北森鴻のレビュー一覧

  • 顔のない男

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    ネタバレ

     「空木精作」という男が殺害される。「空木」は,親の遺産で生活をしている生活感のない男。動機も,凶器も見つからない。原田と又吉という刑事は,ひょんなことから空木が残したノートを見つける。ノートは,空木が調査していた事件について書いているように思われた。それぞれの短篇の中で少しずつ「空木精作」の正体が描かれる。島海恭司は,「空木」を訪ね,栄光商事が輸入した違法オイルで妹が死亡したとして,「空木」に,「持田」がどこいるか,突き止めるのを手伝ってほしいという。「空木」は,自分こそが持田であり,自分の生活を確保するために,「持田」を名乗っている者を殺害する必要があると考え,殺害の計画を立て,進めていく

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    2015年12月12日
  • メイン・ディッシュ

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    ネタバレ

    紅神楽という劇団の看板女優であるネコさんこと紅林ユリエ。劇団の座付き作家の師匠こと小杉隆一,そしてネコさんの同居人のミケさんこと三津池修。この三人のキャラクターを中心に,伊能,泉谷,谷口,滝川といった大学生達の話が紛れ込み,二つの話が交錯していくという設定。ひとつの大きな話をつくる11の短篇。個々の作品の感想などは以下のとおり。

    ○ アペリティフ
     エピローグ。雪の日に街を歩く謎の男

    ○ ストレンジ テイスト
     劇団紅神楽の次回公演のミステリ劇「未明の家」が完成しない。網野屋という店に店主の妻とその愛人がやってくる。そして,店主か,愛人のどちらかが死ぬ。料理店の店主が犯人なのか?被害者なの

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    2015年12月03日
  • メイン・ディッシュ

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    読んでてお腹が鳴りそうな、美味しそうな話。
    内容も綿密に計算され尽くされた連作短編。久々に美味しいミステリごちそうさまでした。

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    2015年09月02日
  • 孔雀狂想曲

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    冬狐シリーズよりカジュアルな雰囲気がある骨董ものです。
    ストーリー展開はほのぼのしているものの、モノを見極める時の緊張感はしっかりあります。
    どちらも甲乙つけがたい面白さでした。

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    2015年08月27日
  • メビウス・レター

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    過去から届く謎の手紙。
    主人公がなにがしかの罪を犯していることは、早々にほのめかされているけれど、実はこの手紙は本当に、実験的な青春小説でした、というオチが用意されているのではないかとか、勘ぐってしまった。

    読み進めながら、犯人をいろいろ推理してははぐらかされるという、王道の推理小説。
    しかし、後半、いきなり自分が立っている天地がぐるんとひっくり返る。
    ぐるん、ぐるんが何度も。
    そうか、これがメビウス小説なんだ!
    面白かったです。

    ただ、若桜妙子は気味が悪かったなあ…
    こんな感じの人、いろんなイベントで見かけますよね、ここまで狂気でないにしても。
    有名人は大変です。
    しかし、この作品の登場

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    2015年08月16日
  • メイン・ディッシュ

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    「蛍坂」のなかの『双貌』が大掛かりで複雑になったような。
    作中作だったり、実名の小説だったり、正体の入れ替えだったり…
    読んでいて複雑で、どれが実態で、どれが虚像なのか分からなくなってくる。
    なんだか鏡地獄。
    しかし、楽しく読めるのは、ユリエと小杉のボケ突っ込みコンビのテンポの良い会話と、ミケさんの作る美味しそうな料理の数々のおかげかもしれない。

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    2015年07月25日
  • うさぎ幻化行

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    ネタバレ

    二匹のうさぎが入れ替わり立ち替わり…と不思議な雰囲気の連作短編集。
    最近出版業界とかライターさんが主人公のお話を続けて読んでる気がする!そんなちょっとした偶然。

    それにしても、まさかまさかのオチでした。
    うわー、セツナイ。

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    2015年07月05日
  • 親不孝通りラプソディー

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    北森鴻さんの作品には魅力的な主人公が多い。民俗学者の蓮丈那智、旗師.宇佐美陶子、私は香菜里屋のマスターが好き!この鴨ネギコンビのはちゃめちゃさ、弾けっぷりはなかなかのものでした!

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    2015年03月17日
  • 孔雀狂想曲

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    この作品の主人公は雅蘭堂の店主、越名集治。この主人公、普段は普通のおじさんぽいのだが、なかなかのキレ者、閃きと豊かで鋭い感性で骨董品を巡っておこるミステリーを解決していきます。短編ですが念入りな作品ばかりで楽しめました。

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    2015年03月17日
  • 闇色のソプラノ

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    私、北森氏のファンなんです。
    特に異端の民俗学者・蓮丈那智(女性ですよ)と旗師・冬狐堂の。
    なので初めてノンシリーズを読んだじゃないかな~もしかして。
    本書もそうでしたが、北森氏のすごいところは、なんといっても複雑に絡み合うプロット!
    読んでいて先が見えないのよ、ホント。
    それと、本書にも民俗学的な部分も織り込まれているし。
    あと、ラストの驚愕な真実には、お~~となってしまいました。
    過去と現在、それから手記などをうま~くミスデレクションへと導いていたり。
    やられた~っていう感じがします(笑)。
    ますます北森氏ファンになったことは言うまでもありません。
    まだ北森氏作品を読んでいない方には是非お

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    2015年01月14日
  • 緋友禅 旗師・冬狐堂

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    女性旗師、冬狐堂を主人公に骨董業界に起こる怪事件を巡る短編集。
    蓮丈那智シリーズと双璧をなす作風で、どちらもヒロインの深い造詣と孤高の人生が格好いい、
    相当な下調べが必要だったと思われる深い内容は、あたかもノンフィクションのような読み応えがあります。

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    2014年10月06日
  • 孔雀狂想曲

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    20140923 作者のいろいろなシリーズを一通り読んでみた。男が主人公のシリーズの方が軽みがあるような気がする。続きが読めないのが残念だ。

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    2014年09月23日
  • メイン・ディッシュ

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    20140911 連作短編なのに、あれ?と思わせるところが巧妙。全体でまとまってくるのでつい最後まで離せなくなってしまった。良い店で美味しいごちそうをいただいた満足感が残った。

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    2014年09月11日
  • 共犯マジック

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    最後ですべてが繋がった。ただ、読む前に書評を読んでしまっていてかなり期待が高まってしまっていたので、正直そこまででもなかったかな。

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    2014年07月21日
  • 親不孝通りディテクティブ

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    クールでホットで粋でダサい。
    故郷を持たないテッキとバリバリ博多っ子のキュータ。
    二人の共通点は女性の好みくらいか。

    それでも、こんなに息の合ったコンビはいない。
    長浜で屋台のおやじをやっているテッキは、30歳にまだなっていないというのに、枯れた風情。
    結婚相談所で働くキュータは、もうそろそろ30代に手が届くかという歳なのに、とにかく刹那的。計画性というものが全くない。

    たいていキュータが事件をテッキのところに連れてくる。
    で、一つの事件をキュータ視点から、テッキ視点から、交互に語る。

    やってることはハチャメチャなのに、なぜか淋しいんだよ。彼らが。
    好き勝手やっている彼らを見ていて、なぜ

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    2014年07月10日
  • 支那そば館の謎~裏(マイナー)京都ミステリー~

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    保津川左岸を渡月橋から登った先に実在する大悲閣。訃報を知った時に、北森氏の供養代わりに参拝したことを思い出します。
    本書でも紹介されている通り、まさかこんなところから京都市内が一望できるとは驚きです。観光客も殆どおらず、ゆったりと時間を過ごせる大好きな場所になりました。

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    2014年06月29日
  • 親不孝通りラプソディー

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    前作がほろ苦い短篇集だったのに対して、本作はエンターテイメント長編。細かい仕掛けがあるから、シリーズ化すればススキノ探偵に対抗するものになったんじやないかなぁ。それが残念。

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    2014年06月14日
  • うさぎ幻化行

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    面白いんだけど、展開が急すぎる気も。

    原作モノを映画化したような行間が多い作品。

    うさぎの謎は面白い。

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    2014年06月09日
  • 共犯マジック

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    ネタバレ

    本屋でPOPに惹かれて手に取った一冊。
    いやはや予想外に面白かった!これだから本屋徘徊はやめられない(^_^)

    災厄のみを予言するという「フォーチュンブック」が若者の間で爆発的にヒット、その影響で自殺者が多発したことからついには発売禁止にまで至り、社会現象となっていた。
    そんな中ある書店でたまたま同じ日にフォーチュンブックを手に入れた7人の男女、運命の黒い糸に導かれるように彼らはそれぞれの犯罪に手を染めて行くのだった。

    帝銀事件、グリコ森永事件、3億円事件など…昭和の事件史を勉強したいと思える内容でした。
    この作家さんは初めてでしたが、連作短編を全部読むと長編ミステリーになるという作風のよ

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    2014年05月30日
  • メイン・ディッシュ

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    ネタバレ

    「アペリティフ」から「メイン・ディッシュ」「特別料理」にいたるまで11編の美味しい物語が連なっている、ミステリーの連作短編集。前半では一編ごとに舞台が変わり少し混乱したが、読み進めるごとにたくさんの伏線が繋がってくる。「ええっ、そういうことだったの?」と、何度も前を読み返してみたり。実に面白かった。登場人物がみな個性的に生き生きしているのも良かった。

    劇団の看板女優である「ネコ」のところに素性の知れない男「ミケさん」が転がり込むところから物語が始まる。この設定、以前読んだ「植物図鑑」とよく似ている。彼の料理の腕前が素晴らしいってこと、彼の真の姿が物語の大きな鍵になる点も同じだ。ただ、「メイン

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    2014年03月12日