北森鴻のレビュー一覧

  • メビウス・レター

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    入り組み絡み合った真相。
    登場人物が少なくて、結末は終盤に予想が出来てしまったのが残念。
    半分くらい読んだところで、物語の鍵となる部分も予想できてしまう。。。

    ただ、終盤で一度夢オチならぬ、書落ちを挟むのだけれど、その部分にはエンターテイメント性というか、読者を楽しませる工夫を感じました。

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    2020年10月30日
  • メイン・ディッシュ

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    小劇団「紅神楽」を主催する女優・紅林ユリエと彼女の同居人で料理の達人である三津池修が巻き込まれた事件──殺人事件もあれば、劇団内の座つき作者・小杉隆一が途中投げ出してしまったミステリーの台本の動機をゴールに導く話もある──を解き明かすという内容です。連作短編集と思いきや一つ一つの短編を順番に読んでいくと一つの長編になるという仕掛けがあり、紅林と小杉徐々に三津池の秘密に迫っていく様子とその方法をワクワクしながら読み進めていきました。また劇中で三津池が作る料理をはじめ美味しそうな料理描写も秀逸です。

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    2020年09月07日
  • メイン・ディッシュ

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    ミケさんと香菜里屋の工藤さんが微妙に被ってしまうけど、内容はこちらのほうが面白かった。長身だけど猫のような男の人ってちょっと想像するのも難しい。

    絡繰り、時に嘘がたくさん仕込まれているので、作者の妖術にかかって思い込まされてしまう。謎が溶けた‥‥というかフェイクが明るみに出た時に、なるほど!騙されていた事が面白くなる。

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    2020年08月07日
  • 闇色のソプラノ

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    舞台は東京の西の果ての遠誉野市。
    童謡詩人:樹来たか子をめぐる人間が偶然?にも集まり
    25年前のたか子の死に触れようとした途端に
    止まっていた歯車が動き出した。
    疑問に継ぐ疑問に振り回されて、眩暈すら感じて、
    最後に待っていたのは予想外の結末でした。
    「秋ノ聲」に書かれた「しゃぼろん、しゃぼろん」という
    不思議な擬音については、実際に見に行った事がある。
    言われてみれば、「しゃぼろん、しゃぼろん」と聞こえます。
    ただ、初めて聞いた時に「しゃぼろん、しゃぼろん」という
    音を活字として書けるかと言われたら、無理です。
    そういう言葉を使えるところも、北森氏のスゴイところだと
    改めて感じました。

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    2019年12月17日
  • 屋上物語

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    デパートの屋上が舞台の連作短篇集。
    主人公は屋上名物のうどんを作る店主さくら婆ア。
    けれど語りは、屋上にある物たちである。
    稲荷社のお狐様や観覧車や地蔵尊だったりする。
    屋上の風景を見てはいるけれど、何もできない。
    中心にいるのが、酷いダミ声のさくら婆アで、探偵役。
    その後、興行師の杜田と高校生のタクが
    ある意味、助手的な役割でメインキャラになってくる。
    が、どうにも苦しいのですよ。
    いたるところに悪意がにじみ出ていて
    そういうのを読むのは、本当に苦痛なのですよ。
    こういう作品もあったのですねぇ・・・

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    2019年12月17日
  • 虚栄の肖像

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    深淵のガランスに続くシリーズ第2弾にして最終巻。
    「虚栄の肖像」「葡萄と乳房」「秘画師遺聞」の全三篇を収録。
    北森氏の描く主要キャラは本当に魅力的だと思う。
    中でも萌えまくりだったのが、佐月恭壱。
    絵画修復には危険が付きまとう。
    その絵が偽物だった場合、修復したことで、偽物を本物に
    仕立て上げてしまう危険が伴う。
    脇役たちとの駆け引きも見ものなんだけれど、
    「葡萄と乳房」「秘画師遺聞」で恭壱の元カノが登場。
    これがなんとも切なくて、絵画にまつわる謎と相まって
    ドキドキが半端なかったです。
    続きが読みたかったです(T□T)

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    2019年12月17日
  • 虚栄の肖像

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    独特の静かなトーンが漂う短編集
    絵画修復師の主人公への依頼は、不穏な出来事への入り口

    天才的な技術を有する主人公と、周りを固める脇役が魅力
    貴重な美術ミステリだけに、急逝が惜しまれる
    続編の予定があったとしては尚更

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    2019年03月28日
  • メビウス・レター

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    ネタバレ

    作家、阿坂龍一郎のもとへ、ある日、奇妙な留守番電話のメッセージとともに、一通の手紙が届いた。
    一通だけに終わらずその後も届く手紙には数年前に焼身自殺を遂げた男子高校生の死の真相が語られていた。
    なぜ今頃?なぜ阿坂のもとに?
    過去に追い立てられるように落ち着かぬ日々を送る阿坂の周辺で殺人事件が起きて…。

    *****

    声を変えての留守番電話、そして、差出人不明の手紙…出だしから不気味。
    出てくる人物たちも何だか少し奇妙な部分があったりと、ハラハラしながら読み進める。
    編集者やストーカー女性といった、物語の中でも“日常”に存在するひとたちがちらりと見せる“狂気”の部分。
    怖かった。
    主人公?阿坂

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    2019年01月28日
  • メイン・ディッシュ

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    ネタバレ

    短編集になっているのに最後は長編になっていたというまとまりのある小説だけど、脚本家小杉が書いているのか?と途中止まって読み直しと時間がかかってしまった。
    小説家になった小杉が共同で小説を書こうと提案し北森鴻の名前を持ち出す。本当に共同なら北森鴻はミケさんなのか、小杉なのか。。。

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    2018年11月20日
  • 暁の密使(小学館文庫)

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    明治維新後の仏教弱体化を憂う僧が仏教再興のために経典を求めて聖地であるチベットを目指すが、当時の国際情勢の影響もあってその旅路は非常に険しいものとなる。。。
    これまでチベットという国に対して殆ど何の知識も興味もなかったので、本書を書いたのが北森氏でなければきっと読もうとは思わなかったはず。
    維新後の神仏分離、日清戦争と日露戦争、東インド会社の暗躍など、断片的に持っていた知識に繋がりを感じることができたことが収穫です。
    それだけでなく、北森作品なので物語としてもとても面白かったです。

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    2018年10月14日
  • メビウス・レター

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    これは、アレな叙述トリックだろうなと目星はついたものの、入れ子式にあれやこれやと目まぐるしく転向展開し、あっと驚く大団円?!過去からの手紙が紡ぐ犯罪のメビウスの輪。

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    2018年08月25日
  • 親不孝通りディテクティブ

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    博多にクラス高校の同級生二人が探偵のように働き問題を解決していく。屋台のおやじだったり、結婚相談所の調査員だったりの二人だがハードボイルド。

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    2018年07月21日
  • 闇色のソプラノ

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    時間を忘れて読んでた。
    話が飛んで、真相に近づいた?と思ったら場面が変わって、展開が早すぎてついていくのに必死。女子大生の卒論から始まった事件。男友達の家にあった古い詩から卒論のテーマが決まって難色を示す男友達。明確な理由を知らされず男友達の反対を押し切って詩の卒論から何故著者が自殺したのか好奇心にかられて調べていくうちに偶然による2人の紳士の遭遇に3人で調べていく事になる。全て遠誉野の町が意思を持って引き合わせたと最後はオカルトちっくでしめくくられている

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    2018年04月08日
  • 共犯マジック

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    ネタバレ

    「フォーチュンブック」読んでみたい…でも怖い。
    三億円事件とか、グリコ・森永事件とか、実際の事件をこうやってからませるミステリはすごい。購入者と店員が1つ1つの話にどうつながっているのか、最後に分かって面白かった。

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    2018年01月03日
  • 親不孝通りラプソディー

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    福岡の言葉が沢山飛び交う青春ドタバタハードボイルド? っていえばいいのかな(笑) とにかく面白かった。残念なのは作者の人が亡くなっていて続編がないことかなぁ。かも・ねぎコンビの話は前作と併せてとても面白かった。

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    2017年12月18日
  • 孔雀狂想曲

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    再読3回目。
    今回は趣味骨董の主人が主役。幅広い知識と取材に裏打ちされた、安心して読める(わたしにとっての)未知の異文化ミステリ。楽しい。ずっと読んでたい。

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    2017年11月30日
  • 虚栄の肖像

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    再読3回目。
    絵画や骨董の素養がなくても、どっぷり楽しめるのは何故なんでしょう。絵画修復やお酒の種類に詳しくなれたのは、この連作のおかげです。
    主人公の過去が少しずつ見えてきて、謎に包まれた周囲の人々の正体も少しずつ明かされてきて、まだまだこれから、というときに。。。
    ご冥福をお祈りいたします。

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    2017年11月18日
  • 狂乱廿四孝/双蝶闇草子

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     幕末から明治初期にかけて活躍した、歌舞伎役者、津村田之助をめぐる物語。
     北森鴻のデビュー作と、その後日談の話(未完)の2作。

     田之助は、脱疽になり四肢を切断した悲劇の歌舞伎役者だ。その周りで殺人事件がおこり、戯作作者見習いの娘、お峰の目を通して事件は追われていく。

     河鍋狂斎の描いた幽霊が、きっかけであり謎解きになる。なので、狂斎をはじめ個々の個性が強烈で、幕末明治にかけての空気の密度を感じる。
     でも、異彩を放っているのは、やはり田之助なのだ。
     出てくるシーンは少ない。が、四肢を失っても舞台に出る、歌舞伎役者であり続けるという執念がにじみ出てくる。
     ゆえに、お峰が薄

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    2017年10月02日
  • 共犯マジック

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    再読3回目。
    ひとつの本をめぐる「マジック」だった。実在の事件や事故にからめられていて、最後の方は自分も加担してるような気になっていた。

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    2017年08月17日
  • 狂乱廿四孝/双蝶闇草子

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    悲劇の名優・澤村田之助復帰に沸く明治3年、凄惨な連続殺人が歌舞伎界を震撼させる。
    河鍋狂斎の描いた幽霊画に、殺人事件の鍵が・・・?
    戯作者見習いのお峯はその謎解きに奔走するが―。

    滅び行く江戸情緒と田之助の姿をお峯の目を通して活写した、第6回鮎川哲也賞受賞作『狂乱廿四孝』・・・は前に読んでいたんだけど、お峯たちのその後を描いた『双蝶闇草子』が収録されているというので・・・久々に北森さんの語り口、その世界に引きずり込まれる。

    未完だとは分かっていたけど、返す返すも残念。
    ご本人もさぞかし無念だったろうなぁ、と思ってみたり。

    続きが読みたい。でもさすがに浅野さんでもこの続きは書けまい。
    読み

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    2017年07月29日