北森鴻のレビュー一覧
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『狐罠』『狐闇』と長編で発表された、店舗を構えない骨董商、旗師・宇佐美陶子シリーズの初短編集です。
「 陶鬼」「永久笑み」「緋友禅」「奇縁円空」の4編ですが、どれも内容が濃いです。
骨董の奥深さと蘊蓄、そこに関わる腹黒い守銭奴と主人公・陶子の駆け引きが魅力です。
こんな濃い内容を短編で惜しげもなく...続きを読むPosted by ブクログ -
旗師・宇佐見陶子が主役のミステリー第2弾で、一話ごとに陶子の過去が明らかになっていく。 トリックのためのミステリーの場合、先が読めた時点で興が冷めることもあるが、北森鴻の作品にはそれがない。膨大な取材に基づくと思われる緻密な書き込みと、その中に投げ込まれる一点の虚構。その舞台で魅力的な人物が動き出...続きを読むPosted by ブクログ
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もしかしたら前にも読んだことがあるのかしら?とも思わなくもないですが。
この人の本はさくさく読めて良いですね。
陶子さんは、凄腕だの目利きだのと言われていると書かれているわりには、結構贋作を掴まされてたり、手付けではなくいきなり前金で全額払ったりと抜けている部分が多すぎて、この人物像はちぐはぐな気が...続きを読むPosted by ブクログ -
『不動明王の憂鬱』
有馬次郎と折原けいの発見した水死体。被害者は関東の暴力団員。地上げと銭湯にまかれたビラに隠された謎。
『異教徒の晩餐』
殺害された有名版画師。現場にのされた三本の鯖寿司、切り裂かれたバレンショ。有馬次郎が調査に赴いた翌日殺害された古本屋。
『鮎の踊る夜に』
大非閣に訪れ...続きを読むPosted by ブクログ -
仏教の力が弱まってきた明治時代。
原点にもどり、チベットの経典を求めて険しい道行をする主人公。
純粋な仏道のためだけにチベットを目指しているのだが、
開国し国力を強めようとする日本の思惑に結局振り回されてしまう。
主人公と同行する人達も癖があり、惹きつけられる。
面白い。Posted by ブクログ -
という訳で・・・この作品で久方ぶりに行きたくなったんだよねww
嵐山( ̄∀ ̄*)/
そうなのです。
この作品の舞台は嵐山は大悲閣。
謎を解く主人公は大悲閣の寺男にして、元大怪盗というアルマジロ・・・もとい、有馬次郎くん。
周りのキャラクターに翻弄させられる姿がなんともユーモラスで、起こっ...続きを読むPosted by ブクログ -
内容(「BOOK」データベースより)
僕の名は有馬次郎。京都でも指折りの貧乏寺、大悲閣千光寺の寺男だ。怪盗と呼ばれた過去もあったが、縁あって慈悲深い住職に拾われ、表の世界の住人となった。厄介なのは、寺に奇妙な事件ばかりが持ち込まれること。持ち前の身軽さと裏の人脈を駆使、住職の智恵をお借りして、解決に...続きを読むPosted by ブクログ