北森鴻のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
久々の北森さん。
『狂乱廿四考』は、未読だったので、未完とはいえ続編とセットでの出版にいそいそと。
カリスマ的な役者である田之助。実在の役者さんなのね。
両手足を病で失うなんて、どれほどの苦衷をなめたのか。
そんな田之助の周囲で続けざまに起こる事件。
探偵役のお峯ちゃんが可愛い。
その他、魯文など実在の人物が生き生きと描かれているのもいい。
事件の真相が、なんとも悲しくてやりきれない。
そして、その後の彼らを描いた未完の『双蝶闇草子』
冒頭、現代のシーンから始まって、あれ?と思ったら、なんともびっくりな展開。
ヒロインの通う大学が、お馴染みのあの大学なのについにんまり。あのお方が少しだけど登 -
Posted by ブクログ
同作者の『狐闇』や蓮丈那智フィールドファイルで再三出てくる税所コレクションと三角縁神獣鏡。明治の国際パワーゲームに勝つ為にチベットに南朝を復活させようという計画の為に偽造された、八咫烏が映し出される魔鏡版三角縁神獣鏡、その三角縁神獣鏡がチベットへ旅するのが本書『暁の密使』
歴史的な真偽はさておき、大変楽しいスパイ&山岳アクション&バイオレンスと信心、そしてロマンス。仏教僧アイガーサンクションって感じか。北森本にしては珍しくバランスの良いエンターテイメント小説に仕上がっておりまして、終始楽しく読みました。1900年代に入る直前、1889年(明治31年)から物語がスタート、神獣鏡を運ぶのは僧、能海 -
Posted by ブクログ
今日のハードな夢の原因の一端は、この小説にあると思う。
すっげ~面白かった。
前作の終りが、どう続編につながるのかと思っていたら、彼らの高校時代へと話が飛ぶのである。
本当の現在は、前作から何年もたっていて、キュータの屋台のおやじっぷりも板につき、高校生を見る目もすっかり大人に…と思ったら、人間の本質なんてものは、ちょっとやそっとでは変わらないのである。
キュータとテッキは高校生の頃からぶっ飛んでたんだ。
軽い気持ちで始めた銀行強盗が、どんどん大きな謎を抱えてキュータを窮地に陥れていく。
巻き込まれたテッキもそれは同様。
最初は暴力団から追われ、次に警察も加わり、最後は北朝鮮に拉致され