北森鴻のレビュー一覧
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内容(「BOOK」データベースより)
僕の名は有馬次郎。京都でも指折りの貧乏寺、大悲閣千光寺の寺男だ。怪盗と呼ばれた過去もあったが、縁あって慈悲深い住職に拾われ、表の世界の住人となった。厄介なのは、寺に奇妙な事件ばかりが持ち込まれること。持ち前の身軽さと裏の人脈を駆使、住職の智恵をお借りして、解決に...続きを読むPosted by ブクログ -
『冬狐堂』シリーズ第4作。倣雛心中、苦い瓜、瑠璃の契り、黒髪のクピドの4篇を収録。
目の病を患う陶子の下に、一体の和人形が持ち込まれた。昭和を代表する作家の一品でありながら、わずか10ヶ月のうちに3度も返品された人形。「こいつをおたくで引き取る気はないかい」。そう言った古狸の心中に、旗士として致命的...続きを読むPosted by ブクログ -
読むまでは蓮丈先生って男性だと思ってました。
女性でしたか。
ただなかなかな性格の先生なので、助手の三國くんの胃が心配である。
民俗学の話も殺人事件も両方味わえる贅沢なお話。
岡山県民としては、初手から地元ネタで嬉しかったと言う。
依頼人が高確率で亡くなるし(何なら会う前に死ぬ)各話が短編ゆえに登...続きを読むPosted by ブクログ -
初北森。日本推理作家協会賞受賞作。香菜里屋シリーズ1。短編集。前々から料理描写が巧い(美味い)作家だと聞いていたので、新装版を機に購入。料理描写は勿論のこと、私としては常連客が持ち込む謎の、特にその背景描写の巧みさに心惹かれました。こんなにも味わい深く、魅力的に描けるなんて…。好みのは表題作と「魚の...続きを読むPosted by ブクログ
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人生に必要なのは、
とびっきりの料理とビール、
それから、
ひとつまみの謎。
三軒茶屋の路地裏にたたずむ、
ビアバー「香菜里屋」。
この店には今夜も、
大切な思いを胸に秘めた人々が訪れる――。
優しく、ほろ苦い。
短編の名手が紡ぐ、
不朽の名作...続きを読むPosted by ブクログ -
春になったので、とうとう読んでみた。
美味しい一品と、四つの度数のビールサーバーがある居酒屋「香菜里屋」が中心になっている連作短編集。
マスターの工藤さんが、客達の持ち込む謎や悩みを、あれよあれよとさりげなく解決へと導いていきます。
話によっては憶測の域を出ない(マスターも言及している)ものもあり、...続きを読むPosted by ブクログ -
シリーズ最終編、マスターの影のある部分が解るシリーズ、またどこかでひっそりとBEER BARでもしてたらいいなあ謎解も。Posted by ブクログ
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目次
・ラストマティーニ
・プレジール
・背表紙の友
・終幕の風景
・香菜里屋を知っていますか
・双獣記
前回読んだときは単行本だったけれど、今回は文庫本。
未完の「双獣記」も収録されているので、ちょっとお得感。
さて、香菜里屋シリーズの最終巻から読んだため、登場人物たちの人間関係がよく分からな...続きを読むPosted by ブクログ -
目次
・蛍坂
・猫に恩返し
・雪待人
・双貌
・孤拳
《香菜里屋》に集まる人は、皆それぞれに鬱屈を抱えながら、マスターの工藤に心をほぐしてもらって前に進む。
取り返しのつかない選択でさえ、工藤に話を聞いてもらって、美味しい料理とビールがあれば、なんとか前に進んでいける。
苦い後味の話もあるけれど...続きを読むPosted by ブクログ -
香菜里屋シリーズ第3弾。今回は大きな事件も無く、どの章も待ち人来たると言うか数十年ぶりに会う機会があり何でまた、と言った首を傾げるビアバーでの談話。
待ち続ける事の切なさと執着過ぎるだろうみたいな。
ビアバーでの描写に喉が欲しくなる読書になりました。今後のマスターも気になりますPosted by ブクログ -
目次
・花の下にて春死なむ
・家族写真
・終の棲み家
・殺人者の赤い手
・七皿は多すぎる
・魚の交わり
以前、シリーズの最終巻を読んでしまったので、最初から通読することに。
連作短編のミステリなので、短編一作を読んでも話は分かるが、店の常連やマスターとの会話でゆるく話が繋がってもいるので、やはり...続きを読むPosted by ブクログ -
香菜里屋の常連客になりたくて一緒になって解いて行く、なんてねただの知りたがり屋、噂話好きな客になるんだろうな。
今回はクスッと笑える事件や自分を守る為、行動を起こそうとする場面。
マスターの紐解きがいいんだよね。Posted by ブクログ -
香菜里屋シリーズのラスト。
ずっとシリーズを読み進めていく中で存在していたものがなくなる虚無感。
全体を通してトリック重視ではなく人間的であったように感じる。
未完の作品は面白かったがために未完であることが悔やまれる。Posted by ブクログ -
何処かに香菜里屋みたいなお店があれば良いのに。
文章でしか感じられない空間でも、その心地好さは十分伝わってくる。
その場所に自分も行ければなあと心底思うくらいには。
相変わらず読みやすい作品ではあるけれど、気楽なストーリーではない。
店を訪れる客の話にはいつも、予想外の謎となんとも言えない真実が隠さ...続きを読むPosted by ブクログ