北森鴻のレビュー一覧

  • 花の下にて春死なむ 香菜里屋シリーズ1〈新装版〉

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    ネタバレ

    オススメのビアバーを見つけた。
    三軒茶屋の外れにひっそりと佇む「香菜里屋」という小さな店である。
    常時4種類のアルコール度数の違うビールがおいてあり、その日の気分でビールの味わいが楽しめるのでビール好きにはたまらない。
    その上マスター手作りの、ビールにぴったりの旬の美味しい料理が、実にタイミングよく出されるのだから、料理目当てに訪れる客も多いはずだ。
    このマスター、料理上手なだけでなく聞き上手でもあり、お客の抱える心の重石にさりげ無く気を配り、いつの間にかお客の懐にするりと入りこみ重石を軽くしてくれる不思議な魅力も秘めている。
    夜の一時を楽しみ癒やされるため、そして店全体に醸し出される居心地の良さに、何度もリピートする客が後を断たない。

    常連客たちが賑わう一夜、客により持ち込まれる謎。
    客とマスター、そこに読み手も加わり繰り広げられる数々の謎解きには、必ずしも明確な答えが出る訳ではない。
    時になんの根拠もない推測で終わるものもある。
    けれどその曖昧さがとても心地よい余韻をもたらすのだから不思議だ。
    大人たちによる切なく、ビールのような苦味がほんのり効いた連作短篇集。
    無性にビールが呑みたくなった。

    シリーズ続編で再び「香菜里屋」を訪れることが今からほんと楽しみ。

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    2021年03月04日
  • 孔雀狂想曲

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    東京の下北沢にある骨董品店・雅蘭堂(がらんどう)を舞台に主人公である店主の越名集治が骨董品をめぐる事件に巻き込まれる短編集。骨董品の中に込められた人々の記憶や思惑が解き明かされて行く様子にワクワクします。主人公である越名と彼の店に押し掛けてアルバイトとして居着いてしまった少女・安積(あつみ)との、憎まれ口を含みつつも漫才のようなやり取りが作品に清涼感を与えている。

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    2020年06月03日
  • 狐罠

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    骨董業界の 騙しあい、ミステリー作品。
    最初から 最後まで、 面白い。
    骨董好きには、おすすめ。

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    2020年05月08日
  • 親不孝通りディテクティブ

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    青春テイストのミステリーっていうのかな。とにかく、面白いエンターテイメント小説。友情タッグな二人が登場。男子が好きそうなテイストの話。個人的にはとても面白かったのでそのまま連作の今作から続編の長編読みたい気分。

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    2017年12月18日
  • 親不孝通りラプソディー

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    これだけゴテゴテと色々なネタを突っ込んでるのに、あっさりと読めて、混乱しないのはさすが。最後もきっちり落ちてるし。
    かも・ねぎコンビ、まだまだ読みたかった。早いよ、北森さん。

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    2017年02月18日
  • 狂乱廿四孝/双蝶闇草子

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    久々の北森さん。
    『狂乱廿四考』は、未読だったので、未完とはいえ続編とセットでの出版にいそいそと。
    カリスマ的な役者である田之助。実在の役者さんなのね。
    両手足を病で失うなんて、どれほどの苦衷をなめたのか。
    そんな田之助の周囲で続けざまに起こる事件。
    探偵役のお峯ちゃんが可愛い。
    その他、魯文など実在の人物が生き生きと描かれているのもいい。
    事件の真相が、なんとも悲しくてやりきれない。

    そして、その後の彼らを描いた未完の『双蝶闇草子』
    冒頭、現代のシーンから始まって、あれ?と思ったら、なんともびっくりな展開。
    ヒロインの通う大学が、お馴染みのあの大学なのについにんまり。あのお方が少しだけど登場するし。
    重苦しい事件なので、さくさくと、とは言えないもののぐいぐい読み進んでいく。
    明治と現代、二重写しのような事件。
    何が、どうつながるのか、私には想像もつかない。
    それゆえに、そこで終わってしまうのーーと心で悲鳴。
    北森先生の中には、どんな結末があったのだろう。
    心から惜しまれてならない。
    合掌。

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    2021年12月22日
  • 暁の密使(小学館文庫)

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    同作者の『狐闇』や蓮丈那智フィールドファイルで再三出てくる税所コレクションと三角縁神獣鏡。明治の国際パワーゲームに勝つ為にチベットに南朝を復活させようという計画の為に偽造された、八咫烏が映し出される魔鏡版三角縁神獣鏡、その三角縁神獣鏡がチベットへ旅するのが本書『暁の密使』
    歴史的な真偽はさておき、大変楽しいスパイ&山岳アクション&バイオレンスと信心、そしてロマンス。仏教僧アイガーサンクションって感じか。北森本にしては珍しくバランスの良いエンターテイメント小説に仕上がっておりまして、終始楽しく読みました。1900年代に入る直前、1889年(明治31年)から物語がスタート、神獣鏡を運ぶのは僧、能海寛(ただ、本人はなにも知らされていない)、キーワードを運ぶ僧、河口慧海は別ルートで、仏教学者寺本婉雅は能海と合流、軍人成田安輝は本職のアンダーカバーエージェントとして潜入、地元の中国人や少数部族の人々に助けられ能海は西蔵をめざす。歴史上の真偽は横に置いといて実在の人物たちが実際にあった出来事の間でナニをやってたかという隙間埋め型のストーリー。ジャーディンマセソン社トーマス・ヤンセン(紅茶とアヘン、そして武器商会イギリス系ジャーディンマセソン社は現在も巨大国際コングロマリットとして健在、ちなみにあの”グラバー邸”のトーマス・グラバー、グラバー商会はこちらの長崎支店)がかなりのキーパーソンになってくる。当時小ネタも満載で能海が日本アルプスを世界に紹介した登山家宣教師ウォルター・エストンに登山技術を学んでいるとかそこらへんのこともちらちら出て来て盛りだくさん。今まで読んだ北森本の中で一番面白かったです。

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    2016年11月01日
  • 暁英 贋説・鹿鳴館

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    北森氏の遺稿に相応しい壮大な物語。
    どこまでが史実でどこからが創作なのか判断する知識がないものの、維新の時代に生きる日本人の希望と苦悩、政府お抱え外国人から見た新生日本の抱える矛盾が、力強く描かれている。
    最後にどう結論付けるのか、決して知ることができないのが残念で仕方がないです。

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    2016年07月15日
  • 狐罠

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    抜けていたシリーズものを。最初になるのかな。

    古美術の世界は魅惑的だけれども、どうなんでしょうか。
    いずれにしろ、歴史学出身らしい、ちりばめられたあれやこれやが楽しませてくれる。

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    2016年04月05日
  • 瑠璃の契り 旗師・冬狐堂

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    以前借りたものを買い直して再読。冬狐堂シリーズ最高!美術品についての話は勿論楽しいのだが、今回は学生時代の陶子が友人の才能を見て、自分自身の限界を知るというエピソードがすごく良かった。

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    2016年03月09日
  • 狐闇

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    いろいろ順番が分からないww
    次何を読めばいいのだろう。また邪馬台にもどればいいかなw

    作品間のリンクが好きな私にしてみれば、こういうのはただただうれしい、おもしろい。

    内容自体も自分にとって興味のあることばかりで、考え方の一つとして面白味がある。

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    2015年03月21日
  • 狐罠

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    再読。
    骨董に詳しくないのでどこまでリアリティーがあるのかは判断できませんが、そんなことは関係なく楽しめる緊張感に溢れた描写はさすがです。
    陶子さんの無理して突っ張っているところは無敵の蓮杖那智とは違う魅力がありますが、共通する凛とした雰囲気に最近のキャラ重視のトレンドとは違う北森氏のこだわりを感じます。

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    2015年03月07日
  • 緋友禅 旗師・冬狐堂

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    このシリーズの最初が分からずww

    民俗学もそうだけど、こういうのも面白いなー。まぁ似た分野であるんだろうけど。
    他作品とのリンクはうれしい。

    それにしても、見知った地名が出てきくるのは、母校の先輩だからだろうかw。

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    2015年02月28日
  • 親不孝通りラプソディー

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    今日のハードな夢の原因の一端は、この小説にあると思う。
    すっげ~面白かった。

    前作の終りが、どう続編につながるのかと思っていたら、彼らの高校時代へと話が飛ぶのである。

    本当の現在は、前作から何年もたっていて、キュータの屋台のおやじっぷりも板につき、高校生を見る目もすっかり大人に…と思ったら、人間の本質なんてものは、ちょっとやそっとでは変わらないのである。
    キュータとテッキは高校生の頃からぶっ飛んでたんだ。

    軽い気持ちで始めた銀行強盗が、どんどん大きな謎を抱えてキュータを窮地に陥れていく。
    巻き込まれたテッキもそれは同様。

    最初は暴力団から追われ、次に警察も加わり、最後は北朝鮮に拉致されそうになるところまで追いつめられる。
    いくらスーパー高校生とはいえ、心身ともに全く余裕なし。
    でも、あきらめない。(いや、キュータは裏切ってひとりだけ逃げたが)

    頭はいいのに、生きるのに不器用なんだな。
    本当に大切に思っているものほど、自分から遠ざけようとしてしまうんだね。

    そしてエピローグ。
    そうですか。そうきましたか。
    「喧嘩上等」キュータが言う。
    「お楽しみはこれからだ」と、私は思った。
    けれど、そのお楽しみが語られることは永遠にない。
    早すぎる作者の死。 

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    2014年07月10日
  • 親不孝通りラプソディー

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    匂いのたつ小説です。
    お腹が空くので、夜に読むことはお勧めしません。

    料理の描き方が本当に上手。
    他の作品も然りですね。

    時々、読み直したいなあ、と思う作品なので
    ★5つ

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    2014年03月08日
  • 狐罠

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    蓮丈那智シリーズで登場する旗師の宇佐美陶子さんが主人公の話です。まだ駆け出しのころから、凄味のでる存在に変身する物語ですね。古美術商が贋作をどう扱うかという視点ではとても面白く読めました。

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    2013年12月26日
  • 支那そば館の謎~裏(マイナー)京都ミステリー~

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    長期旅行に必ず持参する一冊。元広域窃盗犯の寺男、女新聞記者、バカミステリー作家の男が織りなす、笑えて、美味しい料理が散らばり、綿密に描かれたミステリーが綾なす。何度読んでも飽きない。

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    2013年06月29日
  • ぶぶ漬け伝説の謎~裏(マイナー)京都ミステリー~

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    何度読み返しても面白い。元広域強盗犯の寺男、直情型だがフットワーク軽い女新聞記者、基本の登場人物の中に「バカミステリー」大賞なるものを受賞した、己の化身ともいえる作家を加え、きっちりと描きこまれた人物像には、毎回、笑えて、引き込まれる。

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    2013年06月29日
  • 深淵のガランス

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    絵画修復の裏側に迫る面白さに引き込まれる。そして著者の得意な連作短編の形態ではあるが、実は長編的な展開。そして他のシリーズに出てくる名物キャラも登場するファンとしてはたまらない。

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    2013年06月02日
  • 蜻蛉始末

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    藤田組贋札事件って・・・ヤクザの話かと思ってました~( ̄▽ ̄;)  歴史小説だったのか~・・・って、いやいや、これがまた、めっちゃ面白くてですね!一気読みでした!!んもう、こういう小説って、めっちゃ好き♪ 四の五の言わずに、さっさと手に取って、お読みになることをお勧めします!!

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    2013年05月23日