北森鴻のレビュー一覧
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舞台は東京の西の果ての遠誉野市。
童謡詩人:樹来たか子をめぐる人間が偶然?にも集まり
25年前のたか子の死に触れようとした途端に
止まっていた歯車が動き出した。
疑問に継ぐ疑問に振り回されて、眩暈すら感じて、
最後に待っていたのは予想外の結末でした。
「秋ノ聲」に書かれた「しゃぼろん、しゃぼろん」という
不思議な擬音については、実際に見に行った事がある。
言われてみれば、「しゃぼろん、しゃぼろん」と聞こえます。
ただ、初めて聞いた時に「しゃぼろん、しゃぼろん」という
音を活字として書けるかと言われたら、無理です。
そういう言葉を使えるところも、北森氏のスゴイところだと
改めて感じました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ作家、阿坂龍一郎のもとへ、ある日、奇妙な留守番電話のメッセージとともに、一通の手紙が届いた。
一通だけに終わらずその後も届く手紙には数年前に焼身自殺を遂げた男子高校生の死の真相が語られていた。
なぜ今頃?なぜ阿坂のもとに?
過去に追い立てられるように落ち着かぬ日々を送る阿坂の周辺で殺人事件が起きて…。
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声を変えての留守番電話、そして、差出人不明の手紙…出だしから不気味。
出てくる人物たちも何だか少し奇妙な部分があったりと、ハラハラしながら読み進める。
編集者やストーカー女性といった、物語の中でも“日常”に存在するひとたちがちらりと見せる“狂気”の部分。
怖かった。
主人公?阿坂 -
Posted by ブクログ
幕末から明治初期にかけて活躍した、歌舞伎役者、津村田之助をめぐる物語。
北森鴻のデビュー作と、その後日談の話(未完)の2作。
田之助は、脱疽になり四肢を切断した悲劇の歌舞伎役者だ。その周りで殺人事件がおこり、戯作作者見習いの娘、お峰の目を通して事件は追われていく。
河鍋狂斎の描いた幽霊が、きっかけであり謎解きになる。なので、狂斎をはじめ個々の個性が強烈で、幕末明治にかけての空気の密度を感じる。
でも、異彩を放っているのは、やはり田之助なのだ。
出てくるシーンは少ない。が、四肢を失っても舞台に出る、歌舞伎役者であり続けるという執念がにじみ出てくる。
ゆえに、お峰が薄