北森鴻のレビュー一覧
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『冬狐堂』シリーズ第2作。
骨董商『冬狐堂』こと宇佐見陶子の日常の歯車は、骨董市で競り落とした一枚の青銅鏡によって狂い始める。競り落としたはずのものと違う、手元に届いた鏡。その魅力。市に参加していた男の突然の自殺。「あれは間違いです。返してください。」と接近してくる怪しげな男たち。そして、陶子は骨董業者の鑑札を剥奪される罠へと陥れられて、、、。誰が、何のために。五里霧中の調査行は、やがて日本の歴史を紐解く道行となっていく。
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まず!この作品を読む前に、「凶笑面」を読むことをオススメします!
北森鴻さん、はまりましたね〜d(>_< )。本当におもしろいです。
古代からの天皇家の系譜だの、征韓論がどうの、と、あまりにも話しが壮大になりすぎて「おいおい、、、どう収束つけるんだよ、この話?(☆。☆)」と思っていたのですが、さすが落としどころはきちっとしていますね〜。ミステリーの筋としてはちょっと・・・という感じでしょうか。あと、前作の方が骨董業界の裏話的なところがおもしろかったかな。でも、主人公の「五里霧中」感はこの作品の方が良いですね。
蓮杖那智シリーズは、キレ者の主人公の危なげなさを楽しめるのですが、こちらのシリーズは陶子と胃の痛みを共有できる雰囲気です。どうなるんだろう?どうなっているんだろう??とハラハラしながら読めました。そして、「あれ??なんか聞いたことのあるような・・・??」と思っていたら・・・きましたよ!蓮杖那智シリーズとの絡みが!!おぉ〜、そうくるのかぁ!!って感じでした。お馴染みの三軒茶屋の香菜里屋のマスターも、那智も勢ぞろい。同じ作家さんの作品を連続して読むことの醍醐味を十分に感じさせてくれる内容です!
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Posted by ブクログ
ネタバレ蓮丈那智と内藤三國のコンビによる民俗学ミステリーの第三作
今作では、前作の終わりに登場した佐江由美子が新たなメンバーとして加わり、狐目の担当者の名前も明らかになるなど、新展開を見せた
怪我や取り調べなど、これまで以上にメンバーに危険が迫る描写が多かったが、彼らのことだからどうにかなるだろう、という安心感をもちながら読むことができた
蓮丈たちの過去を想起させる描写もあり、普段冷静な蓮丈や狐目の担当者の動揺が見えて新鮮だった
「湖底祀」が好きでした
最終話の一部の謎については、タイムリーな話題でもあったため少し察せてしまう部分はあったが、それでも楽しめた -
Posted by ブクログ
同作家による短篇「双死神」を下敷きにしたであろう長篇です。冬狐堂シリーズで知られる主人公の旗師・宇佐美董子を中心に、他のシリーズでも登場する人物たち(その最たる例が蓮丈那智)も出揃っていることから、おいしい一冊に仕上がっています。
それだけ揃えたキャストなので、語られる世界観も大きいです。税所コレクションともいわれる税所篤が収集した考古品を軸にして、ストーリーは進むにつれてミステリーの度合いを増していきます。助け合いもあれば裏切りもあり、読み応えは十分です。
いわゆる本格ミステリーではありませんが、歴史や美術――そして特に日本史や古美術――に興味・関心がある場合は、引き込まれるように読めるのではないでしょうか。ちなみに私はその一人でした。 -
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「異端の民俗学者」蓮丈那智と助手の内藤三國のコンビによる民俗学ミステリー短編集第二集
前作を読んでからしばらく経ってるから空気感が前作と似ていたかは覚束無いけど、今作だけで判断するにしても読んでて違和感は覚えなかったし心地よかった
好きだった作品は「死満瓊」と表題作の「触身仏」
短編集ではありながらもオムニバス形式のような感じで、各篇で触れた要素が次篇に引き継がれていき、最後の「御蔭講」の要素は最初の「秘供養」に引き継がれて螺旋の様を呈している
一応全篇を貫くテーマとして、吉事として語り継がれている事柄を凶事として読み取り、敗者として語られる事柄を勝者によるものとして捉え直す、というものが読み取れる
こうしたどんでん返し的な要素は、民俗学ミステリーとしての質を高めて読書体験を唯一のものとしている要因だと感じた -
Posted by ブクログ
日常の謎は好きだが、このシリーズは知らなかった。安楽椅子探偵もの、その系譜にありながらも人生の中にあるほろ苦さや温かさが宿っている。
短編集なのかと思いきや連作短編集の構成で、推理以外にも人間ドラマとしての面白さがあった。
欲を言うとこれだけ面白いのだからもう少しパンチの効いた、心底驚く話があっても良かったのではないか。せいぜいジャブ程度の当たりしかないないので、驚きがそこまで大きくない。だからこその日常の謎なのかもしれないが。
香菜里屋を舞台にした客たちのやりとりは楽しく、実際にこの店があれば行ってみたい。出てくる料理、その描写にも思わず腹が鳴る。 -
Posted by ブクログ
デパートの屋上という楽園を舞台に、そこで起こる決してコージーではない事件(実際人が何人も死ぬ)を描く8つの連作短編。
各話の語りが屋上にある稲荷社の使い狐だったり、観覧車やベンチやピンボールマシンといったモノである点も面白い趣向。
そしてなんと言っても秀逸なのは“さくら婆ァ”の人物造形と彼女を手助けするヤクザ者の杜田、高校生のタクとのやり取り。
事件は人間の悪意を浮き彫りにし、総じて暗く、ほろ苦を通り越してビター過ぎるんだけど、3人の関係性があるからどこか救われながら読んでいけた。
無敵に見えるさくら婆ァにも、一見明るく見える杜田にも消化しきれない心の闇があって作品全体に深みが増す。
最終話のタクがちょっと明るい未来を見せてくれて、読後に少し光が差した感じなのもいい。
うどん屋のモデルになった池袋西武屋上庭園のお店が昨年閉店になったのは残念でならない。さくら婆ァがいなくても行ってみたかったな〜。