北森鴻のレビュー一覧

  • メイン・ディッシュ
    「蛍坂」のなかの『双貌』が大掛かりで複雑になったような。
    作中作だったり、実名の小説だったり、正体の入れ替えだったり…
    読んでいて複雑で、どれが実態で、どれが虚像なのか分からなくなってくる。
    なんだか鏡地獄。
    しかし、楽しく読めるのは、ユリエと小杉のボケ突っ込みコンビのテンポの良い会話と、ミケさんの...続きを読む
  • うさぎ幻化行
    二匹のうさぎが入れ替わり立ち替わり…と不思議な雰囲気の連作短編集。
    最近出版業界とかライターさんが主人公のお話を続けて読んでる気がする!そんなちょっとした偶然。

    それにしても、まさかまさかのオチでした。
    うわー、セツナイ。
  • 孔雀狂想曲
    この作品の主人公は雅蘭堂の店主、越名集治。この主人公、普段は普通のおじさんぽいのだが、なかなかのキレ者、閃きと豊かで鋭い感性で骨董品を巡っておこるミステリーを解決していきます。短編ですが念入りな作品ばかりで楽しめました。
  • 親不孝通りラプソディー
    北森鴻さんの作品には魅力的な主人公が多い。民俗学者の蓮丈那智、旗師.宇佐美陶子、私は香菜里屋のマスターが好き!この鴨ネギコンビのはちゃめちゃさ、弾けっぷりはなかなかのものでした!
  • 闇色のソプラノ
    私、北森氏のファンなんです。
    特に異端の民俗学者・蓮丈那智(女性ですよ)と旗師・冬狐堂の。
    なので初めてノンシリーズを読んだじゃないかな~もしかして。
    本書もそうでしたが、北森氏のすごいところは、なんといっても複雑に絡み合うプロット!
    読んでいて先が見えないのよ、ホント。
    それと、本書にも民俗学的な...続きを読む
  • 緋友禅 旗師・冬狐堂
    女性旗師、冬狐堂を主人公に骨董業界に起こる怪事件を巡る短編集。
    蓮丈那智シリーズと双璧をなす作風で、どちらもヒロインの深い造詣と孤高の人生が格好いい、
    相当な下調べが必要だったと思われる深い内容は、あたかもノンフィクションのような読み応えがあります。
  • 孔雀狂想曲
    20140923 作者のいろいろなシリーズを一通り読んでみた。男が主人公のシリーズの方が軽みがあるような気がする。続きが読めないのが残念だ。
  • メイン・ディッシュ
    20140911 連作短編なのに、あれ?と思わせるところが巧妙。全体でまとまってくるのでつい最後まで離せなくなってしまった。良い店で美味しいごちそうをいただいた満足感が残った。
  • 共犯マジック
    最後ですべてが繋がった。ただ、読む前に書評を読んでしまっていてかなり期待が高まってしまっていたので、正直そこまででもなかったかな。
  • 親不孝通りディテクティブ
    クールでホットで粋でダサい。
    故郷を持たないテッキとバリバリ博多っ子のキュータ。
    二人の共通点は女性の好みくらいか。

    それでも、こんなに息の合ったコンビはいない。
    長浜で屋台のおやじをやっているテッキは、30歳にまだなっていないというのに、枯れた風情。
    結婚相談所で働くキュータは、もうそろそろ30...続きを読む
  • 支那そば館の謎~裏(マイナー)京都ミステリー~
    保津川左岸を渡月橋から登った先に実在する大悲閣。訃報を知った時に、北森氏の供養代わりに参拝したことを思い出します。
    本書でも紹介されている通り、まさかこんなところから京都市内が一望できるとは驚きです。観光客も殆どおらず、ゆったりと時間を過ごせる大好きな場所になりました。
  • 親不孝通りラプソディー
    前作がほろ苦い短篇集だったのに対して、本作はエンターテイメント長編。細かい仕掛けがあるから、シリーズ化すればススキノ探偵に対抗するものになったんじやないかなぁ。それが残念。
  • 共犯マジック
    本屋でPOPに惹かれて手に取った一冊。
    いやはや予想外に面白かった!これだから本屋徘徊はやめられない(^_^)

    災厄のみを予言するという「フォーチュンブック」が若者の間で爆発的にヒット、その影響で自殺者が多発したことからついには発売禁止にまで至り、社会現象となっていた。
    そんな中ある書店でたまたま...続きを読む
  • メイン・ディッシュ
    「アペリティフ」から「メイン・ディッシュ」「特別料理」にいたるまで11編の美味しい物語が連なっている、ミステリーの連作短編集。前半では一編ごとに舞台が変わり少し混乱したが、読み進めるごとにたくさんの伏線が繋がってくる。「ええっ、そういうことだったの?」と、何度も前を読み返してみたり。実に面白かった。...続きを読む
  • 共犯マジック
    不幸な結果しか出ないフォーチュンブック。そのフォーチュンブックを手にした人達が事件に巻き込まれていく。昭和の未解決事件を織り交ぜながら、話は進んでいく。最後の章は、あっ!!と声を出してしまった(笑)。
  • メイン・ディッシュ
    食べ物の描写はとても美味しそうで良かったです。短編の連作になっているのかと思いきや、という展開で面白いですね。ただ途中の伏線があからさまにここ伏線ですよっていうのが読みにくかったですね。あと、知らない人といきなり一緒に住んじゃう主人公もどうかと思います。
  • メイン・ディッシュ
    美味しそうなご飯の描写がある本を探して行き着いた作家さんの一冊

    普通に短編と思って読んでいたら、繋がっていて、えっ?!と思って読み直して、最後にもう一回えっ?!と思ってまたまた 読み直してしまった。

    一通り読み終わって、もう一度読み直すことはあるけど、3回読み直したのは初めてだった!

    すごい!...続きを読む
  • 支那そば館の謎~裏(マイナー)京都ミステリー~
    今年の夏、大悲閣を訪れて初めて本書のことを知った。以来、読みたいと思っていた一冊。

    京都ならではの習慣や事象が織り込まれたミステリー。わかるなぁと思えるところもあるし、やや誇張しすぎではと思うところもあるが、十分楽しめた。
    何より十兵衛の料理が美味しそう。モデルとなった店はあるのだろうか。
  • 狐罠
    冬狐堂シリーズ・第1巻。店舗を持たず、自分の鑑定眼だけを頼りに骨董を商う「旗師」である主人公・宇佐見陶子。彼女が同業の橘薫堂(きくんどう)から仕入れた“唐様切子紺碧碗”は贋作であり苦い思いをする。陶子は橘薫堂に対し、プロをも騙す「目利き殺し」を仕掛け返す決意をするべく秘密裏でその準備に取り掛かるが-...続きを読む
  • 蜻蛉始末
    長州藩というものは、幕末期を描いた小説、ドラマなどで見聞きしているが、長州藩を主体としたものは一つもみた事がなかったので、ある意味新鮮でありました。