北森鴻のレビュー一覧

  • 緋友禅 旗師・冬狐堂
    骨董業界とミステリーの相性がいいのだ。 ちょっとプロットが複雑になりすぎるきらいがあるので、 これくらいのライトボリュームはいいかもしれない。
  • 蜻蛉始末
    作者としては珍しい本格時代長篇。やっぱり上手いじゃん。 藤田組贋札事件は「警視庁草紙」にも出てきたエピソードだが、 藤田伝三郎自身はそんな魅力的な人物ではない。 しかし、そこに宇三郎という魅力的な人物を 狂言回しとして配したことにとてもセンスを感じる(山本周五郎の「さぶ」を思い出した。そして「山風が...続きを読む
  • 蜻蛉始末
    正直言って、中盤までは読むのが辛かった…。ただ、「最後まで読まなきゃ面白さが分からない。」と言われて読み始めたので、意地になって読んでました。ある所でそれまでの話しが収束し、「ああ、やられた。。。」と思う事請け合い!
  • パンドラ’S ボックス
    【作品紹介】画壇の若き寵児が突然、不可解な焼身自殺を遂げた。その死に秘められた驚くべき秘密とは?(「仮面の遺書」)。大阪府警に届いた殺人を告白する手紙。少女の死体を古墳の陵墓に埋めたというのだ。捜査は、専門家による発掘調査を終えてからと命じられた刑事は...(「踊る警官」)。大胆な着想と鮮やかな謎解...続きを読む
  • 緋友禅 旗師・冬狐堂
    骨董をあつかう旗師という未知の世界にハマった。
    小品ごとのメインの骨董品に主人公陶子が食いつく理由がよくわかる描写で、特に緋友禅のタペストリーなんか見近にであえないかしら…とか真剣に考えた(苦笑)

    次作“瑠璃の契り”も先ほど読み終わり、切り子椀への憧れがつきぬ今このひとときです。
  • 瑠璃の契り 旗師・冬狐堂
    全作に比べて登場人物の過去に絡むトラブルが多く、少し泥臭さがあったが、その身近さがまた面白さの要因かもしれない。
  • 狐闇
    『狐罠』に続く冬狐堂シリーズ。今度は長編です。

     冬狐堂・宇佐美陶子が手に入れた銅鏡は果たして本当に三角縁神獣鏡なのか。
     贋作者の汚名を着せられた陶子に雪辱のチャンスはあるのか。
     
     古美術だけでなく古代史ミステリーも盛り込んで更に蘊蓄満載の傑作長編です。
  • 瑠璃の契り 旗師・冬狐堂
    旗師・冬狐堂シリーズ短編第二弾。

    前作「緋友禅」より登場人物たちの過去につながる話も多くなっており、冬狐こと陶子の格好いい姿を見れる最後の作品です。

    「倣雛心中」・「苦い狐」・「瑠璃の契り」・「黒髪のクピド」の四篇で構成されており、「瑠璃の契り」ではカメラマンの横尾硝子を初め、雅蘭堂の越名集治、...続きを読む
  • 狐闇
    冬狐堂・宇佐見陶子シリーズ第2弾

    魔鏡を競り市で手に入れたことで話が始まる。
    市に参加していた男が電車に飛び込んだのを皮切りに周囲で命を落とす者が続出。
    陶子は絵画の贋作作りの汚名を着せられ、骨董業者の鑑札を剥奪されてしまう。

    単行本で500ページを超える長さだが、ストーリーの展開、文章の巧みさ...続きを読む
  • 緋友禅 旗師・冬狐堂
    旗師・冬狐堂シリーズ第3弾にして初の短編集。

    「陶鬼」では陶工、「「永久笑み」の少女」は盗掘屋の掘り師、「緋友禅」は染物職人、「奇縁円空」は銘木屋の職人芸にまつわる四篇で構成されているが、どの話も専門的であっても素人にも分りやすい..が奥は深い。

    「緋友禅」での相棒カメラマン、横尾硝子とともにあ...続きを読む
  • 共犯マジック
     最初に読んだ時はよくわからなかったが、再読してみてそのよさがわかった。
     昭和史に刻まれた迷宮入り事件の数々が『フォーチュンブック』という謎の書物によって絡み合う展開は、都合のいいように映るので、事件の真相を知りたいと言う方には向かないが、これとこれが繋がっているのか、とページを後戻りしながら読ん...続きを読む
  • 親不孝通りディテクティブ
    博多弁に慣れるまで、少し読みにくかったけど、全体としては面白かった。
    「〜やろうもん」という語尾が、頭に残って…。

    ハードボイルドテイスト。
    そんなムチャクチャな!と思いつつ…そうかもしれない、そういう世界もあるかもね、とも思ってしまう。
  • 孔雀狂想曲
    ・ベトナム ジッポー・1967
    ・ジャンクカメラ・キッズ
    ・古九谷焼幻化
    ・孔雀狂想曲
    ・キリコ・キリコ
    ・幻・風景
    ・根付け供養
    ・人形転生
  • 狐闇
    狐罠の続編。
    前作を読んで雰囲気に慣れたせいか、物語りに入り込むことが出来た。こうなると勢いで読めるので楽しい。
    やはり会話の部分が多く感じられた。登場する新たなキャラクターがそれぞれに魅力的だ。ガスパールと蓮丈那智が気に入った。
    昔の出来事は連綿と現代まで続いて事件を起こす、という考え方は高田崇史...続きを読む
  • ちあき電脳探偵社
    やっぱり上手だなあ。
    自分が幼かったころ、怪人20面相やシャーロックホームズの少年向けの訳本に夢中になってた頃のワクワクが蘇ってきました。
    脇役のさりげな~いキャラクターづくりがやっぱりうまい。主役二人の家族がいい味出してる。
    この登場人物たちのさらなる活躍を、やっぱり期待してしまうよね。読み終わっ...続きを読む
  • 狐罠
    ”目利き”たちが贋作をめぐって騙し合いを繰り広げる。
    骨董の世界は良く知らないのだが、楽しんで読めた。
    キャラクターはわかり易く魅力的、伏線がきちんと回収してある。半分過ぎたあたりから雰囲気もわかってきて、気分も乗って読みやすくなった。
    この作者ははじめて読んだ。続編も読みたい。
  • ぶぶ漬け伝説の謎~裏(マイナー)京都ミステリー~
    京都の名刹・大悲閣千光寺の寺男・有馬次郎は元泥棒。

    図らずもトラブルに巻き込まれ、昔の腕を生かし、解決する事も暫し。


    京都の古都の風情と、謎解きの妙味を味わえるあの、裏京都ミステリがパワーアップして帰ってきた!


    京都に住むモンとして、通説(ぶぶ漬け出されたら帰れの印)を嘆いている中、明快に...続きを読む
  • 孔雀狂想曲
    東京下北沢にある骨董屋・雅蘭堂の店主が、骨董品にまつわる謎を解く連作短編集。

    サブキャラの安積のキャラクター造形に惹かれるw
  • ちあき電脳探偵社
    小学生向けの軽いミステリ。
    文章のタッチも内容も軽いのでサクッと読むのに最適。
    北森鴻のキレイな部分で構成された物語。
  • なぜ絵版師に頼まなかったのか
    天涯孤独となった十三歳の少年・葛城冬馬。明治元年生まれ。
    東京大学医学部教授・ベルツ宅の給仕として働くことになった彼が
    奇怪な事件に遭遇・解決していく短編集。
    各話で少しずつ成長し、最終話では二十二歳の医学生になっている冬馬と、
    反対に少しずつ老いの兆しが見え始めるベルツ先生になんとも言えない
    寂寥...続きを読む