屋上にある✖️✖︎、置き忘れられた✖️✖︎、ずっとある✖️✖︎、、などなど。
    彼らの視線の先には,いつだってとある立ち食いうどん屋があるのだけど…最後はもう少し救いが欲しかったかなー。

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    2026年02月07日
  • 凶笑面 蓮丈那智フィールドファイルI

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    再読。
    以前、新潮文庫で読んだがシリーズ揃えきれず止まっていた所角川で新しく出ていたので。
    ただただ個人的な感想だが、民俗学は大人になってから学んだほうが色々見えてくるのかもしれない、と。民俗学とは、まだ確立されきっていない学問分野ということもあり利権や思惑が渦巻いている様子を含め民俗学なのではないかとおもえてきた。
    再読時のほうが面白かった。

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    2026年01月18日
  • 花の下にて春死なむ 香菜里屋シリーズ1〈新装版〉

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    スムーズに読み進めることが出来た。行きつけのバーで推理が進むというのは、あまり読んだことが無い流れだったが、静かに安心して読める感じがした。シリーズの続きを読んでみようと思う。

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    2025年12月28日
  • 触身仏 蓮丈那智フィールドファイルII

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     死と破壊の神の転化、海幸彦・山幸彦の伝説、正体不明の即身仏といった古代の謎を考察すると同時に遭遇した事件を解決する蓮丈那智シリーズ二作目で、民俗学に対する仮説の興味深さと頭脳明晰な蓮丈那智の鮮やかな解決編が一作目と変わらず面白かった。

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    2025年11月16日
  • 屋上物語

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    デパートの屋上という楽園を舞台に、そこで起こる決してコージーではない事件(実際人が何人も死ぬ)を描く8つの連作短編。

    各話の語りが屋上にある稲荷社の使い狐だったり、観覧車やベンチやピンボールマシンといったモノである点も面白い趣向。

    そしてなんと言っても秀逸なのは“さくら婆ァ”の人物造形と彼女を手助けするヤクザ者の杜田、高校生のタクとのやり取り。
    事件は人間の悪意を浮き彫りにし、総じて暗く、ほろ苦を通り越してビター過ぎるんだけど、3人の関係性があるからどこか救われながら読んでいけた。

    無敵に見えるさくら婆ァにも、一見明るく見える杜田にも消化しきれない心の闇があって作品全体に深みが増す。
    最終話のタクがちょっと明るい未来を見せてくれて、読後に少し光が差した感じなのもいい。

    うどん屋のモデルになった池袋西武屋上庭園のお店が昨年閉店になったのは残念でならない。さくら婆ァがいなくても行ってみたかったな〜。

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    2025年09月29日
  • 屋上物語

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    ネタバレ

    「はじまりの物語」「波紋のあとさき」
    「SOS・SOS・PHS」「挑戦者の憂鬱」「帰れない場所」「その一日」「楽園の終わり」「タクのいる風景」

    デパートの屋上にあるうどん店の主・さくら婆ァ。そのデパートの屋上ではいつも不思議な事件が起こる…。飛び降り自殺、殺人、失踪。何があっても動じないさくら婆ァの名推理。

    最初は明るい感じかと思ったけど、すぐにやり切れないような事件と真相が…。好みの展開で良かった。

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    2025年09月25日
  • 螢坂 香菜里屋シリーズ3〈新装版〉

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    ネタバレ

    今回は「待つ」がテーマのように感じた。特に「狐拳」の話は余韻が残る。シリーズ3となり、店主工藤の謎も垣間見えてきた。次作が楽しみだ。
    解説から、1999年からシリーズが始まったそうだ。今でこそ美味しい小説は珍しくないが、その当時は美食と蘊蓄とミステリーが相まった小説は珍しかったとのこと。先駆けだったのかしら。

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    2025年07月13日