北森鴻のレビュー一覧

  • なぜ絵版師に頼まなかったのか
     明治時代、東大の教授ベルツのもとで働くことになった少年が遭遇するミステリー。

     も、古き良き時代満載で、ほのぼのいたします。
     が、富国強兵で戦争に向かっていく日本の影みたいなものもしっかりある。その陰影がしぶかった。

     ともあれ、ベルツの人物像が素敵。
     こよなく日本を愛し、人を愛し、人生を...続きを読む
  • 暁英 贋説・鹿鳴館
     鹿鳴館を設計したジョサイア・コンドル。
     彼はなぜ、あのような建物を作ったのか? それの答えは、明治政府の闇と、諸外国との軋轢の中にあった。

     ごついです。
     本文の終わりで555ページ。未完だと知っていたけど、さすがにこのごつさなのでほぼ終わりのところまであるかと思ったら、思いっきり中盤。とり...続きを読む
  • メビウス・レター
    ある作家のもとに届いた不思議な手紙、それは高校を舞台にしたある過去の事件をめぐる告白だった…。登場人物たちが、どのように過去の事件にかかわっているのかわからないまま、過去と現在が錯綜し、新たな事件が起き、物語は混迷を増していきます。わかりづらくはあるのですが、逆にその複雑さがタイトル通りメビウスの輪...続きを読む
  • 孔雀狂想曲
    すっかり北森鴻にハマリました。
    この作品の中で登場するどこにでも居そうな安積に会いたくなりました。
    キリコ・キリコの最後の謎解きの形が目に浮かばずに、チョット消化不良。
    他の作品も引き続き読みたいと思います。
  • メビウス・レター
    長編ミステリ
    なかなか面白かったと思ったを覚えています^^

    解説が愛川晶さんで 個人的にこういう解説なら解説というものも好きですね (^^)
    良解説だと思います
  • 親不孝通りラプソディー
    親不孝通りシリーズ。「ディテクティブ」の続編ではあるが、時代は遡って、カモネギコンビの高校生時代。前作でもちょろっと話題に上っていた信用金庫強盗事件のあらまし。

    相変わらずのカモネギコンビ。トラブルメーカーのキュータに、冷静沈着ながらも結局騒動に巻き込まれてしまうテッキ。終始ちんちろまい(=てんて...続きを読む
  • 狐罠
    贋作を売りつけられた仕返しに、贋作を売りつけるという贋作バトルって趣向が面白い。X線蛍光分析などの科学的な分析に引っかからないような贋作制作の工夫などは興味深かった。古美術という堅苦しい世界を描いていはいるが、キャラはデフォルメが効いてるし気軽に読めた。またミステリーの部分である殺人事件の解明も古美...続きを読む
  • 緋友禅 旗師・冬狐堂
    旗師・冬狐堂シリーズ。

    人間の死と古物にまつわるミステリ。

    表題の「緋友禅」がミステリとしては一番好みだったけれど、人間の情念の深さにぞっとするのは「陶鬼」。
  • 親不孝通りラプソディー
     テッキとキュータのカモネギコンビの高校時代の話。

     っても、テッキから屋台を受け継いですっかり屋台のオヤジになってるキュータの回想からはいっていくので、北森鴻が生きていたら、オヤジになった二人の話をきっと書いてくれたのになぁと…。

     で、お互いのっぴきならない事情で金が必要になった二人が、色々...続きを読む
  • なぜ絵版師に頼まなかったのか
    このタイミングでこの本を読み終わる。ざわつく。心だけでなく、場の空気が、時代が。だから、大丈夫って、そう思う。
  • 狐闇
    解説:野間 美由紀

    一気に読めるミステリー。旗師(鑑定する人? 骨董の売買をする人?)がチベットとの同盟を結ぶために明治政府が偽造したという天皇家の銅鏡を買ってしまい、その口封じ為に酷い目に合う話。ストーリや着眼点面白いのだが、何か足りない感じがする。惜しい!という感じ。そこが北森の他の作品を読ん...続きを読む
  • 親不孝通りディテクティブ
    博多・長浜の迷コンビ、屋台を営むテツキと結婚相談所調査員のキュータが事件を解決。

    冬狐堂シリーズの「瑠璃の契り」にキュータが脇役登場していたので、今作も読んでみた。コミカルで人情味溢れてて、せつなさもあって、北森鴻作品にしては異色な雰囲気のハードボイルドミステリ。硬派と軟派のコンビバランスが絶妙。...続きを読む
  • 深淵のガランス
    「血色夢」の美術用語が難しくて、積読になっていたけど
    ようやく読破!
    「凍月」での若かりし佐月恭壱、つくづく女を骨抜きにする男だなーと。笑
    個人的には、表題作の「深淵のガランス」が好きでした。
  • 深淵のガランス
    ピーコの解説にもあったけれど、
    この作家のもつ空気感が心地よく感じる。
    世界観に浸れるのがよい。

    何度もこの空気に浸りたくなる。
  • 狐罠
    骨董の世界って深い!そして、美術品の価値って危うい。
    フィクションとは思いつつ、食事のときに使える焼き物好き程度でいよう。。。と誓う。
    骨董の世界という普段なじみのない世界の説明のためか、文章がくどくどしく感じられて入り込むのにはやや時間が必要。でも慣れるといっきに加速する。
    殺人事件よりも贋作を巡...続きを読む
  • 狐闇
    古美術や民俗学のペダントリィも面白いけど 歴史ミステリーの骨格があるのが僕のテイストに合う。 しかもその真相がとんでもないホラ話だからたまらん(なんで古代の青銅鏡の謎が征韓論の真相に行き着くんだ!?) 新本格なんてとっくに興味を失ってるけど、 北森鴻だけはいい! もっと読むぞ。
  • 緋友禅 旗師・冬狐堂
    骨董業界とミステリーの相性がいいのだ。 ちょっとプロットが複雑になりすぎるきらいがあるので、 これくらいのライトボリュームはいいかもしれない。
  • 蜻蛉始末
    作者としては珍しい本格時代長篇。やっぱり上手いじゃん。 藤田組贋札事件は「警視庁草紙」にも出てきたエピソードだが、 藤田伝三郎自身はそんな魅力的な人物ではない。 しかし、そこに宇三郎という魅力的な人物を 狂言回しとして配したことにとてもセンスを感じる(山本周五郎の「さぶ」を思い出した。そして「山風が...続きを読む
  • 蜻蛉始末
    正直言って、中盤までは読むのが辛かった…。ただ、「最後まで読まなきゃ面白さが分からない。」と言われて読み始めたので、意地になって読んでました。ある所でそれまでの話しが収束し、「ああ、やられた。。。」と思う事請け合い!
  • パンドラ’S ボックス
    【作品紹介】画壇の若き寵児が突然、不可解な焼身自殺を遂げた。その死に秘められた驚くべき秘密とは?(「仮面の遺書」)。大阪府警に届いた殺人を告白する手紙。少女の死体を古墳の陵墓に埋めたというのだ。捜査は、専門家による発掘調査を終えてからと命じられた刑事は...(「踊る警官」)。大胆な着想と鮮やかな謎解...続きを読む