北森鴻のレビュー一覧

  • 狐罠

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    旗師(店舗を持たない骨董商)である主人公・宇佐見陶子が、同業の橘薫堂から贋作を売りつけられたことで意趣返しの罠を張るが、橘薫堂の外商の女性が殺されたことで殺人事件に巻き込まれてしまう長編の古美術ミステリーです。
    陶子が意趣返しの罠を仕掛ける過程で登場する贋作家やその贋作家を紹介した元夫(芸術大学の教授を務める英国人)、殺人事件を調べる二人の刑事等々、登場人物たちがそれぞれ行動していく中で、陶子の作戦や殺人事件事件の真相が解き明かされていく過程にワクワクしましたが、意趣返しの決着に関してはアッサリと片付いてしまった印象がありました。とはいえ、巻末にある参考資料一覧の量からもわかるように古美術商や骨董商の話や陶器や漆器の制作について詳しく書かれており臨場感がありました。

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    2021年04月12日
  • 桜宵 香菜里屋シリーズ2〈新装版〉

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    前作に続いて、美味しい食べ物やお酒を想像しながらミステリーを楽しめた。
    ミステリーの結末に曖昧さがある感じが、お酒の酔いが回ってふわふわしている感じと似ていて、気持ちよく読み終えることができた。

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    2021年04月04日
  • 桜宵 香菜里屋シリーズ2〈新装版〉

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    十五周年/桜宵/犬のお告げ/旅人の真実/約束、の5篇が収録された、香菜里屋シリーズ2作目。
    ビヤバーが舞台だからというわけではないでしょうが、ほろ苦いどころかエクストラビターな後味の短編が多いですね。

    その中では、チェスタトンのブラウン神父ものの1篇と同じタイトルを持つ「犬のお告げ」、そして冒頭の「十五周年」が比較的(あくまでも比較的)、飲みやすかったかなぁ。
    愛憎とか情念が色濃いもの(色恋もの!?)は、なんとなく苦手です。

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    2021年04月04日
  • 花の下にて春死なむ 香菜里屋シリーズ1〈新装版〉

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    花の下にて春に死なむ/家族写真/終の棲み家/
    殺人者の赤い手/七皿は多すぎる/魚の交わり

    幾つかは読んだことがある。複数の作家の作品を集めた短編集だったかな。
    幾つかに絵のイメージがある。漫画家さんが作品の原作に選んでいたかも知れない。

    マスターの推理には脱帽。そして謎を持ち込んだり一緒に推測を広げたりするお客様方も素敵な人達だと思う。

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    2021年03月24日
  • 桜宵 香菜里屋シリーズ2〈新装版〉

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    シリーズ2作目。登場する料理が美味しそう…前作よりも更に食欲がそそられました!

    表題作は2作目。表紙がなぜこの色なのかも読んで納得。前作に登場した常連さんも出てて面白かった。最後の話、ラストは怖かったけど…

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    2021年03月21日
  • 花の下にて春死なむ 香菜里屋シリーズ1〈新装版〉

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    北森鴻(個人的なポリシーとしてご存命でない作家は敬称略です)は、蓮丈那智フィールドファイルシリーズを読んだだけ(しかもシリーズ全巻でなくご本人で書き終えられた3冊のみ)ですが、いずれもお気に入りだったので、今回の新装版刊行を機に、この香菜里屋シリーズにも手を出しました。

    三軒茶屋の駅近くの袋小路にある小さなビヤバー「香菜里屋」を舞台に、客が持ち込む謎をマスターの工藤哲也が解く。
    こう聞くと、有栖川有栖さんの「山伏地蔵坊の放浪」や、近藤史恵さんの「タルト・タタンの夢」に始まる〈ビストロ・パ・マル〉シリーズの様なイメージを思い浮かべていました。

    そのイメージは、香菜里屋が行ってみたくなる店であること、マスターの工藤さんの謎めいた、でも親しみやすそうなキャラと彼の提供する美味いビールや料理が魅力的という点に関しては当たっていました。
    いや、ほんと近くにこんな店ほしいです。
    そう頻繁にはいけそうもないけど。

    イメージと異なっていたのは、持ち込まれる謎とその背景にある物語が、存外、生々しく時になまめかしく「生」を感じさせるものが多かったことです。そのせいか、謎が解けた爽快感は低めです。
    そもそも謎解きというより推測にしか過ぎない漠然とした終わり方のものもありますしね。
    最初の一編で、それに一瞬抵抗感を持ったのですが、工藤さんのキャラと料理込みでの香菜里屋という魅力的なスペースが、ざわつく心を癒やしてくれたのも事実です。
    なので、☆5つとはいかなかったものの、もう少し香菜里屋には足を運びたいと思います。

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    2021年03月10日
  • 花の下にて春死なむ 香菜里屋シリーズ1〈新装版〉

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    安楽椅子探偵もののミステリー。
    短編集ではあるがトリックが巧みで内容の濃いものが多くお腹いっぱい。
    トリックがわかり始めてから結末まで良いスピード感でよむことができた。
    最終話にそれまでの登場人物が出てきたり1話目を踏襲していたりしてまとまりが良かった。
    自分の読解力不足で少し内容を読み取れないところがあったが、読み返して理解できた。
    ビアバーで途中途中出てくる料理が美味しそうで、実際に行ってみたい、食べてみたいと思った。

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    2021年03月07日
  • 親不孝通りディテクティブ

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    ネタバレ

    博多を舞台に中洲の屋台でバーを営む鴨志田鉄樹(テッキ)と結婚相談所で調査員として働いている根岸球太(キュータ)のコンビが事件に関わっていくという短編集です。テッキとキュータの警戒な掛け合いが面白く、一見バラバラに見えた小さな事件がテッキとキュータの調査に基づく推理によって一つの真相にまとまる様子はおもしろいです。そしてラストの「センチメンタル・ドライバー」でテッキがとった行動と結末に驚きました。

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    2020年12月28日
  • 顔のない男

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    この人のは民俗学系のシリーズ以外では初だった。

    著者の経歴を思えば、そうだよなそうだよなという舞台ですんなりと。

    でも正直、ラストに相関図が欲しい笑

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    2020年11月25日
  • メビウス・レター

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    入り組み絡み合った真相。
    登場人物が少なくて、結末は終盤に予想が出来てしまったのが残念。
    半分くらい読んだところで、物語の鍵となる部分も予想できてしまう。。。

    ただ、終盤で一度夢オチならぬ、書落ちを挟むのだけれど、その部分にはエンターテイメント性というか、読者を楽しませる工夫を感じました。

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    2020年10月30日
  • 闇色のソプラノ

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    舞台は東京の西の果ての遠誉野市。
    童謡詩人:樹来たか子をめぐる人間が偶然?にも集まり
    25年前のたか子の死に触れようとした途端に
    止まっていた歯車が動き出した。
    疑問に継ぐ疑問に振り回されて、眩暈すら感じて、
    最後に待っていたのは予想外の結末でした。
    「秋ノ聲」に書かれた「しゃぼろん、しゃぼろん」という
    不思議な擬音については、実際に見に行った事がある。
    言われてみれば、「しゃぼろん、しゃぼろん」と聞こえます。
    ただ、初めて聞いた時に「しゃぼろん、しゃぼろん」という
    音を活字として書けるかと言われたら、無理です。
    そういう言葉を使えるところも、北森氏のスゴイところだと
    改めて感じました。

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    2019年12月17日
  • 屋上物語

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    デパートの屋上が舞台の連作短篇集。
    主人公は屋上名物のうどんを作る店主さくら婆ア。
    けれど語りは、屋上にある物たちである。
    稲荷社のお狐様や観覧車や地蔵尊だったりする。
    屋上の風景を見てはいるけれど、何もできない。
    中心にいるのが、酷いダミ声のさくら婆アで、探偵役。
    その後、興行師の杜田と高校生のタクが
    ある意味、助手的な役割でメインキャラになってくる。
    が、どうにも苦しいのですよ。
    いたるところに悪意がにじみ出ていて
    そういうのを読むのは、本当に苦痛なのですよ。
    こういう作品もあったのですねぇ・・・

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    2019年12月17日
  • 虚栄の肖像

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    深淵のガランスに続くシリーズ第2弾にして最終巻。
    「虚栄の肖像」「葡萄と乳房」「秘画師遺聞」の全三篇を収録。
    北森氏の描く主要キャラは本当に魅力的だと思う。
    中でも萌えまくりだったのが、佐月恭壱。
    絵画修復には危険が付きまとう。
    その絵が偽物だった場合、修復したことで、偽物を本物に
    仕立て上げてしまう危険が伴う。
    脇役たちとの駆け引きも見ものなんだけれど、
    「葡萄と乳房」「秘画師遺聞」で恭壱の元カノが登場。
    これがなんとも切なくて、絵画にまつわる謎と相まって
    ドキドキが半端なかったです。
    続きが読みたかったです(T□T)

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    2019年12月17日
  • 虚栄の肖像

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    独特の静かなトーンが漂う短編集
    絵画修復師の主人公への依頼は、不穏な出来事への入り口

    天才的な技術を有する主人公と、周りを固める脇役が魅力
    貴重な美術ミステリだけに、急逝が惜しまれる
    続編の予定があったとしては尚更

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    2019年03月28日
  • メビウス・レター

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    ネタバレ

    作家、阿坂龍一郎のもとへ、ある日、奇妙な留守番電話のメッセージとともに、一通の手紙が届いた。
    一通だけに終わらずその後も届く手紙には数年前に焼身自殺を遂げた男子高校生の死の真相が語られていた。
    なぜ今頃?なぜ阿坂のもとに?
    過去に追い立てられるように落ち着かぬ日々を送る阿坂の周辺で殺人事件が起きて…。

    *****

    声を変えての留守番電話、そして、差出人不明の手紙…出だしから不気味。
    出てくる人物たちも何だか少し奇妙な部分があったりと、ハラハラしながら読み進める。
    編集者やストーカー女性といった、物語の中でも“日常”に存在するひとたちがちらりと見せる“狂気”の部分。
    怖かった。
    主人公?阿坂が手紙になぜおびえるのか、そのあたりの謎も徐々に分かってくるのだけれど、途中何度か「えっ」となりながら。
    最後に明かされる謎に「えぇっ」と驚く。

    男子高校生の自殺の謎。

    阿坂の抱える謎。

    その他のひとたちの謎。

    様々な謎が交錯する。

    『冬狐堂シリーズ』にも登場する根岸&四阿(あずまや)コンビに会えるのは嬉しかった。

    *****

    北森さんが亡くなってから、私は作品を読み始めました。
    現在になって、少しずつ読んでいる読者としては新作が今後出版されないことはとても寂しいです。

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    2019年01月28日
  • 暁の密使(小学館文庫)

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    明治維新後の仏教弱体化を憂う僧が仏教再興のために経典を求めて聖地であるチベットを目指すが、当時の国際情勢の影響もあってその旅路は非常に険しいものとなる。。。
    これまでチベットという国に対して殆ど何の知識も興味もなかったので、本書を書いたのが北森氏でなければきっと読もうとは思わなかったはず。
    維新後の神仏分離、日清戦争と日露戦争、東インド会社の暗躍など、断片的に持っていた知識に繋がりを感じることができたことが収穫です。
    それだけでなく、北森作品なので物語としてもとても面白かったです。

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    2018年10月14日
  • メビウス・レター

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    これは、アレな叙述トリックだろうなと目星はついたものの、入れ子式にあれやこれやと目まぐるしく転向展開し、あっと驚く大団円?!過去からの手紙が紡ぐ犯罪のメビウスの輪。

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    2018年08月25日
  • 親不孝通りディテクティブ

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    博多にクラス高校の同級生二人が探偵のように働き問題を解決していく。屋台のおやじだったり、結婚相談所の調査員だったりの二人だがハードボイルド。

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    2018年07月21日
  • 闇色のソプラノ

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    時間を忘れて読んでた。
    話が飛んで、真相に近づいた?と思ったら場面が変わって、展開が早すぎてついていくのに必死。女子大生の卒論から始まった事件。男友達の家にあった古い詩から卒論のテーマが決まって難色を示す男友達。明確な理由を知らされず男友達の反対を押し切って詩の卒論から何故著者が自殺したのか好奇心にかられて調べていくうちに偶然による2人の紳士の遭遇に3人で調べていく事になる。全て遠誉野の町が意思を持って引き合わせたと最後はオカルトちっくでしめくくられている

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    2018年04月08日
  • 共犯マジック

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    ネタバレ

    「フォーチュンブック」読んでみたい…でも怖い。
    三億円事件とか、グリコ・森永事件とか、実際の事件をこうやってからませるミステリはすごい。購入者と店員が1つ1つの話にどうつながっているのか、最後に分かって面白かった。

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    2018年01月03日