北森鴻のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ああ、読み終えてしまった。
新装版、次はないのかなぁ。あってほしいなぁ。
今回、工藤の過去、香菜里屋の由来が明かされる。
あまりにも切ない。
香菜里屋の常連客たちにも、様々な転機が訪れて、その結果、去って行く人も出て、終わりに向かう予感に満ちていく。その旅立ちはおめでたいこともあるし、先へ進むということなのだけど、やっぱり別れの寂しさはつきまとうから。
とはいえ、他シリーズからのあの人この人の登場はファンには嬉しくて楽しい。
みんなが愛して待ち続ける限り、(新刊は出なくても)、香菜里屋は、いつでもそこにある。
さぁ、次は蓮杖那智先生を待ってますよ、新潮社さん! -
Posted by ブクログ
旗師(店舗を持たない骨董商)である主人公・宇佐見陶子が、競り市で魔鏡を手に入れたことから鏡を取り戻そうとする者からの接触を受けた後、贋作づくりという身に覚えのない汚名を着せられて、骨董業者の鑑札をはく奪されてしまう。自身に罠を仕掛けた相手を探し出そうとする中で陶子が魔鏡の謎に迫っていく内容です。同作者の方の作品の登場人物である蓮丈那智、越名集治も謎にかかわることになり、陶子が親友でカメラマンの硝子(しょうこ)も含めた彼らとともに敵に立ち向かうところが最後まで飽きませんでした。事件の内容や魔鏡を巡る謎は「狐闇」単体でも完結しているのですが、蓮丈那智シリーズの「双死神」(新潮文庫「凶笑面」収録)や
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Posted by ブクログ
ネタバレオススメのビアバーを見つけた。
三軒茶屋の外れにひっそりと佇む「香菜里屋」という小さな店である。
常時4種類のアルコール度数の違うビールがおいてあり、その日の気分でビールの味わいが楽しめるのでビール好きにはたまらない。
その上マスター手作りの、ビールにぴったりの旬の美味しい料理が、実にタイミングよく出されるのだから、料理目当てに訪れる客も多いはずだ。
このマスター、料理上手なだけでなく聞き上手でもあり、お客の抱える心の重石にさりげ無く気を配り、いつの間にかお客の懐にするりと入りこみ重石を軽くしてくれる不思議な魅力も秘めている。
夜の一時を楽しみ癒やされるため、そして店全体に醸し出される居心地の