感情タグBEST3
Posted by ブクログ 2020年06月08日
久々の再読。
北森さんにはまった記念すべき一冊。
何度読んでも面白い。
どこかミステリアスで、料理の腕前がピカイチのミケさん。
ぶっ飛んだ性格の劇団の座付き作家小杉。
アネゴのねこさん。
みんな魅力的。
挿入される別視点の短編はどう関わるのか。
あの人の正体は、本格ミステリなら反則気味だけど、...続きを読むあのびっくり、してやられた感が楽しいからあり!
いろんなことがきれいにおさまるところにおさまったし。
ごちそうさまでした。
Posted by ブクログ 2013年08月26日
短編連作の味わいが深い作品。一篇ずつ読む時の日常系ミステリーのおもしろさと、伏線回収のダイナミックさがとても好きです。
謎が溶けても、何度でも読み返したくなるストーリーやキャラクターの魅力があります。
Posted by ブクログ 2013年04月14日
かなりの爽快感。かなりの満足感。
北森作品を読みはじめて、通算6作品目。
今までで一番に踊り出ました。傑作と言っても過言では無い気がする。
…自信無いけど(笑)
こう、読んでいて頭の中でビジュアル化できるくらい、世界観やら、キャラクターがきちってしている気がします。 こうなると、私はかなりの虜状態(...続きを読む笑)
色々妄想して世界が立体化していくんですよね。
このトリップ感がたまらない!
考えてしまうんですよね。ミケさんが、そのそれでも戻りたかった気持ちを。留まることもできす、でも漂い続ければ続ける程、とても泊まりたくなる。ふと、気まぐれで拾われて、構うでもなく放置でもなく、なんとなく一緒にいる感覚。お互いに束縛しないし干渉しない関係とあったけど、それでもなんとなく側にいる、人の近くに居るって感覚。甘酸っぱいような、キュンとくるような、凄い恋しいもののような気がして。
ねこはねこで、日に日に募っていく「大切」って気持ち。 何かを求め合うでもなく、ただただ大切という気持ち。ご飯の時とかの、その描写のひとつひとつが、食べて飲んでおいしいと言う感情とセットで滲み出てくる気がします。
Posted by ブクログ 2020年09月07日
小劇団「紅神楽」を主催する女優・紅林ユリエと彼女の同居人で料理の達人である三津池修が巻き込まれた事件──殺人事件もあれば、劇団内の座つき作者・小杉隆一が途中投げ出してしまったミステリーの台本の動機をゴールに導く話もある──を解き明かすという内容です。連作短編集と思いきや一つ一つの短編を順番に読んでい...続きを読むくと一つの長編になるという仕掛けがあり、紅林と小杉徐々に三津池の秘密に迫っていく様子とその方法をワクワクしながら読み進めていきました。また劇中で三津池が作る料理をはじめ美味しそうな料理描写も秀逸です。
Posted by ブクログ 2020年08月07日
ミケさんと香菜里屋の工藤さんが微妙に被ってしまうけど、内容はこちらのほうが面白かった。長身だけど猫のような男の人ってちょっと想像するのも難しい。
絡繰り、時に嘘がたくさん仕込まれているので、作者の妖術にかかって思い込まされてしまう。謎が溶けた‥‥というかフェイクが明るみに出た時に、なるほど!騙され...続きを読むていた事が面白くなる。
Posted by ブクログ 2018年11月20日
短編集になっているのに最後は長編になっていたというまとまりのある小説だけど、脚本家小杉が書いているのか?と途中止まって読み直しと時間がかかってしまった。
小説家になった小杉が共同で小説を書こうと提案し北森鴻の名前を持ち出す。本当に共同なら北森鴻はミケさんなのか、小杉なのか。。。
Posted by ブクログ 2015年12月03日
紅神楽という劇団の看板女優であるネコさんこと紅林ユリエ。劇団の座付き作家の師匠こと小杉隆一,そしてネコさんの同居人のミケさんこと三津池修。この三人のキャラクターを中心に,伊能,泉谷,谷口,滝川といった大学生達の話が紛れ込み,二つの話が交錯していくという設定。ひとつの大きな話をつくる11の短篇。個々の...続きを読む作品の感想などは以下のとおり。
○ アペリティフ
エピローグ。雪の日に街を歩く謎の男
○ ストレンジ テイスト
劇団紅神楽の次回公演のミステリ劇「未明の家」が完成しない。網野屋という店に店主の妻とその愛人がやってくる。そして,店主か,愛人のどちらかが死ぬ。料理店の店主が犯人なのか?被害者なのか?小杉隆一は,そのどちらにせよ,納得する動機が思いつくことができず,台本を完成することができないのである。ミケさんは,師匠が作った台本に出てくる料理のメニューから,隠された伏線を作り出す。料理店の店主の料理の秘訣は,料理に入っていたアンフェタミン=覚せい剤だったのだ。そして,妻の愛人はスポーツ選手。ドーピング検査で料理の秘密がばれるくらいなら,殺人者になることを選ぶ…。伝説の料理人のこだわりが動機となった。この動機になっとくした師匠は,台本を完成させるべく,執筆を開始するというオチ。話のテンポ,キャラクターの造形の秀逸。傑作といっていいデキ。
○ アリバイレシピ
いわゆる,飴色玉ねぎを作り方がアリバイトリックにんっている作品。伊能由佳理の復讐に利用され,死に至る前の最後の告白の場に呼んですらもらえなかった泉谷という男の悲しい話。なんとも言えないいやな読後感だが,アリバイトリックはさておき,話の作りがうまい。これも傑作といっていいデキ
○ キッチンマジック
再び,紅神楽という劇団の話。師匠,ねこさん,ミケさんの三人がメインキャラ。手際のよすぎるひったくり犯と,ミケさんがラーメン作りに失敗する話。三人組みのひったくり犯が,事故で仲間のひとりが死んだ点を隠すために,ひとりを被害者に仕立てあげる話と,死んだ父のラーメンの思い出がつらい思い出だったので,ミケさんのラーメン作りを失敗させた劇団員の話。これもなかなか。
○ バッドテイストトレイン
滝沢良平という男と,みんなからミケと呼ばれる三津池修が出会う話。滝沢が嗅覚障害者であることと,奇妙な乗客が犯人と警察であることを推理する話。これは普通のデキか。
○ マイオールドビターズ
三度,師匠,ねこさん,ミケさんの話。劇団を貸し切って自分のための公演を行おうとする金持ちが出てくる。師匠は,館の主人が偽物であることを見抜くが,何らかの犯罪に巻き込まれたと推理する。しかし,真相は,CM撮影だったという話。これにより,劇団員が有名になり,テレビ進出を果たしていくという展開になる。また,ねこさんんは昔,泉谷という男と同棲していたことをミケさんに語ると…ミケさんはねこさんの前から姿を消す。
○ バレンタインチャーハン
ミケさんがねこさんの前から姿を消して半年たった時点の話。紅神楽は,CM撮影がきっかけで劇団員がテレビ進出を果たし,座付き作家だった師匠はミステリ作家としてデビューしている。ねこさんが,ミケさんから唯一教わったチャーハンを雑誌に掲載するが,そこで犯罪まがいのことが起こる。ねこさんが作ったチャーハンを食品サンプルを使って撮影し直していたというオチ。作品としては普通程度。しかし,この話から,二つの時間軸の話が交錯してくる。
○ ボトル”ダミー”
ミケさんが残した梅酒をめぐる話。なお,「アリバイレシピ」と「バットテイストトレイン」は,師匠が作家の作中作という位置づけになっている。夏樹裕美が率いる劇団夏毅組の座付き作家の自殺の話が絡められる。真相は座付き作家がダミーで,夏樹裕美が本当の座付き作家だったのだ。最後に,泉谷から,滝沢がなぜ三津池修になったのかの話を聴こうとするところで終わる。
○ サプライジングエッグ
ミケさんと泉谷の関係,ミケさんと滝川の関係が明らかになる。滝川と泉谷が大学生のときに,恩田徹也という研究生が自殺した事件の真相。それは,谷口という男が,生卵を凍らしておき,実験データを狂わせたからだった。罪の意識を持った谷口は,三津池修と名を変える。しかし,それでも罪の意識は晴れない。滝川は,三津池に外国を旅するように言い,時効が中断しないように,自らは三津池として日本に残った。15年が経ち,三津池は帰国し,ミケさんは,滝川に戻る。そして,ネコさんのもとに帰るという話。短編としては普通程度。しかし,キャラ設定がいいので,結構入り込んでしまう作品。良作。
○ メインディッシュ
エピローグ。ネコさんのもとに,ミケさんが戻り,劇団紅神楽が久々の公演をするという話。
○ 特別料理
ボーナストラック。解決編を考えずに,問題編を雑誌に掲載した師匠は解決編を書く事ができず,苦悩する。ミケさんは,師匠の話を聴いて,とんでもない真相が隠されていると師匠に話す。マッサージ機械を改造した電気屋が犯人で,マッサージ機を利用していたことを隠すために死体を切断したのだという…。かくして,またひとつ,新たなバカミスが生まれるのだった…。ボーナストラックとしてはこの程度。最後の最後で,「毛利多喜子」が「北森鴻」のアナグラムであることが分かるというオチ。
個々の短篇のデキがよい。そう思わせるのはトリックのデキではなく,ミケさん,ネコさん,師匠のキャラクターによるところが大きい。メインとなる謎は,ミケさんの正体は誰か?ミケさんはなぜ,ミケさんという名を騙っていたのか?この謎の真相は,「ふーん」と思える程度だが,キャラクターがいきいきしているので存分に楽しめた。★4で。
Posted by ブクログ 2015年11月11日
短編ぽい連作短編ぽい長編小説。ラスト一行まで楽しませていただきました!非常にサービス精神を感じる小説。ご都合主義ではなくサービス精神(笑)そういう意味の★5つ。あれこれオチを想像して楽しかった。
料理もおいしそう。自分で作れそうなのはハムカツとオムレツのホットサンドくらいかしら。
Posted by ブクログ 2015年07月25日
「蛍坂」のなかの『双貌』が大掛かりで複雑になったような。
作中作だったり、実名の小説だったり、正体の入れ替えだったり…
読んでいて複雑で、どれが実態で、どれが虚像なのか分からなくなってくる。
なんだか鏡地獄。
しかし、楽しく読めるのは、ユリエと小杉のボケ突っ込みコンビのテンポの良い会話と、ミケさんの...続きを読む作る美味しそうな料理の数々のおかげかもしれない。
Posted by ブクログ 2014年09月11日
20140911 連作短編なのに、あれ?と思わせるところが巧妙。全体でまとまってくるのでつい最後まで離せなくなってしまった。良い店で美味しいごちそうをいただいた満足感が残った。
Posted by ブクログ 2014年03月12日
「アペリティフ」から「メイン・ディッシュ」「特別料理」にいたるまで11編の美味しい物語が連なっている、ミステリーの連作短編集。前半では一編ごとに舞台が変わり少し混乱したが、読み進めるごとにたくさんの伏線が繋がってくる。「ええっ、そういうことだったの?」と、何度も前を読み返してみたり。実に面白かった。...続きを読む登場人物がみな個性的に生き生きしているのも良かった。
劇団の看板女優である「ネコ」のところに素性の知れない男「ミケさん」が転がり込むところから物語が始まる。この設定、以前読んだ「植物図鑑」とよく似ている。彼の料理の腕前が素晴らしいってこと、彼の真の姿が物語の大きな鍵になる点も同じだ。ただ、「メイン・ディッシュ」はあくまでもミステリーな訳で、彼の果たす役割はちょっと違う。その辺を読み比べる按配になったのも、また楽しかった。
この物語で印象的なのが、彼らに振る舞われる「ミケさん」の料理が本当に美味しそうなこと。お客さんを招いた時に私もこんな風に料理を拵えたいものだと思うことしきり。チャーハンか梅酒か玉子か、どれか一品だけでも今度真似して作ってみようかな。
美味しい料理が登場する小説として評判が良いようなので手に取ったが、正解だった。北森鴻氏の本はこれが初めてだったが、他の作品も今度読んでみようかと思う。
Posted by ブクログ 2014年02月15日
食べ物の描写はとても美味しそうで良かったです。短編の連作になっているのかと思いきや、という展開で面白いですね。ただ途中の伏線があからさまにここ伏線ですよっていうのが読みにくかったですね。あと、知らない人といきなり一緒に住んじゃう主人公もどうかと思います。
Posted by ブクログ 2014年02月14日
美味しそうなご飯の描写がある本を探して行き着いた作家さんの一冊
普通に短編と思って読んでいたら、繋がっていて、えっ?!と思って読み直して、最後にもう一回えっ?!と思ってまたまた 読み直してしまった。
一通り読み終わって、もう一度読み直すことはあるけど、3回読み直したのは初めてだった!
すごい!...続きを読む!
Posted by ブクログ 2013年07月10日
謎の素敵料理人ミケさんと劇団女優ネコさんの日常の謎解き本。
完成されたコース料理のような見事な構成(*'ω'*)
細やかな伏線と回収の手際良さ。
文庫本だけの特別編にニヤリ。
そして作中のお料理が美味しそう!
少しモダンな感じのコミカルさにほっこりでした(*゚Д゚*)
Posted by ブクログ 2024年03月31日
短編が連なる形式のミステリー。
2回、3回と読んでいけば、より理解が深まって面白くなりそうな感じでした。
ネコさんが居候するってのは、リアリティがないかなぁ。。
Posted by ブクログ 2023年12月18日
なんて飯テロ…美味しそうな料理のミステリにはハズレがない。面白かったです。
特別料理の仕掛けも…!
ミケさんのオリジナルの人がまさかの人物でびっくり。名前が合法的に全て違うとなると、知人が名乗っててもわからないな。お話を全て貫くミケさんの秘密はビターでした。
紅神楽の面々も面白い人たち。ユリエさんと...続きを読む小杉師匠の夫婦漫才的なやり取りも面白いし、それをにこにこ見てるミケさんも容易に想像できて良いです。
梅酒、ブランデーと蜂蜜で作るとどうなるんだろ。北森鴻レシピもどなたか。。。
Posted by ブクログ 2023年02月03日
北森鴻の連作ミステリ短篇集『メイン・ディッシュ』を読みました。
北森鴻の作品は、昨年11月に読んだ『花の下にて春死なむ』以来ですね。
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女優・紅林ユリエが小杉隆一と作った劇団『紅神楽』は、推理劇を得意としている。
座付き作者の小杉は大の推理マニアなのだ...続きを読む。
ある雪の日に、ユリエは三津池修と名乗る男(通称ミケさん)と出会い、一緒に暮らし始めた。
過去の経歴が全くわからないミケさんは、プロ顔負けの料理の腕を持っていた。
ミケさんと小杉は、『紅神楽』が遭遇する事件で名?迷?推理を繰り広げるが、そんな折り、ユリエとミケさんの生活に大きな変化が訪れる―。
謎解きの深い味わいが重奏する垂涎のエンタテインメント。
おいしくてせつない、シャープでトリッキーな連作ミステリー。
(解説・千街晶之)
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集英社の『小説すばる』の1996年(平成8年)6月号から1998年(平成10年)11月号に不定期掲載され、『アペリティフ(プロローグ)』と『メイン・ディッシュ(エピローグ)』を追加して1999年(平成11年)3月に書籍化、2002年(平成14年)3月の文庫化に際してさらに『特別料理』が追加された作品です。
■アペリティフ(プロローグ)
■ストレンジ テイスト
■アリバイ レシピ
■キッチン マジック
■バッド テイスト トレイン
■マイ オールド ビターズ
■バレンタイン チャーハン
■ボトル“ダミー”
■サプライジング エッグ
■メイン・ディッシュ(エピローグ)
■特別料理
■解説 千街晶之
小劇団「紅神楽」を主宰する女優・紅林ユリエの恋人で同居人の三津池修(ミケさん)は料理の達人にして名探偵… どんなに難しい事件でも、とびきりの料理を作りながら、見事に解決してくれる、、、
でも、そんなミケさん自身にも、誰にも明かせない秘密が…… ユーモラスで、ちょっとビターなミステリ連作集。
文庫化に際して、新たに特別短編を加筆… さらに美味しくなった、スペシャル・メニューを召し上がれ。
一つひとつのエピソードは、それほど魅力的に感じなかったのですが、それらが伏線となり、物語全体に関わる大きな謎解きができる… ミケさんは誰なのか? なぜこのタイミングでユリエの元を去ってしまったのか? という謎が解けていく瞬間が心地良い作品でしたね、、、
物語の中で、リアルな部分と創作部分(作中作の入れ子構造部分)が混在しており、どの部分が本当で、どの部分が妄想なのかが、ややわかり辛い印象でしたが… 読者をミスリードさせるための意図的な演出なんでしょうね、愉しめました。
各エピソードに登場する料理も美味しそう… グルメミステリでもありましたね。
Posted by ブクログ 2022年01月03日
くるくると状況が変わって、情報も増えるのに、筋の通ったミステリ。著作を読むのは4冊目。すっかりファンになった。あと、これは自分のジンクス。出てくる料理が美味しそうな作品に駄作はない。
Posted by ブクログ 2021年09月14日
ごめんなさい、どうもネコさんが苦手ですね。
料理の描写も中途半端だったかな。
まあ、ミケさんの設定上、余りプロ仕様にする訳にはいかなかったのかな。
自分のなかでは、いろいろと惜しい作品ですね。
Posted by ブクログ 2020年06月10日
中盤から二つの物語が混じり合うミステリー小説。
なんといっても、毎タイトルで一つの料理にまつわるオチが出てくるところが特徴的だ。
あまり聞いたことのない料理やよくある料理でも美味しくなる一工夫が紹介されているのも面白い。
主人公とミケさんの距離感が素敵だった。
Posted by ブクログ 2018年05月09日
ある雪の日、劇団女優のユリエはミケさんという男と出会い、一緒に暮らし始めた。
プロ顔負けの料理の腕を持っているミケさんは、劇団が遭遇する事件も見事に解決に導いていく。
しかし、過去を明かさない彼には誰にも言えない秘密があった。
ミケさんこと三津池修とは何者なのか――。
連作短編集ですが、二つのスト...続きを読むーリーが交互に語られるうちに中盤で絡み合い、一つの本流の謎へとつながっていく…その展開にもまた二重三重の仕掛けが施され、最後まで気を抜けませんでした。
登場人物たちも、みんな魅力的でした。
おいしそうな料理を作りながら飄々と推理をしてみせるミケさんの佇まいも素敵。
サバサバした性格のユリエも好感が持てました。
男性作家が描く女性はステレオタイプが多いので違和感を感じるのですが、ユリエの人物像はリアルで親しみがもてます。
劇団の座付き作家の小杉も、いい味出してましたねー。
毎回、的外れの推理を披露するピエロの役割を担っているのですが、愛嬌があって何か憎めない。
核心を突いた推理をするかと思ったらいきなり突飛な方向にいっちゃって大きくはずしたりとか。
彼が一番魅力的かもしれない。
梁山泊のような劇団のわちゃわちゃした雰囲気も良いし、いつまでも読んでいたい、終わりが来るのが寂しいと思わせてくれました。
ただ、長編としては構成も凝っているしストーリーのメリハリもあって面白く感じるのですが、各短編の謎解きには首を傾げてしまうものもありました。
辻褄合わせというか、説得力に欠ける無理矢理な推理もあって、「有り無しでいえば無しかな・・・」って感じ。
そこが少し残念です。
Posted by ブクログ 2016年07月02日
言うなれば「巧緻」。技巧を凝らしたシェフのお任せコース。
作中の料理が美味しそうなミステリと言うと石持浅海『Rのつく月には気をつけよう』がとても魅力的だったが、こちらもお腹が空く。
連作ミステリが収斂していくさまは実に好みだ。どんでん返し好きとしてはもう一ひねり欲しいところだが。7.5
Posted by ブクログ 2014年08月25日
ねこ視点の話と滝沢編の話がどう交差するのかという仕掛けは面白かったけど、あまりミステリーとしての楽しさは感じなかった。
キャラもミケさんは魅力的だけど、ヒロインのねこさんはサバサバを通り越して、ただ雑な女にしか見えなくてあまり魅力を感じない。
個人的には香菜里屋シリーズの方が好きだな。
ただ、料理の...続きを読む描写は素晴らしかったです。
Posted by ブクログ 2014年03月06日
美味しそう…!グルテン抽出したことあるし、このフライはやってみたいな〜
謎解き的にはもにゃっとするところもあったけど、最後のアナグラムは好きです。
Posted by ブクログ 2013年07月28日
あれ?この拾った男性が料理が上手な設定・・。
というのはともかく。
「香菜里屋」のあとなだけにテリヤの次はミケ?とつい思う。
女優のねこさんとミケと劇団員のワイワイした様子が楽しくて美味しそうで、それとは対照的に暗くてじんわりと不気味な悪意が漂う「滝沢」編。
交互に語られるうちにだんだんと核心にせ...続きを読むまるわけですが。
「まさかフィナーレ直前であの人物が、実はあの人物とああいう関係にあったなんてのは、小説の世界ではご法度だ。」
って、まさにこれ?
途中、こんがらがってしまって理解するのがたいへんだったし、こういうのはあまり好みじゃない。
けど、ねこさん、小杉、ミケが大好きでラストのお話は堪能しました。
ミケさんの料理美味しそうだな。
自分では作れそうにないので、せめて梅酒!
ブランディとはちみつの梅酒はやってみようかな。
と、言うわけでタイムリーにも梅が出回る時期だったので漬けてみた。ミケさんのレシピが知りたかった。
とりあえず、梅1kgにハチミツ300g、氷砂糖300g、ブランデー。
V.O.しか手に入らずどぼどぼと贅沢に。味見をしつつ。
20130616